いつも真剣な材料選び 

先日は庭石を選びにある造園屋さんの土場(資材置き場のことです)へ伺いました。

造園材料、とりわけ石や木は、専門の材料屋さんにお願いすることが多いのですが、今回のように個人の会社で持っておられるものを譲っていただくこともあります。旧い庭から出た石や灯籠、今はもう採掘不可能な石、親方のお眼鏡にかなったお宝・・・等、面白いもの、珍しいものに出会うこともたびたびです。こういう材料を使って作ると、出来立てほやほやでも、味のある庭になります。

とにかくデザインの方向が決まったら、まずはイメージに合う材料が予算内で入手できるかどうか?です。ここを押さえねば何も始まりませんので、アレコレ探すわけです。

 

思いがけず牧歌的に撮れた一枚。いいお天気だったからね~。まるで石が放牧されてるみたいwwwここはどこ?! 造園屋さんの資材置き場(通称「土場」と呼ぶ)です。

 

今時は個人邸で石を据えたり組んだりする庭づくりが少なくなっているから、ずっと置かれたままの石も多いようです。使わないと宝の持ち腐れなだけでなく、職人さんの技の伝承機会も減るということです。

庭に石を置くとなると、本格的な日本庭園を作るんだ!って思われがち。石は景色を作るものでもありますが、そう重く考えずとも「オブジェ」としてモダンに使ってもいいじゃないですか。ロックガーデン風にナチュラルな使い方も出来ます。だから若い方にも機会があればどんどん提案したいと思っています。職人さんの技を発揮できる機会を作ることにもなりますし。

 

ひとつひとつ丁寧に見ていき、たくさんある中から場に合う石を選びます。

 

エクステリア資材は寸法が決まっているので簡単です。簡単といえば、最近のブロック材は目地を入れなくてもOKな積み木のようなものもあってビックリします。門壁はユニット化されたもの多く出ています。技がなくてもマニュアル通り組み立てればいいようになっている。職人さん不足の影響でしょうかね。

一方自然材料は基本的には現場合わせです。素材をどう料理するか?設計者や職人さんの技量が試されます。一点ものだから定価はないけれど、場に合えばとてもいい庭になると思います。

お客様のご希望に合わせて一番合う材料をおすすめし、どんなパターンもご提案出来るように、頭の中で日々いろんな情報を最適化しています。

 

 

ローメンテナンスな新・宿根草主義の庭へ

毎日ポカポカ陽気。関西ではこれから週末にかけて一気に咲き揃いそうでお花見が楽しみですね。

お庭でも可愛らしい芽があちこち顔を出し始めている頃ではないでしょうか。遅霜の心配もいらなくなって、苗の植えつけにはちょうどいい頃です。ディアガーデンも先だってディスプレイガーデンの植栽を一部リニューアル!苗をたくさん植えました。

主に変えたのは事務所前の花壇。建物の北西に位置し道路からもよく見えるので、ディアガーデンの看板的役割を担う場所です。要は前庭ってことで、常にきれいに見せたい場所でもあります。

でも、日当たりが悪く、風当りが強い、西日もガンガンに当たるという悪条件が三つ揃った難しい場所なんです・・・((+_+))

こんな過酷な条件でも生き残った少数精鋭の植物たちは主に自生植物たちでした。楚々とした花、瑞々しい葉、そういう植物たちです。自生植物なので当然ローメンテナンス。

この植栽に定着して5,6年経ちますので、自生種の良さを十二分に味わい尽くしました。いろいろ試した経験から「日陰をローメンテナンスで明るく潤いある植栽に」というリクエストがあったら即座お応えできる自信もつきました。

 

事務所前花壇。昨年の春の様子。見えているのはアオキ、アジサイ、アマドコロ、ベニシダ、シラン、ハラン、スギゴケ。全部自生種!明るい葉が元気モリモリで場を明るくしてくれています。

 

結構気に入っていましたが、ここ数年変えたいってずっと思っていました。ディスプレイガーデンは私の実験の場所でもあるのです。常に新しい試みをせねば進化はありません。

そこで、いまやってみたい植栽デザインがあって、それがこの過酷な場所でも成り立つのか?実験にトライします!

