水仕舞について

昨日から尋常ではない降り方の雨。何事も過ぎるとよくありませんね。各地被害が大きく出ませんようにと祈るばかりです。

ここ滋賀ではJR線が朝から全て運休。こんなの越してきて初めてじゃないかな?って驚いています。毎日電車が動くのは当然のことと思い込んでいますが、実は当たり前でないのだなぁと痛感します。

そしてこういう状況では、離れている家族も心配で、安否確認しあいます。災害は起こって欲しくないけれど、大切なことを再確認するいい機会なのかもしれません。

 

テラスのテーブルの上で雨粒が盛大に跳ねてます。今日は止み間がありません。

 

庭やエクステリアにおいて、大切なことのひとつが「水仕舞」です。

外ですから大部分は当然雨がかかります。今回のように何年かに一度のような大雨も降るし、植物に水も遣る。そんな水をどう捌けさせるか?水仕舞いの良し悪しが仕事の良し悪しにもつながるのです。

アプローチや駐車場などの土間に水たまりを作らないよう、樋からの水の処理、配水管の角度や枡への結合がしっかりできているか、防水防腐機能のしっかりした製品の選択、芝生や土の場合は暗渠排水の検討、水はけのよい植栽地盤づくり、などなどやるべきことはたくさんあります。

不用な水は不衛生ですし、植物にとっては根腐れの原因になります。夏ならボウフラがわいて蚊が発生しやすく不快ですし、冬は凍結して危険です。水じまいは本当に大切です。

 

植栽の際は、客土にバーク堆肥やパーライトなどを適量投入し、水持ち水はけのいい土になるよう改良してから植えます。

 

配管や暗渠(透水パイプなどを地下に埋設し余分な水を排水するもの)など、後から施すことが難しい工事については、計画段階で結構慎重めに提案します。暗渠は予算の都合でカットされることもありますが、その結果水たまりが出来てしまうと、やっぱりもっと強く言うべきだったな・・・と後悔したり、樋からの排水でコンクリートに思わぬシミを作ってしまい反省。枡蓋を何気に開けて覗くと、配水管が枡に繋がっておらず、冷汗をかいたことも・・・。

そんな時思い出すのは、ガーデンデザイナーになってすぐの頃、ある造園職人さんがおっしゃった一言です。「僕らは、水たまりを作ってしまう=恥をかいている、と言います。不細工な仕事を晒している、ってことです。」と教えて下さいました。

自分が恥をかいていないか、いつも問いかけながら仕事をしています。

 

雨の中届けて下さったお土産。有難く、ありがたく。

 

はぁ。それにしても雨はしつこく降り続いています。明日は七夕ですのにね。

空の様子が心配です。

 

 

スモールガーデン完成

ディアガーデンのある関西はまもなく梅雨入り。

雨の季節を待ちわびるかのように、ディスプレイガーデンのアジサイが、空に向かって花首を伸ばしています。

 

山アジサイ「クレナイ」が咲き始めました。名前の通り、これからだんだんと紅に染まってきます。

 

さて先日は、家を新築された若いご夫妻のために色々な植物を植えてまいりました。エクステリアと花壇は建物と一緒に仕上げられており、そこへ植栽をとディアガーデンにご依頼くださったのです。

ご縁を頂戴できたのは、ご夫妻がたまたまディアガーデンの前を通りかかられたのがきっかけでした。前庭の雰囲気を気に入って下さって、更にこのウェブサイトをご覧になり、ご連絡くださいました。

およそ3平米ほどの花壇。お話がまとまりつつあったのは4月半ばでした。急いで内容を詰めてすぐ植えてもよかったのですが、植物の世話をするのが初めてとのこと、少しお待ちいただいて梅雨前に仕上げることをご提案しました。梅雨ならひと月間たっぷり雨が降りますから、植物にとっても、水遣りの不慣れな夫妻にとっても、スタートには最適と判断したからです。

植えたのは奥様のお好きな植物ばかり。インテリアに飾れるものがメインで、今とても人気のあるドウダンツツジですとか、アジサイ(秋色アジサイとアナベル)コデマリなどの低木や、シャクヤク、スカビオサ、千日紅などの草花、などなど10種類揃えました。シンボルツリーは姿の清々しいアオダモです。

私はいつも植木を仕入れる際、お客様に「よろしければ一緒に選びに行きませんか?」とお声かけしています。お客様自らお選びいただくと、もちろんプロのアドバイスもしつつですが、きっとその木に対して愛着が増すだろうなと思うからです。沢山の植木を見る機会もそうないでしょうし、いかがでしょうか?ってね。

今回のお客様はそんな誘いを喜んで受けて下さいまして、一緒に出掛けてまいりました。

いつもお世話になっている造園材料の問屋さんへお客様をご案内。広い敷地にたくさんの苗木が植えられています。

 

問屋さんまでドライブする道すがらお客様が「お庭を作ろうと思ってから、急に色々な植物が目につくようになって。今まで好みでなかったものも可愛いなと思ったり、不思議ですね。」っておっしゃいました。お客様のワクワクする気持ちが伝わってきまして、すっごく嬉しくなりました。

