静と動

暑中お見舞い申し上げます。

酷暑の折からくれぐれもお身体を大切にお過ごしください。

さて、こんな時期に木を植えるなんてことオススメしませんし、滅多に請けないのですが、諸事情によりやらねばならぬこともあります。

というわけで、毎日現場でいい汗かいています。

いま、取り組んでいる工事現場を建物の2階から撮影してみました。見比べてみるとだいぶ整備されてきたのが分かります。

 

今月初旬に撮ったあちこち掘り返し中の現場画像。トラックや重機がひしめいて。花壇もまだ出来ておらず植える場所は限られていました。

19日。だいぶスッキリと見えるのは、アスファルト舗装前で軽く均されたから。道路工事も進んでいます。これから作る花壇枠のアウトラインを書いたので(赤線部分)上からバランスチェックしたときの画像です。

 

現場では作業服に長靴か地下足袋姿。日焼け止めクリームやファンデーションは汗で流れ、代わりに土埃にまみれて、もうきっと性別は不明です。

色々な配置や高さ、立ちを見るために、職人さんと離れてずっと見てるか小走りをしているか、私の中で工事は「動」の仕事です。

その「動」の合間に、花生けの仕事や製図、お客様との打ち合わせなどが入り、そちらは「静」の仕事です。

植物という材料で何かを作り出すのは同じなのですが、それぞれ全く異なる雰囲気なのがこの仕事の面白さ、奥深さを感じるところです。

 

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現場から帰宅したら、汚れた服のままディスプレイガーデンの水遣りをします。

水遣りをしながら、雑草を抜いたり、盛りを過ぎた花の切り戻しや掃除をします。もう日が落ちかけている時間帯なので葉水もたっぷり。そしてついでに手袋や長靴についた泥を洗い流して庭に干す・・・ここまでで20分くらいかな。

ディスプレイガーデンの植物はどれもよく根付いているし、乾燥に強い品種を選んで植えていることもあり、夏場でも忙しいときは一日1回の水遣りでも大丈夫。何だったら数日飛ばしてもいけそうな感じです。ただしその1回はたっぷりと遣るし、それぞれの様子を察しながら要所を押えてやっているつもりです。

例年7月中旬には済ませているアジサイの剪定も忘れず。

(剪定方法についてはコチラをご参照下さい→アジサイの剪定とアレンジメント

今年もたくさん花が咲いたので部屋のあちこちに飾りました。

 

剪定した花を寝室の寛ぎスペースに飾りました。茎が短いとどうしてもこじんまりとしたアレンジになってしまいますので、丈のあるフラワーベースに挿して変化を楽しんでいます。

 

インテリアの模様替えもちょこちょこと。

事務所で見飽きた姿見。ある日ひらめいて測ると、キッチンの小窓とほとんど同じ大きさでした。

そこで鏡を窓に見立てて、その小窓に並べて飾ってみると、これがシンデレラフィットというものかしら???

窓に見えるような。

 

キッチンの換気のために設けた小窓(右)の大きさとほぼ同じだった鏡を窓に見立ててかけてみました。

 

見る角度によってはテラスの生垣の緑が写っていい感じ。

 

こういうしょうもない模様替えも時々やるとなんか新鮮~。

 

 

誕生日月間なので。

梅雨明けしたと思ったら猛烈な暑さ到来。

急な暑さは例年のことながら、身体が慣れていないせいか、造園工事の現場に立っていると頭がボーッとして「暑い暑い」ばっかり言ってしまいます。

水分をガンガン摂ってもトイレに行かなくて済むくらい汗をかきます。日陰に居られないこともあり、職人さん共々熱中症に気をつけて作業をしています。

 

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さて、7月はワタクシの誕生日月間。

長らく入荷待ち中の品が幾つかあって半ば諦めかけていたのですが、誕生日に合わせてくれたかのように?入荷の知らせが届きました。

それで、今月ばかりは少し散財を許そうかなと。

そのひとつがOFFICINE UNIVERSELLE BULYの水性香水「サモトラケのニケ」。フランスの著名な調香師さん達が、ルーブル美術館所蔵の代表的な作品にインスパイアされ香りを創作した期間限定商品のうちのひとつです。

以前、お店で試して以来気になっていた香りで、久しぶりに香水をつけてみようかなという気持ちになりました。

 

Buly京都BAL店のエントランス。和の佇まいが素敵です。

 

縄暖簾をくぐるとガラリと雰囲気が変わって重厚なインテリアが迎えてくれます。ここはフランス!( オフィシャルサイトより画像をお借りしました)

 

『サモトラケのニケ」とは、前220-前185年頃に作られた大理石彫刻で、翼のはえた勝利の女神ニケが空から船のへさきへと降り立った姿だと言われています。エーゲ海サモトラキ島で発見され、現在はルーブル美術館の「ダリュの階段踊り場」に据えられています。「ミロのビーナス」と共にルーブル至宝の双璧。ご存知の方も多いでしょう。

大きな翼が特に印象的で、力強さと優美さを兼ね備えた理想の女性像。

Bulyのニケは潮風に乗って運ばれたかのような爽やかで高揚感ある香りです。奥に塩っぽさが感じられるのが初めての感覚で、それが今の自分の気分にぴったりハマりました。

 

包装も素敵で。フランス語で誕生日おめでとうって書いてあります。スタッフの方が丁寧に書いて下さるカリグラフィー文字が美しい。

 

包装紙を剥がすと箱にもカリグラフィーで書かれた文字が。

 

手の平に収まる大きさ、ずっしりしていますが、握りやすいので使いやすい。クラシックなデザインのボトルはドレッサーのポイントになります。

 

水性香水って、アルコールが入っていないのでたくさん付けても全然くどくならないところがいいです。髪にも吹き付けたり、なんだったら寝る前に纏ってもいい位しつこくないの。香りの変化はほとんどなく5時間程で消えます。