 

新しく招いた植物たち。プリップリです。

 

それは今より更にローメンテナンスな植栽。それでいて、自然で、風に揺れるようなさり気なさ、かっこよさがあります。そういう植栽はどんな住宅にも合いますから、これからいろんな場所でおすすめしていきたいと考えています。一番過酷なこの場所でもうまく表現できるか?実験開始です。

 

イメージするのはこんな花壇。ローメンテナンスな新・宿根主義の植栽。

 

現状の自生種の低木を背景として生かし、宿根草のほとんどは入れ替えました。

強靭なグラス類を中心に、この場所で育つ実績があって乾燥に強いアルテミシア、花は日本にもあるトラノオ系や野放しOKなバーベナ系をピンポイントで植えます。日当たりが悪いので多くは求めませんが、儚げに咲いている感じもまた良いものです。

 

これまでここで育てていたアマドコロやヤブコウジは他の場所に移植。新しい苗を植えつけて1週間後の様子です。まだ頼りないけれど、もう活着して広がりはじめています。

 

グラス類は景石や砂利ともよく合います。ススキやカヤツリグサ系といったこれまで雑草とみなされていたような植物にもっと注目したい。彼等は雑な草はではないのだから。和風の庭でも植える量を調整すれば、この植栽デザインを応用できる、モダンで新たな眺めを作れるはず、と思っています。

また、住宅会社さんの作るエクステリア商材とコンクリートだけの「カチンコチンな外構」。それを和らげる緑を取り入れてもらえるように。ローメンテナンスな植栽デザインなら、もっと取り入れて下さらないでしょうか。ディアガーデンならエクステリア商材にもローメンテナンスな緑を添え、見栄える外構にします。

というのも、もともと何も植えずにお引き渡しすると土壌が造成土のまま。お引っ越し後気持ちの余裕が出来て、花でも植えようという気になった奥様は、これまたカチンコチンな造成土では植えられず、結局鉢に植えるしか出来ない。土の量の少ない鉢では水を遣らねばすぐ枯れるという顛末です。土がありながらプラ鉢が無造作に並べられていく不思議な光景は、こういう仕組が原因の一つだと思うの。

ローメンテナンスでカッコいい植栽を広めたい。この実験はさてどうなるか?!うまくいきますように・・・。この夏が楽しみです。また成長の過程を追々UPしますね。

 

 

日々小さな感動を 

京都文化博物館で開催中の「ターナー風景の詩」展に行ってきました。

ゴッホ展にはすごい混雑とのことで行きそびれましたが(まぁそれほど興味がなかったのでいいのです)こちらはそこまで混んでないだろうし、ターナーの作品を関西で見ることも稀なので、とっても楽しみにしていました。

風景画で有名なイギリスの画家ターナー。描かれた風景に漂う「空気感」が妙にリアルに漂ってくるのが何とも不思議な感じです。風景画、特に海の大作には圧倒され、本の小さな挿絵に癒され、エッチングの細やかさに驚き、本当に見応えある展覧会。私が知らな過ぎたのですが、未知なるターナーに触れられたことが喜びでした。

普段は小さな美術館で好きな琳派の絵ばかり見ていますが、こうしてたまに海外の絵を見ると、奥行が凄くてクラクラします。大々的な展覧会は展示されている数もすごいし、楽しいけれどやっぱ疲れます。疲れるけど、この心震える体験は癖になるのよね。

いつも企画展や美術館に行くと思うのですが、何百年も前の作品とかね、それも本物をこんな至近距離で見られるなんて。世が世なら高貴な方々しか見られなかった絵も千円かそこらで見せてもらえるのですから、今の時代に生まれて本当に良かったと思います。なんて贅沢なんだ。