今まで見えなかったものがすごく見える、気になる、それって世界が広がったってことですよね。その体験をされたことが素晴らしいです。私も見えないものがいっぱいあるので少しでも多く見えるようになりたい。羨ましいなぁと思います。

(ドライブの帰りもエピソードがあって。次回書きます♡)

植木畑では、色々な木を見てゆっくり迷ってもらって、私の意見も聞いていただいて、コレって決めていただきました。「これもいいな、あれもいいな。」と迷うことも楽しみの一つですよね。育てやすそうな素直な枝ぶりで、花壇内の低木ともバランスのとれる素敵な木をお選びいただきました。

庭づくりの過程ひとつひとつを楽しむこと、それはモノづくりの醍醐味です。たんに庭をお作りすることだけが私の仕事とは思ってなくて、他で出来ない体験や植物の新しい知識などもご提供できればと思っています。

 

お客様とどの木を仕入れるか物色中。今回植える場所には高木が1本だけなので、素直に伸びているこの木に決定!

 

全ての材料が揃っていよいよ植え込み当日。

どんなふうに植えるのか興味津々なお客様に、工程のひとつひとつをご説明しながら、また配置をご確認いただきながら職人さんと作業していきます。

高木には水遣りのしやすいように「水鉢」といって根鉢にそって土手のようなものも作りました。私はスペースが許せば出来るだけこの水鉢を作るようにしています。水鉢があると、そこに水がたまるので、効率よく根に届けることが出来るからです。

 

まずは植栽地盤をしっかり作ります。雑草を含む表土を取り除き、土壌改良剤(完熟たい肥とパーライト)をいっぱい漉き込みます。保水性排水性を高め、肥料分も補うことができます。木を植える穴には深いところまで更に改良剤を追加。

 

ポット苗を一緒に植えていただいたりお手入れ方法をお伝えしながら、ゆっくりと作業して3時間程で完成しました。

お客様にも大変喜んでいただけ有難い思いでいっぱいです。お客様の笑顔、この瞬間がね、私にとってはご褒美の時でして。また次頑張ろうという気持ちにしてもらえる媚薬なんですよね。

植え込み完了。一つの景色となるよう高木、低木、宿根草をバランスよく配置しました。アオダモは仕入れの時に畑で見るより大きく感じます。「この木を選んでよかったです」と満足いただけてホッ。

 

カラーコーデは青~ピンク~白(シルバー)と大人可愛い配色。これからどの色がメインとなるのかな?将来が楽しみです。

 

形が出来上がるまで少なくとも2、3年はかかります。でも今咲いたお花はすぐにでもお部屋に飾ってもらえますし、成長過程そのものを楽しんでいただけたらと思います。

思うように育たない、または育ちすぎる、なんでやねん!と思うこともあるでしょう。でもある朝、思いがけない贈り物をもらうことだってあるし、泣きたくなる程美しい場面に出会うこともあるんですよね。愛情を持って接すると、植物って、庭って、必ず答えてくれます。本当に。

またしばらくして成長した姿を見にお訪ねするつもりです。今後とも末永くよろしくお願い致します。

 

 

本鞍馬石って

今週は木を植えています。そしてまた楽しい石据えも。昨年から部分的に改修をさせてもらっているお宅。今回は敷地の東側の花壇を変えたいとご依頼いただきました。ありがとうございます♡

ディアガーデンのパートナーの造園会社さんとワイワイと楽しい現場。お庭が大好きなお客様も「作庭の過程を傍で見る機会は滅多にないから是非見ていたい!」とのことで一緒です。造園職人さんとも話せますし、徐々に出来上がっていく様子を観ることで庭に対する愛着も増すと思います。すごくいいことですので「どうぞどうぞ」です。

 

5mのヤマボウシ。植える前にざっと整枝剪定します。

 

花壇枠も作り直し、いざ植え込み!

 

こちらのお庭にはもともと巨大な本鞍馬石が据えられています(最初の画像にちらっと写っています)。お客様は鞍馬石がお好きなようで、今回も「小さいのでいいから鞍馬石、出来ればホンクラを据えて欲しい」というご希望がありました。

鞍馬石は京都の銘石として全国的な知名度を誇る庭石です。現在は鞍馬での採掘が少ないため、丹波や甲州地方で採れる鞍馬石が多く流通しています。それらと差別化して本場鞍馬産の石を「本鞍馬石」と呼んでいます。希少価値があるのでお値段は高めです。

鞍馬石は濃い茶褐色の落ち着いた色合いが特徴で、硬質な花崗岩ですが不思議と柔らかな雰囲気を漂わせていて、緑との相性は抜群なんです。雨が当たると更に侘びて見えます。

 

本鞍馬石、ご希望の場所に据えました。小さめの沓脱石?大きめの飛び石?どちらにも使えそうですが、ここでは景石として。玉葱状剥離が現れ、鉄錆色が全面を覆っていていい風合いです。

