仁々木守山店様の造園工事

前回に引き続き、今週完工したばかりの和菓子店「仁々木守山店」様の造園改修工事について書きます。

先日は庭のポイントとなる景石について書きました。本日はBefore&Afterを中心にご紹介します。

 

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まずはBeforeから。

 

改修前。色々な木が植えられて生い茂っていました。育ち方に偏りがあり枯れかけた木も。

 

改装前の花壇。近づいて見ると、雑然とした印象は否めない。

 

改修工事は躯体はそのままで意匠を変えるというコンセプトで進められました。あとは、ほとんどお任せで設計させていただいたのですが、

  1. モミジは残したいのと、使える木は使ってほしい。
  2. 外から店内の様子が見えるようにしてほしい。

というご希望がありました。

それをふまえ、モミジで骨格作り、花壇の中ほどに空間を大きくとるデザインをお勧めしました。

モミジ以外では、アセビやユキヤナギ、ヒイラギが元気に育っていましたので、慎重に掘り取り、十分改良した土壌に移植。すると、これまで埋もれていたこれらの低木達が、見違えるように輝きました。

 

改装後の花壇。よく成長している植物だけを選び、そこに新たな植物や景石を足してデザイン。花壇中ほどに空間を設け店内がよく見えるようにスッキリまとめました。建物も和モダンでとっても素敵に。

 

店側から改装後の花壇を見る。元はコンクリートの部分に敷石と化粧砂利で庭のように演出。花壇と一体感を持たせた。

 

配置しなおしたことで、既存の植物の存在感がUP。お客様も「こんな植物ここにあったっけ?」とびっくりされる程。

 

低木以外では、季節ごとに咲く草花をたくさん植えました。和菓子店なので自然な雰囲気の山野草が中心です。ホタルブクロ、野州ハナゼキショウ、カワラナデシコなどに加え、地元滋賀県の伊吹山由来の伊吹ジャコウソウなるハーブも植えました。これは和製タイムと呼ばれ、とてもいい香りがします。

香りといえば、ギボウシでも香る花が咲く種類のものや、秋に香るフジバカマも植えています。実のなるもの、葉っぱのそよぐもの、などなど、これからどんどん成長し茂っていく予定です。

落ち着いた雰囲気にまとめつつも、訪れるたび新しい発見があるような。そんな植栽デザインなんですよ。

 

改装後。看板が付く予定の場所にシンボリックな花壇を新設。入口を目立たせる効果も出たと思います。

 

さて、こちらのお店、新装開店は本日4月13日(土曜日)です。

お近くにお越しの際は、是非一度お運びください。

 

 

お花見日和、作庭日和

関西の桜もようやく見頃を迎えました・・・が、今日は雨。

ワタクシ、今期はまだ地元の桜しか愛でておらず、花散らしの雨にならないことを祈ります。

 

近江八幡市の観光スポット「八幡堀」の桜も満開。私は観光客のいない早朝か夕暮れの時間帯を狙って行きます。

 

八幡堀のソメイヨシノ。毎年見てるけど、毎年ウットリ。

 

日曜日に近所の公園でお花見ランチしました。ここは家族連れで賑わっています。

 

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さて、そんな満開の桜に後ろ髪をひかれながら向かった先は、造園工事の現場。和菓子店「仁々木」様の守山店です。1月の祇園本店に続きこちらもリニューアルされ、それ合わせて植栽も変えることになりました。ディアガーデンに再びご依頼いただき有難いことです。

(祇園本店様の造園工事 詳しくは→コチラ)

 

守山店様のリニューアルの方針は、躯体はそのままで意匠を変えようというもの。庭も同じように、

1.元々あった花壇のベースを生かしつつ植栽デザインを変える。

2.花壇をひとつ追加する。

といった工事内容となりました。

 

建築の外装工事がほぼ完了し造園工事開始。はじめに不要な植物を撤去し土を改良。それから石を据え木を植えます。ユンボ(正式には「バックホウ」という)を使って効率よく進めます。

 

今回のデザインは、いや今回も?景石をポイントに使いました。私の設計では、和洋問わず、わりと石を使います。

石って時間の塊のようなもの。その存在感はどんな庭にあっても確かで、これほど植物に合う素材はないでしょう。メンテナンスフリーなところも良くて、お手入れに時間が取れない方には、枯山水のような石を使った庭はピッタリだと思います。モダンにもナチュラルにもデザイン次第です。

 

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景石は、前もってパートナーの造園屋さんや材料屋さんで選んでおきます。

