アンティークの器を花入れにー弘法市で出会った器たち

先月、京都東寺の弘法市でちょっと面白いものに出会えました。

ひとつ目は、錫で出来た「盃洗」。

お店の人の話によると、明治時代の物で「旧家の蔵からの初出し(うぶだし)で、いいもんだよ。」とのこと。この日は花入れになりそうな器を探していたのですが、これが遠目からチラッと見えた時、脚付きのスッキリとした姿がとても上品に見えて!すーっと引き寄せられたのです。

 

盃洗という器。食器として使うつもりはなくて、こうして花器やディスプレイに使っています。バルコニーで育てている薔薇「あおい」を浮かべてみました。あずき色かかったシックな色合いが古い錫と良く合う。

 

「盃洗」とは酒席で盃を洗うための水を入れる器。今はほとんど聞きませんが、昔は一つの盃で酌み交わすことにより心を通わせるという考えがありました。盃洗はそうした盃のやりとりの際に用いられたもの。高級料亭や高貴な席では、漆器に蒔絵を施した盃洗を台座に丁寧にのせ出されていたのだそうです。

でもこれは模様もなくて、本当にシンプルなところが気に入りました。初めは洋の器かなとも思ったのですが、まさか和の器とは。それだけに色々使えそうでしょ?古びた錫の感じも渋いし、値段も可愛らしかったので、迷うことなく連れて帰ってきました。

 

ふたつ目は「手あぶり火鉢」。これも花入れとか鉢カバーに使えそうだなと思って買いました。

手あぶりにしてもあまりに小さく、ストンとした形で何の装飾もないので、もしかしたら陶器かなんかの内側に入っていたパーツだったのかもしれませんね。でも、またしてもそのシンプルさがモダンに見えて。

 

手のひらサイズがかわいい真鍮の火鉢。もうかなり使われている風でいい感じに枯れてます。育てている薔薇「ディスタント・ドダムス」がとっても映えます。そろそろ薔薇の盛りも過ぎて次はシモツケやアジサイの花を挿そうかな。

 

さて、ご存じの方も多いと思うのですが、弘法市とは。

毎月21日に東寺の境内で催される骨董市のことです。骨董品だけでなくアンティーク着物、生活雑貨、植物、食品など色々なお店が所狭しとあって大変な賑わいです。外国人観光客の方も結構たくさん来られています。

 

東寺と言えば五重塔。京都のランドマークとしても有名です。弘法市の日には境内にびっしりと露店が軒を連ねます。

 

弘法大師空海さんの御膝元ですから、こちらでお商売をされている方々は嘘はつけません。

 

弘法市が開催される21日はという日は、弘法大師空海に報恩感謝する御影供という法要が行われる日だったそう。法要に人が集まり始め、茶屋が立ち、今日の市に繋がります。この時も、市で賑わう境内をゆく僧の列を見ました。これから法要がはじまるようです。

 

ワタクシ、骨董に関しては全くわかりません。でも多少興味はあって、普段は美術館で超一級品を見せてもらっては、ウットリしています。

自分のものにするとしたら、気兼ねなくどんどん使えるものがいいので、手頃な価格で、ちょっと雰囲気でてる程度のもので十分です。骨董市で色々なお店がある中、食器は今以上増やしたくないし、アンティークの着物はサイズが合わない。(大女だから!)欲しいのは、やっぱりインテリア関係に絞られます。

そんな目で見ていると、あるお店の一番奥にある壺に目が釘付けに。中国っぽい意匠で、青とチョコレート色の配色がすごーく綺麗なんです。好みとか欲しいとか、そういうんじゃなくて、ただただ綺麗だなって思いました。

お店の方に断って近くで見ると、新品みたいにピッカピカです。それが話を聞くと、ナント200年前のもの!しかも紀州「偕楽園焼」て、え?日本製?ってビックリしました。

偕楽園焼とは紀州徳川家のお庭焼きのことらしい。こうして店主さんに気軽に聞けるのも骨董市の良いところです。

 

モダンな壺。この配色からしてそんなに古いものとは思わなかったのですが・・・実は200年程前の偕楽園焼というものだそう。

 

偕楽園焼、とっても目の保養になりました。これの香炉とかあったらいいなーと思います。そうそう、今回は買うつもりのなかったので、じっくり見ていませんが、香炉はいっぱいあったなぁ。

また機会を見つけて行ってみようかしらね。

 

 

「香道 教林坊流」体験

前回の続きです。ディアガーデンのある近江八幡市のモミジ名所として有名な教林坊さんで香道体験をしてきました。

きっかけは先月お香喫茶で沈香をかがせてもらったこと。そのときのことをブログに書いて(→コチラ)それを読んでくれた友人と話が盛り上がりまして。今度は本格的な香道を体験させてもらえる所はないかと探してみたら、案外近くで見つかりました。こちらの募集は年に2回だけなのですが、たまたまタイミングが合ったことも幸いでした。

 

新緑が美しい教林坊さん。こちらの書院で香道を体験させてもらいました。

 

何も知らないので身一つで伺って、しかも普段着です。

先生とお寺の方、他にもお着物を召された方がおられました。先生はモダンな飛び柄の小紋。着慣れておられるのでそれはもう素敵で、やっぱり着物はいいなぁと見とれていました。勝手な想像で女性ばかりかと思いきや、半分は男性。しかもお若い方もおられ、少しばかり驚きました。私たちのような初心者もあわせ全部で17名の会です。

まずは、先生が簡単に香道のいろはを教えて下さいます。香道とは、灰の整え方や用具について、聞くときの香炉の持ち方、聞き方の作法など、なんとなくの知識の意味がわかり、この時点でもう引き込まれました。