 

本鞍馬石ふたつめ。黒錆がシブく出てます。丸みがある形が面白いと思って選びました。なんか動物が寝そべってるみたいなんです。

 

上の画像の2石を据えました。本鞍馬石を据えるのは初めてです。

正直なところ申しますと。私は高価な石とそうでもない石の違いとか、希少価値のある石と山に転がっている石との違いなんて、あまり意識していません。石は何でも好き。地元で採れるもので、場や雰囲気、ご予算に合うものが一番だと思っています。

だから「みんな、ホンクラ♪ホンクラ♡って。こんなたっかい石、何がそんなにええんやろ?」ってな感じでした。でも石選びから据えるまでやってみて、いいところが感覚的にわかった気がします。存在がなんと言うか柔らかーくて、渋いのに内側からふんわり光ってるんです。あぁ・・・うまく表現できないーっ((+_+)) 色がいいのかなぁ。ほんまにええ感じの石やわと思って。

とにかくお客様が喜んで下さったことが一番嬉しいの。「やっぱ、ええもんはええな!」って何回もつぶやいておられました。ふふふ。良かった!

完成の姿はまた改めてご紹介します。

 

 

施工監理の現場から-後編

前回の続きで、ディアガーデンが設計監理をしているお庭の現場から。

こちらのお庭では色々な年齢層の方が思い思いに楽しめるような仕掛けを作りました。そして植物ばかりでなく、石のある庭の良さも肌で感じていただきたいという思いもあって、一部の築山に石をゴロゴロッと埋めてみました。

石のある景色はモダンな建物にもよく合います。

 

選ばせてもらった景石を据えたところ。無造作に転がして。

 

ここは県外。地元ではないので普段どんな石がよく使われているのか知りません。見学兼ねて据える石を選びに、小一時間ほど現場を離れて、施工を担当して下さっている造園屋さんの土場へ伺いました。

土場は現場から車で10分くらいのところ。大きなユニックのついたトラックに乗せてもらいました。目線が普通車に比べてかなり高いので気持ちいいんです。まだ咲き残る桜や綺麗な山並みを遠くに見ながら往復しました。

前日の2日間は雨や風が強かったのですが、この日は快晴。まだ雪の残る山、妙高山というそうですが雄大な姿に感動。その山肌に見える雪形「跳ね馬」が有名だと伺いました。この形の見え方が農耕作業の目安とされたそうです。

「どこらへんいるんですか?」「あの頂の左下の方」「わかりませーん(+_+)」絵で描いてもらってようやくわかりました。世話が焼けます。

でも一旦見えると、今度はもう跳ね馬にしか見えないのが不思議ね。ちょうどフェラーリ社のマークのような形でしたよ。↓↓↓

 

妙高山の山肌に現れる馬の模様は春の風物詩だそう。白い丸の中に注目。前足を跳ね上げている馬の横姿がお分かり頂けるでしょうか?

 

土場ではこの近郊で採れる石をじっくり観察。見慣れない溶岩石もよく使うとお聞きしました。

社長さんに「どれでも好きなの持ってっていいよ。」っておっしゃっていただいて!まぁ、バカでかい石は据えるつもりがなかったし、搬入の手間とかも考えて、そこは一応気を使いつつ。でも本当に好きなの選ばせてもらって、職人さんたちと一緒に据えました。(一番大きい石を撮りそこなった泣)

石を据えるって正解がないから、何度やっても楽しいです。

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まだ造作工事が残っていますが、しっかり作っていただけそうです。現場の職人の皆様、どうかあと少し頑張ってください!

3日間だけ共に働かせてもらったのですが、楽しく作庭できたことに感謝です。女性の職人さんとも初めて一緒に作りました。きびきびと動かれて技を発揮、きれいでかっこよくてね!こんな方どんどん増えるといいなって思いました。

 

もうすぐ完成しますが、本当の完成はまだ数年先です。季節が何回か巡って、木が根付いて草花が広がって・・・都度足したり引いたりしながらバランスを整えていくことが大事になります。できるだけ省メンテナンスの庭をデザインしたつもりですが、これだけ広いと何もしないわけにはいきません。

お引き渡しが済んだから終わりではなく、関わらせてもらえる限り、よい庭になるように力を尽くしたいと思います。

 

 

施工監理の現場から-前編・秘密兵器編

ディアガーデンが設計監理を担当させてもらっている広ーいお庭の工事が大詰めを迎えております。昨年の秋頃着工したのですが冬は豪雪のために一時中断、雪解けを待って工事が再開されました。

こちらの現場は県外ですので、工事監理は要所要所で伺っております。これまで造成工事高木の植栽工事等、庭の骨格を作る工程に立ち会ってまいりました。そして今週はいよいよ仕上げの植栽工事がはじまるとのこと、久しぶりに現場に向かいました。

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今回は、主に低木や宿根草の植え付けや石工事の監修、ディティールの確認&修正等してきました。

3ヵ月ぶりに現地に立つと、既に一面芝生が貼られており、泥だらけだった前回の印象はどこへやら。すっかりお庭らしくなっていました。そういえば、長靴が抜けないほどぬかるんでいたっけ。何回コケたか?ってくらい歩きにくかったのになー。芝生はまだ養生中なので、そおっとしか歩けないけれど、本当はスキップしたい気分でした。

 

伸びやかな木々のあるひろーーーいお庭。もうすぐ完成です。床面がきれいに整備されるとやっぱ違うわ!

