サンプル

ディアガーデンの庭づくりでは、ある程度プランが固まり、使う材料が絞れると、次はサンプルを取寄せカラーや質感を実際に見て頂いています。

植物は画像や実際の大きさなどを提示したり、私共の庭に植わっているものなら実際に見ていだくとか、石材はその欠片を持っていくとか、なるだけお客様に材料の情報を伝えようと心掛けています。木は最終的に畑で一緒に選んでいただくことも可能です。

とにかく、植物名やカタログの品番だけで漠然と進めないようにしようと思っています。

メーカーさんもどうやらサンプルを大切に思ってらして、ブック型になっていたり、それがまるで一つの商品のように丁寧に作られているものも。商社さんに頼めばすぐ送ってくれるのも有難いです。

それで商材のサンプルを取寄せてみて、私自身いつも思うのですが、庭に置いてみるとカタログの色と違って見えることが割と多い。質感は言わずもがなです。

小さいモノだけけれど、建物の外装や内装に当てて見比べることが出来ますし、雨を想定して濡らした時どう変わるかも見て頂けるので、お客様の安心感や納得感が上がるように思います。

 

5月に施工するお庭で使う材料サンプル。レンガやデッキの床板の見本、化粧砂利いろいろ。こうして見ると分かりやすいでしょ?

 

サンプルを見ても、すぐに決められないのは当然のことですから、しばらくお客様にお預けしています。

あれこれ悩むのも庭作りの醍醐味ですよね。

 

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実は、私もいま、サンプルを眺めながら悩んでいる最中なんです。

以前ブログでちょこっと書きましたが、事務所のインテリアを改造します。といっても大袈裟なものではなく、レイアウトや家具を変えるだけなのですが、印象や使い勝手がだいぶ変わりそうです。

 

家具をリフォームするのでサンプルを取寄せ、内装やオフィスチェア・インテリアグッズに合わせて検討中です。もともと内装はグレーだし好きな色なので、色々なグレーを集めてみたものの、どれも良くて迷う~。

 

PC作業中の姿勢が悪いために、持病の腰痛が悪化し始めたので、この際、デスクやチェアも適切なものに変えます。

というのも最近になって気づいたのですが、私、座っているとき、ずーっと反り腰になっていたのです。

立っているときに反り腰気味なのは薄々気づいていたのだけれど、まさか座っているときもそうだったとは!いや、むしろ反り腰で座っていたから定着してしまったのではなかろうか?!これって盲点でした。意外と多くの方が当てはまるのかもしれません。

年を重ねると、普段の姿勢や動きが大事だなって、つくづく思います。

若いときは筋力で対処できていたからか、多少変な姿勢でも痛みは出ませんし、見た目もそうおかしくないもの。それで気づかぬうち嫌な癖がついてしまい、身体が歪んでしまうのですね。歪むと当然どこかに負担がかかって痛みが出ます。

痛みが出てやっと気づいた私。今更だけど直したくて、出来ることから変えていきます。

 

 

自転車置き場問題

現在進行中の案件で、自転車置き場を含めたお庭のリフォームプランを考えております。

自転車って複数台所有されているご家庭も多いのではないでしょうか。大人用の自転車を2台置くとすると、およそ2m四方のスペースが必要で、案外場所を取ります。

家を建てる時にしっかり計画しておかないと、使いづらくなるかもしれません。外に置くならば、車体が劣化しないよう、盗難に遭わないよう注意もしなければなりません。

動線として最適な置き場所は玄関付近ですが、ここは家の顔ですから、悪目立ちしないようにしたいもの。

よくある3パターンについて考察してみました。

 

①屋内に収納する

玄関に通じる場所にウォークインクローゼットやビルトインガレージを設け、そこに置けるようにする。

このスペースがあると、冬用タイヤや遊具、アウトドア用品、ガーデニング用の道具なども収納できるのでとても便利です。

最近は玄関にシューズクローゼットを設けるプランが一般的になってきましたので、自転車のことも併せて検討されていることと思います。

我が家も玄関脇に小さなウォークインクローゼットを作り、ここに自転車を収納しています。1.8m×1.5mと本当に狭いスペースですが、2方向に天井まであるザックリとした棚を設け、先ほど書きました品々の他、灯油ポリタンク2個、庭のホース、工作用の道具や工具類、ディアガーデンの書類、長靴、防災用品、廃棄用の段ボール、傘、脚立大小、マキタの掃除器、箒、等々かなり沢山収納しております。