そしていよいよ沈香を聞くことに。順番に香炉が回ります。

 

香炉です。持つとほのかにあったかい。聞いている間は鼻もあったかい。電子香炉よりもだいぶあったかい。

 

嗅覚だけでなく五感全てを研ぎ澄ませて香ること。それを「聞く」と表現します。心静かにゆっくりと3回。綺麗なもので身体の中を浄化するかのようなひと時でした。

次は組香というお遊びです。あるお題に基づいて問題がだされ、香りを聞きあてるゲームです。これ、やってみたかったんだ♪

 

香炉が回っている間、先生がいろいろなお話をしてくださいます。

 

今回は夏の会でしたから、先生は、百人一首の中から「夏の夜は まだ宵ながら 明けぬるを 雲のいづこに 月宿るらむ」という夏の句をテーマに選ばれました。清原深養父という方の句。この方、実は清少納言のおじい様なんだって。

月と見立てた香りを最初に聞いて、それに当てる3つの香りを雲一、雲二、雲三とします。その中に月と同じ香りがあるかどうかを判断するゲームです。答えは月の名前で、雲一が同じ香りと思ったら「宵」雲二なら「暁」雲三なら「有明」などと紙に書きます。さて雲のいずこに月宿るらむ?

計4回聞くので、もうわかりません。先生曰く、ほとんどわからないものらしい。だから正解しなくても当たり前なんですって。それを聞いて気が楽になりました。

ぱっとわかるものもあれば、微かに違うような?というものも。どれも柔らかないい香りです。私は香りの余韻の違いで判断しましたら、たまたま正解しましてビックリ。嗅覚を一時失っていた私が正解したなんて~感無量です(泣)

香りがしないと味もわからない、季節の花の香りもわからない、かなり侘しい日々でした。でも見た目どこも悪くないので、良くなるまでは近しい人にしか打ち明けていませんでした。薄紙をはがすように徐々に治ってきていたのですが、今回「もうすっかり良くなったんだよ」と、こちらの観音様が教えて下さったんだなぁと思いました。

下の画像はその記録紙です。どうも記録の書き方なるものもあるみたいです。

 

この日の香席タイトルは「夏目香之記」。正解者には名前の下に「叶」と書きます。記録紙は正解した中で上座の方がいただけるのですがその方が譲ってくれて。いい記念になりました。

 

最後にお菓子と薄茶を頂戴しました。

たぶんこの日のために特別に選ばれたお菓子だと思います。いただくのが勿体ないくらい綺麗でした。

 

生菓子を頂戴しました。新緑を映したような美しい緑色。青葉か?それとも苔?上に一粒の露がのっています。美味しかったです。

 

香りを聞くときは風が入らぬように閉められていた障子が、お茶の時間になると一斉に開け放たれます。すると見える景色は一変!緑したたるお庭が現れます。その鮮烈な色、解放感。庭がまるで絵のごとく眺められ・・・至福の時間です。

庭ってこんな風にも使われるんだ。この感動を体験させてもらったことだけでも、来てよかった、そう思えたのでした。

 

書院の窓を開けると、まるで掛け軸を掛けたよう。風情ある眺めが飛び込んできます。

 

香道の良いところとは、香りを通して、日本文化の知識や嗜みが覚えられること、と先生がおっしゃられていました。先の歌も、ただ覚えるよりは、組香という遊びを通じて覚えた方が覚えやすいのだと。

今回の歌は清少納言のおじい様ということで、清少納言のこと、平安時代の風習や常識、月にまつわることそれが現代でどうなのか、先生の体験なども交え広く語っていただいて、聞いていて本当に楽しかったです。先生の知識の抱負さ、語り口調など、ただただ感服するばかり。

それに加え、着物に憧れる私にとっては、着られる貴重な機会。とても魅力的ですが、次があっても間違いなく洋服だな。友人も「まず長時間の正座がムリやわ」と。確かに!激しく同意です。

ほとんどの時間、足を崩していたのに、立つとき相当ヤバかった。和服を嗜むまでの道は遠い。

 

 

青葉狩りの名所とは 

緑の美しいこの頃は最も庭で過ごしやすい時期ではないでしょうか。年にもよりますが、暑くもなく寒くもなく湿気も少ない、そして蚊もいません。木漏れ日がキラキラとして、それはそれは心地いい眩しさ。

新緑は古来「青葉」と呼ばれました。桜びいきの西行が「時鳥 きく折にこそ夏山の 青葉は花におとらざりけれ」と歌ったほど新緑は美しいものです。江戸の俳人・山口素堂の有名な句「目に青葉、山ほととぎす、初鰹」にも新緑が取り上げられていますね。

では新緑を見に行くとしたら?紅葉狩りの名所が「青葉狩り」の名所、ではないでしょうか。紅葉のときほど人で溢れていないのでオススメです。ディスプレイガーデンで毎日青葉を堪能している私ですが「狩り」というからには、もっと多くの青葉を見たい。

そんな願望が叶ったのは、ちょうど香道体験に伺う予定の教林坊さんで。ディアガーデンと同じ近江八幡市にあるお寺で、車なら15~20分程度で着きます。前回訪ねた頃は、紅葉が本当に見事でしたから青葉も素晴らしいに違いない。(そのときの様子はインスタグラムにだけUPしたんだっけ→コチラ。フォローよろしくお願いいたします♡)

赤に彩られていたときも美しかったけれど、新緑の清々しさはまた一段と美しい。お寺や神社のモミジはゆうに御堂の高さを超える程大きく育っているので迫力があります。

 

茅葺の門。半年ぶりの教林坊は青々として。

 

本堂。画面手前には池の庭。その間に岩屋があり聖徳太子御作の石仏・赤川観音様がまつられています。

 