 

今年の冬はものすごい風雪だったようで、立ち姿にこだわって植えた木が何本か傾いていました。そんなところも修正せねばなりません。

でも桜の木は可愛らしい花をつけていて、あぁ無事冬を乗り切ったのだなぁとホッと一安心。たくさん植えたからここでお花見出来ます。これから年を経るごとに大きく咲きそろっていくことでしょう。

 

昨年末に植えたジューンベリーの花。満開でした。

 

今回一番時間を割いた場所がこちら↓「新宿根草主義の庭」の見本となるような花壇で、ここだけでナント500本程の苗を植えていただきました。500ものポット苗を植えるともなると、事前に品種ごとに植えるエリアを決めておかねば配置することもままなりません。

予め作成しておいた図面に従って、地盤に直接石灰でマーキングしていきます。石灰は土壌のPH調整に使うくらいですから、植物にとって害が出るものではありません。作業する方にとっても白はクッキリと見やすく、書いた線は消そうとしなければ消えないので、とても扱いやすいの。

ベテランの監督に教わって以来、いつも現場ではこの方法です。

 

庭の一角の宿根草花壇。これからパズルのピースが入るって感じですね。ランダムに見えますがちゃんと測って書いているんですよ。

 

実は配置前に秘密兵器を使いました。今から書くので秘密じゃないんですけれど・・・(^_^;)

それは「バイオゴールド バイタルV-RNA」という活性剤で、今回特にこだわって使用したものです。

木と違って根の小さい草花は、夏場の水切れがとても心配です。だから植えつけ後、速い段階で如何に大きな根を張れるか?そこがこの庭では、重要なポイントになってくると思っていました。深く根を張れば、地表面の乾燥に影響されにくくなりますからね。

よい方法はないか、ガーデン&プロダクトデザイナーの吉谷桂子先生にご相談すると、いい活性剤をご紹介くださいました。昨年の淡路のガーデンセミナーでのことです。

吉谷先生の管理されている庭園でも日常的に使われて、かなり手ごたえのあるものとのこと。しかも日本製で自然由来成分で出来た活性剤です。早速取り寄せ、まずはディアガーデンで使ってみました。まだ完全に季節が巡っていないのですが、薬害の心配はなさそうです。効果に期待してこちらでも使うことにしました。

 

株式会社タクトさんのバイオゴールドバイタルV-RNA。早く根付かせたい、新芽を早く出したい、光合成を補いたい、樹勢回復等に広く使える活性剤。肥料ではありません。

 

現場で、この活性剤を規定倍率に水で希釈し、苗のトレイごとその液にどぶ漬けしてから植えつけていただくようにとお願いしました。

造園会社様には液を入れる大きな桶を用意してもらったり、ひと手間余分な作業になるのですが、嫌な顔をせずやっていただけました。むしろこの活性剤に興味津々という感じで、初めは一部の苗だけと思っていましたのに、結局植えるすべての苗に活性剤をやってくださいました。感謝です。

 

次々とトレイで運ばれてくる活性化された苗を設計に従って配置するのは私の仕事です。もう1年以上前に考えた植栽デザインですが、完成の姿は頭にありますし、苗の種類によって必要な株間のスペースも全て把握しています。植える方達の手を止めないように、スピード感を持ってどんどん配置していきます。

苗は草花に慣れた女性作業員の方がひとつひとつ丁寧に植えて下さいました。植物を育てることが大好きだそうで、珍しい苗に目を輝かせておられました。その様子がとっても可愛らしかったです。

 

500potもの苗が植え付け完了!植物にはいいスタートを切ってもらえたと思う。私からのエール、受け取って成長しておくれ!

 

長くなりましたので、次回につづきます。次はここの近くの景色も見ていただこうと思います。

 

 

現地調査、からの、盆梅展 

今度お仕事させていただくお宅へ現地調査に行ってきました。こちらのお宅は湖北にありますので、除けられた雪が塊になってまだ残っていました。

滋賀県でも北の方の地域を湖北というのですが、たくさん雪が降ります。2月でも日によって真っ白な時もあり、調査どころではありません。南の方(湖南)とは全然違うのね。ちなみにディアガーデンは湖東で中途半端に降ります。湖西という地域も当然あって、こちらは京都との県境にある高い山に近いので雪+風も強いところ。字を見ても分かる通り、琵琶湖のどの方角にあるのかで地域が大きく4つに分かれています。こういう呼び方は実際住んでみないとわかりませんよね。

 