香りの刺激が脳に伝わるまでの速さは1秒かかるかかからないか位速いらしく、気分転換やストレス解消に役立てたいです。

 

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また一つ年を取ることは余り嬉しくないけれども・・・。

色々な経験が積み重なって今の私があることは確かだし、昨年の自分より少しはマシな人間になれているような。

それに、これまで健康に過ごせているのは、丈夫に生んでくれた親のお陰なので、感謝をせねばと思います。

 

 

店舗の造園工事ー地下のお話

目下、取り組んでおります造園工事は、とある店舗さんの改築工事に伴い、玄関周りや駐車場の景観を作るもの。

遅れている建築工事とオープン予定日の狭間でヒーヒー言いながら工程調整をしつつ、出来るところから仕事を進めています。

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個人邸でも商業施設でも言えることですが、造園工事って結局最後の最後なので、いつ着工させてもらえるかは建築工事の進捗次第。

その建築工事って、何故だか大抵遅れるので、コチラの都合通り進まないのはいつものこと。覚悟はしていましたが、今回は道路の拡張工事も絡んでいて、案の上というか、そちらも遅れるでしょ。しかも梅雨末期で大雨だし雷はなるしで諸工事は更に遅れてしまう。

・・・悲惨です。

私や造園工事会社様は、当初の予定に合わせて、材料を手配し人を集めて準備万端なんですが、仕事をさせてもらえない。

「もぅ~~~。知らんで~。間に合わへんで~」

・・・と、頭を抱えたこと、ブチ切れたこと、数知れず。はぁ。

造園関係者なら日常茶飯事的な。いわゆる「造園あるある」みたいな話でした。

 

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さて。

植栽現場は別会社の駐車場だった場所です。

アスファルトをめくると、砕石層の下にセメント改良層がありました。これは駐車場路盤の安定のためには必要な処理です。でも植栽するには当然不向きなんですね。このまま植えては水は浸透しませんので根腐れする可能性があります。

関係個所を大きく掘り取ってもらうことにし、ついでに土壌検査をしました。

長く不毛であった土地、これからどのように土壌改良をすればよいかの目安になります。

店舗の内装と同じくらい植栽にも心血を注がれているお客様ですので、造園工事にも並々ならぬご関心を持たれています。これから埋もれて見えなくなる部分の情報を共用して、納得して前に進めたい、そんな気持ちもありました。

土壌検査は細かくは色々あるのですが、今回は要の3項目です。

  1. 透水試験:排水不良による根腐れ防止のため
  2. 土壌硬度試験:地盤の硬さによる生育不良を防止するため
  3. ph検査:土壌の酸性度を把握し生育に影響のない状態にするため

 

透水性を調べる検査。直径15cm深さ20~30cm程(樹種によって変わりますが今回は元々深く掘れているので30cm程)に何回か水を注ぎ、水が浸み込む時間を測ります。

 

土壌の硬さを調べる検査。硬度計なる測定器具をゆっくりと土に挿して抵抗値を見ます。

 

ph測定器を地面に挿して測定します。デジタルは簡単ですね。造園樹木ではph4.5~8.0の間であれば問題なし。草花や野菜などは個別な値があります。

 

3項目を測定し、植栽土壌としていずれも問題ありませんでした。試験結果をレポートにまとめて、このまま使えそうな土壌ですよと報告。

適量埋め戻して、追加する土(客土)には改良を施しまして、植え付けることになりました。

今回は専用機材を使用しましたが、透水試験にはただ穴を掘って水を流し状態を見てもいいですし、硬度計やph測定器はインターネット等で安価に手に入りますので、個人様でも測定できると思います。気になる方は測ってみて改良のヒントにしてみてください。

 

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今回は地下に埋もれて見えない部分にもうひと技、施しています。

地下支柱です。

3mを超える木を植えた場合、根付きやすくするために支柱を施します。

支柱はとても大切。

支柱をせず木が揺さぶられると、折角伸びた新しい根が切られてしまうことになりかねません。運が悪いと台風や嵐などの強風にあおられ倒れてしまうかも。最近の台風の威力はハンパないですから。

強い風に当たらない場所なら、自力で根を張る方がいいので、支柱は要らないかもしれません。そうでなければ普通は支柱をすることをおすすめしています。

大抵、竹や丸杭などを用いて固定することが多く、何だったら木より目立ってしまうことも。取り付けた支柱が腐る頃には根付いてるので、それまでは付けっぱなしにしていただいています。ですので3年以上は支柱がある状態です。

大事なことは分かるんだけど、見た目がイマイチ。不自然なんですよね。

今回は店舗なので、見た目も非常に大事です。そのお店を訪れるお客様に、非日常的な特別な雰囲気を提供したいとお考えなのに、支柱ばかりが目立ってしまってはナンセンスです。そこで見えない支柱「地下支柱」をとリクエストされました。

 

根の大きさに合わせた地下支柱の機材。四方から根を挟んで特殊なテープで強固に固定します。そして埋め戻すと、木自体の重さと土の重さも加わり、もうびくともしません。

 

3m以上の高木がたっくさんあるので、全部に地下支柱をするのは大変です。でも、慣れれば竹の支柱とそんなに手間は変らないような印象です。

一度取り付けると取り外しは恐らく出来ませんが、根の成長を阻害する程の物でもありませんので、そのままで大丈夫でしょう。部分的に腐るような素材を採用している地下支柱もあります。

値段は竹支柱の何倍もしますから、誰もかれもとはいきませんが、見た目重視の方にはいい商品ではないかと思います。

 

地下支柱を取り付け完了。水をたっぷりやって機器が見えないように埋め戻します。

 

見えない部分にお金をかけて下さっているこちらの店舗様。

お店を訪れた方は「こんな大きな木、支柱がないのは何故?倒れない?大丈夫かな?」なんて、普通は考えないでしょう。

ただただ自然な眺めを楽しんでいただけるのではないかと思います。

秘すれば花なり、ですね。

 