モミジは変にいじらない方がいい木。元々自然樹形が美しい木ですから、職人さんもあまり切りたくないと言います。枝先の柔らかさがモミジの美しさのツボかなぁと思いますし。

とはいえモミジは樹勢が強い。小さな庭ではある程度剪定が必要です。今頃ですと、切ったところからすぐ新芽や脇芽が噴き出て、それがどんどん伸びるので、枝先で切らないことです。私も以前自分で何気に切って「噴き出してビヨーン」を体験しました。

失敗がないのはやはり落葉期に根本から。それと成長力にあった剪定が大事なので切り過ぎないこと、でしょうか。

このお庭のような青天井を作るには、広い場所と年月が必要で・・・溜息がでますね。そして目を落とすと足元に広がる苔。石にもびっしり。あたり一面緑一色。そこにいる自分ですら緑に染まるのでは、と思う程です。

苔が美しいと秋の紅葉の折、色の対比が極まります。紅葉の美しさを密かに引き立てているのが実は苔なんですね。

 

木漏れ日が苔にはちょうどいい。近くに沢が流れており適度な湿気があるので、これまた青々とよく育って美しい。

 

教林坊さんは聖徳太子によって創建されたと伝わる由緒正しいお寺。お庭には巨石が多く、小堀遠州作の庭とも言われ水琴窟もあります。

そんなすごい歴史あるお寺ですが、昭和50年ごろ一時無人となったことがあります。庭園は村人達によって手入れされていたそうですが、かなり閑散としていたよう。でもそれが幸か不幸か?その間、木々は思い思いに育ち、苔も更に拡大して全てが覆われたのでは?とも想像します。

復興のご苦労はいかばかりかと思いますが、自然の手に委ねた経緯はそのまま、こちらの庭の個性となっていると感じます。

 

香道体験はこの書院で。

 

次回は香道体験について書きます。

 

母の日に母と過ごす有難み 

13日の母の日に合わせて兵庫県へ帰省しました。ここからは9割ハイウェイ走行で2時間ちょい、いつでも行けそうなのに、その前後のスケジュール調整やバタバタが面倒で、ふと気付くと数か月も足が遠のいています。親不孝な娘です。

帰省すると、母と食事したり、好きな花や器を見に出掛けたり。また家の中の諸々を手伝ったりしていると、ホントあっという間に数日経ってしまう。お蔭様で健やかにいてくれて逆に私を気遣ってくれる母、健康法とか食べ物とかいいものがあったらすぐ教えてくれます。でもあと何回こうして合って話が出来るのだろうかと。計算するとその少なさに愕然とします。

滋賀に戻るとき、私を見送る母がバックミラーにどんどん小さくなっていく。そのときが一番切なくて。またすぐに帰ってこよう、そうしっかりと思うのにすぐ時が流れます。あぁ。

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今回はまず神戸で働いている姪の顔を見てから実家へ。一緒に新神戸駅近くのホテルでランチして旧居留地でお買い物など楽しみました。

若いときはよく遊びに行っていた神戸の街、久しぶりにブラブラ出来て嬉しかったなぁ。変わらないところ変わったところなど見るにつけ感慨深くて。

またいつものごとく沢山撮りましたので、ほんの一部ですが、皆様も観光気分で画像をご覧ください♪

 

ランチまで少し時間があったので、新神戸駅から徒歩10分位のところにある布引の滝へ散歩。これは雌滝です。更に上流には夫婦滝、雄滝があります。新緑と水しぶきが清々しい。

 

神戸のお洒落スポットのひとつ、旧居留地。街並みがとても素敵なんです。建物はそう変わらないけれど、入る店舗や雰囲気が洗練されていました。

 

懐かしの神戸大丸。回廊も雰囲気あって。

 

買い物の後、上の画像のカフェで一休み。夕方でテラス席が少し肌寒かったので中へ入りました。外の景色が神戸やわ~。街路樹が延び延びとして、これって管理方針がいいんです。こんな風になぜ近江八幡市では出来ないのか!いつも残念に思います。

 

実家へ着いてからは母やもう一人の姪っ子、それから(私の)弟たちともいっぱい話して飲んで、そしてお出掛け。

姪っ子ばかり出てきて彼女のお母さんが登場しないのはもう亡くなったからです。姪たちにとって母の日は辛い日でしょう。買ってあげたい品、してあげたいことは沢山あるでしょうにね。

そんなことで私としてはこの姪っ子ちゃん達がいつも気がかりなの。でも彼女たちはもう大人になったから、そんなおばちゃんのお節介は要らないのかもしれません。今はお化粧やお洒落の話が出来るようになって、ランチや遊び相手です。

 

2年前に出来たグランピング施設「ネスタリゾート神戸」へ。ここはホテルの前庭でお花いっぱいです。神戸とついているけれど三木市にあるのよね。神戸とつける方が聞こえがいいから?昔は「グリーンピア三木」でした。あれがこう変わったかぁ。

 

グランピング用の施設。

 

可愛らしくてお人形さんみたいな姪っ子ちゃん。自慢したいくらい美形なの。若い人と花は合いますね~。左の幹しかないのはユッカのような木。ここの気候に合わないのか芽だしが不安。リゾートの雰囲気を出したくて植えたのかな?勉強になります。

 

ネスタリゾート神戸はまだ工事中のところもあり、まだまだ拡大しそう。緑いっぱいで管理にもお金がかかってます。伺ったのは土曜日でしたのに、駐車場はガラガラ。ホテルのランチは盛況でしたが、老婆心ながら先行きがちょっと心配・・・なんて。ここは残ってほしいです。

次は、春にいつも見に行く播磨中央公園のバラ園、そして篠山市へ立杭焼き(器)を見に。母との定番デートコースです。

 