 

クリックするとターナー展の特設サイトにリンクします。

 

出品作の多くは日本初、しかも第一級品ばかりということです。私は週半ばのお昼頃に行きましたが、一枚の絵の前には2、3人しかおられず、割と空いた状態でしたよ。ゆっくり見せていただいてよかったです。

この春はあと二つ見る予定です。

私は絵を見ることだけじゃなく、美術館そのものも大好き。この2館は過去何度も行っている「馴染みの美術館」なので、ゆったり楽しんできます。

 

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巨匠の絵とは、また全然違うものですが、次は可愛らしいコンサートのこと。市内の中高吹奏楽部合同の定期演奏会に誘っていただきました。

 

なんて可愛らしいパンフレットなんでしょう♡このイラストを見ただけで悶絶。

 

ご近所さんなんですが、ある女の子が吹奏楽部で頑張っているんです。彼女は小学生の時からディアガーデンのワークショップに毎年来てくれたり、普段もたまにですが遊びに来てくれて、私の勝手な思いですけれど、もう可愛くて可愛くて!中学校に入って、さすがにふらっと遊びには来れなくなった彼女が「良かったら聞きに来てください。」って誘ってくれて♡とっても楽しみにしていました。

時々練習している音は聞こえていたものの、演奏している所は見たことがなかったので、舞台に立って真剣に吹いている姿にちょっと感動。近所のおばちゃんですらこうなのですから、親御さんならどれほど感慨深いものでしょうか。

中学生の初々しい音色、高校生のビシッとしっかりした音色、どちらも楽しくて。生演奏を聴くのも久しぶりだったし、クラシック以外にも知っている曲を何曲も演奏してくれて、楽しんでもらおうという子供たちのあたたかな気持ちが籠った素敵なコンサートでした。最後のフィナーレなんて、全員がホールを取り囲んで大演奏!子供たちの真剣なまなざし、純粋さ、まじで泣きそうになったよぉ。

なんかね、すごい綺麗なオーラを浴びたなぁという感じです。プロの演奏も確かに素晴らしいけれど、こういうのもいいな。

 

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それで思ったのですが。

小さな感動は、心に刺激を与えてくれたり、癒してくれたり。その心の動きが研磨剤となって、魂を磨いてくれそうな気がしています。年を重ねて、何でもない日常で感動する場面に出会えることは、本当に贅沢でかけがえのないこと、と思います。感動する感度も錆びつかせないようにしたいもの。

シラーッと過ごしているときも多いので注意したいです。

 

 

ジョン・ブルックス氏のこと

イギリスの偉大なガーデンデザイナー、ジョン・ブルックス氏が3月16日に亡くなられたそうです。ご冥福をお祈りすると共に心より感謝申し上げます。本当に有難うございました。

この業界で、とりわけイングリッシュガーデンに一度でも触れた人なら、彼を知らないはずはない。そんな有名な方です。

私がジョン・ブルックス氏の存在を知ったのは、ガーデンデザインの仕事に就くずっとずっと前、多分今から20年以上前のこと。まだ兵庫県に住んでいた頃で、確か姫路市のとある書店の洋書コーナーで、氏の著書「THE NEW SMALL GARDEN BOOK」を手に取ったのが最初です。

ちょうど家を新築したばかりで、小さいながらも初めて自分の庭を持った私。本にある庭に触発されまくっていました。彼がどんな方かも知らなくて、書かれている内容もほとんどわからなかったのに、ただ見ているだけでワクワクしたのを覚えています。

ガーデンデザイナーという職業があることも、その頃初めて知ったように思います。

 

初めて買った洋書がジョン・ブルックス氏の本でした(左)。次に和訳されたガイド本も買って(右)この2冊は穴が開くほど見ました。今も大切に持っています。

 