 

7月の工事に向けて

来月から、店舗の造園工事が始まります。

4月に設計を始め、施主に当たる会社様や建築関係の方々との設計打合せ、パートナーの施工業者様や資材関係会社様との打合せ、材料選定、見積もりなど諸々経ていよいよです。

 

図面はいつものように手書きで。書いていると頭の中にどんどん庭が出来上がっていって、細かな点も記憶に残ります。

 

建築工事中の現場にて打合せ。何度も足を運びます。

 

駐車場と店舗玄関周囲の緑化という内容でご依頼をいただき、当初、植栽範囲はごく一般的というか。

それがお打合せを重ねるたびに、何故かどんどん緑量が増えてまいりまして。

店舗の周りや道路から見た感じを潤いのある印象的な風景にしたい、その雰囲気を作るのには緑量が必要だとお感じになられ、大幅に方向転換されたのです。

造園に大きな期待を寄せて下さっていて・・・今はそれに応えるべく、プレッシャーと不安と意欲、そしてワクワク感とのない交ぜ状態・・・。

まぁこれはどの現場も同じ、いつものことなんですが。

 

主たる樹木を選び、それぞれの状態や枝振り、根鉢の大きさなど細かく確認します。

 

今回は景石を入れるのでそれも選びに。どう据えるか組むか、工事中は悩んでいる時間がないので今のうちに熟考。職人さんと相談しながら据えますが、私の意向を尊重して下さるのでしっかりしないと!

 

でも、私は一人でありません。

色々な方にお知恵とご協力をいただきますので心強いです。

仕事を長くしていると、このことも当たり前のように感じてしまいがちですが、決してそうではありません。本当に。

「知らんわ」って言われたら・・・自分だけでは何も作れないので。

事故のないよう安全に、工期や予算を遵守し、なにより建物をぐっと素敵に見せられるよう尽力します。

施工中のアレコレも追々と綴ってまいりますので宜しければお付き合いくださいませ。

 

湖東の造園外構工事ー植栽編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。今日は作庭記としては最終回の植栽編です。

それで、あと残すところは完成画像なんですが、実はまだほとんど撮影出来ていなくて、またタイミングを見計らいUPしたいと思います。

工事最終日に何枚か撮ったものを一部先行してInstagramにUPしています。→

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ、 床工事編 → コチラ

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

 

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作庭記では、これまで構造物を作る作業ばかり書いてきましたが、ようやく植物の登場です。

この日も晴れ渡ってきれいな青空!まさに植栽日和でした。

植えるにあたり、花壇には予め敷地から出た良質土(砂系)と客土(関西では真砂土を客土として使います)を入れ盛っておきました。お施主様は畑をされている関係で「この辺りは砂地だよ」とおっしゃっていて、実際土工事で掘り返して見ても、水はけがとても良いことが分かりました。

それを踏まえ、パートナーの造園屋さんの提案もあって、改良剤はバーク堆肥とネニサンソという真珠岩系パーライトを採用しました。通気性に優れ酸素を十分に補給することからネニサンソという名前がついたみたいです。水持ちがよく、水と空気の配分が理想的で、過湿にならず乾かないということでよく使っています。(水はけが悪く根腐れする危険がある場合は黒曜石パーライトを使います)

 

前庭にドウダンツツジを下ろしているところ。重すぎて男性でも持てない木は、植える場所にユニックで吊って下ろします。

 

今回、植える庭は2ヶ所。前庭と主庭です。

前庭は個人の庭でありながら、道路に接しているので公共的な性格も持ち合わせた庭です。お玄関先でもありますし、出来れば常にきれいに見せたい部分です。

ですので、私は前庭の植栽を設計するとき、常緑低木を必ず入れます。場にあった育てやすい樹種を選ぶと、手入れもしやすく年中緑が楽しめます。目線に近いので、ここにきれいな緑がいつもあると、なんだか整って見えるのです。

常緑といっても高木ばかりだとなんだか暗くて重苦しくなるし、草花できれいに整えるには手がかかり過ぎます。ですから常緑低木が適していると思います。

このお宅の前庭の常緑低木には、サツキツツジを選びました。上の画像で手前に見えている木です。自生植物で根付けば雨さえ当たればよく育ちますし、花後に刈り込むだけでいいので手入れも楽。予め据えた景石に添わせるようにたくさん植えました。和の雰囲気の建物ですのでよく合うはず。

前庭のシンボルツリーは2m越えのビックなドウダンツツジです。秋に見た時は枝だけでしたが、今は花が咲いて葉も芽吹いて・・・植えるとそれはそれはきれいで立派で、場にドンピシャ!上手くマッチしたと思います。

(本文最後にドウダンツツジ含めた画像があります)

 

仕入先には色々な苔類がパレットや乾燥した状態で並んでいます。今回はその中から砂苔を、築山の端と石貼りの目地に植えました。

 

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主庭はリビングダイニングに面した庭で、雑木の庭にしたいというご希望でした。

イロハモミジやアオダモ、サルスベリなどの落葉高木を何本かに、アジサイ、ユキヤナギ、トサミズキ、ヒメシャリンバイなどの低木、それに春~秋咲く宿根草などをご提案しました。

こちらのお宅の植物の9割以上は日本の野山で育っている自生種から選んでいます。ただ、アジサイと主庭の宿根草の一部は外来種です。

奥様から「和になりすぎないように」というご希望がありましたので、アジサイは白い「アナベル」に、宿根草ではロシアンセージ「リトルスパイヤー(矮化種)」やベロニカ「ロンギフォリア」をおススメしました。

アジサイ「アナベル」は西洋アジサイですが、細い茎に綿帽子のようなフンワリとした白い花を咲かせどんな庭でも素敵にしてくれます。大きさはコントロールできるし何より丈夫で切り花にしてもいい。私も大好きでディスプレイガーデンで長年育てています(画像はテラスの花壇です)お客様のお庭に大抵おススメしていて100%採用されてるアジサイです。

