花生けのお仕事より(7・8 月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。

そんな流れで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より7・8月のまとめをご覧いただきます。

○過去の事例はコチラ→1月2月3月 / 4月 / 5月 / 6月

 

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ブログではこれまで月毎にお伝えしていましたが、この夏は超ハードスケジュールだったため、花生けには通っていたものの、投稿出来ずにいました。

ですので今日は2ヶ月分まとめてご紹介します。

この頃は夏の盛りでしたので、訪れる方に少しでも涼を感じていただこうと、季に先駆けて初秋の花を生けていました。秋を迎えつつある今に生けてもピッタリなアレンジですので参考になればと思います。

また今回は、新しい花器を仕入れて使っています。合わせてお楽しみください。

 

投げ入れ

 

緻密に編まれた竹籠に玉川ホトトギスをシンプルに生けて。野に咲く花のような凛とした雰囲気になりました。

 

よく見るホトトギスは赤紫色の花ですが、こちらは淡い黄色で変わってますでしょ?玉川ホトトギスは京都井手町で発見された早咲き品種。関東の玉川とは関係ありません。

 

7月末はリンドウに生け変えました。リンドウは花もちがいい。

 

お盆の前に。ハスの実に赤紫の穂を合わせて。緑の茎を下へ流し立体的に生けてみました。

 

この竹籠は馴染みの骨董屋さんでの出会いもの。

店主によると昭和初期のもので「竹風斎作」と銘があります。調べてみると恐らく島橋竹風斎氏(1888-1949)のことではないかと。

端正な編み目、均整の取れた立ち姿がとても上品。和の雰囲気ですがフォルムがモダンで洒落てます。マブチ好みですが、私感だけで選んでいる訳では決してなくて、こちらの白木のカウンターに絶対合うだろうなと思ったのです。

初夏から秋まで結構長く使えそう。

 

掛け花

 

花器は備前焼きの蹲。クレマチス「エトワール」を枝垂れさせて。頭が重いので抜け落ちてしまわぬよう根元は枝を十字に結わえ留めています。

 

7月の中旬は吾亦紅に、こちらのお店の花壇で育てているリュウノヒゲとツワブキの葉を手折って生けました。花器は同じく備前の蹲る。

 

掛け花用の花器もひとつ仕入れました。

備前焼の蹲。「うずくまる」と読みます。

花器に見立てて使われる壺で、名前の由来は人が膝をかかえてうずくまるような姿から。前出の竹風斎の竹籠と同じ骨董屋さんで見つけました。

蹲はコロンとした愛嬌ある姿が魅力です。金具が取り付けてあり、掛けると壁に点を打ったようにちょんと居る感じがとても可愛い。手の平に乗るくらいのサイズですが、花材を枝垂れさせても合います。

掛けずに置いて使うことも出来るので、お店ではショーケースの上に飾ったりして臨機応変に使っています。

備前焼きの暖かな雰囲気は、秋から冬の間、わずかな花でも様になるというか。生けるのも楽しみです。

 

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掛け花では、以前から使っていた竹の花器もまた登場させています。

この花器は材は竹でも編んでいないものなので、通年使うことができ重宝しています。

 

お盆前。桔梗を竹の花器に。

 

8月下旬。薄の葉に女郎花。

 

盛り花

たまには盛花をと、私物の花器を持参しました。

これは私が生け花を始めたときに購入したもので、これまで何度となく生けてきた馴染み器です。高価なものではありませんが、度重なる引っ越しを経ても尚手元に置いている程お気に入りの器。

青の色合いが気に入っていて、濃すぎて沈むこともなく薄くボヤケもしない青というか。夏らしい青い花や白い花にとっては同系色、秋らしい色合いの花とは補色関係になるので、割と何でも合います。

 

オレンジの小菊と女郎花、薄の穂。青とオレンジは補色に当たるため、何気ない花材でも映えます。

 