それとほぼ同時期だったと思うのですが、NHKBSでイングリッシュガーデンの番組が11回シリーズで放送され、その中でもジョン・ブルックス氏の庭を見ています。

その番組は個人の庭をリフォームするという内容で、毎回ガーデンデザイナーは変わります。クライアントの希望を聞くことから始まり、デザインするところ、工事の様子、完成から数か月経った様子まで、本当にわかりやすく伝えてくれていました。ブルックス氏の他にも有名デザイナーの作品が次々放送され、これまた全く知らずに、ただただワクワクして見ていました。毎回番組を録画して、今思うと笑っちゃうくらい一生懸命勉強していました。実はそのノートが残っているんです。懐かしい・・・(下↓の画像)

何にもないところに植物を使ってこんなに素晴らしい空間が作れるのか!クライアントの暮らしを快適にするだけでなく、喜びも感じてもらえて、ガーデンデザイナーってなんかすごい職業だって思いました。

これらのことが本格的にガーデンデザインを学ぶキッカケの一つとなり、今の私に繋がります。

 

ジョン・ブルックスさんがデザインされたお庭のレポート。植栽リストまで細かく一生懸命書いてたw 植栽を3つのグループに分けて考える手法は参考になりました。

 

私にとってジョン・ブルックス氏は、ガーデンデザインの世界への扉を開けてくださった方。お会いすることはありませんでしたが、それから何度もTVや紙面などで拝見しました。20世紀のモダンガーデンを牽引してきた氏から学んだことはとても大きいです。

選ぶ植物は、21世紀の環境に合わせて変わっていきますが、デザインに対する考え方や姿勢は同じ。リスペクトは続きます。

 

 

芽出し球根のアレンジ

春に咲く球根の花。アネモネやヒヤシンスにスイセン、クロッカス、ムスカリ、フリージア、そして誰でも知っているチューリップと、色々ありますね。球根から育てるのが一般的ですが「芽出し球根」といって、花を咲かせた状態の球根も買えるようになりました。

そしてこの頃は、その芽出し球根をお部屋で楽しむことが流行っている様子。

ディアガーデンでは、バラにつくコガネムシ類の忌避を期待して、一緒にスイセンを育てています。検証をはじめて2年が経ちますが、今のところ根を食害されることもなく助かっています。

3月に入って可愛らしい黄色い花が次々と咲き始めました。一部をそっと掘り上げて根洗いして球根ごと器に飾ります。切り花にない自然な姿がとても新鮮。

簡単にできるのでオススメしたいです。

 

芽だし球根のアレンジ。根が見えているところが面白い。素朴なんだけど、こうして整えると澄まして見えますね。

 

作り方は見たまんまですけれど・・・。ポイントを書きますと

  1. 球根を掘り上げる時や土を落とす時は傷めないように、また一緒に植えている植物も傷つけないように、そっとやさしくね。
  2. 器は好きなものでOK。私は清潔な感じがするのでガラスにしました。脚付きだと、ただの球根がより洗練されて見えます。
  3. 器の底に根腐れ防止剤を入れる。(下の写真参考)
  4. 器によりますが、ぐらつく場合は苔や小石を軽く詰めて安定させます。

 

根腐れ防止に珪酸塩白土を少し入れておく。ミリオンという商品名で売っています。

 

 

球根が浸からない程度に少しだけ水を遣ります。切らさないようにだけ注意。

 

冬はモノトーンだったソファの周り。春だから壁のアートワークもカラフルにチェンジ。同じ色合いに揃えてみました。

 

ダイニングに飾る場合は、より清潔に感じられるように大き目のガラスに入れて。

 

球根ごと活けているので、すごく生き生きしています。時々寒いところに出すと長持ちするんじゃないかな。花が終わったらまたバラの根元に戻そうと思います。スイセンの他に、ムスカリやクロッカスなども絶対可愛い。増えすぎる野生のスミレも同じように根洗いして飾ると、庭とはまた違った雰囲気で楽しめます。