外来種でもはんなりした優しい雰囲気の植物だから自生種に合うと思います。それに外来種といってもむやみに繁殖せず、大きくなりすぎないので良いかなと思いました。

外来種は何といっても華やかでそそられるのだけれど、自生種を脅かす存在。環境保護の観点からも取り扱いには気を付けているつもり。

 

前庭(砕石敷きの駐車場)から繋がる主庭の植栽の様子。ここは落葉樹を中心とした雑木の庭で、画像はイロハモミジを植えているところです。その奥には先に植えたアオダモが見えます。

 

上の画像からお分かりいただけるでしょうか?木は敷地の周辺に一直線に植えるのではなく、家寄りにも植えたりして、どの角度から見ても並ばないようジグザグに配置して、奥行きが感じられるようにしています。

主庭のシンボルツリーのアオダモは庭の中心に植えてあり、縁側のようなデッキに座ると出るとその清々しい姿が一番に見えます。

前庭の植栽は完成させましたが、主庭の方は広いので、主たるものを植えただけ、ベースを作っただけです。花壇には客土のみで改良剤も入っていない部分がまだ残っており、これからお施主様のお好きなように植えられる予定で、追々サポートしていきます。

どんな風になるのかとっても楽しみです。

 

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最後に。

フェンスや門、アプローチ、駐車場などの構造物は庭の骨格となるもの。生活する為になくてはならないものだから、デザインは素敵でありつつ、利便性や耐久性が重要です。造り手は、それら構造物をしっかりと作るだけでなく、建築で出来ていない部分や足りない部分をどう補うか?予算内でディティールをどう納めるか?などに頭を悩ませ神経を使って造っています。

それでようやくいろんな構造物が出来て外構は完成します。

でも家全体を見ると、いまいち殺風景なのです。なんていうか、「家」ではなく「建物」という感じ。私の勝手な見方なんですが、土地にモノが載っているだけ、そんな印象です。

 

工事中の画像ですが、敷地の縁に沿ってブロックを積み、門壁がつき、アプローチがつき・・・外構はほぼ完成の図。構造物が並んでいるだけ、何だか殺風景です。

 

それが、木を植えたり草花を植えたりすると、一気に土地と建物がつながって「家」になるように思います。

上の画像と下の画像を見比べていただくと、私の言うことが何となく伝わるかしら?

 

外構工事につづき、造園工事で植栽完了の図。上の画像と見比べると、雰囲気が全然違いますよね。緑が入るとこんなに建物が生き生きと、そして根付いて見えるんです。

 

これは設計の段階で、いつもお客様にもお話していることで、その時は殆どのお客は私の言うことがピンとはきていないご様子。でも植栽工事が始まって、どんどん緑が足されていくにつれ、建物が生き生きと見えてくるのに驚かれます。

そして植え終わったとき、「家になった、という感じがします!」とおっしゃいます。

 

 

湖東の造園外構工事-床工事編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。

今日は床工事編。次回、植栽工事をUPして完成をご覧いただくつもりです。

完成画像は、一部先行してInstagramにUPしています。→

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ

 

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外部空間の床というと、アプローチ、駐車場、デッキやテラス、花壇以外の裸地、等々。それらの仕上げをどうするか?は、インテリアと同様に大事なことです。

私がデザインするときは、インテリアをコーディネートするように、アクセントにしたい部分の素材を変えたり、建物を引き立てるよう、また全体のバランスが取れるようにカラーコディネートにも気を配っているつもりです。

インテリアと違うのは、耐候性や耐久性のある素材を選ぶこと。造りはだいぶ違って、車が乗っても壊れない強度や、水が溜まらないような勾配が必要です。それでいてどんな年代の方でも安全に歩けるように、植物とも馴染むようにしたいものです。

今日は、洗い出しのアプローチ、アクセントと花壇枠を兼ねた自然石貼り、コンクリート土間の駐車場、砕石敷きという4パターンの床仕上げをご覧いただきます。

まずは洗い出し仕上げから。

洗い出しとは、セメントモルタルに化粧砂利などの骨材を入れて塗りつけ、完全硬化する前に噴霧器やブラシで水洗いして、石の頭を少し浮き出たせるようにする左官工法のことをいいます。石の種類や大きさを変えると違う表情になります。樹脂で固めるので方法もありますが、塊ではがれやすく樹脂部分がカビやすいので私はオススメしません。

アプローチを洗い出しにしたのは、建築デザインと合わせたいとのお施主様のご希望もあったからです。コンクリートだけより割高ですが、こちらの場合は小面積ですし、門壁にも合っていますから、よい選択だったと思います。

 

玄関ポーチにアプローチ階段を追加。基礎をブロックで作って表面仕上げのための下塗りを終えたところです。表面仕上げは建築と同じ砂利を使い洗い出しにして、自然に馴染ませます。階段が門壁の化粧ブロックにかからないよう門壁の基礎を調整しています。

 

庭やエクステリアでは自然石を床材として使うことが多いと思います。滑りにくいですし、植物にも良く合い、仕上がってみるとすごく素敵になります。コンクリートや洗い出しに比べて材料も手間も割高ですから、予算にあわせて面積を調整しています。

自然石でも色々あり、全体の雰囲気や予算にあわせて私の方からご提案することがほとんどです。ここは滋賀県ですので、地元の石や近畿で採れる石がやはり風土に馴染むと思っています。

今回は京都~兵庫に位置する丹波地方で採れた石「丹波石」をご採用いただきました。色合いはベージュ~焦げ茶色で、穏やかな風合いで非常に上品な石です。

 

石選びの際に撮った丹波石の画像。5~10cmくらいの厚みがあります。

 