花材は季節によって変わりますが、それを受け止める器が常に同じですと、なんとなく変わり映えしません。

逆に同じ花材でも器が変わると、生け方が変わりますので、全く違う雰囲気になります。花器ではないものを花器に見立てて使うのも面白いです。

花材と花器のマリアージュ、これからも私なりに考えて生けて参ります。

 

 

花生けのお仕事より(6月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。

そんな流れで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より6月のまとめをご覧いただきます。

○過去の事例はコチラ→1月2月3月 / 4月 / 5月

 

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緊急事態宣言中は営業を自粛されていた仁々木祇園店様。解除後の21日より営業を再開されるのに合わせて、花生けに伺うことが出来ました。

またいつ宣言が出るかも分からない中、お商売にひたむきなお姿を拝見し、私も少しでも貢献できればと思います。

これからも一枝一枝心を込めて活ける所存です。

 

6月中旬【盛り花】

6月の花といえば、やはり紫陽花は欠かせません。

湿気を纏いむせかえるように茂る緑の中にのぞく清らかな青・・・そんな今の時期のお庭や野にある風景を切り取るように活けてみました。

敢えて葉を多めに緑濃く濃く。

 

緑多め。野にあるような紫陽花です。ガラスの器が涼し気。ツワブキの葉は花壇から。

 

6月中旬【掛け花】

私は庭や野の景色を写す花生けが好きです。

それはたぶん庭作りが本業ということもあって、お花屋さんで花を選ぶとき自然とそんな風景が浮かんでくるから。

また、私の花生けのスタートが、自然や草木に対する慈しみの心が礎となる「嵯峨御流」という流派であることも関係しているのかもしれません。

そんなことで、今回の花材には山裾などでよく見る山牛蒡を選んでみました。

秋に毒々しい黒紫色の実をたわわに生らす山牛蒡、今の時期はまだ小さな蕾をほころばせたばかり、実がついていても青くて、まるであどけない少女のようです。

茎のうねりもそのままに活けて。

 

ほんのり紅が入る茎はあの妖艶な実を連想させますが、今はまだ少女のような奔放さある佇まい。

 

 

6月下旬【盛り花】

頻繁に活け変えられないこともあり、すぐ萎れる花より長持ちする葉や枝を生かした方が綺麗に保てるので、夏場は枝物が多くなりそう。

この回はそんな枝物の中でブルーベリーを選んでみました。

 

ブルーベリーの枝をざっくり束ねて。

 

現在、仁々木様の主力商品であるフルーツ大福「菓実の福」にブルーベリーを使った「ブルーベリーの福」が店頭に並んでいます。

(公式サイトでチェックしてみてくださーい。コチラです→「菓実の福」)

熟した大粒のブルーベリーがゴロゴロ入ったムース仕立ての爽やかなフルーツ大福、私も何度かいただきましたが、冷凍のものを半解凍してアイス感覚でいただくのがおススメです♡

お店に来ていただいたお客様に、ブルーベリーってどんな木なのか?どんな風に生っているのか?お話ネタになればいいなぁ、なんて。

 

遠目は何の実か分かりにくいのですが、近づいてよく見ると、コロンとした特徴あるこの形、ブルーベリーって分かると思います。上手く熟すと食べられるかも?!

 

 

6月下旬【掛け花】

今日から7月がスタート。季節は七十二候でいうところの「半夏生(はんげしょうず)」へ。

半夏が生えはじめる頃で、田植えを終わらせる目安にされてきました。

そんな季を映すように半夏生を掛け花として活けました。

葉の半分が白く染まって化粧しているみたいなので「半化粧」なんて書くこともあるそう。とにかく涼しそうな植物です。

参考までにブログで半夏生について詳しく書いた回はコチラ→「半夏生の景色

 

葉の上部分が真っ白な半夏生。

 

水辺に群生する半夏生の様子。ここは南禅寺界隈に建つ金地院。

 

これから梅雨が明けたときの暑さを想像するだに恐ろしい。

7月生まれなのに夏が一番苦手というワタクシ。

また一つ年を重ねることも、蒸し暑さも、避けられないので・・・汗をかくことも嫌いなんだけど、

大人のやせ我慢というか、

自分自身が暑苦しい存在にならないようにね。

何でもない顔して乗り切ってやろうじゃないの。

 