ピンクのフリルが美しい「マチルダ」。このバラ園は水辺もあり整形式庭園のお手本のよう。バラアイスが美味しいです。

 

篠山市の「archipelago」さん。最近どんどんお洒落なお店が出来ているみたい!こちらはクラフト&ライフツールのお店です。周囲はフツーの田舎なのにここだけイキナリお洒落なのにビックリ。

 

作家さんの企画展。

 

ディスプレイの参考になります。小さな緑は和の雰囲気。

 

実は陶芸家・和田麻美子さんの壺目当てで訪ねてきたの。モダンで静かな佇まいにキュン。彼女の作品、集め始めました。

 

連れて帰ってきた品をさっそく飾ってみました。和田麻美子さんの壺と神戸大丸「Sarah Grace」さん(関西初出店)で買った器、そしてディアガーデンのエゴノキの花です。

 

気候が良い時期ですからいつもよりお出掛けが増えました。今回ご紹介した兵庫県南東部は穏やかさとお洒落感が合わさったいいところ。お出掛けの参考になりましたでしょうか。同じ関西でも滋賀県とは言葉使いも気候も違うんですよ。

母いわく「欲しいものはもう何にもない。どこ行きたいって聞かれてもわからへん。でも連れってもらったところが時々テレビに流れたり、写真みたりしたら、あぁここ律子と行ったなぁ、あそこも行ったなぁ、って思い出すねん」

私もそうよ、お母さん。

これから先も楽しい時間を出来るだけ共有したい。そして母の小さな変化に気づける娘でありたい。仕事も大事ですが、母と過ごす時間は限られているので、やっぱりそれ以上に大事にしたいです。母の身体の調子に合わせて、これからも思い出づくり、たくさんしたいなと思います。

 

 

ショップデザイン観察ーFRANZE&EVANS LONDON

庭をデザインするにあたり、自然から学ぶことが多いのですが、それとは別に街からヒントをもらうこともあります。和洋問わずお洒落なショップのデザインにも興味津々です。

見てきた中で、これからお庭や住宅を作る方の参考になりそうな事例を時々ブログに書いています。

今回は訪れたのは、先月末、京都・麹屋町三条にオープンしたばかりの「FRANZE&EVANS LONDON」さん。イーストロンドンにあるカフェレストランで、日本では表参道に次ぐ第2店舗目なんだそうです。

 

ロンドン店、表参道店と同じテイストのファサードデザイン。敢えて?京都感ゼロです。京都らしいといえば、パンのコーナーが目立つ所にあるところ。京都ってバン屋さん多いんです。

 

いかにもインスタ映えしそうなお店・・・というのが第一印象。イマドキのカフェデザインですが、ちょっと可愛いらしい要素も散りばめられていて、例えばシャンデリアとかケーキスタンドとかね、女子にウケそう。20代の頃の自分を連れて行ってあげたいな、なんて思いながら「映える仕掛け」を観察しておりました。

イギリスのお店なのに植物がどこにもない・・・と思ったら、わ、わ。ケーキが並ぶカウンターの所、ブーツみたいな花瓶にお花がギュウギュウに突っ込まれていました。食べ物の近くに本物ではないとしても靴?!・・・遊び心なんでしょうかねぇ。

 

見ただけでテンション上がる店内。スイーツ、パン、惣菜はどれも華やかな見た目。そしてものすごいボリュームです。スイーツのディスプレイの仕方が凝ってて素敵♡

 

イートインスペース。チャッカー柄の床が印象的。かっこかわいいインテリアでした。壁にいろんな鏡をまとめて飾るアイデアは面白い。

 

ちょうどお昼の12時に着きましたが、そんなに並んでなくてホッ。休日はすごい行列らしい。ランチは2種類デリor2種類のデリ+ホットディッシュ。それぞれバケットとドリングがついて、ワンプレートにまとめてくれます。あとサンドイッチや3種のサラダのセットもあったかな。私はすごくお腹が空いていたんので、デリ+ホットディッシュ(アランチーニ)のにしました。

味がシッカリしてて、とっても美味しかったです。お野菜の食感が生かされてる調理で、盛り付けもいい。ただ私には量が多すぎた・・・。食べられると思ったのに。今度は少な目の方にしよう。

 

ランチメニューにはバケットとドリンクが付いています。野菜がめっちゃ美味しい。ライスコロッケもアツアツ。おなか一杯になってバケット食べられず!(包んで持って帰ったw)

 

ロンドンのお店を出て徒歩2分、今度はパリのお店「JEAN-PAUL HÉVIN」さんへ。

F&Eさんのスイーツはすごいボリュームなのできっと持て余しそう。こちらのを手土産に買って帰りました。上質なのは折り紙つきで、しかも程良いサイズ感。大人にはちょうどいいんですよね。ショーケースの所は照明も落とされて落ち着いた雰囲気です。2個包んでもらって出ました。

それから駅までテクテク歩く道すがら、和のお店の露地を見学。

 

いつもながら整然と並んだショーケース。F&E出店の影響か?すごく空いてました。

 

俵屋の天ぷらのお店「点邑」さん。私が行くときは定休日に重なる多く、改装後まだ訪れる機会に恵まれない。こちらの緑豊かな露地は狭小地のアプローチのお手本になります。

 

場所がら関西が多くなりますが、今後とも気になるショップへは出来る限り足を運んで、トレンドやスケール感、全体の雰囲気など、観察したいと思います。

 

 

庭探訪&お花見散歩2018-京都編

染井吉野がだいぶ散って、次の見頃は枝垂れ桜かなと平安神宮へ行ってきました。こちらは紅枝垂れ桜の名所なのです。今年のお花見散歩はこれが最後になりそう。庭探訪も兼ねてじっくり味わってまいりました。