石の形が不定形なので貼るのはセンスが問われます。そのセンスは目地に現れるのです。四ツ目や芋目地など見た目によくない目地は色々とあり、これを避けて貼るのは口でいうのは容易しするは難しの典型で至難の業。まさに職人技です。自分で選んだ石ならともかく、支給された石を貼る場合は、特に大変だと思います。

この丹波石は、しっかり厚みがあるので、その良さを生かしたく、目地幅は1~2cm内外、深さも1cmは欲しいと職人さんにお願いしました。このように貼ると、石が埋もれずに石の影がくっきり見られ、カッコいいのです。ピンヒールでここを歩く方は恐らくいないので、このような目地でも支障ありません。更に石に営利な角があれば落としてもらい、柔らかな仕上がりに拘っています。

職人さんにたくさんの制約やお願いをしましたが、とてもいい感じに仕上げて頂けたと思います。お施主様にも大変気に入っていただけて良かったです。

 

アプローチ階段の洗い出し仕上げが出来、既存の玄関ポーチと違和感なく繋がりました。つぎに花壇枠兼アクセントとして丹波石を貼ってその目地を整えているところです。深目地で仕上げてもらっています。

 

仕上がりの様子。洗い出しや石貼り、手水鉢、五郎太石、下草や苔、それぞれの素材がいい表情を作ってくれました。床の勾配も適当で引っ掛かりなどなくとても歩きやすいアプローチです。石の目地に苔を貼ったりして遊んでいます。

 

最後に一般的なエクステリア工事でよく見られるコンクリート土間と砕石敷きを。

こちらのお宅の前庭には、車3台がゆったりと停められます。1台の土間をコンクリートで仕上げ、残り2台分は砕石敷きとしました。コンクリートの駐車場は一部アプローチも兼ねており、通常車1台分だと幅2.5mもあれば良いところ3m程あります。ここには軽自動車を停められるそうです。

 

駐車場1台分をコンクリート土間に。型枠を組んで、メッシュ筋を仮置きしたところです。打設するときには、キューブ状のスペーサーを使って鉄筋をかさ上げし、コンクリート厚に対して適当な位置にくるよう調整します。

 

コンクリート土間の表面仕上げは、金コテ仕上げと刷毛引き仕上げが定番。

埃がつきにくいけれど滑りやすいコテ仕上げ、汚れやすいけれど滑りにくい刷毛引き仕上げ・・・どちらも一長一短あり、お好みで選んでいただくのですが、こちらのお施主様には、刷毛引きを選択いただきました。刷毛引き仕上げはタイヤ痕が目立ちにくいということもあります。

 

打設し、表面に刷毛引き仕上げを施したところ。画像で分かるように石貼りを一部コンクリート土間に食い込ませて、石貼りの意匠が上手く駐車場と繋がるよう工夫しました。

 

庭の床と駐車場の一部に砕石を敷いています。どちらも同じ石ですが、庭は粒がそろった単粒で、駐車場の方は粒を不揃いに、と種類を変えています。

不揃いの方が石同士が噛み合うので、より締まって石が散らばりにくい。転圧してもらい、しっかりと固めてありますので、駐車するときタイヤが埋もれたり石が道にばらけたりしずらく、とても停めやすいです。一方、庭の単粒は砕石でも化粧っぽく見えます。

本当にちょっとしたことですが、使用感がUPしたと思います。

 

砂利も場所と用途に合わせて使い分けしています。

 

砂利敷きの話題で、最後に余談なのですが・・・

家づくりの際、建築で予算を使い切ってしまい、外部空間は砕石敷きオンリーで済ませてしまう方がいらっしゃいます。砕石敷きにすると、ひとまず泥を気にせず歩けるし車も停めやすいです。またいつか余裕が出来たらと、床仕上げを先延ばしにされているのだと思います。

しかし「いつか」はなくて、結局ずーっと砕石敷きのまま、というお宅がほとんどです。そういうお宅は土が固いので植物は植えられず、プラ鉢などで育てておられます。殺風景極まりないのですが「まぁ、これでいいか。暮らしに支障はないし」と砕石敷きに慣れてしまうのでしょう。

もしも家づくりの際に、エクステリアをある程度整えたいとお考えならば、最初に予算をしっかり確保することがとってもとっても大事です。建築会社様もそれぞれで、外回りの設計や工事に深入りしない場合も多く注意が必要です。

ざっくりですが、建物に釣り合うエクステリアの目安は建築費の10~15%。敷地の建物以外の面積×1万円と算出していただいても良いと思います。

 

 

湖東の造園外構工事ー石据え編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。お引渡しが出来ました。

その作庭過程の様子は工事中に更新するつもりが、体力不足で出来ず(>_<)

これから振り返りながら作庭記をあと2回ほど書いたのち完成をご覧いただくつもりです。途中、全く関係ない話題が割り込むかもしれませんが、宜しければお付き合いくださいませ。

完成画像は、一部先行してInstagramにUPしています。→

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

前回のブログでは、エクステリア工事の基礎を作る場面のことを書きました。→コチラ

今日は沓脱石や景石、水鉢、石組など石を据える様子をご紹介します。

 

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工事は天候に左右されることが多いけれど、この現場ではこれまで雨に泣かされたことがありませんでした。

雨が降るのは決まって工事がお休みの日曜日ばかり。月曜日になると回復し、それから土曜日までずーっと晴天が続いていました。こんなにお天道様が味方してくれることは珍しいかも。お陰様で予定より少し早くお引渡しできました。

石を据えていたのはちょうど桜が満開のころでした。

 

現場近くにも桜の木があります。満開を迎えたある日、お昼休みにここでお花見しながらランチをしました。

 

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石を据えるような庭づくりといえば、和風のお庭と思われがちです。