場に合う大きさ・形で、デザインする雰囲気に合う色・風合いの石を探します。でも大抵無造作に積んであるので、せいぜい2面くらいしか見えません。小さな石なら手で動かせますが、ある程度大きな石を選ぶ際、いちいち重機で吊って見せてもらう訳にもいきませんしね。裏側がどんな風になっているのかは、想像するしかないんです。

とはいえ、想像を大きくハズすこともありません。想像と違っていても、その石なりに良いところが必ずあるので、それを生かすのが一番。何も困ることはないし、一つで足りなきゃ、もう一つ添えるとか、植物を添えるとか、すればいい話です。そういう臨機応変な気持ちというか、切り替えの発想を持っていないと、石など据えられない。

・・・なんて偉そうに書いてますが、私の言葉ではありません。そう教えてもらったんです。

 

パートナーの造園屋さんの土場で景石選び。ゴロゴロと無造作に積んである山を登り、目当ての石を探します。緑のテープでマーキングしてあるのが今度使う石です。

 

今回、パートナーの造園屋さんのアドバイスをもらいつつ選んだ石、一番目立つところに据えようとした石が、想像を超えた石でした。自然にできた窪みが、水鉢のようになっており、うまい具合に水を張れるのです。

自然石手水鉢といっても、普通は人工的に水穴を掘ったものが多く、こういった自然の力により穴が掘れたもの、一切加工してないものは、探すのに苦労します。それがたまたま選んだ中にあったという訳です。

土場で選んでいるときは、下向きになっていたのか?そういう窪みには全く気づきませんでした~(^^;

 

自然に出来た穴にうまく水が張れるように据えました。雨が降った後、水を打った後に出来る水面が、庭に趣を与えてくれます。

 

そんなハプニングがありつつ、お天気にも恵まれて、気持ち良く楽しく作らせてもらいました。

次回に続きます。

 

 

現場帰りに隈さん建築を探訪-守山市立図書館

来週、仕事をする現場で打合せを行ってまいりました。

昨年から計画していた事案。かなり変更はありますが、有難いことに作らせてもらえることになりました。

 

来月オープンに向けて追い込み中の建築現場にて。ここに新たに花壇を設けます。

 

この度の現場打ち合わせは、パートナーの造園会社さんと、実際に仕事をする手順に沿って確認しつつ行いました。建築工事も佳境で、いろいろな職人さんが賢明に作っておられます。邪魔にならないようにしないとです。

建築工事といえば、よくあることなんですが、いただいている図面と変わることもあります。そういうところ、私達はいちいち説明を受ける訳ではないので(^^;

「あれ?ここ、図面と違いますね。」「このままではうまく収まらへんな。」「うーん。」ってな感じになることは、しょっちゅうなんですね。でもなんとか収めます。最後に収まりの帳尻を合わすのも造園の仕事。逆に言うと、最終工程の造園でしか出来ない帳尻合わせもあるのです。

 

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さて、今回の現場は守山市というところ。この近くにかねてから見たい建築があったので、ついでに寄ってまいりました。

それは、新国立競技場の設計でも注目の建築家・隈研吾さんが手がけられた「守山市立図書館」。オープンしたのは昨年11月1日でした。隈さんファンのワタクシ、まさかこんな近く(ディアガーデンから車で30分ちょいのところ)で見せていただけるなんて!思いもよらず嬉しすぎます。

実はオープンの少し前に外観は探訪していたのですが、内観は混雑が治まってからじっくり・・・なーんて思っていたら、うっかり半年近く経ってしまいました。

 

外観は如何にも隈さんらしく縦格子のデザイン。でも他の作品と違ってかなりカジュアルな印象を受けました。

 

トサミズキやサンシュが満開。もともとあったのか?新たに植えたのかわかりませんが。山にあるような木々と杉の意匠の建物が青い空に映えてます。

 

人々を引き込むように外に開かれ、散策しながら本と人との交流を生み出す「みち」のような図書館を目指したとか。図書館の周りには散歩道があって、その両脇に植栽スペースもあります。自生植物がランダムな感じで植えられていました。今はまだ苗ですが、おそらく梅雨明けにはモリモリと茂っていることでしょう。

デザインコンセプトは「本の森」で外装や天井など管内全体に滋賀県産の杉を使い木のぬくもりを感じるよう設計されています。私が素敵だなぁと思ったのは、内装のカラーコーディネート。淡いベージュのスギの木の色にグリーンっぽいグレーを合わせておられて、とても優しい色合いで和みます。

 

解放感ある大きな窓。本から視線を外しぼーっと外の景色を眺める・・・そんな動作が自然にできるのはこういうピクチャーウィンドウがあるから。

 

スギの木に包まれた、もしくは杉木立の中にいるような意匠。吹き抜けが予想以上に高く気持ちいい。

 

