湖東の造園外構工事-床工事編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。

今日は床工事編。次回、植栽工事をUPして完成をご覧いただくつもりです。

完成画像は、一部先行してInstagramにUPしています。→

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ

 

++++++++++++

 

外部空間の床というと、アプローチ、駐車場、デッキやテラス、花壇以外の裸地、等々。それらの仕上げをどうするか?は、インテリアと同様に大事なことです。

私がデザインするときは、インテリアをコーディネートするように、アクセントにしたい部分の素材を変えたり、建物を引き立てるよう、また全体のバランスが取れるようにカラーコディネートにも気を配っているつもりです。

インテリアと違うのは、耐候性や耐久性のある素材を選ぶこと。造りはだいぶ違って、車が乗っても壊れない強度や、水が溜まらないような勾配が必要です。それでいてどんな年代の方でも安全に歩けるように、植物とも馴染むようにしたいものです。

今日は、洗い出しのアプローチ、アクセントと花壇枠を兼ねた自然石貼り、コンクリート土間の駐車場、砕石敷きという4パターンの床仕上げをご覧いただきます。

まずは洗い出し仕上げから。

洗い出しとは、セメントモルタルに化粧砂利などの骨材を入れて塗りつけ、完全硬化する前に噴霧器やブラシで水洗いして、石の頭を少し浮き出たせるようにする左官工法のことをいいます。石の種類や大きさを変えると違う表情になります。樹脂で固めるので方法もありますが、塊ではがれやすく樹脂部分がカビやすいので私はオススメしません。

アプローチを洗い出しにしたのは、建築デザインと合わせたいとのお施主様のご希望もあったからです。コンクリートだけより割高ですが、こちらの場合は小面積ですし、門壁にも合っていますから、よい選択だったと思います。

 

玄関ポーチにアプローチ階段を追加。基礎をブロックで作って表面仕上げのための下塗りを終えたところです。表面仕上げは建築と同じ砂利を使い洗い出しにして、自然に馴染ませます。階段が門壁の化粧ブロックにかからないよう門壁の基礎を調整しています。

 

庭やエクステリアでは自然石を床材として使うことが多いと思います。滑りにくいですし、植物にも良く合い、仕上がってみるとすごく素敵になります。コンクリートや洗い出しに比べて材料も手間も割高ですから、予算にあわせて面積を調整しています。

自然石でも色々あり、全体の雰囲気や予算にあわせて私の方からご提案することがほとんどです。ここは滋賀県ですので、地元の石や近畿で採れる石がやはり風土に馴染むと思っています。

今回は京都~兵庫に位置する丹波地方で採れた石「丹波石」をご採用いただきました。色合いはベージュ~焦げ茶色で、穏やかな風合いで非常に上品な石です。

 

石選びの際に撮った丹波石の画像。5~10cmくらいの厚みがあります。

 

石の形が不定形なので貼るのはセンスが問われます。そのセンスは目地に現れるのです。四ツ目や芋目地など見た目によくない目地は色々とあり、これを避けて貼るのは口でいうのは容易しするは難しの典型で至難の業。まさに職人技です。自分で選んだ石ならともかく、支給された石を貼る場合は、特に大変だと思います。

この丹波石は、しっかり厚みがあるので、その良さを生かしたく、目地幅は1~2cm内外、深さも1cmは欲しいと職人さんにお願いしました。このように貼ると、石が埋もれずに石の影がくっきり見られ、カッコいいのです。ピンヒールでここを歩く方は恐らくいないので、このような目地でも支障ありません。更に石に営利な角があれば落としてもらい、柔らかな仕上がりに拘っています。

職人さんにたくさんの制約やお願いをしましたが、とてもいい感じに仕上げて頂けたと思います。お施主様にも大変気に入っていただけて良かったです。

 

アプローチ階段の洗い出し仕上げが出来、既存の玄関ポーチと違和感なく繋がりました。つぎに花壇枠兼アクセントとして丹波石を貼ってその目地を整えているところです。深目地で仕上げてもらっています。

 

仕上がりの様子。洗い出しや石貼り、手水鉢、五郎太石、下草や苔、それぞれの素材がいい表情を作ってくれました。床の勾配も適当で引っ掛かりなどなくとても歩きやすいアプローチです。石の目地に苔を貼ったりして遊んでいます。

 

最後に一般的なエクステリア工事でよく見られるコンクリート土間と砕石敷きを。

こちらのお宅の前庭には、車3台がゆったりと停められます。1台の土間をコンクリートで仕上げ、残り2台分は砕石敷きとしました。コンクリートの駐車場は一部アプローチも兼ねており、通常車1台分だと幅2.5mもあれば良いところ3m程あります。ここには軽自動車を停められるそうです。

 

駐車場1台分をコンクリート土間に。型枠を組んで、メッシュ筋を仮置きしたところです。打設するときには、キューブ状のスペーサーを使って鉄筋をかさ上げし、コンクリート厚に対して適当な位置にくるよう調整します。

 

コンクリート土間の表面仕上げは、金コテ仕上げと刷毛引き仕上げが定番。

埃がつきにくいけれど滑りやすいコテ仕上げ、汚れやすいけれど滑りにくい刷毛引き仕上げ・・・どちらも一長一短あり、お好みで選んでいただくのですが、こちらのお施主様には、刷毛引きを選択いただきました。刷毛引き仕上げはタイヤ痕が目立ちにくいということもあります。

 

打設し、表面に刷毛引き仕上げを施したところ。画像で分かるように石貼りを一部コンクリート土間に食い込ませて、石貼りの意匠が上手く駐車場と繋がるよう工夫しました。

 

庭の床と駐車場の一部に砕石を敷いています。どちらも同じ石ですが、庭は粒がそろった単粒で、駐車場の方は粒を不揃いに、と種類を変えています。

不揃いの方が石同士が噛み合うので、より締まって石が散らばりにくい。転圧してもらい、しっかりと固めてありますので、駐車するときタイヤが埋もれたり石が道にばらけたりしずらく、とても停めやすいです。一方、庭の単粒は砕石でも化粧っぽく見えます。

本当にちょっとしたことですが、使用感がUPしたと思います。

 

砂利も場所と用途に合わせて使い分けしています。

 

砂利敷きの話題で、最後に余談なのですが・・・

家づくりの際、建築で予算を使い切ってしまい、外部空間は砕石敷きオンリーで済ませてしまう方がいらっしゃいます。砕石敷きにすると、ひとまず泥を気にせず歩けるし車も停めやすいです。またいつか余裕が出来たらと、床仕上げを先延ばしにされているのだと思います。

しかし「いつか」はなくて、結局ずーっと砕石敷きのまま、というお宅がほとんどです。そういうお宅は土が固いので植物は植えられず、プラ鉢などで育てておられます。殺風景極まりないのですが「まぁ、これでいいか。暮らしに支障はないし」と砕石敷きに慣れてしまうのでしょう。

もしも家づくりの際に、エクステリアをある程度整えたいとお考えならば、最初に予算をしっかり確保することがとってもとっても大事です。建築会社様もそれぞれで、外回りの設計や工事に深入りしない場合も多く注意が必要です。

ざっくりですが、建物に釣り合うエクステリアの目安は建築費の10~15%。敷地の建物以外の面積×1万円と算出していただいても良いと思います。