しかし、この頃は自然風のお庭で小さめの石を転がしてみたり、若い方でも枯山水風のお庭が好きな方もいらっしゃっいますので、割と需要はあるのかなと思っています。私の作る庭にも度々石は登場します。ただ昔のように、庭作りと言えば「仏間や客間の縁側から見える前栽」という時代から比べると、石のボリュームが減っているのは違いありません。

今回のお客様は、元のお庭にあった石を、新築された家の庭にも使いたいというご要望がありました。予め調べたところ、沓脱石や飛石、後はほとんど土留め用の石のようでした。

 

解体されて仮置き状態の石たち。

 

ご希望を取り入れ、部分的に足りないところは追加したりして、出来るだけお手持ちの石を活かせるように考えたつもりです。

でも既存の石は、前の庭に合わせて持ってこられたもので、それを新しい庭で使うとなると、図面にはアッサリ書けても、実際据えるとなるとかなり難しいものがあります。造園職人さんの技術的センスが問われます。

 

何トンもある石は重機でないと移動できません。ユニック車やユンボ(バックホウ)で吊って移動させます。安全第一で進めます。画像は沓脱石を移動させているところ。荷台には既存の石、追加の石、混ざって積んであります。これら全部お庭に使いました。

 

石にも表裏があり、一番よい表情をしている部分を「顔」と呼んだりします。場面によって裏と思わるような面をあえて「顔」にして据えることもありますし、パッとしない石でもいくつか寄せたり、大きな石とバランスを取るために使ったり。そのあたりを考えるのが石を据える醍醐味でもあります。

実際やってみると、両手で持てるくらいの小さな石でも、見場よく据えるのは難しいものです。それが何トンもある石なら尚の事大変で、少し高さを変えるだけでも、重機で吊って土を掘り、また石を下ろして・・・という風になかなか簡単にはいきません。

 

沓脱石はお客様の使い勝手を優先して配置。無事据わりました。二つの石は高さが違うけれど建物から降りる高さは同じに調整して据えました。

 

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次は仏間縁側の傍にあった縁先手水鉢です。

新しい家にも和室はあるものの実用的に使かう設計ではありません。そこで眺めのポイントとなるようお玄関先で意匠的に使うことになりました。

和に偏らないよう、目立たない感じで据えて欲しいとのご希望でしたので、思い切って半分ほど埋めてしまいました。

 

手水鉢もお客様の手持ちの品。据え直してちゃんと水が落ちるか確認しているところ。手水鉢に溜まった水がオーバーフローする時、ひと所から流れるよう口があります。上手く流れるように据えます。

 

後に鉢の周りに植えた植物が育つと、自然な感じになります。来客時や気分でたまに水を張ったり、花器として見立て花や枝物を活けたりしても素敵です。

ここには軒が掛かっており、雨水が溜まることは少ないでしょう。日々目に付くところろですので、メンテナンスも行き届くでしょうから、恐らくボウフラはわかないのではと思います。

 

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次は景石。景色をつくるための石、景観を整えるための石です。

お玄関先や門壁の付近にさり気ない存在感を感じさせたくて、いくつか据えるよう設計しました。

ここの石は追加した石で、溶岩石のような渋い石。ゴツゴツと皺の寄った面、色々な石を抱き込んでいる面、そして以外に滑らかな面もあります。どの面を使うのか、職人さんと個性を見極めて据えました。

この場所は、門壁やアプローチが黒やグレーといったモノトーンの空間ですから、黒い溶岩石が上手く調和しました。

 

お玄関先の坪庭的な場所に1石据えています。玄関側、アプローチ側様々な方向から見て素敵に見えるよう角度が難しいです。でもあまり迷いません。直観で進めていきます。

 

石を据えるときは元からそこにあったかのように馴染ませたいので、結構深く埋めます。石にも根っこ呼ばれる部分があって、それが地面から出ているとなんだか如何にも置きました的に見えてしまうのです。

深く掘れないところで、どうしても根が見える場合は植物や他の石を添えたりして工夫します。大きな厳つい石でも埋めてしまうと意外とそうでもありません。周りに植物があると更に優しい雰囲気になります。

溶岩系の景石は他にも門壁前に2石。主庭にもお客様の石をいくつか据えました。

 

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最後に主庭と駐車場を仕切るように設計した石組です。

駐車場からお庭に入れるよう入口も作りました。二つの場所は若干高低差がありますので、低い階段を設けています。階段の両側に一番大きな石を袖壁風に据えたのがポイントです。

 

主庭への入り口となる部分を作っているところ。駐車場との仕切りも兼ねて低い石垣を作ります。(主庭から駐車場へ向いて撮影)大きな石を据えるのに少し地面を削っています。

 

主庭と駐車場との仕切り完成。入口となる階段がいい感じに出来ました。既に据えた沓脱石に向かって飛石を打ってもらい庭の枠組みが大方整いました。(駐車場から主庭に向かって撮影)

 

石を据えるといっても、私は離れてバランスを見たり傍で口出しするだけで、力仕事はほとんどしていません。据えてみて変だったらまたやり直してもらうので、職人さんは大変で、本当に申し訳なく思っています。

力仕事は男性頼みです。重機を使えば男女そう変わらないと思うけれど、細かい部分は手作業になります。私がいくら頑張っても動かせない石でも、男性は軽々と、しかも何回でも動かせるので、やっぱり力の差を感じます。凄い力だなぁと思ってしまいます。自分で出来たら一番いいのですが、こればっかりは仕方がありません。

 

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宅地であっても景石を据えたり、石で起伏や段差を付けると、庭に自然の風情が出ます。

石はいつもそこに有りますが、同じ場所にあるからと言って、いつも同じ表情をしているとは限りません。

 

景石の窪みに水がたまり空の景色が映っています。これは水鉢ではありませんが、雨あがりだけ水鉢のようになる石です。それを想定してこう据えるのが造園かな。(別の庭より)

 

日当たり具合や雨でぬれると、全く違う石のように見えることもあります。

 

