端午の室礼-2016 

ここ滋賀県ではもう田植えが始まっています。夜になると蛙の声も聞こえ始めました。このところ汗ばむような陽気が続いて、日差しの眩しさを心地よく感じるのと同じくらい、日陰の落ち着きにも安堵を覚え始めています。あぁ、もうそろそろ初夏ですね。今日五月五日は端午の節句。子供の日でもありますが、古来厄払いの行事を行う日でもあります。

平安時代の「端午の節会(せちえ)」という宮中行事で、菖蒲や蓬などの薬草を丸く編んだ薬玉(くすだま)を柱に掛けたり、腰にぶら下げたり、貴族同士で薬玉を贈りあう習慣があったそうです。それにならって身近にある蓬で端午の室礼をしてみました。

蓬の薬玉

蓬を摘んできて、なんとなくまあるく束ねます。五色の飾りに結わえ、白檀の香りも添えると薬玉らしくなりました。厄を払ってね、この先も健康でありますようにと祈願して壁に掛けます。

 

かつて生死がいつも傍にあった時代、頼るものは祷りや護符であったのでしょう。薬玉はそんな想いが形となったもの。医術がこれほど発達した現代でも祷る気持ちがなくなることはありませんよね。無事を願う気持ちは、きっとその方を守ってくれるに違いないと私は思います。

 

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柏餅、いい香りでもっちりとして五月に食べたくなるお菓子です。柏の木は新芽が出ないと古い葉が落ないので、それにあやかり親が子の無事を見届けられるようにとの願いを託して作られたのだそう。

 

毎月何らかの年中行事がありますが、五節供は特に意識します。室礼はいつも植物や言霊の力にあやかって整えられるため、自分で行ってみると改めてその魅力を知ることができます。そしてこうも思います。自然にきちんと向き合って、逆らうのではなく添って暮らすことは、当たり前のようですが結構難しい・・・。

今の時代便利すぎてね。寒くても暑くても文句を言って、素晴らしいところも見失っている私。年中行事はそんなワガママな自分を立ち返らせてくれます。忘れないようにしよう。

 

 

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