百花繚乱ニッポン×ビジュツ展へ

前回のブログでご紹介しました京都文化博物館で開催中の「百花繚乱ニッポン×ビジュツ展」に行って来ました。

東京富士美術館が所蔵する3万点のコレクションの中から、日本美術の名品40点が展観。関西に住む私にとって、東京八王子にある美術館には、恐らく行くことがないだろうし、贔屓にしている琳派の展示もあるとのこと。しかも工夫を凝らした展示がされているそうで楽しみにしていました。

珍しく全ての作品が撮影可能でしたので、今日のブログは、画像も合わせてお届けします。

また、私の見た中の2作品に、東京富士美術館のサイトで公開されていた超高画質画像のリンクを貼っておきました。ご興味のある方は是非ご覧になって。

 

京都文化博物館。重文指定の別館は旧日本銀行京都支店で雰囲気ある洋館です。

 

蒔絵の硯箱や洛中洛外図屏風、源氏物語図屏風は実際見る以外にVRでも楽しめるようになっていました。

特に興味深かったのが江戸時代の室内を再現できるVR。金屏風の好きな場所にマウスを使って灯明をかざすことが出来ます。体験してみて感じたのは、金の濃淡の美しさ、そして絵に立体感が出る不思議。

照らされた部分の金と暗がりに沈みそうそうな金の差、それは色では表現できないものです。加えて炎が揺れると絵も揺れるので、絵の中の人々が動いているような、何かをささやいているのような錯覚に陥ります。照明で見るときとは全く違う印象でした。

寺院の襖絵などは、自然光で見せてもらえることが多いので、昔の人と同じように眺められますが、夜は閉まってしまうので、灯明で見たことがありません。今回はVRでしたが貴重な体験をさせていただきました。

洛中洛外図屏風の超高画質画像はコチラ→Google Arts & Culture

 

洛中洛外図と源氏物語絵図の豪華な屏風が並んで展示。豪華絢爛な眺めです。開催されて間もありませんがウィークデーの午後は空いてました。

 

個人的に贔屓の琳派からは若冲、抱一、其一らの作品が展示されていました。

3人共大好きな絵師ですが、何故か抱一の絵を見たときだけ、いつも鳥肌が立ち涙が出てきます。不思議です。

この白梅図は一見静かだけれど、梅の木の切り取り方やたらし込みの技法で描かかれた幹のデザイン、枝に見られる伸びやかな筆遣いなどは、もういかにも抱一っぽく粋で、それゆえに匂い立つような色気もあって、あぁ好きだなぁこの人って思っちゃう。

実はこの軸と同じような構図で紅梅図も存在していて、そちらは抱一のパートナー小鸞女史(後の妙華)の賛が入ったもので、苦労の末抱一と結ばれた喜びを表したプライベートな作品だったようです。

 

酒井抱一の白梅図。抱一の作品はこの一点のみ。

 

私ったら、つい抱一のことばかり書いてしまいますが、展覧会では弟子の其一が描いた「風神雷神図襖」が目玉のようでした。

 

あと、以前NHKの日曜美術館か美の壺だったかで見た「武蔵野図屏風」に会えたことが嬉しかったです。一面を無数の秋草で覆い尽す図様が斬新で、精密に描いた薄、そして金で表現した夕暮れの光、それらがとても美しく印象に残っていました。

江戸時代以前の武蔵野がどんなところだったか?西行法師はこう歌に詠んでいます。「武蔵野は 行けども秋の 果てぞなき 如何なる風か 末に吹くらん」風の行く末さえも分からぬ荒れ野原、だったのですね。

そんな風景を描いた武蔵野図は、近世初期のやまと絵系諸画派に好まれた構図があり、他に数点の同様の作例がある程パターン化されています。私がTVで見たのがこの屏風だったかは定かではありませんが、その中の一点に出会えたことが嬉しい。

武蔵野図屏風の超高画質画像はコチラGoogle Arts & Culture

 

ベンチに座って空想中の私。自宅の居間に武蔵野図屏風を置いたと仮定して眺めているところ。何とも贅沢な気持ちになります。

 

武蔵野図屏風の一部で私が特に好きな部分です。月が薄野から登ろうとしている様が描かれています。月は元々銀で彩色されていたもの。年月を経て黒くなっているので、銀色を想像して見ます。薄の緻密さ、凄くない?

 

その他に、源平合戦が超絶細かく描かれた屏風、兜や鎧、可愛い動物絵、浮世絵(よく見る北斎の神奈川沖浪裏とか)などなど、日本美術が広く網羅された見どころ満載な展示。特に刀の展示は他にないもので、名刀が手に取るように至近距離で眺められます。お好きな方には堪らないかと。

細かいところを見るギャラリースコープもそこここに置かれてあり、自由に使えるようになっていました。なんて親切なんでしょう。

 

この展覧会は9月29日(日)迄です。

次回は京町家の坪庭見学の様子をUPします。

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