少々整頓出来てなくても、扉を締めれば一応スッキリです。(これ以上物が増えないよう気を付けないといけないなーと自戒していますが)

固定資産税を払うことになったとしても、外に置く物置きよりも、アクセスが圧倒的にラクだし、建物の外観を壊さないので満足しています。

 

我が家は折りたたみ自転車1台のみ。折って玄関のウォークインクローゼット(画像左に見えているのがそのドアです)に収納しています。しまうのが面倒なときは脇の通路にこうして置いておくことも。

 

室内でなくとも、玄関ポーチを広くとり、その屋根の下に置くようにしても良いですね。

ポーチ自体、デザイン的に素敵に見える工夫は必要ですけれど、お洒落な自転車が置いてあるといいアクセントにもなりそうです。

 

②既存の屋外スペースを利用する

  1. 既存のカーポートかガレージの空きスペースに置く。
  2. 軒下にカバーをかけて置く。

これはよく見るパターンですが、あまりおすすめできません。

1は車を傷つけてしまうかもしれませんし、2は天候によってはカバーが外れて自転車の劣化が著しいと聞きます。

 

③屋外に自転車置き場を後付けする

  1. 大きめの物置の中に入れるか、物置に自転車置き場が付属したタイプを選ぶ。
  2. サイクルポートやテラス屋根を設置する。

どちらも建物の外観に合う商品を選ぶことと、場に馴染ませたり目立たなくする工夫をしたいもの。

1の物置きは建物に合うデザインが少ないように思いますが、設置しているお宅は結構多いのかもしれません。雨風をシャットアウトしてくれて、自転車がなくなったとしても他の物を収納できます。固定資産税もかかりません。

2のサイクルポートは、大工さんに作ってもらう場合とエクステリアメーカーの商品を設置する場合の2パターンあります。台風被害が心配だったり豪雪地域にお住まいの方は耐風圧や耐雪の数値を確認して商品を選ぶようにしてください。

メーカーから色々なデザインの商品が出ており選びやすいかと思いますが、たとえデザイン的に合っていても、商品単体では、玄関の格を上げることは難しい。

ですので、門の中に隠したり(これは防犯上の利点もあります)、植栽を添えて場に馴染ませたり、何らかの工夫を施します。

でもそれもスペースに余裕があればの話。サイクルポートを後から設置しようとお考えならば、最低でも3m四方程空けて建物を配置して下さると、門や植栽なども入れられて良いと思います。

 

(株)タカショーさんのウェブサイトより。「スノースタイルミニ」というサイクルポートを玄関脇に設置した例です。家の扉と色を合わせ、壁や植栽を添えサイクルポートだけ浮かないように工夫されたプラン。私ならサイクルポート近くにも高木を植えるかも。

 

外構計画の時に駐車場はしっかり考えると思いますが、自転車については後回しになってしまうのかもしれません。

後から何とでもなるような気がするけれど、その実、出来ることが限られます。

物置きやサイクルポートは、とても便利な商品ではありますが、どうしたって後付け感はあります。建物や庭に馴染みにくいものです。できれば目立たないところに設置したいと思うけれど、自転車置き場だけは使い勝手が最優先なんですよね。

スマートな自転車置き場、どうか建築士さんもご一考ください。

 

 

植木選びに

昨日は、まもなく始まる造園工事に先駆けて、お客様と植木を選んでまいりました。

私に任せていただく場合もありますが、ディアガーデンに来られるほとんどのお客様は、一緒に見て選びたいとおっしゃられます。

草花と違って樹木は、それも仰ぎ見る程の大きさともなると、やはりかなり個体差があるもの。私がエスコートしつつ木の特性や植え方など必要な情報を提供し、お客様はたくさんある木の中からご自分の庭のための特別な1本を選ばれます。

それはある種の出会いであり、これから育てていく上で、良いエピソードとして作用してくれるものと思っております。庭作りの物語の大切な1章となるに違いありません。ですので、出来るだけこのひと時を楽しく感じていただけるように努めております。

 

まだ芽吹き前の園内で素敵なご家族とワイワイ楽しい植木選び。いい出会いがあり私もご案内した甲斐がありました。

 

これから始まる造園工事に向けて、お客様のピュアな期待をヒシヒシと感じ、身が引き締まる思いです。

庭作りの中で、造園工事は土台作りでしかなく、その先はお客様の手に委ねられます。そうであるならば、出来るだけお客様がやりやすいように良いスタートを切っていただける手助けをするのが私の仕事かと思っています。

 

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お客様の中には、このご家族のように小さな子供さんがおられることも。