画像多めです♡

 

平安神宮の桜は、これまで夜のイベント「紅枝垂れコンサート」でライトアップされたところを何度も見ています。でも明るいうちに見たことはなかったのよね。

私の場合、庭探訪は最初は先入観なしに見ます。気に入った庭なら、それからその背景を詳しく調べて改めて見ます。そして季節や時間を変えて見る、誰かと一緒に見る、また違う人と見る、等々シチュエーションを変えて何度も一つの庭に向き合います。その時々で見方感じ方が変わって面白いんです。庭はそうやって味わうものなんだって実感しています。

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この日天気は快晴。午前中寺町での用を済まし、そこからゆっくり散歩しながら岡崎界隈へ。薄いカーデを羽織っていたのですがもう暑くて暑くて!ワンピ一枚でもまだ暑い。植物たちもさぞ驚いていることでしょう。

 

途中、三条大橋からの眺め。桜とベニカナメモチ(デカイ!)や柳の若葉のコントラストを楽しめます。川面がキラキラ、暑いくらいの陽気です。

 

岡崎に着くとちょうどお昼どきだったので食事をとってからお庭を見ることに。平安神宮そばの京料理「六盛」さんに伺いました。

 

 

六盛さんは岡崎で気軽に京料理を楽しみたい方にオススメのお店です。ブラリと入ってもたぶんお席はありそうですが、週末と夜は予約必須です。

「手をけ弁当」が有名なので是非。人間国宝の中川清司氏作という美しい手桶に、四季折々の食材が様々な味付けで盛り込まれています。食材それぞれのお味は間違いなくどれも本当に美味しかったです。口に運ぶたびに「♪」でした。これに一、二品追加も可能で、お酒と共に楽しむことも出来ます。お弁当なのですぐ運ばれてくるところがいいです。

六盛さんはスフレも有名。以前は本店近くの別店舗で出されていましたが今は閉鎖され本店のみです。一度食べたことがあって、そのときは考えられない位待たされた苦い思い出が。この日も結構並ばれていました。

スフレは一度で十分ですが、手をけ弁当の方は別の季節にまた戴きたいなと思いました。

 

名物の手桶弁当。美しい盛り付けでテンション上がる~!ご飯ものは春なので筍の炊き込み。

 

さてお腹も満たされたところで平安神宮へ。こちらは明治28年創建なので比較的新しい神社といえます。そのお庭「神苑」は3つの池を中心とした池泉回遊式庭園です。

 

観光客で賑わう平安神宮。竜宮城を彷彿させる建物の奥に、お目当ての紅枝垂れの咲く神苑があります。

 

 

歴史的建造物に付随する庭は、池泉回遊式か枯山水式かのどちらかで大抵重厚な雰囲気ですよね。でも平安神宮は新しい神社なので、お庭も古めかしさはさほど感じません。

景色を積極的に楽しもうとしているような、今でいうアミューズメントパーク的なところが感じられます。

 

アミューズメントパーク的な部分その1.臥龍橋(がりゅうきょう)。この石は秀吉の時代三条・五条大橋の橋桁と橋脚に使われていた歴史ある石。池の中をポンポンと渡っていくのは楽しそう。でも通行禁止になってた(>_<)

 

アミューズメントパーク的な部分その2.泰平閣(画像奥の建物)。京都御所から移築されたもので、池の中を渡る橋に屋根が付いています。ここに座って池や桜をゆっくりと眺めていると本当に気持ちいい。池の中からの視点を作ったところが贅沢。

 

平安神宮の庭を造ったのは作庭家7代目小川治兵衛。彼はもともと普通の庭師でしたが、山縣有朋のお抱え庭師になったことで運命が変わります。有朋の京都の別荘「無鄰庵」で二人のパートナーシップが確立され、名声が広がり、この界隈にある別荘地を買ったセレブリティの間で人気沸騰、そして平安神宮も手掛け、多くの公共造園に携わっていく。

斬新な庭のアイデアは施主の有朋だったのですが、それを具現化したのは小川治兵衛の手腕によるもの。「有朋はん、またえらい無茶ぶりしはって・・・w」なんて言いながら、さてどう作ろうか?!一生懸命な治兵衛さんを勝手に想像しています。普通の庭師が著名な作庭家になっていく、そんなドラマを想像するだけでワクワクしてきます。

お施主様に恵まれること、それは運命もあるけれど、やっぱり実力の内ですよね。ひとつひとつのお仕事に最善を尽くすこと、お施主様に喜んでいだだけるように。目の前の仕事を楽しみながら鍛錬を積み重ねた先に、色々なチャンスが巡ってくるのかもしれません。頑張ろう!

 

桜は約150本のベニシダレザクラをはじめ、ソメイヨシノ、ヒガンザクラなど約20 品種・約300本も植えられています。治兵衛の「春を京都らしく華やかに盛り上げるんや!」という思いが伝わってくるようです。

 

降るように咲く枝垂れ桜。別世界に来たみたいです。

 

 

 

毎年見頃の時期に夜桜コンサートが催されます。今年は5日~8日です。これは以前観たときのもの。昼と違って妖艶な雰囲気。夢か現か?!わからなくなります。

 

花散らしの雨が降りそうです。景色一転、これからは新緑を愛でることといたしましょう。

 

お花見散歩2018-大阪編

昨日は夫とフィギュアスケートのイベントへ。大阪RACTABドームで開催の「STARS ON ICE JAPAN TOUR 2018」を見に行ってきました。オリンピックや世界選手権などのメダリストを中心に今を時めくトップスケーターによるアイスショーで、本当に見応えありました。

 

宇宙船が降り立ったような形のRACTABドーム。ここにメダリスト達が勢ぞろい!