さて、現場では一度見ただけではとても覚えきれないので、念のため写真を撮らせてもらいますが、最近は必ず動画でも残すようにしています。撮影は全てスマホ。完成写真は綺麗に残したいので一眼のデジカメも使ったりしますが、普段は専らスマホ頼りです。

プランニングの際、しょっちゅう再生して、高さとか位置関係の細かいところを確認しています。

 

現場撮影の動画画面。私も写ってるよw。(※スクショなので再生しません)

 

こちらはとてもやりがいがありそうなお宅。スッキリと暮らしやすく、植物もお手入れしやすくして差し上げたいです。気に入っていただけるよう頑張ります。

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久しぶりの湖北。現場近くで梅の盆栽展が見られるということで、ちょっと寄り道して春を感じてまいりました。

 

立派な建物と立派な梅の盆栽!額に「慶雲館」と書いてあります。この館は明治天皇行幸の際に建てられた迎賓館で130年の歴史があります。

 

庭や畑の梅はどちらかと言うと枝がツンと立っているような硬い印象がありますが、盆栽の梅の枝はどこまでも柔らかい。小さな根っこ、大きく割れて枯れたような幹から、このようなふっくらとした花が咲くなんて驚きです。その対比を敢えて表現しておられるのでしょうか。見応えあります。

世話をされている方の愛情と技術もさることながら、数百年を経てなお生きようとする梅たち、なかには樹齢400年という古木もあるらしく、その生命力の凄さに恐れ入るばかりです。

 

種類によって少しずつ香りが違う。どれも本当に風雅でいい香り。

 

室内で風が流れないため、香りがより一層立ち込めています。身体の中に美しい梅の香りを満たせば、なんとなく浄化されたようなすっきり感。私の場合、こういうことを、常々行わなければなりません。色々な植物を身体全部で感じたい。でないと伝えられないもの。何より精神衛生上、とても大切な時間でもあります。

今の時期、日本各地で盆梅展が催されていると思います。春を感じに是非お出かけください。おすすめです!

こちら、長浜盆梅展は3月11日までです。

 

 

真冬の植栽現場にて 

先週末は、設計監理を担当させてもらっている現場で、メインとなる高木を植えてまいりました。

ディアガーデンでは、個人邸や店舗、住宅会社等々、様々なお客様がおられ、お仕事内容もケースバイケースで請け負っております。設計~工事~メンテナンスまで引き受けさせていただく場合や、今回のケースのように設計監理だけの場合もあります。

設計監理だけですと、ディアガーデンのパートナーの造園会社様や職人さん以外と作っていくこともあります。例えば、県外の場合は、必然的にその土地の造園会社様と組むことになります。

お客様と設計者と工事者、その3者が同じ思いを持って、一つの庭を完成させていくわけで、お互いが協力しながら情報も回して、作っていかないと、良い庭にはならないと思っています。だから、デザイナーはただ「いい庭を設計したらいい」というだけでなく、コミュニケーション能力も大事なのかもしれません。自然素材ばかりで作るので、図面通りに植えたら終わり、ではない。設計者が設計の目的を、工事者にキチンとお伝えしなければ、お客様の本位が庭に反映されませんし、その伝え方にもやり方があるように思います。

 

雨続きでなかなか植えられなかったところ、泥んこ状態ですが・・・なんとか植えるタイミングがきました。広い庭ですから樹高5m、7mと比較的大きな木を植えさせてもらいました。

 

この日、私の仕事は、図面の位置近くに指定の植木を配置し、微調整しながら全体のバランスも見つつ、その立ち姿を決めていくことです。造園会社様の職人さんたちと丁寧に植えていきます。

多くの職人さん達は、なぜこの木がここに植わるのかを知りません。そりゃそうですよね。ですから「こういう風に見せたいので、この枝がここに来るようにお願いします。」とか「この3本で雰囲気つくりたいので、こんな風に組んで下さい。」とか出来るだけ設計主旨も合わせて伝えるようにしています。そうすると「なるほど、じゃあ、もう一回吊ろうか」とか「回そうか」とか、動いていただけるように思います。設計監理者それぞれにやり方があると思いますが、私はまわりを巻き込んで知恵も出してもらって、より良い庭を作りたい派です。

更地だったところに、一本、また一本と植わっていくたびに、どんどん庭らしくなってきます。一瞬仕事を忘れて、感動してしまう瞬間が何度もありました。冬なので葉っぱの緑はありませんが「やっぱり木が入ると建物の見え方が変わりますよねー。」「そうだねー。」って職人さん達とニンマリです。春の芽吹きが楽しみですが、実は庭の完成までは時間がかかりそう。これからも何度か通う予定です。完成まで頑張ります!