ガーデンファニチャーはディアガーデンでも取り扱っている「Altec(アルテック)」。デッキスペースでは飲食可能らしい。

 

図書館の中に併設されたカフェで。

 

訪れたのは春休み中のウィークデー、時間はお昼前でした。ご年配の方や子供さん、ママさん等で結構賑わっていましたが、吹き抜けの大空間のせいか、まだまだ余裕が感じられます。本棚が大きすぎるのか?肝心の図書は物足りない感じで今後に期待です。ここで調べものが出来るくらい植物や庭の本が充実するといいなぁ。

ともあれ、滋賀県にまたひとつお洒落なスポットが出来て嬉しいな。天気のいい日なら、テラスに出たり・・・、一日いても退屈しないかも。近江八幡市民の私は本は借りることは出来ませんが、スペースを使うことは可能なので、ちょくちょく寄ってみたいと思います。

 

 

仁々木祇園本店さんの植栽工事

2019年最初の施工は、久しぶりに職人さん抜きの独り仕事。軽バンに材料をてんこ盛りに積んで、向かった先は京都の祇園、八坂神社のすぐ近くで、路地をちょっと入ったところにある菓子店「仁々木」さんです。

仁々木さんは、和菓子以外にも、とろっとろの「祇園ぷりん」や種類豊富な「フルーツ大福」でも有名。関西のみならずSAや関東にも多数店舗展開されています。

祇園にあるのは本店で、今回店舗をリニューアルされました。設計は宮村太設計工房様です。建築家で工房を主宰されている宮村様にお声掛けいただき、店舗前の花壇の植え込みを仕上げる役目に預かりました。

 

仁々木さんの祇園本店。リニューアルされた玄関です。シンプル和モダンな雰囲気で清潔感があって、とても素敵。暖簾にある「むしやしない」とは、ちょっとした食事や甘味で小腹を満たすこと、だそうです。

 

建物の改装工事が終わっていよいよ植栽工事のスタートです。路地に面しているので、観光客や車も頻繁に通る中、出来るだけ迷惑にならないように作業をすすめました。

 

作業は宮村様の監督の元すすめてまいります。でも周りから見ると、監督と職人じゃなく、職人2人に見えていたと思います(^^; 植え込み作業はもちろん、重い物を運んで下さったり・・・一緒に汗を流してくださいました。冬だけど、着込んでいるせいか?動いていると本当に暑くなってくるの。

こうやって、一緒にやりながらワイワイ作る現場は、適度な緊張感もあって本当に楽しいです。工夫や、そこもうちょっとこだわりたいって意見も素直に出て、どんどん良くなっていきますし、作り手の前向きな気持ちは、植物にも伝わりますから、和やかな雰囲気は本当に大事だと思っています。

そういう雰囲気を作って下さって感謝です。

 

植え込みの枠はモダンなスチール製。奥行のない花壇なのでこの素材を選ばれたとか。なるほど!です。中には水道メーターなどのBOXが2つもあります。これを上手く隠しつつ緑あふれるスペースにします。

 

植栽デザインは、ほとんど建築家さんのご意向をそのままカタチにしたもので、私は素材調達や、植え込みの際にディティールとかバランスを整える役目に徹しました。小さな花壇なので仕事は早い。4時間程で完成です。

 

自分が職人になると、作業中の写真がタイミングよく撮れません・・・。

なのでいきなり完成写真、ドン!

 

植え込み完了。なぐり仕上げの壁に緑がはんなり寄り添います。

 

Before&Afterを見比べていただくと嬉しいです。

緑が入ると雰囲気がだいぶ変わると思いませんか?建物が柔らかく見えるし、動きが出るので生き生きとします。元の土だけだった時と比べると、植物を植えた方が広く見えるような気もするから不思議です。

小さなスペースでもこんなに表情豊かになるんですね。

 

高木:ハイノキ、低木:シャリンバイ・コバノズイナ、下草:ヤブコウジ・クリスマスローズ・セキショウ・ツワブキ・スナゴケ。

 

常緑の植物の間を苔で埋めたので、年中青々と清々しい花壇です。季節が巡ると小さな花も咲きますし、雨の日は石や苔が生き生きとするでしょう。

水道メーターには竹の蓋を被せ、飛ばないように関守石を重石として載せています。水繋がりで井戸蓋に見立てた、って建築家さんがおっしゃっていましたが、一見飾りにしか見えないので、この下にまさか水道メーターが隠れているとは思いませんよね~。簡単に外せて検針の際にもスムーズです。