 

アイスショーを見るのは2度目。生で見ると選手の皆さんはますます細くて綺麗なんです♡4回転の迫力も画面で見るのとは違って興奮しました。

個人的には昌磨クンのキレッキレの演技が見られて嬉しかったです。彼の得意技「クリムキンイーグル」も生で見られました♪平昌オリンピック金銀銅の美女メダリストが一緒に踊った場面は、その美しさにウットリ。女神の化身のようでした。信成くんが登場したときは、大阪が彼の地元なこともあり?大歓声が起こりました。現役時代よりもいい演技だったようなw。プルシェンコさんはさすが大人の貫録で、会場の全ての女性を魅了していました。ペアやダンスのアクロバティックな演技は本当に見応えありましたし、あっという間の2時間。

大満足で会場を後にし、折角桜の時期に大阪まで来たのだからと、途中下車して大阪城公園でお花見散歩をしました。

 

大阪城ーーーっ!平成の大改修後10年経ちますが、金箔が遠目から見てもすごく光ってます。

 

桜はお堀の周りやお城の近くにたーくさん植えられていて、木の下は家族連れや若いグループでいっぱい。写していないけれど土曜日とあって、ものすごい人出でした。外国人観光客も増えましたね。桜は今や重要な観光資源となりました。普段、植物や樹木に関心のない方でも、桜が咲くと無関心ではいられない不思議。

その桜のウンチク。桜の品種は、実は国内だけでも600品種以上も確認されていますが、今見られる桜の8割方が染井吉野(ソメイヨシノ)だそうです。花はピンクや白だけと思いがちですが、薄黄色の「ウコン桜」、淡緑色の「御衣黄」などもあります。

公共的な場所では染井吉野に偏った植栽が多く、ピンク一色。統一感はあるけれど、何か面白みに欠けると思うのは私だけでしょうか。他の品種を混ぜるともっと長い期間お花見が楽しめるのですが。一気に咲いて潔く一気に散って終わる・・・という桜のイメージを演出したいからかな?それとも、桜といえば染井吉野、他所もそうだし、うちもそれでいい!ってな感じで深く考えていないのでしょうか?

私がいま関わっている会社様の広いお庭には、染井吉野の他に「江戸彼岸」という桜を植えさせてもらいました。これは原種のひとつで、お彼岸の頃に咲くのでそう呼ばれています。周りの桜よりひとあし早く先駆けて咲いて、しかも長寿です。そんな江戸彼岸桜の特質を会社様の発展に重ねてご提案しました。

 

それにしても、今年のお花見はお天気に恵まれますね。空がきれいだと花色が明るく見えるから更に感動します。以下、My best shotです。

お城と桜ってやっぱ合う!(^^*

 

 

 

大阪に行くといつも人の多さに疲れます。特に駅と電車の中。お花見帰りの人だけでもすごいのに、間が悪くというか、近くの城ホールでアイドルのコンサートがあったので、更に人が増えてエライことになっていました。改札をカードで通る人がほとんどだから、昔に比べるとスムーズにはなったのだろうけれども。駅の階段で事故がおこらなくてよかったです。

地元に帰ると、ブルームーンの満月の下、満開の桜が静かに佇んでいました。近江八幡は静かで人が少なくて落ち着く~。

今日から4月。桜の花のパワーをもらって、お仕事頑張ります。まだ桜の咲いているうちはお花見散歩したいなと思っています。

 

「陰翳礼讃」の新刊

日本の美について深く考えてみたい人々にとってのバイブル「陰翳礼讃」。文豪 谷崎潤一郎(1886-1965)が昭和8年に書いた名作で、ご存じの方もきっと多いことと思います。

初めて読んだのはいつだったか定かではないのですが、恐らくそれから12、3年、いやもっと経つかな。日本の文化や美学の成り立ちについて「なるほど、そういうことか」と納得した覚えがあります。以来、折に触れ読んでいます。

最初は文庫本でしたが、近頃はデジタルになり、タブレットで読んでいました。それが今年になって新刊が出たのです。なんと、美しい写真つきです。

「空気を撮る名匠」「気配を捉まえる達人」と評される大川裕弘さんという写真家の100点を超す作品が、谷崎ワールドをビジュアル化しています。それがなんとも美しく、まるで写真集を見ているよう。文面からはピンとこないという方も、写真と一緒だとわかりやすいと思います。

 

2018年1月に出たばかりの「陰翳礼讃」。これから読む方にオススメです。

 

昔の住まいの陰影は、その深さは、現在の物とは掛け離れているように思います。だから若いころの私は、派手な金屏風や蒔絵の存在価値も、眉を落とし鉄漿(おはぐろ)や玉虫色の紅を塗る化粧の美意識も分からなかった。この本を読んで初めて腑に落ちた事柄は多い。腑に落ちたからといって、鉄漿が素敵!とは思わないように、昔に戻れない価値観もありますが。

でも、陰翳があるからこそ、一瞬のきらめきが美しい。陰の濃淡に侘び寂びも感じるのです。成熟した庭でそういう光景を見たとき、魂が震えるような心地がします。自分はやはり日本人であると思う瞬間です。

私達は、新しくて明るいことよりも、時の流れとか翳りとか、そんなことの方を大切に感じてしまうところがある。

 

昨夏訪れたとある場所。谷崎曰く「庭を造るにしても、我等が木深い植込みを設ければ、彼等(ここでは西洋の人々を指す)は平らな芝生を広げる」

 