こちらのお庭はとにかくたくさん植えますから、お客様に主だった木だけでも名前がわかるようにと、プランツタグをご用意。名前さえ分かれば、イマドキは手元でいくらでも検索して情報が得られますので、シンプルに書くことにしました。読みやすい丸ゴシック体です。

 

プランツタグはお洒落なスレートでできたものをご用意♡イギリスのナッツシーン社製です。樹木名は油性のホワイトペンで書くと消えにくいです。数年たってもし消えてもまた書けばいいし。

 

吊るすとこんな感じ。タグって悪目立ちする商品が多いのですが、これなら自然な感じでいいかな♪

 

12月の現場はさすがに寒いです。こちらの現場では雪も予想されたため、カイロ貼りまくり&重ね着&お洒落カッパ&長靴と、かなりな重装備で臨みました。ラッキーなことに晴れてきて、走り回っていたこともあり、ポカポカとあったかい位で、本当に良かったです。基本、現場監理の仕事って、立って見ていることが多いので、凍えたらどうしようって、めっちゃ心配だったの。

 

外仕事は暑い寒い濡れるが当たり前。その中で一日過ごすことはザラなので、服装対策は万全に。この日は防寒防雨できて、かつ動きやすいこの格好で臨みました。

 

カッパ代わりに来ているのは、ユニクロさんのブロックテックパーカーです。名前にあるように色々ブロックしてくれます。水もはじくけれど、汚れもはじいてくれて、本当に優秀。帰りは電車に乗らないといけなかったのですが、泥は水でサーッと流しタオルで拭くとキレイになったので助かりました。そんなに蒸れないし、外仕事をする方におすすめです。

実はこれ、メンズの商品。欲しかったカーキ色がメンズのみの展開で、でも私は大柄だから、Mサイズがぴったりでした。ウイメンズのようなクビレがあるデザインではないのですが、その分、中に着込めて、まさに冬場の作業服にはもってこいです。

作業服はすぐ汚れたり破けたりするので、1,2年でダメになる場合が多く、着倒せるユニクロさん頼みです。職人さんは「寅壱」というブランドの作業服を着ているって聞いて、今度見てみようと思います。女性用は少ないかもしれませんが、私、大柄なんで(←クドイ?)

そのうち意味もなく地下足袋も履くんじゃないかと(^m^*

 

 

現地調査&お打合せでのこと-さざれ石とは?

昨日の文化の日は、来年造園工事予定のお客様のところで、お客様と建築設計士さんを中心に測量、造成、造園(私)、それぞれの関係者が集まって、現場確認をしました。

こういった場では、予め納まりを確認できますし、既存の構造物の処理等を前もってお願いすることも可能です。お客様のご意向に従って、お互いの工事のやりやすいように、無駄な仕事をしないように、皆で話し合い「ここは造成でやります。」「ここまでは建築でやります。」「では、ここは造園で。」などと納得の上で役割分担もできて、とても有意義な打合せだったと思います。

 

建築予定地は、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山(いぶきさん・いぶきやま)を望む場所にあります。さすが滋賀県では最高峰のお山、すごい迫力!

そんな中で面白い発見がありました。

以前の土地の持ち主さんが隣地境界に添って石を積んでおられました。人が持てるだけのそれほど大きくない石をひとつひとつ積み上げた素朴な石垣です。雑草が生えたり苔むしていて、それはそれで味があって素敵なのですが、今の時代の境界にしては、曖昧すぎてそぐわないもの。崩れかけている場所もあり、この機会にしっかりとした擁壁を設けることになりました。

でもその石は捨てるには勿体ない。折角なので、作庭に利用できないかとお客様がおっしゃっていて、さて、どんな石なのか?庭に使える石なのか?現場確認のついでに、じっくりと検分してみました。

パッと見その石は、コンクリートを砕いた塊のようです。骨材のようなものが表面にブツブツと出ていて「これって石?コンクリ?」ってつぶやくと、地元の造成担当の方が「それは、さざれ石や。」と教えて下さいました。

 

これが苔むしたさざれ石。ね?コンクリの塊をかち割って10年位放っといた感じでしょ?w

「さざれ石って、あの「君が代」に出てくるさざれ石ですか?」「そうやな。」

「えーっ!これがさざれ石?!」お客様と一緒にビックリしてしまいました。私達、同年代ですから「これが国歌に出てくる石なんや~。」「なんかすごいな。」などと盛り上がっています。

国歌って、もう何百回も歌っているはずですが、意味を語れますか?さざれ石っていう石が岩になって、苔むして、だから結局何が言いたいの?なんか永く栄えるっぽい感じかな?位で、私はこれまで深く追求せずに、結局は口先だけで歌ってたってことです。

恥ずかしながら、私の勉強不足を露呈してしまいました。さざれ石なる石をじっくり見るのは初めてでした。事務所に帰って調べてみると、

さざれ石とは、字のごとく、小さな石という意味。学名は石灰質角礫岩
日本全国にあるさざれ石の石質はさまざまですが、石灰石が長い年月をかけて雨水で溶解し、粘着力の強い乳状液が小さな石の隙間に凝結し、ひとつの大きな岩の塊になったもののようです。