私は普段大人とばかり接しているものだから、たまに小さな人に会えると新鮮な気持ちになります。

仕草が可愛くてしょうがないし、話をしていても真っ直ぐで、一生懸命で、楽しそうで・・・見ているだけで癒されます。余所のおばちゃんである私に、とても丁寧に接してくれ、優しくしてくれるので、小さな人なりに気を使ってくれているんだなって思うとキュンとします。

打合せを重ねると、色々なご家族の在り方や人となりを知れて、庭が出来たら益々幸せになっていただきたいと願わずにはいられません。

新しく出来る庭が、この小さな人の成長過程でより良い存在となりますように。

 

 

晩秋の庭は枯淡の趣

温かい飲み物がしみじみと美味しいこの頃。

内勤の日は、朝、ポットで紅茶をたっぷりと淹れるのが日課です。蜂蜜やミルクなど足して味変していただきます。最後はストレートで。

お気に入りのPlayListを聴きながらブログを書いています。

 

最近のデスクワークのお供は紅茶

 

この週末は暖かいけれど、来週からはまた季節が進みそう。そろそろ事務所を含めインテリアの冬支度をしようと思います。

心地良い環境づくりは、心と身体にとって、とても大切なことだと思っています。仕事のパフォーマンスを上げることにも繋がりますので侮れません。

 

 

クリスマスも意識して、キャンドルやデコレーションライトをあちこちに飾るつもりです。

 

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さて、今日はすっかりブラウンになったディアガーデンのお庭(ディスプレイガーデン)をご覧いただきます。

晴れの日が続いて、カサカサに乾いた葉や花殻たち。春の華やかさとはまた違って「枯淡」という表現が合うように思います。

これはこれで大好きな眺めです。

 

ブラウンのグラデーションが美しい(と思う)テラスの花壇。紅葉はこれからです。

 

アジサイ「アナベル」の花。溶けてレース状になる様は育てているからこそ見られるもの。その繊細さ、いつも見とれてしまう。

 

秋明菊は花後の丸いヘッドが可愛いので、もうしばらくは切り戻さないでおきます。

 

オレンジや黄色、ブラウンの葉たちは黄色味を帯びた柔らかな日差しとはベストマッチ。藤袴はまだたくさん咲いています。

 

藤袴の仲間ユーパトリウム「チョコラータ」です。種になって白くフワフワになりました。黄葉した葉ともよく合っていて、咲いている時よりも好きかも。種がそこらじゅう飛ぶので要注意ですけれど。

 

枯れた姿も愛おしいと思うのは、やはり自分で育てた庭だからでしょうか。

美しさの視点を色々と変えてみる、または積極的に探してみると、思わぬ美が見つかるものです。これは植物に限ったことではなくて、あらゆる場面に当てはまりそうです。

感性は備わったものも大きいけれど、そうしたことで鍛えられるのだと。

だから私は少し救われているのね。

 

その時期ならではの美を見逃さないでください。

 

 

秋は光が美しい

庭に出ると、どこからか金木犀の香りが漂ってき、空は明るく高く、思わず深呼吸したくなります。ただそこにいるだけで生きている喜びを感じる…ちょっと大袈裟かもしれませんが、そんな気分です。

ディアガーデンの庭はいま、秋の花が最盛期を迎えています。といっても、春や夏のような華やいだ雰囲気ではなく、野の花に近い自然な雰囲気で咲いています。

 

ディアガーデンの前庭で咲く洋種フジバカマ「ユーパトリューム・チョコラータ」茎が紫色でお洒落な宿根草です。育てやすいです。

 

同じく前庭で。秋に咲く花フジバカマが生い茂っています。和花らしい品よい香りも好き。合わせて植えた紫の三尺バーベナは夏からずっと咲いています。西に傾きかけた日差しに照らされてアオダモのシルエットが壁にくっきり。

 

フジバカマの類は、放っておくと茎が伸びすぎて姿が乱れがち。私は梅雨前に一度深め(地際から20~30cm程)に切り戻すようにしています。そうすると、分枝も出来て、秋に丁度いい高さと花付きになります。

でも常に思い通りに進むとは限らなくて。

今春、配置替えしたのが仇となったのか、ミューレンベルギア「カピラリス」の赤く煙る穂が上がっていません。ひょっとして増えすぎた他のグラス類と一緒に抜いてしまったのか、もしくは枯らしてしまったか?もぅー!なんちゅうことを・・・(泣)