ひとつの石を味わい尽くすのは庭を持つ醍醐味です。

次回は庭の床、地面の仕上げを色々とご覧いただきます。

 

 

湖東の造園外構工事ー基礎工事編

昨年から計画していましたお宅の工事が始まりました。

広い敷地に建っていた2階建ての家を、お洒落な平屋に新築されたお宅で、境界を整えたり門壁やアプローチ・駐車場といった外構工事(エクステリア工事とも言います)と、石を据えたり木を植えたりといった景色を作る造園工事、この2種類の工事をします。

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になるかもしれませんので、工事の様子を追々UPしていこうと思います。

 

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さて最初の工程はというと、リフォームの場合は解体工事、新築の場合は土工事から始めます。

今回のお宅は建築工事の前に、元々あったお庭(前栽)の解体工事も済まされていましたので、ほぼ更地の状態から始められました。

コンクリートブロック造の門壁や境界ブロックを設置する場所の土を掘削し、型枠や鉄筋を組みコンクリートを打設するといった構造物の基礎となる部分を作ります。

ブロック塀は近年、地震で倒壊する事故がよく報道されます。建築基準法に則って作ること。万が一、想定外の大地震で倒壊してしまっても、お施主様や通行人の方々に被害が及ばないような設計の工夫をしなければなりません。

この門壁は高さ1.5m程ですが、場所上、控え壁がない方が使いやすいので設けず、かわりに基礎を安定的な逆T型で作ることしました。道路から3m程奥まったところに設置するので、万が一道路側に倒れても敷地内です。家側に倒れてもアプローチの上で建物に当たることはありません。

 

門壁の基礎工事。設置場所を掘り、クラッシャーラン(砕石)を10cm厚敷きつめ転圧してベースを作ります。これだけのスペースでも掘ると凄い量の土が出ていることが分かりますね。

 

門壁基礎工事つづき。クランシャーランのベース+逆T字型の鉄筋コンクリート造の布基礎です。インターホンの配線を引き込む菅も仕込んでいます。

 

今週は上の画像の型枠を外すところまで進みました。この上にブロックを積むのはもう少し先です。

このブロック、かなりカッコいいデザインのブロックなので楽しみです。

 

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次は隣地境界線に沿って設けるブロック塀の基礎をご覧いただきます。

隣地は里道といって細い路地になっています。そこに元々ある溝がかなり古く、その溝を固定しているコンクリートもかなり古い。なんなら里道の舗装も危うい感じで、とにかく慎重に慎重に掘削していただきました。

埋められていた土を掘ってみると画像↓のように境界がガタガタ。元の建物にあったものを解体するときにこうなったように思うのですが、ここを、もしも真っ直ぐ削るとしたら公共の溝を壊す危険性もあります。境界問題もデリケートですし、出来る範囲で整え、そおっとこのままブロック基礎を作ります。

 

里道との境界際を掘削。基礎コンクリート用の型枠やブロック積みの配筋をしている最中です。

 

基礎を打設したところです。建物の横に砂利を敷くので土留めとしてコンクリートブロックを2段積みます。

 

出来るだけ境界に寄せるようにブロックを積み、ガタガタ部分もきれいに埋める予定です。

新しく造成された宅地ですと、このようなことはありません。

住み継がれた土地は、他にも色々と気を遣うこともありますが、そこはしっかり対応せねばと思っています。

 

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こんな風に構造物の基礎や、木や草花を植える土壌づくりなど、私達の仕事の半分は土の中に隠れてしまい見えません。土の中に構造物を作ると、その体積分以上の土を処分する必要もあります。

見えている塀や土間、植栽に費用が掛かるのは理解されやすいのですが、見えない部分や捨てる部分にも、たくさんの費用と労力が掛かることをご理解していただきたいです。

基礎工事が安価でお座成りでも埋められてしまっては分かりません。見積書の段階で、この部分がしっかり計上されているか確認し、説明を求めましょう。

そのために、ある程度、お客様も勉強されなければならないと思います。

 

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土工事の現場はぐちゃぐちゃ、画像も美しくありませんませんが、庭の骨格を支える大事な工程です。

測量してもらって、色々な構造物の高さをしっかり決めていても、掘ってみると上手く合わない場合もあって(建物の関係、劣化した公共物との関係等)、でもその場その場で一番良い処理をしていかなければなりません。

無駄に悩んで職人さんの手を留めることは避けたいし、追加費用を発生しないようにもしなければ。

そんなこんなで、工事関係者みなにも意見を聞きつつ、良い納まり、美しい納まりというんですかね?元からそうするはずだったかのような自然な納まり、何より使い勝手よくお施主様が納得されてお喜びになる納まり、そんな納まりどころをいつも考えています。

 

土工事の工程は、駐車場部分や敷地の他の部分を均したり、まだまだ続きますが、ひとまず今日はここまで。

次回は庭石や手水鉢など据えるところをご紹介できるかなぁと思います。

 

冬季メンテナンス-冬にやるべきお手入れ

先日、和菓子を販売されています京都祇園「仁々木」様の近江工房店へお庭のメンテナンスに伺いました。

お店は滋賀県守山市にあります。

 

仁々木近江工房店さま。庭のモミジが看板に彩りを添えて。

 

こちらは昨年春に前庭の植栽改修工事を行い、自然な和の佇まいを生かした庭に生まれ変わったばかり。

既存の高木や低木を配置替えし、季節ごとに咲く宿根草をたくさん追加しました。和菓子店なので自然な雰囲気の山野草が多めです。

お店の方々の日頃のお手入れのお陰で、どれも順調に成長し、特にグラス類は立派な株になりました。

 

グラス ペニセタム ビロサム銀狐(ギンギツネ)のふわふわの穂が日差しを受け輝いてとってもきれいです。大きな株に成長しました。

 