この竹の蓋と石は、前もって、ここに合う大きさでこしらえておきました。(以前のブログで解説しています。竹の蓋について→コチラ関守石について→コチラ)現場に置いてみると、本当にピッタリだったので、ほっとしました~(^^*

 

小さな景石も据えて。庵治石と赤いのが富士溶岩石です。クリスマスローズの花が赤だし、いろんな植物にちょっとづつ赤が入っているので合うと思う。ほんと、ちっちゃい石だけど。

 

ショウウィンドウの枠と花壇枠が同じ素材で作られています。かっこいいです。錆びることも味となるそうで経年変化が楽しみです。ハイノキは大胆に枝を抜いてすっきりさせました。こうして建物の意匠に少し緑が絡むことで一体感が増すように思います。

 

木を多用された上品な外観。栗なぐりの壁は、日差しの加減で微妙に影を変えるので、とても味わい深く見ていて飽きません。そんな美しい背景に、植物や石、鉄といった素材が主張しすぎることもなく、あくまで自然な感じで寄り添っている感じがねー、何とも絶妙で素晴らしい!

って、半分自画自賛ですけれど。本当にそう思います。

お近くにお立ち寄りの際はご覧いただき、美味しいお菓子も是非~♡

 

(この他の画像はWorksに掲載する予定です。またお知らせします)

 

 

台風被害の補修工事ようやく完了

9月初め近畿地方を襲った猛烈な台風による災害は、住んでいる者にとって忘れられない出来事です。ここ滋賀でも、琵琶湖沿いの防雨風林や鎮守の森などでは、いまだ倒れたままだったり、ひどい折れ方をした木がたくさんあります。

そんな中ディアガーデンでも、エクステリアに被害を受けたお宅から補修工事を請け負っておりまして、それが先週、ようやく全部完了しました。

被害に合われてから2か月余り。こんなに時間がかかったのは、カーポートの屋根材であるポリカーボネートが品薄状態で、なかなか届かなかったのが大きな要因。お客様のカーポートはディアガーデンで建てたものではなく、調べると廃盤商品でした。そのため損傷した屋根パネルは特注加工になり、余計に時間がかかりました。加えて保険会社さんの返事待ちや職人さん待ちという時間もありました。

これからもし不運にも災害にあって補修する場合、こんな感じなんだなぁと目安になればと思います。

 

こちらのお宅は台風の風でフェンスの傍にあった物置がフェンス側に倒れ、どちらも壊れてしまいました((+_+)) フェンスは柱ごと付け替えです。物置も新品と交換。職人さんが黙々と作業されています。

 

そんなこんなで、お客様には長らくご不便をお掛けして申し訳なかったです。

でも、なんとかバタバタする年末までに工事が完了出来て、本当に良かったと安堵しております。

 

カーポートの屋根補修完了。丸印のところが補修したところ。アクリルからポリカーボネートになりました。同じメーカーですし、色は極力合わせましたが少しだけ違ってます。この微妙なカーブが特注加工です。

 

 

こちらのカーポートの屋根には、来年また台風が来ても安易にパネルが抜けないよう、要所要所にフラットバーを固定し補強をしました。これで少しは心丈夫かと。でも、元々のアクリル板が劣化してかなり脆くなっているため、今度はドカ雪が降って30cm以上積もったらと想像すると、ちょっと不安です。

(旧製品の屋根パネルはアクリルが多く使われていましたが、現在はポリカーボネートです。ポリカの方が薄く加工性に優れ、強度もUPしています。熱射を遮断する機能も選べます。)

「出来るだけ雪は早めにどかして下さいね」

「そうします。でも最悪またパネルが抜けたらまた連絡します。保険もたぶん降りるし。 」

「何もなければいいですね。でももしものときは、私がついてますので!」

・・・ってなやり取りをして、引き上げてまいりました。

 

自然災害から逃げることは難しいけれど、災害保険の備えをしたり、気安く相談できる業者を知っていたりすると、問題をそこに振れるので、気持ちが楽になると思います。

 

 

水仕舞について

昨日から尋常ではない降り方の雨。何事も過ぎるとよくありませんね。各地被害が大きく出ませんようにと祈るばかりです。

ここ滋賀ではJR線が朝から全て運休。こんなの越してきて初めてじゃないかな?って驚いています。毎日電車が動くのは当然のことと思い込んでいますが、実は当たり前でないのだなぁと痛感します。

そしてこういう状況では、離れている家族も心配で、安否確認しあいます。災害は起こって欲しくないけれど、大切なことを再確認するいい機会なのかもしれません。

 

テラスのテーブルの上で雨粒が盛大に跳ねてます。今日は止み間がありません。

 