是非やってみてください♪

 

 

庭メンテと今年初のテラスdeランチ 

今週は春本番さながらの陽気。昨日の午前中はディスプレイガーデンをひとまわりして、植物の様子をチェック&メンテナンスしました。

落葉系は順調に芽を出しつつあります。でも芽を出すのは雑草も同じで、虫もまた出てきます。この二つは見つけ次第やっつけておくに限ります。特に雑草は、汗をかかない今のうちに取っておくこと。夏の苦行を減らすことが出来ます。

ディスプレイガーデンによくいる虫といえば、イラガ、スギドクガ、カイガラムシ、ハムシ系、菌類です。これらはどこからか飛んでくる、まさに招かれざる客。農薬を撒きまくってないため、毎年一定量は食害されます。虫一匹たりとも許さん!とは思っていないので、ある程度は仕方がないことと大らかな考えです。

私の対処法としては、健康に育てることを基本に、風通し良くすること、見つけたら手で取る、剪定で枝ごと処分、天敵利用、予防のための薬剤(木酢液に+α)散布、などです。これでダメなら、最終手段として農薬に頼るという感じです。

お客様やお庭の状況は其々ですから、このお手入れ法を押し付けるつもりはないんです。手を掛けられない時もありますよね。だから農薬で防除するお仕事もしています。ただ、ディスプレイガーデンはいつも目の届く所なので、虫の観察や対処の効果などを確認したいこともあって、今のかたちに落ち着いています。

この日実際にやった害虫対策を以下にまとめてみます。手軽に出来ることもあるので。

  1. 触れると厄介なイラガは、まだ蛹の状態。茶色で小さな豆のようなものが幹に密着しています。この一匹がたくさん卵を産むのです!今なら素手で大丈夫ですから、取って捨てる!
  2. 葉裏に卵を産まれていないか要チェック。落ち葉が残っていたら、そこで越冬している虫がいるかもしれませんから取り除きます。
  3. カイガラムシはこそげ取るのが一番なんですが、沢山いる場合は本当に厄介。嫌になる!今年はアオダモの木全体に白いカイガラムシが付いてしまいました。今なら幼虫か?と仕方なしにスミチオンを撒きましたが、どうなることやら。やっぱり手でとるしかないかな。

茂る前は観察しやすいですし、農薬を撒かなくても対処できるかもしれません。

とにかく・・・庭へGO!!!(←ドラマ「家を売るオンナ」の北川景子さんの口調で。Do you know?)

 

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色々やっているとあっという間にお昼に。いいお天気ですし、ランチはそうだ!テラスでいただくとしよう。

ってことで、今年初の「テラスdeランチ」です (人*´∀`)

 

ポカポカ陽気のテラス。

 

有り合わせの焼きうどん+ノンアルコールビール。冷たいドリンク飲んでも、もう寒くないのが嬉しい。

 

テラスでランチといっても、一人のときは普段ダイニングでいただくのと同じメニュー。ただテラスのテーブルに移すだけです。

でもやっぱ、外で食べるとうまーい!(ノ´∀`)ノ

 

ローズマリーの花が日差しを受けて笑ってるw

 

少し霞んだような春の青空。モミジの芽が随分と膨らんできました。

 

お日様サンサン。ひたすらあったかくて幸せな気分。

あぁ冬を乗り越えた感ハンパない・・・。きっと植物もそう思ってるよね。

 

 

「陰翳礼讃」の新刊

日本の美について深く考えてみたい人々にとってのバイブル「陰翳礼讃」。文豪 谷崎潤一郎(1886-1965)が昭和8年に書いた名作で、ご存じの方もきっと多いことと思います。

初めて読んだのはいつだったか定かではないのですが、恐らくそれから12、3年、いやもっと経つかな。日本の文化や美学の成り立ちについて「なるほど、そういうことか」と納得した覚えがあります。以来、折に触れ読んでいます。