とにかく似た葉っぱが多いので、植え替えたときにネームプレートでも挿しておけば良かったと後悔しています。

秋の午後、斜めから差す暖かい色の光を受けた穂は、淡く透けて輝き、その美しさは筆舌に尽くしがたいものがあります。その景色を小さくとも庭でも見たいなと思って、グラス類を植えたのですが。

 

お客様のお庭で。日差しを受けて眩いばかりに輝くペニセタム・ビロサム銀狐。花にも引けを取らない美しさだと思います。

 

在りし日のミューレンベルギア「カピラリス」日が当たると本当に綺麗でした・・・。

 

放置していても毎年必ず咲く秋明菊。今年もたくさん蕾が上がっています。花びらも白だと日が透けて。茎の細かな産毛までも美しく見えます。

 

秋はやはり陽の光がとても美しい。

暖色の光線は紅葉した葉もさらに鮮やかに照らします。

この特性を庭のデザインに生かさずしてどうする???と思います。

 

秋は夕暮れ・・・も美しいですねぇ。ここはディアガーデンの近く、西の湖という琵琶湖の内湖です。素敵でしょ?

 

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落葉樹や宿根草の植付けは冬前、晩秋がオススメ。今からが適期です。ディアガーデンでも冬前の植栽作業でいくつか問題点を修正しようと思います。

秋の夜長、新しく何を植えようか?どう植え替えようか?思い巡らせるのも良いかと。

 

 

 

 

 

植生観察とデザインの原点を確認

気が付けばもう10月。

晩秋に予定している工事の準備をしつつ、来春に向けての案件もいくつか動きはじめ、何となく気忙しい日々を過ごしております。

先日は出張で久しぶりに長野県へ参りました。とあるショールームの造園設計のためです。

広い敷地には素敵な建物が建っており、それ以外の部分はほとんど白紙の状態です。お客様のご要望は少なく「後は全てお任せします」とおっしゃいます。最近こういう風に言って下さるお客様が増えて、有難いような~難しいような~。植物や庭のことはよく分からないので「任せます」とおっしゃるのですが、その真っ直ぐなご信頼と期待感たるや・・・かなりのプレッシャーです。

今回の打ち合わせでは、いくつか可能性をお伝えしつつ漠然としたビジョンを掘り起こし、方向性を決めて参りました。

ご期待にお応えするべく力を尽くさねばと思います。

 

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他府県で庭を設計するときは、念のためその土地に合う植物を調べたり、その土地に行けるのなら何が育っているのか観察します。隣県ならほぼ変わらない植生も、エリアが変わると若干違ったりするからです。

観察する場合は、移動中の車窓からや個人邸の庭は通りから。時間があれば、公開されている庭園や観光公園、美術館の庭などを訪ねます。

長野県へは壮大な自然に魅了されて、これまで公私合わせると十数回は訪れておりますが、設計の仕事は久しぶりなので、今回改めて、仕事をする場所に程近い松本市で植生の確認をして戻りました。

街中を歩くだけでも、関西では馴染みのない木が普通に植わっていて「へぇー」です。例えば街路樹がカツラだったり、生垣はイチイが圧倒的に多い、等。逆に馴染みのある木が普通に育ってるのを確認すると安心材料になります。

雑木の庭がある「松本民芸館」にも立ち寄ってみました。

 

松本民芸館の門

 

門から一歩足を踏み入れると、見上げる程のケヤキやブナの木。そして足元に様々な雑木が植えられています。

広さは10m×20m位?(適当です・・・)で、木々の他は園路が見えるだけ。まさに用の美というか、とても簡素な庭です。圧倒的な緑に包まれ、鳥の囀りだけが心地よく響いて、何とも気持ち良い空間。ここにいる鳥たちはここが好きなんでしょうね。声がものすごく大きく感じました。

モミジ、ダンコウバイ、クヌギ、クロモジ、ニシキギ・・等々、植えられた木々をメモしつつ散策しました。見知った木が多かったことは良かったです。

 

門と建物の間にある庭。すっきりとしたデザインの、でも味のある園路が2方向に延びており散策できます。

 

土蔵造りの美しい建物に国内外の民藝品がゆったりと展示されています。照明や家具、活けられた花々も美しいこと。

 

ここは、元は、民芸店のオーナー故丸山太郎氏が、柳宗悦氏の民芸運動に共鳴して集めた日本や世界の民芸コレクションを収蔵した私設資料館だったそうです。

展示品の面白さ、そして建築に使われている素材、間取りやディテールに、故人のこだわりが見えてきます。

(民藝品について感じ入ること多々ありましたが、長くなるので端折ります。またいつか)