庭やエクステリアにおいて、大切なことのひとつが「水仕舞」です。

外ですから大部分は当然雨がかかります。今回のように何年かに一度のような大雨も降るし、植物に水も遣る。そんな水をどう捌けさせるか?水仕舞いの良し悪しが仕事の良し悪しにもつながるのです。

アプローチや駐車場などの土間に水たまりを作らないよう、樋からの水の処理、配水管の角度や枡への結合がしっかりできているか、防水防腐機能のしっかりした製品の選択、芝生や土の場合は暗渠排水の検討、水はけのよい植栽地盤づくり、などなどやるべきことはたくさんあります。

不用な水は不衛生ですし、植物にとっては根腐れの原因になります。夏ならボウフラがわいて蚊が発生しやすく不快ですし、冬は凍結して危険です。水じまいは本当に大切です。

 

植栽の際は、客土にバーク堆肥やパーライトなどを適量投入し、水持ち水はけのいい土になるよう改良してから植えます。

 

配管や暗渠(透水パイプなどを地下に埋設し余分な水を排水するもの)など、後から施すことが難しい工事については、計画段階で結構慎重めに提案します。暗渠は予算の都合でカットされることもありますが、その結果水たまりが出来てしまうと、やっぱりもっと強く言うべきだったな・・・と後悔したり、樋からの排水でコンクリートに思わぬシミを作ってしまい反省。枡蓋を何気に開けて覗くと、配水管が枡に繋がっておらず、冷汗をかいたことも・・・。

そんな時思い出すのは、ガーデンデザイナーになってすぐの頃、ある造園職人さんがおっしゃった一言です。「僕らは、水たまりを作ってしまう=恥をかいている、と言います。不細工な仕事を晒している、ってことです。」と教えて下さいました。

自分が恥をかいていないか、いつも問いかけながら仕事をしています。

 

雨の中届けて下さったお土産。有難く、ありがたく。

 

はぁ。それにしても雨はしつこく降り続いています。明日は七夕ですのにね。

空の様子が心配です。

 

 

スモールガーデン完成

ディアガーデンのある関西はまもなく梅雨入り。

雨の季節を待ちわびるかのように、ディスプレイガーデンのアジサイが、空に向かって花首を伸ばしています。

 

山アジサイ「クレナイ」が咲き始めました。名前の通り、これからだんだんと紅に染まってきます。

 

さて先日は、家を新築された若いご夫妻のために色々な植物を植えてまいりました。エクステリアと花壇は建物と一緒に仕上げられており、そこへ植栽をとディアガーデンにご依頼くださったのです。

ご縁を頂戴できたのは、ご夫妻がたまたまディアガーデンの前を通りかかられたのがきっかけでした。前庭の雰囲気を気に入って下さって、更にこのウェブサイトをご覧になり、ご連絡くださいました。

およそ3平米ほどの花壇。お話がまとまりつつあったのは4月半ばでした。急いで内容を詰めてすぐ植えてもよかったのですが、植物の世話をするのが初めてとのこと、少しお待ちいただいて梅雨前に仕上げることをご提案しました。梅雨ならひと月間たっぷり雨が降りますから、植物にとっても、水遣りの不慣れな夫妻にとっても、スタートには最適と判断したからです。

植えたのは奥様のお好きな植物ばかり。インテリアに飾れるものがメインで、今とても人気のあるドウダンツツジですとか、アジサイ(秋色アジサイとアナベル)コデマリなどの低木や、シャクヤク、スカビオサ、千日紅などの草花、などなど10種類揃えました。シンボルツリーは姿の清々しいアオダモです。

私はいつも植木を仕入れる際、お客様に「よろしければ一緒に選びに行きませんか?」とお声かけしています。お客様自らお選びいただくと、もちろんプロのアドバイスもしつつですが、きっとその木に対して愛着が増すだろうなと思うからです。沢山の植木を見る機会もそうないでしょうし、いかがでしょうか?ってね。

今回のお客様はそんな誘いを喜んで受けて下さいまして、一緒に出掛けてまいりました。

いつもお世話になっている造園材料の問屋さんへお客様をご案内。広い敷地にたくさんの苗木が植えられています。

 

問屋さんまでドライブする道すがらお客様が「お庭を作ろうと思ってから、急に色々な植物が目につくようになって。今まで好みでなかったものも可愛いなと思ったり、不思議ですね。」っておっしゃいました。お客様のワクワクする気持ちが伝わってきまして、すっごく嬉しくなりました。

今まで見えなかったものがすごく見える、気になる、それって世界が広がったってことですよね。その体験をされたことが素晴らしいです。私も見えないものがいっぱいあるので少しでも多く見えるようになりたい。羨ましいなぁと思います。