日本では、滋賀県と岐阜県の県境にある伊吹山が主要産地になっています。

また、さざれ石は年月をかけて成長することから、神霊の宿る石だと信じられてきました。

国歌の君が代は、もともと古今和歌集に収録されている短歌のひとつでした。「君が代は  千代に八千代に  さざれ石の  いわおとなりて  苔のむすまで」とは、小さなさざれ石が長年をかけて巌という大きな石になるまでの長い年月を示すものなんですね。確かに現物を見ると納得です。国民が団結して未来永劫栄える国づくりをしましょうとか、そういう意味かなと思います。

お客様の敷地は伊吹山のふもとにありますから、さざれ石はあって当然の石。どうりで、地元の人にとって馴染み深い石だったわけです。

滋賀県に越してきて15年近く経ちますが、まだまだ知らないことだらけだなぁ。本当言うと、以前、伊吹山に登ったことがあるので、知っていてもおかしくないのですが・・・。その時はまだ駆け出しだったし、山野草ばっかり見ていました。

 

証拠写真!伊吹山山頂には石がこんなに!山登りの途中にさざれ石を見ていたかも?! 若かりし頃の私と飼い犬のラルフです。(目をつぶって写っているので恥ずかしくてボカシいれました^^;) いつもえらいとこまで連れて行かれて、ラルフは大変だったろうな。

さざれ石を使った庭がどのようになるのか、私もとても楽しみになりました♪

 

 

天候不順の工事現場より 

造園工事はいつも天候に左右されます。仕方がないことなんですけれど。10月は雨と台風21号のダブルパンチで、現場ではずっと雨具が欠かせませんでした。

昨日までいた現場。遠いので泊りがけ行ってきました。出張の用意をしているとき、次の日は台風一過の晴れ予報だったのに、夜に着いてみればもう雨予報に変わっていて、結局ほぼ一日降ってました。もー、晴れるって言ってたやん!(`^´)

その日は予定していた工程の半分くらいしか工事が進まずで・・・。

 

台風21号の雨で現場は水たまりだらけのドロドロ状態でした。当然私の足元もドロドロです。

 

でもなんとかその次の日は晴れて再開!とってもワクワク、嬉しい気持ちで現場へ向かいました。

造園工事は壮大な泥遊びというか、最初から最後まで土をいじっています。こちらはかなり広い現場なので、でっかいユンボ(油圧ショベル、バックホーのこと。ユンボって言いやすいの)で、造成していきます。

 

こんな青空久しぶりに見た気がするーーーっ!水も引きかけてます。ユンボも動いてる♪

 

ここはもともと真っ平らに造成されていた土地。お庭は大小いくつか築山を作って眺めに変化をつけるデザインにしました。今回の出張は、その築山の格好を決めるのが目的の一つ。

築山といっても、小山ほどもある結構大きなものなんですよ。自分の頭にあるボリューム感と実際に土を盛ってみてどうなのか?を照らし合わせ、工事の方と相談しながら決めてきます。

私は離れた位置からカタチを見極め「このあたりもう少し削って下さい」とか「ここまで盛って下さい」とか言うのが仕事です。傍から見たら、たぶん敷地をやたらグルグル周っている人にしか見えないかもしれませんがwこの日もなんだかんだで1万歩超え!結構歩いたわ~。

周りつつ、頭の中はもう木を植えることを考えていて、要点を図面にメモメモ。植えるとなったら、変に悩んで職人さんの手を止めないように、予め先々のシュミレーションも欠かせません。それが悩ましくも楽しい作業なの。

そんなふうに植栽のシュミレーションをしているとき、私だけかもしれませんが、つい両手が動いてしまいます。腕や手を木として景色に当てはめて、考えるのが癖なんです。ブツブツ言いながら手を動かし始めるので、やっぱり傍から見たら変だろうなと思います。誰も見てないことを祈るばかりです。

 

ちょっと見えづらいですが、完成した築山の裏側から見たところ。見よ!この神々しい?小山を!なんつって^^; 今見えている土の部分が全部緑になるの!楽しみです♡

 

日がそろそろ傾きかけそうなころ、小山、いや築山が完成しました。フォルムが日に照らされているところを見て、満足して現場をあとに。自分の中ではイメージに近く、とってもいい感じに出来たと思うのですが。来月木を植える時に更に微調整します。

願いは一つ。

晴れるといいな・・・(^_^;)

 

 

大きな木を切るとき、抜くときの儀式 

先週庭のリフォーム工事をさせていただいたお宅、カシを数本抜いた後、空いたスペースに坪庭を作ってまいりました。施主様は大変植物が好きなお方で、これからじっくり数年かけて、理想の庭に仕上げられる予定です。

さて、今日はそのカシの木を抜く話です。

苗木を植えて13年程経ち、樹高は5m位。これまでは施主様が剪定に励んでおられ、この大きさにキープされていました。しかし年齢的に考えると、この先同じように手入れが出来きそうにない・・・。それで仕方がなく木を減らすご決断をされました。合わせてちょっと違う眺めの庭を造れないだろうかとご相談いただいたのです。

 