最初は文庫本でしたが、近頃はデジタルになり、タブレットで読んでいました。それが今年になって新刊が出たのです。なんと、美しい写真つきです。

「空気を撮る名匠」「気配を捉まえる達人」と評される大川裕弘さんという写真家の100点を超す作品が、谷崎ワールドをビジュアル化しています。それがなんとも美しく、まるで写真集を見ているよう。文面からはピンとこないという方も、写真と一緒だとわかりやすいと思います。

 

2018年1月に出たばかりの「陰翳礼讃」。これから読む方にオススメです。

 

昔の住まいの陰影は、その深さは、現在の物とは掛け離れているように思います。だから若いころの私は、派手な金屏風や蒔絵の存在価値も、眉を落とし鉄漿(おはぐろ)や玉虫色の紅を塗る化粧の美意識も分からなかった。この本を読んで初めて腑に落ちた事柄は多い。腑に落ちたからといって、鉄漿が素敵!とは思わないように、昔に戻れない価値観もありますが。

でも、陰翳があるからこそ、一瞬のきらめきが美しい。陰の濃淡に侘び寂びも感じるのです。成熟した庭でそういう光景を見たとき、魂が震えるような心地がします。自分はやはり日本人であると思う瞬間です。

私達は、新しくて明るいことよりも、時の流れとか翳りとか、そんなことの方を大切に感じてしまうところがある。

 

昨夏訪れたとある場所。谷崎曰く「庭を造るにしても、我等が木深い植込みを設ければ、彼等(ここでは西洋の人々を指す)は平らな芝生を広げる」

 

実はここ15年程和室のない暮らしをしています。私に限ったことではなく、そういう方も多くおられると思います。それでも和のない生活は考えられなくて、室礼や工芸品、伝統芸能、書、着物、器、食事、花活けに至るまで、触れる機会は沢山あるものです。その時、そういうものがかつて置かれていた背景や物語を知っているのと知らないのとでは、受け止め方が変わってくるのではないかと思うのです。

この本にある風流な暮らしと今の私の暮らしとは、確かに違いがあるけれど、陰影に美をみる感性は捨てずにいたいです。

 

和室のない我が家での陰翳礼讃はこの程度。ライトアップした庭を美しく見るために室内の照度を落とします。谷崎氏には、まだ明るいと言われそう。

 

月の美しい夜は灯りをつけないとか。

 

以前宿泊したとある温泉旅館のロビー。ロビーなのに暗い。この感性こそが新しい!と思いました。

 

これからの時期、うららかな光の傍にある春独特の陰翳が楽しみです。陰影にも季節感はあると思う。私なりの陰翳礼讃をこれからも発信していきますね。

 

 

またおもてなし(^^*

昨日は義兄夫婦が用事ついでに寄ってくれるとのことで、ちょっとしたお茶のおもてなし。

お茶菓子をと、前日にレモンクッキーと焼きプリンをこしらえておきました。最近オーブンを新調したので、嬉しくて・・・毎週のように何か焼いています。ハマっているといっても過言ではない(^m^

 

日差しがすっかり春めいた午後。テーブルコーデのテーマはズバリ「春」。グリーンを全体に散りばめてみました。

 

いろんな食感のプリンがありますが、目指したのは、しっかり硬めのクラシックプリン。卵液を2回濾し、低温でじっくり焼いたので、びっくりするほど滑らかな口当たりに仕上がりました。(←味見せずぶっつけ本番で出して自分が一番驚いてる^^;)上に何か飾る余裕はなくて、地味~な見た目ですが、懐かしい味が好評でした♪

また作りたいです。

 

テーブルのお花は根付きのカランコエ。たった二鉢だったのが増えて増えて・・・いまディアガーデンで一番咲いている花です。

 

ザクザク食感の爽やかレモンクッキー。広島レモンが手に入ったので、皮もすりおろして入れました。お出しした分以外に、お土産用や自分用にと、たっくさん焼けるのが手作りのいいところ。

 

今週は春本番の陽気とか。ディスプレイガーデンのクリスマスローズもようやく咲き始めました。そろそろ庭仕事、庭工事スタートです。

・・・その前に、鈍っている身体を目覚めさせねば。ガーデンデザイナーは案外身体を使う仕事なんです。冬の間緩やか~に続けていたトレーニングにも本腰を入れようぞ!