(ドライブの帰りもエピソードがあって。次回書きます♡)

植木畑では、色々な木を見てゆっくり迷ってもらって、私の意見も聞いていただいて、コレって決めていただきました。「これもいいな、あれもいいな。」と迷うことも楽しみの一つですよね。育てやすそうな素直な枝ぶりで、花壇内の低木ともバランスのとれる素敵な木をお選びいただきました。

庭づくりの過程ひとつひとつを楽しむこと、それはモノづくりの醍醐味です。たんに庭をお作りすることだけが私の仕事とは思ってなくて、他で出来ない体験や植物の新しい知識などもご提供できればと思っています。

 

お客様とどの木を仕入れるか物色中。今回植える場所には高木が1本だけなので、素直に伸びているこの木に決定!

 

全ての材料が揃っていよいよ植え込み当日。

どんなふうに植えるのか興味津々なお客様に、工程のひとつひとつをご説明しながら、また配置をご確認いただきながら職人さんと作業していきます。

高木には水遣りのしやすいように「水鉢」といって根鉢にそって土手のようなものも作りました。私はスペースが許せば出来るだけこの水鉢を作るようにしています。水鉢があると、そこに水がたまるので、効率よく根に届けることが出来るからです。

 

まずは植栽地盤をしっかり作ります。雑草を含む表土を取り除き、土壌改良剤(完熟たい肥とパーライト)をいっぱい漉き込みます。保水性排水性を高め、肥料分も補うことができます。木を植える穴には深いところまで更に改良剤を追加。

 

ポット苗を一緒に植えていただいたりお手入れ方法をお伝えしながら、ゆっくりと作業して3時間程で完成しました。

お客様にも大変喜んでいただけ有難い思いでいっぱいです。お客様の笑顔、この瞬間がね、私にとってはご褒美の時でして。また次頑張ろうという気持ちにしてもらえる媚薬なんですよね。

植え込み完了。一つの景色となるよう高木、低木、宿根草をバランスよく配置しました。アオダモは仕入れの時に畑で見るより大きく感じます。「この木を選んでよかったです」と満足いただけてホッ。

 

カラーコーデは青~ピンク~白(シルバー)と大人可愛い配色。これからどの色がメインとなるのかな?将来が楽しみです。

 

形が出来上がるまで少なくとも2、3年はかかります。でも今咲いたお花はすぐにでもお部屋に飾ってもらえますし、成長過程そのものを楽しんでいただけたらと思います。

思うように育たない、または育ちすぎる、なんでやねん!と思うこともあるでしょう。でもある朝、思いがけない贈り物をもらうことだってあるし、泣きたくなる程美しい場面に出会うこともあるんですよね。愛情を持って接すると、植物って、庭って、必ず答えてくれます。本当に。

またしばらくして成長した姿を見にお訪ねするつもりです。今後とも末永くよろしくお願い致します。

 

 

本鞍馬石って

今週は木を植えています。そしてまた楽しい石据えも。昨年から部分的に改修をさせてもらっているお宅。今回は敷地の東側の花壇を変えたいとご依頼いただきました。ありがとうございます♡

ディアガーデンのパートナーの造園会社さんとワイワイと楽しい現場。お庭が大好きなお客様も「作庭の過程を傍で見る機会は滅多にないから是非見ていたい!」とのことで一緒です。造園職人さんとも話せますし、徐々に出来上がっていく様子を観ることで庭に対する愛着も増すと思います。すごくいいことですので「どうぞどうぞ」です。

 

5mのヤマボウシ。植える前にざっと整枝剪定します。

 

花壇枠も作り直し、いざ植え込み!

 

こちらのお庭にはもともと巨大な本鞍馬石が据えられています(最初の画像にちらっと写っています)。お客様は鞍馬石がお好きなようで、今回も「小さいのでいいから鞍馬石、出来ればホンクラを据えて欲しい」というご希望がありました。

鞍馬石は京都の銘石として全国的な知名度を誇る庭石です。現在は鞍馬での採掘が少ないため、丹波や甲州地方で採れる鞍馬石が多く流通しています。それらと差別化して本場鞍馬産の石を「本鞍馬石」と呼んでいます。希少価値があるのでお値段は高めです。

鞍馬石は濃い茶褐色の落ち着いた色合いが特徴で、硬質な花崗岩ですが不思議と柔らかな雰囲気を漂わせていて、緑との相性は抜群なんです。雨が当たると更に侘びて見えます。

 

本鞍馬石、ご希望の場所に据えました。小さめの沓脱石?大きめの飛び石?どちらにも使えそうですが、ここでは景石として。玉葱状剥離が現れ、鉄錆色が全面を覆っていていい風合いです。