建築と庭の雰囲気がとても合っていると思いました。

 

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長野県はギリギリ日帰りできる距離ではありますが、往復9時間近くかかる移動が身体に堪えるであろうことは、経験より想像できました。

それで今回は一泊させてもらい、翌日午前中いっぱい植生観察に費やして戻ることにしました。

宿は、泊まれる民藝「松本ホテル花月」さんを予約しました。

 

松本ホテル花月さん。松本城へ徒歩5分の場所です。打ち合わせを終えホテルに着いたのは夕方。ライトアップされた外観が美しい。

 

松本ホテル花月さんは、大正ロマンあふれる洋館に松本民芸家具を配した粋なシティホテルです。2016年にリブランドオープンされていて、建築設計は永山 祐子氏、インテリアデザインは濱川 秀樹氏によるものだそうです。

ロビーが超絶素敵でした!

まだあちこち緊急事態宣言中の頃だったので宿泊客はまばら。素敵な空間を長い間独り占めしつつ、ここでもまた観察してしまいました。

 

松本民芸家具が配された重厚なロビー。民藝品がセンス良く飾られて。

 

家具に合わせた壁の色、タイル、照明、天井仕上げ、窓・・・全てがマッチしていてため息です。それぞれの素材の存在感は確かにあるのに出過ぎずバランス感が絶妙。落ち着きます。

 

このタイル、陰影がいい感じに出でて好きだなぁ。ホテル向いの建物の外装にも使われていました。

 

お部屋も松本民芸家具でコーディネートされいて、簡素なのですが十分。大人の雰囲気でした。

直前予約だったのでビジネスホテル並みのお値段になったのにもかかわらず、宿泊客が少ないということで、一人だけどツインルームにアップグレードまでして下さいまして、なんだか申し訳ない気分。でも有難かったです。

Bluetoothスピーカーが置いてあったのも嬉しくて。静かな音楽を流してリラックス出来ました。

 

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民藝は「無心の美」「自然の美」「健康の美」そして「用の美」と表現されます。

暮らしの中で使われることを考えて作られ、使われることによって輝く、そんな美を言うそうです。それは私のデザインの目指すところでもあります。用途に即したデザインでないと経年変化に耐えられないと思うからです。

今回の出張は、改めて自分のデザインの原点を確認できた良い機会でした。

 

 

新緑にヤマツツジの花が映えるワケ

ついこの間まで桜が咲いていたと思ったら、もう新緑の時期となりました。

「新緑が眩しい季節」なんて形容しますが、冬に比べぐんと光の量が増え、目が慣れていないため、少しの照り返しでも眩しく感じるのだと思っていたら、葉っぱは自ら輝いて(日光を反射しているだけではなく,自ら光を放って)いるのだという。

いま、ディアガーデンの庭(ディスプレイガーデン)もまさに新緑につつまれています。

晴れた日はもう眩しくて眩しくて!

 

こちらはテラスガーデン。イロハモミジの若葉が輝いています。新芽だけでなく影色ですら初々しく感じます。

 

例年4月のディスプレイガーデンは、控えめに白い花(シロヤマブキ、ドウダンツツジ、アマドコロ、ティアレラなど)が咲いています。

5月になるとエゴノキの花が咲いて白のピークを迎えます。

新緑に白は春らしい清らかな配色。でも白色は緑の中に溶け込んでしまい、近くで見ないと分かりません。

そんなディスプレイガーデンに今、なんと赤い花が出現しました!

ヤマツツジです。

 

前庭花壇に突如現れた赤い花、1mほどのヤマツツジです。新緑の中でとても目立っています。

 

実はこのヤマツツジは売り物。

仕入れてから納品するまで、花壇の空きスペースで養生(仮植)しているだけなのです。

空いているところは数少ないので、本当にとりあえず、という感じで植えたのですが、若葉の中で物凄く映えちゃって、思いがけず素敵な眺めになっていました。

何でこんなに映えているのでしょう???