 

しなやかな筋肉作りに、私はヨガを中心としたおうちトレーニング。

 

っと、まぁ、こんな風に休みの日は過ぎていきます。

 

 

植栽をより楽しむためのデッキ基礎 

先週末は近江八幡市文化会館で行われた「吉本新喜劇お笑いライブ」に行ってきました。

物心ついた時から休日のお昼はTVで新喜劇。今も夫婦そろってよく見ています。ライブはもう何回目かな?今回は歩いて10分とかからない文化会館なので「やっぱ行っとく?」的なノリで出掛けました。

ライブは漫才と新喜劇の二部構成。面白かったのが中川家の漫才です。たぶん半分はアドリブじゃないかな?独特の世界観に爆笑。新喜劇は地元ネタ満載でいつもながらサービス精神旺盛です。話の展開やギャグは、見ている方も大体わかっていて「ここ笑うとこ」でみんな笑うという、安定感ある盛り上がりでした。

 

文化会館の大ホールにて。「辛子蓮根」という新人コンビが前説中。「ライブ中は撮影禁止ですが、今なら撮ってもらって結構です!」と言っても誰も撮ろうとしないので「誰も撮ってくれへん」と嘆いている場面ですw

 

楽しかった〜(^ ^) 2時間程おもいっきり腹筋揺らして帰ってきました。

 

・・・さて、ここから本題。舞台↑の形状とちょっと似ているデッキのお話です。

デッキやテラスは、リビングダイニングの前に2m程の空間があれば設けられ、外部空間を楽しむことが出来ます。土のまま残しておくと雑草に覆われるため、何も植えないならいっそ床をしっかりと作ってしまうのも手だと思います。

私のオススメはノーメンテナンスのタイルテラスなんですが、ナチュラルな雰囲気とか足触りの良さとかでデッキも根強い人気です。それで今回は「植栽をより楽しむためのデッキ基礎」について書きます。

 

デッキは束柱で支持するのが一般的ですが、RCかコンクリートブロックで基礎を作ることをお勧めしたいです。新築時にデッキを設けるならば、住宅の基礎と一体化させてしまうのもいいと思います。

こうするとですね、コンクリートの基礎に土を寄せることが出来るの。床面近くに草花を植えられるようになり、より身近に植物を楽しめるのです。この効果は大きいですよ。

 

中庭にデッキを設けるプラン。2か所の花壇には、床近くまで土を入れられるようにブロックで基礎を作る提案をしました。植え替えもしやすいので四季折々美しく保っていただけそう。

 

デッキの庭を作る時、あの床下の暗がりが穴のようでとても気になるのです。それで、その穴を隠すように高さ50cm以上の低木を植えるとか、手前に煉瓦を積んで花壇をこしらえたりとか、そんな提案をよくしています。

でも基礎があれば!土を簡単に盛り、植物をぐっと寄せて植えられるようになります。束柱の基礎のように、床下に雑草が蔓延る心配もなく、ゴミや小動物が入ったりすることもないと思います。

 

ディアガーデンはデッキじゃなくてタイルテラスですが、床面近くまで土を盛っています。フラットにすることでテラスが広く感じるし、部屋から草花が咲く様子もよく見えます。

 