 

本鞍馬石ふたつめ。黒錆がシブく出てます。丸みがある形が面白いと思って選びました。なんか動物が寝そべってるみたいなんです。

 

上の画像の2石を据えました。本鞍馬石を据えるのは初めてです。

正直なところ申しますと。私は高価な石とそうでもない石の違いとか、希少価値のある石と山に転がっている石との違いなんて、あまり意識していません。石は何でも好き。地元で採れるもので、場や雰囲気、ご予算に合うものが一番だと思っています。

だから「みんな、ホンクラ♪ホンクラ♡って。こんなたっかい石、何がそんなにええんやろ?」ってな感じでした。でも石選びから据えるまでやってみて、いいところが感覚的にわかった気がします。存在がなんと言うか柔らかーくて、渋いのに内側からふんわり光ってるんです。あぁ・・・うまく表現できないーっ((+_+)) 色がいいのかなぁ。ほんまにええ感じの石やわと思って。

とにかくお客様が喜んで下さったことが一番嬉しいの。「やっぱ、ええもんはええな!」って何回もつぶやいておられました。ふふふ。良かった!

完成の姿はまた改めてご紹介します。

 

 

施工監理の現場から-後編

前回の続きで、ディアガーデンが設計監理をしているお庭の現場から。

こちらのお庭では色々な年齢層の方が思い思いに楽しめるような仕掛けを作りました。そして植物ばかりでなく、石のある庭の良さも肌で感じていただきたいという思いもあって、一部の築山に石をゴロゴロッと埋めてみました。

石のある景色はモダンな建物にもよく合います。

 

選ばせてもらった景石を据えたところ。無造作に転がして。

 

ここは県外。地元ではないので普段どんな石がよく使われているのか知りません。見学兼ねて据える石を選びに、小一時間ほど現場を離れて、施工を担当して下さっている造園屋さんの土場へ伺いました。

土場は現場から車で10分くらいのところ。大きなユニックのついたトラックに乗せてもらいました。目線が普通車に比べてかなり高いので気持ちいいんです。まだ咲き残る桜や綺麗な山並みを遠くに見ながら往復しました。

前日の2日間は雨や風が強かったのですが、この日は快晴。まだ雪の残る山、妙高山というそうですが雄大な姿に感動。その山肌に見える雪形「跳ね馬」が有名だと伺いました。この形の見え方が農耕作業の目安とされたそうです。

「どこらへんいるんですか?」「あの頂の左下の方」「わかりませーん(+_+)」絵で描いてもらってようやくわかりました。世話が焼けます。

でも一旦見えると、今度はもう跳ね馬にしか見えないのが不思議ね。ちょうどフェラーリ社のマークのような形でしたよ。↓↓↓

 

妙高山の山肌に現れる馬の模様は春の風物詩だそう。白い丸の中に注目。前足を跳ね上げている馬の横姿がお分かり頂けるでしょうか?

 

土場ではこの近郊で採れる石をじっくり観察。見慣れない溶岩石もよく使うとお聞きしました。

社長さんに「どれでも好きなの持ってっていいよ。」っておっしゃっていただいて!まぁ、バカでかい石は据えるつもりがなかったし、搬入の手間とかも考えて、そこは一応気を使いつつ。でも本当に好きなの選ばせてもらって、職人さんたちと一緒に据えました。(一番大きい石を撮りそこなった泣)

石を据えるって正解がないから、何度やっても楽しいです。

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まだ造作工事が残っていますが、しっかり作っていただけそうです。現場の職人の皆様、どうかあと少し頑張ってください!

3日間だけ共に働かせてもらったのですが、楽しく作庭できたことに感謝です。女性の職人さんとも初めて一緒に作りました。きびきびと動かれて技を発揮、きれいでかっこよくてね!こんな方どんどん増えるといいなって思いました。

 

もうすぐ完成しますが、本当の完成はまだ数年先です。季節が何回か巡って、木が根付いて草花が広がって・・・都度足したり引いたりしながらバランスを整えていくことが大事になります。できるだけ省メンテナンスの庭をデザインしたつもりですが、これだけ広いと何もしないわけにはいきません。

お引き渡しが済んだから終わりではなく、関わらせてもらえる限り、よい庭になるように力を尽くしたいと思います。

 

 

施工監理の現場から-前編・秘密兵器編

ディアガーデンが設計監理を担当させてもらっている広ーいお庭の工事が大詰めを迎えております。昨年の秋頃着工したのですが冬は豪雪のために一時中断、雪解けを待って工事が再開されました。