植えて数年たった植物で、この銀狐のように大株になった場合は株分けが必要です。株分けとは文字通り株をいくつかに分ける作業のことを言い、目的は三つ。

一つは場に合わせるため株を小さくすること。

二つは植物を増やすこと。大きくなった株は何株にも分けられるので、それを別の場所に植え替え新たに育てることが出来ます。余った株は欲しい人にプレゼントすれば喜ばれます。

三つめの目的は株の更新です。株が大きくなりすぎると、密生して風通しが悪くなったり、花が咲きにくくなったりして姿が悪くなる場合があります。そんなとき株分けをすると再び生育がよくなるのです。

株分けの適期は春と秋。グラス類はじめ多くの宿根草はこれから休眠期にはいるので、根を触ってもダメージが少なく、株分けにちょうどよい時期です。

皆様もお庭でも大株になった植物があれば是非やってみてください。

 

銀狐の株分け。そっと掘り上げ、株の分かれ目を狙って鎌先を入れ、思い切りよく切っていく。鎌でなくてもいいので、清潔で切れ味の良い刃で行ってください。

 

最終的に5株ほどに分けられました。元の場所と違う場所に植え直します。残りは植える所がなく処分するため持ち帰りました。

 

メンテナンス作業は他にも色々。

徒長した茎や枝は来春の姿を想像しながら、思い切りよく剪定します。まだもう少し葉が残るギボウシなどの宿根草も、このタイミングで剪定してしまいます。

先程の銀狐はまだ十分きれいだったので、本当言うと切るのが惜しかったのですが、そうしょっちゅうメンテナンスに来れませんし、お客様に切って下さいというのも何だかなぁと思い、泣く泣く剪定しました。

 

伊吹ジャコウソウを剪定。和製タイムとも呼ばれていて香りもそっくりです。毎年良く伸びるのでメンテナンスに来たときは思いっきり切り詰めます。根を断つ気持ちで土の中に鋏を潜らせて切るとエッジがきれい。刃には良くないことだけれど。

 

高木へ施肥。根鉢の周り数カ所に30cmほどの細い穴を掘り、緩効性肥料を入れ埋め戻す。

 

除草後、緩効性肥料を地表面にもばら撒く。このあとマルチングを施しますので見えなくなります。

 

冬に地上部枯れてしまう宿根草がある場所には冬咲きの一年草を新たに植えました。これから冬なので何もなくても別に違和感はないのですが、ここはお店。お客様からのリクエストです。

 

この日の作業内容まとめ
  • 全体のバランスを見ながら植物の配置やフォルムを整え直す。
  • 宿根草の株分け、植替え。
  • 除草
  • 冬咲きの一年草を植える。
  • 高木・低木の剪定。高木はまだ高さが足りないので忌み枝を切る程度。花芽が出来ているものには注意して。
  • 施肥(寒肥)
  • バーク堆肥でマルチング。防寒や雑草対策になりますし、美観目的も。
  • 病害虫は見られませんでしたので、薬剤散布はなし。虫の蛹や卵を手で取る程度で済みました。
  • 水遣り、清掃。

一つ一つの作業を丁寧に心を込めて行いました。

これらはどの庭でもいまやっておくと良いと思います。

 

お手入れ完了。スッキリ清掃も終え水を打ち迎春の準備が整いました。

 

この日は小春日和。動いていると汗ばむくらいでした。

皆様もこういった日を狙って、作業内容を参考に冬季メンテナンスを行ってみてはいかかでしょう。

その成果はきっと来春に感じていただけるはず!

 

 

近況諸々

withコロナでの暮らし。不本意ながらも、だいぶ慣れてきました。

夏に比べるとマスク生活もかなりラクになりましたね~。いかがお過ごしでしょうか。

私は、今のところ、マスクのデザインにこだわりはなくて、でも今冬は遊んでみようかしら?お洒落なものが出回っていて、目移りしています。

ガーデンデザイナーだけど・・・フラワープリントやボタニカル柄は絶対にないな。ふんわりとした可愛い系が全く似合わない見た目なので、たぶんシンプル&クール系になりそう。

さて、長らくブログの更新が滞っておりまして。今日は近況を諸々。

 

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新しい庭作りのお打合せが始まりました。

まだどうなるかわかりませんが、現場に通って色々と検証しているところです。

外構と庭、トータルで考えていきます。

お客様にとっては終の住処となる場所。使い勝手よく暮らしに彩りを添えられるように・・・頑張りたいです。

 

元々前栽にあった景石や沓脱石も生かす予定です。

 

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先日、京都の地下鉄の駅構内で、クリスマスツリーを見ました。いくら何でも早すぎませんか?と戸惑いましたが、季節は冬に向かって進んでいるんですね。今年もあと2ヶ月半かと思うと何気に焦ります。

事務所のインテリアの冬支度、ゆるりとはじめました。

まずは、打合せスペースの椅子をリフォーム。久しぶりに座面を張り替えました。

 

愛用のヴィンテージの椅子の座面を張り替えました。スタッカーで留めるだけなので簡単。

 

WOOL100%の北欧っぽい?柄にチェンジ。スポンジも新しくしたのでフカフカです。

 

次に外からも見える窓辺を。

春夏はプランツハンガーでグリーンを飾っていたのですが、ヒンメリに変えました。

 

昨年作ったものを大事に保管していました。本来は長持ちさせるものではない、と作り方を教わった先生がおっしゃってましたが、1年限りではどうも勿体なくて・・・。

 

北欧の国フィンランドでは、太陽と豊穣のシンボルである麦藁を使ってつくる幸運のモビールとして、冬の時期以外にも日頃から食卓やゆりかごの上などに吊るし、幸福を願うためにも飾られるそう。

日本ではクリスマスの印象があるので、ツリーほどではないにしろ、ちょっと気が早いように思うけれど、長く楽しみたいので飾ることにしました。

羽毛のブランケットも出して、ほっこりしながらお仕事してます(^^*