 

花生けのお仕事より(5月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。

そんな流れで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より5月のまとめをご覧いただきます。

○過去の事例はコチラ→1月2月3月 / 4月

 

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初夏は春に芽吹いた芽が、しっかりとして更に成長する時期。

茎や蔓が旺盛に伸びる様を花生けでも感じて頂こうと、青々とした蔓ものを活けてみました。

 

5月初旬【盛り花】

蔓ものってお花屋さんでは、どんな風にも活けられるよう一本一本ほぐされて売られていますが、野にある時はたいてい絡まっています。

ですので、ありのままの姿というか、あえて絡めてガラスの丸い器の縁にぐるっと添わせ、蔓同士をひっかけて留めました。飾る場所が限られているので、こうした方がまとまりますし、扱いやすく簡単に活けられるように思います。茎の柔らかな質感もいい感じに出せます。

縁に這わせた蔓にもたれるように挿した花は、五月晴れの空の色を映したような矢車菊と白い花のオーニソガラム。

同じ季節に咲く花はどのように活けても相性が良いものですね。

 

 

5月初旬【掛け花】

草の他に、枝の状態の蔓ものもあります。

この日は山帰来(サンキライ)を仕入れました。

山帰来って冬によくリースで使う花材です。そう、あの赤い実の!でも今の時期はまだ未熟な実で、ツヤツヤの丸葉も愛嬌があります。

この青葉の山帰来もまた素敵じゃないですか?

 

 

いつも枝が何本かセットされているものを買いますが、その中で「さてどの枝を使おうか?」と選ぶ作業が楽しいです。

素材の良さが出そうな1本を手に取り、不要な枝をチョンチョンと切って・・・角度を定め息を止めて挿す。たまにですが、こんな最小限な始末で一発に整うときがあります。活けていてすごく気持ちいい瞬間です。

それが今回の掛け花で体験できました。

 

これ、たった1本の枝を挿しただけ。

 

自然がつくるカタチって本当に素晴らしいですね。

ちょっと手を入れただけで、突然動きが出て。

でも不思議と景色は静かなのです。

 

2,3か所鋏をいれて、すこーし枝をためただけ。この枝は先にもしっかり動きがあるところが良かったです。

 

お店の方がこの掛け花をご覧いただいた瞬間、ひとこと「いいっ!」って叫んでくれました。

めちゃめちゃ嬉しかったです。

 

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さて、京都府は先月25日から緊急事態宣言の対象となり、ついに仁々木さまの京都祇園本店も、5月19日から末日までの予定で臨時休業に踏み切られました。

ですので、今月の花活けはGW明けに伺ったこの一度きり。

残念ではありますが誰もが辛い状況。私は諸事情を慮り従うまでです。

今後、状況をお尋ねしつつ、また花生けが出来ることを楽しみに待っています。

 

 

端午の室礼2021

GWが静かに終わろうとしています。はじまりも確か雨だったような?そして最終日の今日5日も雨。雨しか印象にないGWだから、より静かに感じたのかもしれません。

それにしてもコロナの感染拡大が止まらないのが心配です。GW中はどこへも遊びに行ってはいませんが、仕事や必要な買い物などで出掛けることはあって、もちろん対策はしっかりしているつもりだけど、不安というか…この頃は自分の傍にヒタヒタと迫ってくるような恐怖心を感じるようになってきました。

もっと慎重にならなければと思いつつも、神頼み的なことも一応やっとくか的な端午の室礼です。

 

玄関に花菖蒲をすこし。4月末に活けたときは蕾でしたがすぐ咲いて。花の見頃は短いけれど庭植えでは次々咲くのが魅力です。

 

