庭探訪しつつ忘年会-南禅寺参道 菊水

少し前の食事会のことです。忘年会っていう名目で集まったわけではありませんが、師走ともなると、自然にそうなっちゃいますね~。

せっかく時間を設けて行くのだから、お庭をじっくり鑑賞しつつお勉強できるお店がいいなぁ・・・と伺ったのが、料理旅館「南禅寺参道 菊水」さん。

こちらは昨年6月にリニューアルオープン。数寄屋造りの建物がどんなふうにリノベーションされたのかしら?お庭は室内からどんな風に見えるのだろう?お料理よりも、そっちばっかりが気になってしまいます。

 

南禅寺の参道を少し入った小道をいくと現れる「南禅寺参道 菊水」さんの立派な門。アプローチの敷石が何気にモダンな敷き方で。

 

元は1895年頃に呉服商・寺村助右衛門の別荘として建てられたものだそうで、大きな木々がこの場の歴史を物語っています。門をくぐると、観光客で賑わう参道付近からは想像できない静けさが広がっていて、それになんだかとっても清々しい。

街中であっても、木をたくさん植えることで、喧騒と物理的に離れられるし、空気自体も変えられるんだなぁって実感しました。

少し早めに着いたこともあって、門からお玄関まで、いっぱい写真を撮ったりして、相当な時間を過ごしてしまいました。先が思いやられます(^^;

 

趣ある玄関。和そのものですが、ナント、靴を履いたままお部屋に向かいます。

 

通していただいたお部屋には、専用のクローゼット、専用の化粧室もついていて、ひと家族泊まれそうな程ゆったりとした空間。他にも庭園内に3つの離れがあって、そちらも凄く雰囲気良さそう。

そして、何より贅沢なのが、部屋に入ったとたん飛び込んでくる庭の景色。壁一面が窓になっていて、まさにピクチャーウィンドウです。ガラスは存在を感じられないくらいピッカピカ。

散り始めたモミジの葉も目に付くところや園路などはスッキリ、茂みとか樹幹の下にはふんわり積もっています。聞くと、毎日庭師さんがお掃除に来られているそうです。

もちろんこのあたりの別荘のお庭といったら植治の庭です。琵琶湖の疎水を引き込んだ池泉回遊式庭園が広がっています。

 

これこそまさにピクチャーウィンドウ。光の具合でどんどん見え方が変わる絵画です。ずっと見ていられます。

 

床の間の室礼。置いてあるものは、よく分かりませんが、香炉と干菓子作りの道具のような?お軸も新しいもののようですっきりモダンな印象です。

 

庭ばかり見ているので、お料理をいただくペースがすっごい遅い(笑)でもその遅さに合わせて出して下さいますし、急かされる感じは全くしませんでした。畳敷きのお部屋ですが、テーブルと椅子でいただく懐石、足が楽です。

 

古き良き時代の灯籠も、足当たりのいい石も、様々に変わる水の景色も素敵なんですが、この庭で一番目を惹きつけられたのはなんといっても庭の中央にある大赤松です。

幹肌が本当に美しい赤松、日が当たると一層映えて、艶っぽさも感じる程。周りのモミジがいくら赤く染まっても全く引けを取りません。堂々とした幹からは相当な年月を感じさせますが、姿はどうも新しく整えられたように見えます。

 

赤松の幹肌。磨きをかけるとこんなに赤くなります。常に磨いているからゴツゴツの樹皮じゃないです。

 

赤松が美しい庭は、細やかなお手入れがされている証です。というのも、剪定するときに、仕上げに幹肌まで磨いておられるからです。山にある赤松の幹はこんなに滑らかで赤くないでしょう?

赤松は女松(めまつ)対して黒松は男松(おまつ)と呼んだりします。職人さんはそれぞれの木の特徴を生かし手入れをされるので、女松は女松らしくというと、肌を磨いてその美しさを引き出してあげるんですね。

それにしても、最初は誰が始めたんでしょう?あのひび割れた幹肌を磨くなんて!その発想が、私には突拍子もなく感じられ素晴らしいなと思います。どうやって良く見せてやろうか?って、ずっと赤松のことを考えていないと出てこない発想かと。

松の幹でも磨けば美しくなるです。自分の肌も磨いてやらなきゃなぁと密かに思った次第です。

 

お庭が散策できます。点在する離れとのつながりが、どこも違和感なくそれでいて変化もあって。

 

新しく出来たデッキ。レストランスペースに繋がっています。このデザインが気持ち的に敷居の高さを緩和してくれてる。ここでいただくアフタヌーンティは格別だろうな。

 

繊細で美味しいお料理や、美しい器、つかず離れずのおもてなしを堪能しつつ感じたのは、やっぱり「お庭の美しいところにはハズレがない!」ということです。

庭の大きさとかじゃなく、庭に対するこだわりや状態を知れば、お店の心遣いが分かります。

 

 

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