花の色が緑の補色「赤」だから、だと思います。

色相環ってご存知じでしょうか。赤・橙・黄・緑・青・藍・青紫・紫・赤紫など虹色をベースにした色の変化をつなげてひとつの輪にしたものを言い、カラーコーディネートする際によく使うツールです。

色相環で向かい合う色を補色の関係といい、色相差が最も大きいので、お互いの色を目立たせる効果があります。赤-緑,青-橙色などの補色配色は非常に目立ちます。だからヤマツツジの花色が際立って見えたのですね。

そういうことも頭では一応分かっており、それでヤマツツジをお客様にお勧めしたのですが、実際に自分の庭に植えてみてどう感じるかまでは想像出来ていませんでした。これまで他所のお庭や山でこの配色を見ていてもここまでの感動はありません。

何事もやってみなければ本当のところは分からないものです。

 

ネイビーの看板ともマッチしてていい感じ。

 

ヤマツツジの花色は、赤は赤でも朱色っぽい。神社の鳥居や朱肉のあの赤に近く、とても日本的な赤だと感じました。枝姿も大らかで好みです。

春のいっとき、このような眺めもいいものだなぁ。

日当たりの悪いディスプレイガーデンではこんなに咲くことはないでしょうが、今後、もしかすると、ディスプレイガーデンにヤマツツジが数株植わるかもしれません。

 

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今の時期、赤系の植物で素敵なのが、もう1種類植わっています。

ヒューケラです。

玄関ポーチの階段脇に植えたオレンジのヒューケラ。新芽がとてもきれいです。

 

緑の中でひときわ目立つ黄色に近いオレンジ。初夏になると、傍に植えたサルビアネモローサ「カラドンナ」が青紫の花を咲かせ補色の配色となります。

 

ヒューケラはまだ花が咲いていませんが、遠目からみると花が咲いたように華やか。これも補色の効果です。

ディスプレイガーデンは、元々、草姿や樹形を優先にコーディネートしているので花いっぱいお花の庭、という雰囲気は目指していません。

日常において、お花だらけの眺めは案外疲れるもの。綺麗に保つのも大変だし、そもそもここは殆どの場所が半陰もしくは陰だから咲きにくくもあります。しかも花の庭は観る人を選びます。ですので、ディスプレイガーデンは元々花の要素は少ないのです。

それでも、初夏を迎えるとピンクの花(シラン、シモツケ、アスチルベ、バラなど)が次々咲き、梅雨以降はブルー系の花が咲いてきます。

花ばっかりにしたくないと言いつつも、咲けばやっぱり嬉しいです。

植木選び ー 庭づくりには時間がかかるという話

来月から造園工事が始まるお宅の植木を仕入れに、お客様を誘って行って来ました。

今の時期は葉を落とした木がほとんどですから、枝姿が良く見えて分かりやすいです。一見枯れ枝のようですが、よくよく見ると、梢はうっすらと赤く色づいていたり、ぷっくりと芽を膨らませていたりして、それらが晴天の空に向かって伸びている様はとても力強いものでした。

ちょうど梅も咲いていて、ちょっとした花見気分です。

 

畑には梅の木もたくさん。ちょうど花盛りで良い香りを振りまいていました。春らしい淡い青空に映えること!

 

ディアガーデンでは植木を仕入れる際、お客様に「よろしければ一緒に選びに行きませんか?」とお声かけしています。「分からないので全てお任せします」という方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は「行きたいです!」と言って下さいます。

色々な植木を一度に見るって、しかもそれがホームセンターの売り場に並んでいるような小さな木ではなく、背丈を優に超える木ばかりなのですから、とても珍しい体験のようです。

私は庭をお作りすることだけが仕事とは思ってなくて、他で出来ない体験や植物の新しい知識なども併せてご提供できればと思っています。庭づくりの過程ひとつひとつを楽しむこと、それはモノづくりの醍醐味と言っていいでしょう。

選ぶ際は、もちろん予算もありますし私もアドバイスをしつつですが、最終的にはお客様が納得された木に決めます。その方がその木に対して愛着が増すだろうなと思うからです。

 

選んだ木をお客様と囲んで。木の性質、どんなふうに成長するのか、お手入れ方法なども併せてお話するので結構時間が掛かってしまいます。

 

仕入れ先の畑にある木は、背を優に超えると書きましたが、今回のお客様におススメしたのは2~3m程の木ばかり。この位だとまだ若木で幹も細い。値段もお手頃です。

「3年経てばそろそろ剪定を、5年~10年も経てばある程度の景色が出来ますよ」とお伝えしたところ「その時まで生きてるかな?」と冗談交じりにご返答が・・・(^^;

大きな木を植えると、いきなり庭が完成したようにも見えて迫力満点です。でもその分根鉢も大きいので、ちゃんと水遣りをしないと枯れる恐れがあります。大型の台風が来たら倒れないか心配になりますし、剪定するにも手が届きません。

商業施設や建物にボリュームがある場合は、バランスを考えて、大き目の木をおススメすることはあります。しかし個人邸の場合、そして初めてお庭を作る場合は、若木を植える方が良いのではと思います。