現在、端午の節句は、男の子が健やかに成長することを願う1日ですが、もとは老若男女問わず邪気を払い、長寿を祈る日でした。

厄除けの飾りには、種々の香料を詰めた薬玉に春の魁として生命力が強いとされる蓬や菖蒲の葉を添えるのが習わしです。この飾りは室内の柱などに掛けます。

菖蒲や蓬を使った飾りは他にも、玄関の庇にたっぷりと飾りつけ厄の侵入を阻もうとする「軒菖蒲」、お風呂にそれらを浮かべて身を清める「菖蒲湯」というのもあって、この日だけで一体どれだけ厄払いするの?と思う程、先人達の徹底ぶりには驚かされます。

我が家には、薬玉もどきを作ろうかなと蓬を摘んできました。

 

蓬は割とどこにでも生えているので手に入りやすい野草。摘んでいる傍からいい香り。菖蒲は端午の節句の前だけスーパーで売られていたりします。

 

厄払いではないけれど、端午の節句のお楽しみ、柏餅は毎年必ずいただいています。

今年の柏餅は、歩いても行ける近場で調達しました。

「和菓子司 近江三方庵」さんです。

 

今年の柏餅は「和菓子司近江三方庵」さん製。以前は工場だけで、販売はしていなかったように記憶していますが(買おうとして入ったら買えませんと言われたので覚えてる)いつの間にか改装されていて工場直営店が出来ていました。

 

こし餡、粒餡、その他に珍しい味噌餡が売られていました。出来立てモチモチ、柏の葉の香りが格別です。何度も嗅ぎたくなる爽やかな香り。

 

 

花生けのお仕事より(4月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。

そんな流れで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より4月のまとめをご覧いただきます。

(過去の事例はコチラ→1月2月3月

 

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桜の花が散って、草木の青葉がいよいよ目立つ4月初め。華やかな花というより、柔らかな新芽やキラキラ光る青葉を愛でたい気分です。

お花屋さんに行くと、そんな私の気落ちを知っていたかのように素朴な感じの花材が売られていて嬉しくなりました。特に畦でよく見るナズナ、通称ペンペン草に似ているけれど、もう少し丈のある「タラスピ」というお花が可愛らしくて。西洋ナズナなんだって。

アレンジにタラスピを入れると、一気に野の花っぽい雰囲気になりますね~。

 

4月の初め、仕入れたのは左からマトリカリア、柔らかそうな蔓性の葉っぱ(名前忘れました)、クレマチス、西洋ナズナのタラスピ。

4月初旬【盛り花】

そのタラスピとマトリカリア、蔓性の葉っぱを手の中でランダムに束ね、ゴムバンドでくるくる巻いてまとめたら、最後に茎をちょんちょんと切り揃えます。あっという間に小さなブーケが出来上がります。

ウェディングでよく見るチャイルドブーケにピッタリなんじゃないかしら?

素朴だけど可憐なとっても可愛らしいブーケは、小さな片口の器に。

たまにはこんなのもいいかなぁと提案してみましたら、お店の方に大好評でした。

 

ふんわり可憐なブーケ。

誰もが笑顔になってくれそう?ハッピーオーラが出てます。

 

4月初旬【掛け花】

花活けも、和の食材と同じように「はしり」「旬」「名残り」「出会いもの」などを感じながら色々と織り交ぜています。4月の初めだけれども、お花屋さんにはもう早、5月に咲くクレマチスが並んでいました。

仕入れたのはベルの形をした花のクレマチス。濃い紫がシックで和菓子屋さんにも合うかなと。暴れた茎姿は掛け花にすると面白いです。

 

一重なので和の雰囲気でも浮かないかな。自由に伸びる茎をそのまま生かして。

 

4月中旬【盛り花】

初旬に引き続き青葉を愛でたい気分。ディスプレイガーデン(ディアガーデンの展示庭)でも草たちがすくすくと成長していました。その中から増えに増えたアマドコロを何本か手折って持参、生けてみました。

 

柔らかそうな葉は、なんだか美味しそう。サラダに出来そうな感じです。目立ちませんが白い花が咲いています。仕上げに霧を吹いて。

 