実はここ15年程和室のない暮らしをしています。私に限ったことではなく、そういう方も多くおられると思います。それでも和のない生活は考えられなくて、室礼や工芸品、伝統芸能、書、着物、器、食事、花活けに至るまで、触れる機会は沢山あるものです。その時、そういうものがかつて置かれていた背景や物語を知っているのと知らないのとでは、受け止め方が変わってくるのではないかと思うのです。

この本にある風流な暮らしと今の私の暮らしとは、確かに違いがあるけれど、陰影に美をみる感性は捨てずにいたいです。

 

和室のない我が家での陰翳礼讃はこの程度。ライトアップした庭を美しく見るために室内の照度を落とします。谷崎氏には、まだ明るいと言われそう。

 

月の美しい夜は灯りをつけないとか。

 

以前宿泊したとある温泉旅館のロビー。ロビーなのに暗い。この感性こそが新しい!と思いました。

 

これからの時期、うららかな光の傍にある春独特の陰翳が楽しみです。陰影にも季節感はあると思う。私なりの陰翳礼讃をこれからも発信していきますね。

 

 

2018年最初の美術展 

自然や暮らしをモチーフとしたアートは、私の感性を大いに刺激してくれるもの。時間を見つけては精力的に見ています。そんな作品を納めた美術館はある意味パワースポット的存在で、展覧会を見終わった後はいつも元気になるの。建物や庭など、空間自体がお洒落なのも楽しみなところです。

今年も様々な作品に会いに何度も足を運ぶことになりそう。ブログの読者様には美術館好きな方がいらっしゃいますでしょうか?どうかお付き合いくださいね♡

さて、2018年最初に訪れたのは、私の最も好きな美術館「細見美術館」です。ブログ長年の読者様には御馴染みですね。琳派作品を多く所蔵する美術館。館内にあるお茶室の室礼からも学ぶことが多く、ほぼ月イチペースで通っています。今はこれまた大好きな伊藤若冲展で、次回展は一等好きな酒井抱一。あぁ楽しみすぎる。

何度も行っている美術館なので、所蔵品の中なら二度三度と見せていただいた作品も多く、この頃は馴染みの絵に会いに行く、そんな感覚です。でも毎回新たな発見があって奥深く感じています。

 

2018年の美術展めぐりはやっぱりここ、細見美術館から。「はじまりは伊藤若冲」展が開催中。

 

お茶室は今回締まっていて見られませんでした。こんな時もあるんだなぁと残念に思いつつ、冬晴れの空気感が何とも気持ち良かったので、岡崎からてくてく歩き、今度は祇園へ。目当ては「フォーエバー現代美術館」です。祇園甲部歌舞練場内の八坂倶楽部をリユース、昨年6月にオープンしたそうで、こちらでは今「草間彌生My Soul Foever」展が開催されています。

歌舞練場といえば、以前都をどりを見に2回程訪れたことがあります(そのときのブログ→春の風物詩「都をどり」)改修工事をしているとは聞いていましたが、大正時代の建物が何でまた現代美術館に?! 驚きです。改修後の姿が気になるし、草間作品を間近で見るのも初めて。ダブルでワクワクです。

 

門のところは前のままで看板がかかっているだけ。この時点でまだピンときていません。

 

たくさんある作品の中、寛大にも3か所で撮影が許されてましたので、撮ってきました。パンフレットにも載っている作品ですから、ここに掲載してもネタバレにならないかと。お楽しみください↓

 

門をくぐると、かの有名なかぼちゃがドン!どんな場所でも不思議と映えるんですね。ミスマッチの極みだ。

 

大作「YELLOW TREES」(1992年)畳の枚数で大体の大きさがわかると思います。ドットひとつひとつの完成度がすごいの。この手間は・・・なんというか常軌を逸しています。

 

幼き頃から幻覚や幻聴に悩んでいたという生い立ち、それにより描かれたオリジナリティあふれる作品では、草間氏の自然を見つめる感性の鋭さが読み取れ、その表現力にも圧倒されます。延々と繰り返されるモチーフを、もしも同じように書けと言われたら、私なら発狂するかも。この仕事は鬼気迫る状況でなければ、成し遂げられないような、そんな気がします。

でも作品に対峙したとき、まず最初に「高揚感」が来るのね。それが不思議。一旦楽しいものとして受け取って、そのうちじわじわと引き込まれていく不安定な気持ちが湧いてくる。不思議、不思議。

 

松の舞台という場のチカラと相まって、生きているかのようなエネルギーを感じる作品「A BOAT CARRYING MY SOUL」(1989年)

 

展示室は4部屋あり、新しくされた畳や弁柄や浅黄色の壁が目立ちますが、間取りは変わらずで、天井や建具、照明などにも以前の名残りがあります。座してみることも出来るので、そのあたりはこの美術館の特徴でしょう。ただ建物が古いためか空調が効きにくいようです。

そしてカフェスペース。アートを見た後、ゆっくりコーヒーをいただきながらその余韻に浸る大事な場所です。その美術館を好きになるかどうか、私的にはとても重要なポイントなの。こちらは関西でチェーン展開されているノースショアさんの祇園店だそう。インテリアは大正時代の建築とはうって変わってイマドキです。カジュアルな感じで植物もたくさん。多肉植物の寄せ植えがテーブルに飾られていて可愛らしいです。入口で何故かゴムのスリッパを履かされます。

 

コーヒーは量多めで味は・・・たまたまでしょうが何故かビックリするくらい酸っぱかった。いつ淹れたコーヒーなん?酸化してる?!ありえへんレベルの酸っぱさでした。この時は知らなかったのですが、運営会社様は果物屋さんのようですから、次来るとしたらデザートにしよう。サービスのケーキは美味しかったです。

 

カフェの雰囲気はいいのですが、展示室と同様に空調は効いていないし、お味もまだオススメは出来ません。ほっと寛げず後にしたわけで、さて次回はあるか?