初めはひょろひょろと物足りないかもしれませんが、負担が軽くていいのです。それを自然に生長させて、時間をかけて眺めを作っていく。その場にあった眺めになることは間違いなしです。

 

建築のデザインに合わせて選んだ1本立ちのモミジ。枝が白線のようにカッコよく広がっていて、場に絶対合うと思いました。

 

時間が掛かると言えばもうひとつ。

仕入先の畑にある木は、予め太い根は切られコンパクトに整えられていて、その先から新しい根も出ています。草花でいうポット苗のような状態ですので、割と小さな植穴で済み、適切に植えれば根付きます。

でも庭に元々ある木を別の場所に植え替える場合はこうはいきません。出来れば予め太い根を切ってそこから新たに根を出させてから(根回しという)、根についている土を崩さぬよう丁寧に養生して(根巻きという)移動し、大きな植穴を掘りそっと植え付けます。大きな支柱もするので元より嵩が高くなってしまいます。

文章で書くとあっという間な感じですが、実際は何か月もかかります。枯らさぬよう植え付けるには、時間はたくさんかける方がいいのです。これを力業で1日でする場合もあり、上手く根付いたとしても樹勢をかなり落としてしまいます。

ですから移植を考えるなら、いっそ伐採伐根して、新しい木を植えた方が確実で安く済みます。でも長く付き合ってきた木をバッサリと切り捨てるなんて、気持ち的には簡単ではありませんよね。分かります。

木の移植には時間もお金も掛かると覚えてていただき、出来ればそのままでいられるように、住宅の設計なり庭の設計を進めてください。

 

苔もいろいろな種類が手に入ります。これは砂苔。モフモフしていい感じ。一般的な庭では杉苔よりこちらがオススメ。ハイゴケも育てやすいです。

 

このように、一個人邸でも庭作りには時間がかかります。

モチベーションを維持しながら何代もかかって出来たのが名園と呼ばれるものでしょう。桂離宮しかり、兼六園、小石川後楽園なども何代目かで完成しています。

東京の清澄庭園は、元は江戸の豪商の屋敷跡の一部だそうで、荒廃していたこの邸地を買い取り庭園造成を計画したのが岩崎弥太郎です。しかしは弥太郎は庭作り半ばで亡くなり、それを弟弥之助が完成、次の久弥は風格を高め、関東大震災ののち東京都に寄付します。

1代目が自前で作り2代目が充実させ3代目が公共に贈るという見事なリレー。アッパレ!ですよね。3代続く財力もさることながら庭にかける気持ちね。

最後は話が大きくなり過ぎました (^^;

 

 

抗えないものの前では

宮城県と福島県で最大震度6強を観測した地震、被災された方々にお見舞い申し上げます。

気象庁の発表で「これは10年前の東日本大震災を引き起こした地震の余震と考えられる」と聞いて、大地震とはこんなに時間が経ってもまだ影響が続くのかと恐怖を感じました。

あれから10年。人は長いと感じますが、地球の時間軸に置き換えてみればきっと短いものなのでしょう。抗えないものの前で、人の小ささ、そして自分の無力さを実感します。

この先大きな余震がないように、そして一刻も早く普段通りの生活が出来ますようにと祈るばかりです。

 

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抗えないものを前に、自分の意を通そうとすると、まずそれを否定することから入ってしまいます。時に怒りの感情さえ湧いてしまい、心身に良くありません。いい方向に進むはずもないのです。

抗っても何も変わらないといつか分からされ、自らを変える方に歩き始めたとき、ようやく、それはむしろそれで良かったのだと気づきます。

長い道のりです。

私はそういうこと、仕事を通して学んでいる最中です。

造園の仕事は、環境に添うこと、そしてその環境を生かすには?より素敵にするにはどうすれば?と考える仕事でもあります。

地震や台風などの自然災害に備えて想定内の造りは出来ます。想定外のことが起こっても被害が最小限で済むようにと考えます。

でも風の強さも雨の量も、東西南北も入れ替えることは出来ません。建築を変えることも出来ません。もっと言うと、建物の配置や窓の位置、桝の位置、室外機の位置も今さら変えられません。建築の設計段階から関わらせてもらえないことが多いので仕方がないのです。

 

ディアガーデンのバックヤード。家と庭の設計は同時進行できましたので、室外機やごみ箱、埋め込み水栓などは、道路や庭から見えぬよう、自分も日常生活で出来るだけ見なくて済む場所にまとめて。排水管や桝の位置は植栽を予め考慮して。でも生活必需品だからどうにもできない桝はあります。コンポストや養生中の植木鉢などもこの場所に置くように。

 

庭の設計途中。この段階では室外機や桝の位置がはっきりしておらず、後に数カ所調整しました。

 

 

全て受け入れ、お客様の要望に適うよう、環境に添いつつ、より心地良くするには?