4月中旬【掛け花】

掛け花用の花材白ヤマブキも、ディスプレイガーデンで育てているもの。頃合いな枝を選んでカットしきれいに洗って持っていきました。お花屋さんでも白ヤマブキは買えますが、庭で育ったような奔放さはありません。

 

白ヤマブキの花の白は、なんていうか私の中では特別。とても清潔感溢れる白で、毎年春に咲くのが楽しみなのです。

 

庭と言えば、ここ仁々木さんの店先に小さな花壇があります。

今頃はハイノキの白い花がお客様をお迎えしています。

 

2.5mほどのハイノキ。土が少ない花壇で健気に咲いています。

 

4月下旬【掛け花】

この花壇をお作りして2年半ほど経ちますか。

最初に植えたコバノズイナも蕾をたくさん付けています。整枝剪定を兼ねて花材に利用する・・・ということもそろそろ出来るようになりました。

 

庭植えのコバノズイナは花屋さんのより葉っぱが大きめ。ふわりと浮かせて生けています。

 

4月下旬【投げ入れ】

1月~3月はあっという間に過ぎ去りますが、4月は「死ぬほど長い」と揶揄されるように、毎年4月は異常に長く感じます。今年は工事で現場通いしながら新規の打ち合わせもし、花生けは3回通いました。結構慌ただしかったのに、長かった~。

そんな4月もようやく終わり。

GW中に端午の節句があるので、花菖蒲を生けて参りました。この名前の元になった「菖蒲」は、サトイモ科のショウブのことで、アヤメ科であるハナショウブとは全く別モノ。生けるにはちょっとゴツイ感じですので今回は花菖蒲を。

 

スッキリとした草姿をそのまま写して生けたつもりです。花が咲くと違った風になりそうですが。

 

明日からは皐月、爽やかで大好きな月です。

どんな花に出会い、どんな花生けをするのでしょう?実は自分でも分かりません(笑)

年中行事の室礼として生けるのならば、予め思い描いて行くのですが、そうでなければ真っ白な気持ちで仕入れにいって出会いを楽しみ、即興的に生けています。

なので自分でも楽しみ。

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花生けのお仕事より(3月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わります。

本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より3月のまとめをご覧いただきます。

(過去の事例はコチラ→ 1月 2月 )

 

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①3月初旬【根洗い】

3月の初め、生花店の売り場ではチューリップの旬が終わろうとしています。

1月の終わりか2月の初め頃の極寒時期から見かけてはいたものの、その鮮やかな花色と実際の季節感が違い過ぎて活ける気にならず、時期を読んで自然な雰囲気のチューリップなら仕入れてみようと考えていました。

そうしているうち、和菓子屋さんに合いそうなチューリップに出会いました。

茎が短くて球根がついたままのチューリップです。

 

球根付きの小さなチューリップ。山苔とともに手持ちの盃洗に活けました。薄黄緑の蕾が華美でなく自然な雰囲気です。

 

窓辺で結構咲いたようです。

 

②3月初旬【掛け花】

店内の壁に掛けた花器にはまだ蕾のシデコブシの枝を。

産毛が生えた皮を纏ってすべすべしています。枝先がほんのすこしほころびかけていて春らしい。

 

シデコブシの枝。青空めざして伸びているような~

 

以前住んでいた家の近所で、玄関先にシデコブシが植えられたお宅がありました。

飾り気のないお庭で、その木は自由に枝を広げ、きれいな楕円の樹形になっていました。春になると白い枝先に、薄桃色の花がいっぱいに咲き、それはそれは見事でした。波打った花びらが優美にひらひらと揺れて、当時飼っていた犬と一緒に、飽きずに見上げたものです。

私の中ではシデコブシというとあのお宅の木。

懐かしく思い出します。

 

③3月下旬【投げ入れ】

この日は面白い茎姿の丹頂アリウムを仕入れました。

花壇で育てるアリウムはネギ坊主の部分が大きくて茎も真っ直ぐです。きっと花の生産者さんが工夫して、こんなにクネクネのアリウムを作って下さったんだな。

花に香りはありませんが、茎を切るとネギっぽい香りがします。

 

茎が面白く曲がった丹頂アリウム。奔放に挿してみました。

 

お店の方に「意外にモダンな雰囲気で和に合うね~」と言っていただきました。

 

④3月下旬【掛け花】

大抵の植物は知っているつもりですが(名前は大抵パッと出てきませんが)、もちろん知らない植物に出会うこともあります。

「このヤマブキっぽい木は何ですか?」

葉っぱの雰囲気からしてヤマブキっぽいなぁと思うけれど違うような???