こちらの現場は県外ですので、工事監理は要所要所で伺っております。これまで造成工事高木の植栽工事等、庭の骨格を作る工程に立ち会ってまいりました。そして今週はいよいよ仕上げの植栽工事がはじまるとのこと、久しぶりに現場に向かいました。

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今回は、主に低木や宿根草の植え付けや石工事の監修、ディティールの確認&修正等してきました。

3ヵ月ぶりに現地に立つと、既に一面芝生が貼られており、泥だらけだった前回の印象はどこへやら。すっかりお庭らしくなっていました。そういえば、長靴が抜けないほどぬかるんでいたっけ。何回コケたか?ってくらい歩きにくかったのになー。芝生はまだ養生中なので、そおっとしか歩けないけれど、本当はスキップしたい気分でした。

 

伸びやかな木々のあるひろーーーいお庭。もうすぐ完成です。床面がきれいに整備されるとやっぱ違うわ!

 

今年の冬はものすごい風雪だったようで、立ち姿にこだわって植えた木が何本か傾いていました。そんなところも修正せねばなりません。

でも桜の木は可愛らしい花をつけていて、あぁ無事冬を乗り切ったのだなぁとホッと一安心。たくさん植えたからここでお花見出来ます。これから年を経るごとに大きく咲きそろっていくことでしょう。

 

昨年末に植えたジューンベリーの花。満開でした。

 

今回一番時間を割いた場所がこちら↓「新宿根草主義の庭」の見本となるような花壇で、ここだけでナント500本程の苗を植えていただきました。500ものポット苗を植えるともなると、事前に品種ごとに植えるエリアを決めておかねば配置することもままなりません。

予め作成しておいた図面に従って、地盤に直接石灰でマーキングしていきます。石灰は土壌のPH調整に使うくらいですから、植物にとって害が出るものではありません。作業する方にとっても白はクッキリと見やすく、書いた線は消そうとしなければ消えないので、とても扱いやすいの。

ベテランの監督に教わって以来、いつも現場ではこの方法です。

 

庭の一角の宿根草花壇。これからパズルのピースが入るって感じですね。ランダムに見えますがちゃんと測って書いているんですよ。

 

実は配置前に秘密兵器を使いました。今から書くので秘密じゃないんですけれど・・・(^_^;)

それは「バイオゴールド バイタルV-RNA」という活性剤で、今回特にこだわって使用したものです。

木と違って根の小さい草花は、夏場の水切れがとても心配です。だから植えつけ後、速い段階で如何に大きな根を張れるか?そこがこの庭では、重要なポイントになってくると思っていました。深く根を張れば、地表面の乾燥に影響されにくくなりますからね。

よい方法はないか、ガーデン&プロダクトデザイナーの吉谷桂子先生にご相談すると、いい活性剤をご紹介くださいました。昨年の淡路のガーデンセミナーでのことです。

吉谷先生の管理されている庭園でも日常的に使われて、かなり手ごたえのあるものとのこと。しかも日本製で自然由来成分で出来た活性剤です。早速取り寄せ、まずはディアガーデンで使ってみました。まだ完全に季節が巡っていないのですが、薬害の心配はなさそうです。効果に期待してこちらでも使うことにしました。

 

株式会社タクトさんのバイオゴールドバイタルV-RNA。早く根付かせたい、新芽を早く出したい、光合成を補いたい、樹勢回復等に広く使える活性剤。肥料ではありません。

 

現場で、この活性剤を規定倍率に水で希釈し、苗のトレイごとその液にどぶ漬けしてから植えつけていただくようにとお願いしました。

造園会社様には液を入れる大きな桶を用意してもらったり、ひと手間余分な作業になるのですが、嫌な顔をせずやっていただけました。むしろこの活性剤に興味津々という感じで、初めは一部の苗だけと思っていましたのに、結局植えるすべての苗に活性剤をやってくださいました。感謝です。

 

次々とトレイで運ばれてくる活性化された苗を設計に従って配置するのは私の仕事です。もう1年以上前に考えた植栽デザインですが、完成の姿は頭にありますし、苗の種類によって必要な株間のスペースも全て把握しています。植える方達の手を止めないように、スピード感を持ってどんどん配置していきます。

苗は草花に慣れた女性作業員の方がひとつひとつ丁寧に植えて下さいました。植物を育てることが大好きだそうで、珍しい苗に目を輝かせておられました。その様子がとっても可愛らしかったです。

 

500potもの苗が植え付け完了!植物にはいいスタートを切ってもらえたと思う。私からのエール、受け取って成長しておくれ!

 

長くなりましたので、次回につづきます。次はここの近くの景色も見ていただこうと思います。