その他ですが、以前は入れなかった場所で、お庭を見る縁側がありました。ここが一番好きかも(^m^* 手作りのゆらゆらした硝子越しに見る庭はオツなものです。

 

庭が望める縁側には畳が敷かれ座禅用の座布団が並んでいます。壁には唐紙でしょうか?趣ある意匠でした。天気が良ければ日差しがポカポカと暖かくてとてもいい空間。

 

縁側からお庭に出て散策できます。立派な沓脱石が据えられており、そこにちゃんと外履きや傘などを用意して下さっています。春しか知らなかった眺め、今回は冬です。桜咲く華やかな時に比べ、とても落ち着いた静かな雰囲気でした。

 

松や台杉、苔の緑が清々しい。お手入れも行き届いています。

 

お茶室でしょうか?こちらも手を入れられた様子。残念ながら立ち入り禁止ですが、こちらの苔生したアプローチが私のツボ♡

 

いいお天気。池の藻がエメラルドグリーンに輝いてそれはそれは綺麗でした。春に来たときはこんなだったかしら?

 

美術鑑賞の前後に花見小路通りをブラブラされると思います。参考までに、通り近くにあるオススメ店を3店ご紹介しますね。私が実際に行ってみて雰囲気や味が気に入ったお店です。

和カフェNITI(にち)さん:堀木エリ子氏の和紙照明が見られます。たっぷりめのコーヒー美味し。夜はBAR

スイーツ→ぎをんさかいさん:上品なスイーツ、バレンタインのチョコも色々。荻野寿也氏の坪庭アリ。2階にはカフェもあるそうですが、こちらはまだ未体験。

ランチ→RIGOLETTO(リゴレット)さん。外観は町屋そのものですがインテリアは洋、大人な雰囲気のイタリアンレストラン。祇園なのにリーズナブル。味も良し。

 

伊藤若冲展、草間彌生展、どちらも2月25日(日曜日)迄です。

 

 

見る窓、見られる窓

夕暮れどき・・・太陽が沈んで薄明りが残るころ、家々に灯りがともりはじめます。これからの季節、窓からもれる暖かな灯りは、心を和ませる景色のひとつです。

ディアガーデンでは、まず庭の照明が自動点灯し、それに気づいて部屋にも点けるという感じ。事務所は道路からよく見える場所にありますが、窓のロールスクリーンは下ろさずにいますので、灯りをつけると特に、丸見えです・・・^^;

ほぼ車しか通らないため、恐らくですが、じーっと見られている感じはありません。私は仕事をしているだけだし、どちらかというとインテリアの方に目が行くと思うので、この程度ならいいかなと思って。

昼間とはまた違った前庭や建物の雰囲気を、感じていただけたらと思います。

 

夜のディアガーデン。

小さな事務所ですが、照明は天井、ドラフター、PC机用に3か所にあります。このガラスのシャンデリアは4月から9月まで限定です。

建築家でエッセイストの故宮脇檀氏は、著書「暮らしをデザインする」の中で、窓についてこんな風におっしゃられています。

「見る窓、見られる窓」

窓を開けるときには、まず隣近所をよく調べる。お隣の家の窓の位置、クーラーの屋外機などとぶつからぬように、また、奇麗に山が見える方向、風の吹いてくる方向など考えてから慎重に開けるようにしたい。環境を上手く取り込むという工夫をして窓を開けることが窓作りのコツ。

そして同時に、窓のもう一つの大事な役目は、町に向かって楽しい家の中の雰囲気をこぼしてあげること。美味しいコーヒーの匂い、奇麗な花、楽しいピアノの音が道を歩いていて感じられれば誰でも気持ち良くなる。

ヨーロッパの人たちが皆窓に花を飾っているのは、窓は道のショウウィンドウだと思っていて、道を飾るためにしているのだ。いま流行の出窓などは、まさにそのための窓といってよい。

道から見える位置に白い格子のはまった可愛いこんな窓を作り、花や季節の飾りものをしている。そんな家が立ち並んだ住宅地が出来たら、それは本当に住んでみたくなる街、環境だと思いませんか。

貴方がそんな家を作り、そんな住み方をすれば、貴方がその街の環境を作ることになるのです。

宮脇檀氏はバルコニーガーデンをおしゃれに楽しんでおられた方です。ご本はどれも面白くて大好きです。これを読んだのは2005年でした。

部屋から「見る窓」は当たり前だけれど、外から「見られる窓」という発想で設計された住宅はどれ程あるでしょう?また道を飾るとか雰囲気をこぼすという意識を持って暮らしている人がどれだけいらっしゃるでしょう?日本に足りないものだと思います。とても共感したのでメモってました。

じゃあ、ディアガーデンは街に向かって、何をこぼす???

今のところは、外から見える窓に観葉植物やリースなどを飾るとか、先程ご紹介した夜の暖かな灯りをこぼすとか、しています。いかにも事務所という感じにならないように、柔らかでいてスタイリッシュな雰囲気をこぼせたらいいな、なんて思います。

 

冬の窓際には、スノーフレークのオーナメントを。

魅力的な窓。これは7月に訪れた有馬温泉街のカフェ。格子の窓ごしに、赤い照明やお客さんが各々くつろぐ様子が見えて、ふらっと入りたくなります。店舗だから可能?窓の上半分なら個人邸でも出来そう。

最後に日本の現実を。

 

道路沿いのお宅なのに、窓からベランダからお布団がベロン!!(+o+)キャー 如何にも日本人的なというか。これは最もこぼして欲しくないものです。ベランダ内に納めて下さい。

超プライベートなものを晒しているとは、しかも見られているなんて、全く思っておられないようです。あぁ〜(ー ー;)