恐らく高さにして30~40cm位の違い。ちょっとしたことなんですけど、見え方感じ方がすごーく変わります。

何気なく作っているデッキが多すぎるように思います。プライバシーを保つ囲いはもちろん必要ですし、こうして基礎を変えることで、居心地と雰囲気が随分良くなることを、もっと知っていただきたいなと思います。

 

 

雛祭りのお茶会

桃の節句を迎え今年も小さな雛飾り。

ブログではお馴染みの「小石のお雛様」です。小物を手作りしたり、飾り方とかも毎年変えて、このひいな(小さく愛らしいもの)を愛でています。

 

小石のお雛様。愛らしいし、場所を取らず仕舞うのが簡単なところが気に入っています。後ろの方に写っているのは手作りの餅花。3ヵ月以上楽しませてくれましたがこれでお役御免。

 

このお人形は亡くなった父が買ってきてくれた思い入れある品です。どこで作られたものなのかウッカリ聞きそびれて、ずっと気になっていました。ところが最近、インスタグラムでこれと同じものを持っている方を発見して!やり取りするうち、鳥取で作られたものだとわかりました。

もらったのは小学生の頃。かなり昔なので、さすがに持っている方も少ないのか、これまで同じものを見たことがありませんでした。ですので、今回教えていただいてすごくスッキリしました。有難かったです。

 

可愛らしいピンクの桃の花。春の色ですね~。

 

さて。春のような暖かさが何日か続いた穏やかなある日、桃の節句に因んだお茶会をしました。

キッカケは京都寺町にある菓子店「村上開新堂」さんの詰め合わせクッキー。これ、実はすぐ買えないくらい人気のクッキーなの。「お届け迄3ヵ月程かかりそうです」と聞いて驚いたのですが、楽しみに待つことにして注文しました。それが最近ようやく手に入ったのです。

たくさんあるのでウチだけで食べるのは勿体ない。「雛祭りのお茶会」と称して、いつも仲良くして下さってる素敵マダムさんをお誘いしました。

 

村上開新堂さんのクッキー詰め合わせ(大缶)。職人さんの手焼きクッキーが11種類、缶にぎっしり綺麗に詰められています。幸せな眺めです。

 

このクッキー、形といい味といい、どこか懐かしい。素朴で華奢な見かけに反して、ものすごく食べ応えがあるの。粉がしっかり焼き固められていて、数枚食べるともう満足してしまう。固いわけでもクドイわけでもないのに、たくさん食べられない・・・不思議で、とっても美味しいクッキーです。

 

スイーツやフルーツを重箱に盛ってみました。

 

小さなクッキーはハマグリに入れて。ひな祭りにハマグリはつきものでしょ。女性の貞操や純潔の象徴なんだって。

 

菱餅に見立てた三色のムースを作りました。お抹茶と苺で色付けしています。ちょっと量が多すぎました(^_^;)

 

雛祭りらしくピンクと赤のテーブルコーディネートになりました。テーマに合わせて、食器や敷物の組み合わせやお花の生け方を工夫したり。考えて試してバランスを見て・・・などと試行錯誤することが面白いです。あまりに日常的なダイニングが、テーブルコーディネートをすることで少し雰囲気が改まるので、自分でも珍しいものを見るような感覚があり、そんなところも面白くて。

興味が湧いて以来、どこか素敵なお店で食事するときには、どんな風に演出されているのかと興味深く見るようになりました。

 

マダムお手製のケーキをいただきました。ブルーベリーの実がぎっしりで美味しそう♡ありがとうございます。これは夫とのお茶会に♪

 

雛祭りは女の子の成長を祝う日。大人となった私達はここまで紆余曲折あるのは当たり前で、いろいろ経験しつつも何とか無事生き延びてきたわけで・・・。それはある意味めでたいことなのかなぁと思います。

もう女の子でなないけれど、でも心は乙女な二人で、オママゴトの延長のような、ほんわかしたティータイム。楽しかったです。こういう時間は後々、私の中で幸せな記憶とになるに違いありません。