すると生花店の方が「ヤマシラズという木です」と教えてくださいました。初めて聞く名前です。ネットで調べても出てこないので、ひょっとしたら聞き間違いかもしれません。

でも葉のちょっと白っぽい黄緑色がきれいだったので、分からないまま仕入れて、お店の方にもそのまま「ヤマシラズという木だそうです」なんて伝えて生けちゃいました。

 

ヤマブキに似た木に、薄紫の花が咲く都忘れを組み合わせて。

 

「知らず」と名前についた木に、名前に「忘れ」とつく花を添えたのは、たまたまです。

二つの植物の色合いが合うと思って感覚的に合わせただけで、あとで名前を並べてみて面白いと気づきました。

 

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仕事上がりに駅へと向かう道すがら、仁々木さんから程近い白川通りを歩きました。

ちょうど桜の花が5分咲きの頃。ちょっとしたお花見気分を味わえました。

 

祇園白川通り。メディアに度々登場する「巽橋(たつみばし)」では、木製の欄干越しから白川のせせらぎと桜がしだれる様子を眺めることができます。

 

京都の街中は人出が戻り始めていて、時期的に卒業旅行なのか?春休みなのか?若い方で溢れていましたけど、この通りは大きな通りから少し外れているからか、まだ疎らでした。

でも本来ならば、祇園の中でもとくに絵になる場所として、桜の時期は特に、世界各国からの観光客も多く混みあっていますのに。

 

柳と桜が石畳を彩って。

 

川のせせらぎ、町家を背景に桜。京都らしい景色です。

 

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明日から4月ですね。

和名の卯月は、旧暦の4月に咲く卯の花から来ているそう。卯とはウツギです。

日本全国の山野に見られるユキノシタ科の落葉低木で、5月から6月にかけて咲く花は、派手さはないものの清楚な佇まいで、和の雰囲気にぴったり。ということで、私も盆栽に仕立てて仁々木さんに納品しました。

 

卯の花の盆栽。ウツギでも小型種の姫ウツギです。

 

新暦と旧暦とはひと月ほどのズレがありますが、生花市場の植物は本来の時期よりふた月以上ズレがあります。だいぶ早いのです。ですので、季を先取りして3月に飾ることが出来ます。

和食の世界では、季節を楽しむ食材の取り入れ方として「走り・盛り(旬)・名残り」と「出会いもの」がありますよね。和のお店の装花としては、それに準することも心得ておくべき点のひとつだと思っています。

大抵「走り」の方が多いけれど、時に庭で咲いているその季最後の枝を折って「名残り」として飾ることもあります。走りで仕入れて、事務所で咲かせ「盛り」に再度持って行って飾ることもあります。

こんな風にかなり自由にお仕事をさせてもらえ、私としても楽しんでやっております。

さぁ、卯月はどんな花生けをしましょうか。

 

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花活けのお仕事より(2月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えしたいと思っております。

例えば、ガーデンデザイナーがお花を活けたっていいじゃない?ということで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店の装花室礼業務を請け賜わることとなりました(その経緯→コチラ

今日は、そんなお仕事より、2月のまとめをご覧いただきます。

 

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2月初旬【投げ入れ】

立春を前に選んだお花は水仙です。日本水仙の清潔な佇まいは和菓子店にピッタリ。香りは顔を近づけると感じられるといった風でその控えめな感じもいいです。そして黄色い花は如何にも春を思わせてくれます。

節分の前でもあったので小さな赤鬼さんを厄除けに添えてみました。

 