ご神木や大樹を切る場合は、事前に神主さんに祈っていただくと思います。でもそこまででもないなと思う木を切る時はどうでしょう。生きている木で、そこそこ大きい、それに思い入れもある木です。私は、いくらご依頼とはいえ、いきなり切ってしまうなどと言う手荒なことは出来ないなぁと思っています。

一般的にはお祓いとかお浄めと言いますが、私の考えとしては、そんな恐れおののく感じじゃなくて。木に対して、切るに至った経緯を伝え、謝罪と感謝の気持ちを表すのが筋だと思うのです。生き物である木の命を、人間の理由で奪ってしまうわけですから、それくらいはしなければと。

昔からある木を切って障りが出たとか、良くない出来事が続いたとか言う話をときどき聞きます。でもそれって濡れ衣ではないでしょうか。植物はとても純粋な生き物、恨むなんて恐ろしいことをするでしょうか。それでもそう捉えてしまうのは、人間のどこか後ろめたい気持ちからきているのではないかと思います。

大きな木なら雨風からそのお宅を守ってくれていたはずですし、夏には影を作り涼しさをもたらしていたことでしょう。その影により、庭の雑草も押さえていたのかもしれません。もしもそれが落葉樹なら新緑や花、果実で楽しませてくれたのかもしれません。可愛がってきた木なのに、自分の都合で切らざるを得ない・・・。辛いですよね。

それで、様々なご事情やお気持ちを汲んで、私達造園業のものは、お酒やお塩のチカラを借りて、木にことわりを入れてから、伐採や抜根作業を行うわけです。木と施主様、両方が少しでも納得がいくように、お慰めになれば・・・。そんな「気持ち」でやることですので、値段どうこうって当然ながら関係ありません。

これから木を切ったり抜いたりするという方で、気になるなぁという場合、造園業者の方に頼めば、このような儀式をきっと快くやってくださると思います。私も出来るだけ施主様のお気持ちに添いたいと思っていますよ。

 

カシのために用意したもの。お神酒用のお酒は特に決まりはないそうですが、私の気持ちとして、地元滋賀のお酒にしています。お清めのお塩は氏神様のところでいただいてまいりました。袋にある「撤饌(おさがり)」とは、神前に御供えし神様の力が宿った食物(今回は塩)のことです。

 

お清めの方法は色々あると思いますが、ディアガーデンの場合は次の通りです。

施主様が立ち会えない場合は、事前にお別れを言っておいてもらいます。立ち会い可能な場合は一緒に行います。まず、木の四隅に撤饌の塩を置き、次いでお酒を撒きます。そして、切る理由と、これまでのねぎらいや感謝の気持ちを私から伝え、心から祈ります。施主様にも同様にしていただくと、心の整理がつくように思います。

これまで、私じゃなくても、パートナーの職人さんがやってくれる場合もあり、その方達の見よう見まね+私の思い で、こういうカタチにしました。ただお酒を撒くだけ、という方もいらっしゃいますし、色々です。

今回は、お施主様の立ち会いが可能でしたので、一緒に行いました。とてもご納得された様子でよかったなぁと思います。作業前の静かな祈りのこの時間はとても大事で、これから始まる新たな庭づくりへの良いスタートとなります。時々今はないその木を思い出したり、とっても大きな木なら伐採後一部を生かして何かを作ってみるのもいいことです。

 

さて、様々な過程を踏まえて、いよいよ、カシの伐採作業スタートです!

 

カシの抜根作業がはじまりました。痛々しい根の画像です。当初はどこまで根が深く張っているのかと危惧していましたが、案外浅く、しかもすんなり抜けてくれて、作業はすごくはかどりました。カシも納得してくれて根をほどいてくれたのかなぁ、なんて。

これは移植するカシです。根を崩さないように「根巻き」という処理をしてから移動させます。大きな根鉢なら、この規則正しいロープワークが芸術になります。(勝手にそう思ってる)

同時に移植場所に穴を掘り、土壌改良剤で土づくりをしておきます。

クレーンで吊って移植場所まで移動中。植えながらたっぷりと水をやります。

カシの伐採と移植がスムーズに終わり、工事1日目は予定より随分はかどりました。職人さんの作業風景やクレーンで木を高く吊ったりする様子を、そばでご覧になっていた施主様も興奮気味で、楽しそうで、よかったです。

 

最後に話をまた少し戻しますが、

私はこの仕事に就くまで、就いてから最初の方しばらくも、木は生き物だとわかっていたけれど、どこか材料みたいに扱っていました。しかし、職人さんが木の根元にお酒とお塩を撒いてから、伐採されている姿を初めて見たとき、意識が変わったのです。この仕事は命を扱っているんだと。しっかりと自覚ました。

それ以来、低木や草花を抜いたり移植したりするときも、お塩は撒かないまでも、出来れば事前に、抜きながらでも祈っています。「ごめんね。またここで綺麗に咲いてね」とか何とか。ブツブツ言いながら作業しています。

変な人と思われても、そう語りかけずにはいられないのです。