ぽってりとした胴の花瓶はアンティークショップで見つけました。下半分は黒に見えるけれど実は濃紺。貫入がいい味をだしています。どんな植物を活けても野にある素朴さを引き出してくれそうだなと思って。

 

2月初旬【掛け花】

アオモジの枝を1月にたくさん仕入れましたので、引き続き使うことにしました。

枝一面に鈴なりに小さな緑色の粒々の蕾をつけるアオモジ。生花の状態では生けているだけでは香りはしませんが、蕾をつぶしてみると、柑橘系のさわやかな香りがします。

2月初旬は春と冬の間、ということで添えたのは渋い色合いの小菊です。

 

花器は真竹を薄く削いでのし広げ熱を加えながら丁寧に曲げて作られたもの。これは通年使えてどんな花も合わせやすそうだなと思って。

 

2月中旬【投げ入れ】

この時期、あたりはまだ寒さ厳しく滋賀では積雪も珍しくありません。そんな中でも春遠からじと思える日差しが感じられる日もあって、庭木には芽吹きの確かな用意が認められます。

一方、生花市場は季節が一足も二足も早くて、このころお花屋さんに行くと、チューリップやスイートピー、啓翁桜など可愛らしい春の花がたくさん並ぶようになります。まさに「春爛漫」といった言葉がぴったり。

そんな華やかな花を横目に私が選んだのは麦です。

和菓子屋さんに活ける場合、お店の雰囲気に合う花材を選ぶのはモチロンですが「散らからない」材を選ぶようにも気を付けています。

 

花ではありませんが、ピン伸びる若い麦に明るい春を感じてもらえたら。

 

2月中旬【掛け花】

2月になるとお花屋さんには雛祭りを先取りするように花桃が並びます。直線的なその枝に、蕾がうっすらピンクのクリスマスローズを合わせて活けました。

クリスマスローズは今頃ちょうど庭でも咲いてます。花は俯き加減に咲くので、テーブルに活けるとその顔がよく見えませんが、この花器ですと目線より少し高めに掛けますので、ちょうどいい角度で眺めてもらえます。

 

 

2月下旬【投げ入れ】

1月に多めに仕入れたアオモジの枝。暫く預かって養生していましたら、ついに咲き始めました。

その姿をお店の方にも見て頂きたくて、再び持っていきました。

 

アオモジの花。ひとつのつぼみの中に複数の花が咲くという、とても面白い特徴があります。

 

花が咲いたアオモジをシンプルに挿して。間近で見るととっても可愛らしい花です。

 

2月下旬【掛け花】

2月ももう終わり。

庭の椿をひと枝手折って活けました。

お花屋さんの季節を先取りした花もいいけれど、たまには庭で奔放に咲く旬の花も良いでしょう。

 

数寄屋侘助椿です。生けた後は必ず霧を吹いてから飾っています。水を受けた花がステージで輝きます。

 

 

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花生けの仕事を本格的に始めるにあたり、気を付けたいなと思っていること。

店内ではお店の方々のご迷惑にならぬようこじんまりと仕事をして、なるだけサッと終え、来たときより場を綺麗にして帰る。これを毎回自分に言い聞かせてから伺うようにしています。

特に掃除は造園の仕事と全く同じです。

掃除が行き届いていない場所で花が映えることは決してありません。特に仁々木様の店内はいつも磨き上げられているので、切り枝の端っこでも落ちていたら大変です。だから手帚は必需品です。

私のお気に入りの箒、荒神箒というそうですが、結構使いやすいです。

 

この荒神帚は京都・三条大橋の袂にある昔からある箒屋さんで求めました。コンパクトで小回りが利いて掃きやすい。デザインも綺麗です。

 

季節の瑞々しい姿は、あらゆる空間を洗練させてくれますね。

明日から3月。暖かな陽気にすべての草木がいよいよ茂るという「弥生(やよい)」の月です。

さぁ、どんな花生けをしましょうか。

 

 

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装花室礼のお仕事が始まりました。

2年前に店舗前花壇の植栽のお仕事がご縁でお付き合いが始まり、ずっとご愛顧いただいている株式会社仁々木さま

和菓子を中心に独自ブランドを立ち上げられ有名デパートなど全国展開されています。滋賀県内にも2店舗あり、守山市の近江工房店では、ディアガーデンが造園工事その後のメンテナンスもさせていただいております。

そして本年度からは京都祇園本店の装花室礼業務も担当することになりました。

私はガーデンデザイナーだけど、植えるのも花を活けるのも同じように好きで、普段の暮らしに花を飾ることや年中行事の室礼は欠かせないものです。学びも同じように続けて参りました。苗や植木と同様に花材の仕入れ先も宛がありましたので、今回のご依頼も特に躊躇なくお受けしました。

 

「仁々木」さん祇園本店。花小路通りや八坂(神社)さんからもすぐのところ。2019年に店舗を改築された折に花壇の植栽をさせていただきました。

 

コロナ禍の現在、京都府は緊急事態宣言の対象地区となり、祇園の観光客は目に見えて激減しています。

そんな状況でも季節の花を絶やさないようにという社長様のお気持ち。重く重く受け止めて、足を運んでいただいたお客様のおもてなしに少しでもお役に立てるように精いっぱい頑張ろうと思います。

 

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祇園本店さんでは、店内入口と奥の2ヶ所に座るスペースを設けられています。花を飾る場所はそのあたりです。

一か所目は店舗入ってすぐ正面の壁。

ここは待合いスペースとなっていて、軽く腰掛けることが出来ます。座って見ると丁度いいところに掛け花があります。

 

さりげない花、掛け花。お店にはいると割とすぐ目に付く場所。カウンターに立つ店員さんにも見て頂けるようです。

 

こちらには、今回、木瓜と椿をシンプルに挿しました。

花器は真竹を薄く削いでのし広げ、熱を加えながら丁寧に曲げて作られたもの。新しいものですが、手触りがとても滑らかで、自然素材の温かみが感じられます。どこかモダンな佇まいがマブチ好みなのです。

 

冬は枝物がいい。凛とした枝振り、小さな花、そして膨らみかけた芽などは確かに来る春を思わせ希望を持てます。

 

2ヶ所目は店内奥のベンチスペース。花を飾るのにちょうどいいカウンターがあります。

そこに片口の器を花器に見立てて、春を予感させる小さな盛花を。

蕾のたくさんついたアオモジを伸び伸びと、中心には固く丸まったゼンマイを挿し、足元は瑞々しい青葉で埋めました。

 

 

「片口(かたくち)」とは、口縁の片側に注ぎ口がついた器のこと。小さなものから大きなものまでさまざまな形のものがあり、酒器として使ったり、お料理を盛ったり、ドレッシングの入れ物にしたり、色々と工夫次第で使えますが、私は花入れにしました。

もともと蓋つきだったので、可愛らしいし、愛想に添えています。

この器には、山野草一輪挿しても合いそうで、そのうちやってみたい。

 

ゼンマイは葉が開く前は動物のような毛に覆われて、植物というより何か不思議な生き物のよう。

 

社長様や店長様のご要望に合わせて、花材選びはもちろんですが、花器選びも全て任せていただいています。

器でも季節感は出るし雰囲気がかなり左右されるので、作る側としては任せていただけるのは大変有難いことです。

私は主にアンティークショップや骨董店を中心に色々と見て回り、古いものの中から、雰囲気の優しいちょっと面白みのある器を集めています。モダンなインテリアショップにも足を運び、お店の雰囲気に合えば新しい品でも仕入れます。

ブログでそんなお店の紹介も追々していきたいと思います。

 

花を活ける他、草盆栽も時々作り替えます。今回はスミレを植え苔を貼りました。

 

トクサの鉢植えは以前納品したもの。たまに水さえやれば良くて、年中緑を楽しめます。

 

これから毎月、活け込みと活け直しで何度かお訪ねする予定です。

さて来月はどんな風になるでしょうか?自分でもまだ分かりません。

また報告します。