このデザイン、この木、この位置、この商品、この施工と、ひとつひとつの工程を磨き上げて作っていきます。

それがディアガーデンの目指す「用の美」に叶う庭となると思っています。

 

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植物や土、石を扱っても、庭は自然が作るものとは別物、人工物です。人のための空間だから自然にない安全性や居住性が求められます。

でもひとたび庭に出ると、目線が少し高くなります。遠くなるというか。思わず深呼吸をしたりして、気持ちがすっとします。光や風も感じます。庭は人工物なのに、人は自然の中にいると感じているのです。木々にはそのうち鳥や虫も来て、本物の自然と交わっていきます。

 

昨年春のディアガーデンのテラスです。狭いながらも木々の囲まれてとてもリラックスできる空間。ここに出るといつも空を見上げ伸びをしてしまう。春が待ち遠しいな。

 

テラスには色々な生き物が来ます。野鳥、虫、蛙や蛇などの爬虫類、猫やイタチなどの小動物。昨年は合鴨まで来ました。近くで見ると大きくて!これにはさすがに驚きました。

 

京都金地院の庭。ここまでくると庭と自然との境は曖昧に。

 

なんだか矛盾だらけの空間ですね。

だから難しくて。だから面白いのかもしれません。

 

 

初雪の朝と冬支度

12月になったら来ると言ってなかなか来なかった寒波がとうとうやって来ました。

ついこの間までの小春日和が嘘のよう。冷たい風が吹きつけて、あっという間に散紅葉。

そして今朝目覚めると雪景色が広がっていました。

 

上半分は散って下葉だけが残るテラスのモミジ。初雪をいただいて。紅葉と雪の景色は過去あまり記憶にありません。

 

この位ならすぐ溶けそうで、どうということはありませんが、初物はいつも目新しくて。

雪の降らないところで育ったので、少しでも降ると感動と恐怖が入り混じって興奮してしまいます。

見慣れた庭が一変する不思議、葉っぱが落ちて素っ気なくなった木々がなんと美しく見えることでしょう。

 

6時すぎぼんやりと朝焼け。事務所から見える八幡山も今朝は薄っすらと雪化粧されています。白い筋はロープウェイの通り道。越してきた当初、前は田んぼばかりでしたがどんどん開発が進みあと数年もすると八幡山は見えなくなるでしょう。残念だけれど市街地だから仕方がありません。

 

7時ごろの前庭。こうして見ると雪を頂いた落葉樹って本当にきれいだな。

 

雪が降ると庭のフォルムが強調されます。それを意識して作るといいですね。例えばこんもりとした築山を作るとか、常緑樹はきれいに刈り込む、落葉樹は枝振りを整えるなど。

そうすると冬の庭も改めて良いものだなぁと感じられると思います。

花がなくてもいい。むしろ華やかに咲かせる必要はない。何もない清々しさを味わえばよい、そう思います。

それが冬ならではの景色なのですから。

 

駐車場脇に植えたトクサ。雪は一本一本繊細にのるのですね。この先もっと降ると重みでだらしない姿になり車の出し入れにも支障がでそう。来週にはザックリと切り詰める予定です。

 

今冬はどうやら平年並み又はそれ以上に雪や雨の日が多いそう。昨冬が全くと言っていい程降らなかったので、たぶん多いと感じるだろうな。

でもそんな予報のお陰で冬支度は万全です。

暖房器具やあったかファブリックを用意し、外に出していた植物も取り込んでインテリアの密度を上げています。窓にはイルミネーションライト、そしてあちこちにキャンドルを置いて視覚的にも暖かく。

片付いてガランとしていると寒々しく見えると思い、冬は意識して色々と飾ります。

そして事務所にはモフモフスリッパを新調しました(∩´∀`)∩

 

事務所用に新調したモフモフ。L.L.Beanの「ウィケッド・グッド・シアリング・モカシン」

 

事務所は土間(タイル)なので、どうしても足元が冷えます。

このスリッパは底が厚めで冷気が伝わらないところがいいです。分厚い羊毛が足をすっぽり包んで、感触的には若干浮いている感じ、本当に暖かいです。

しかもぱっと見靴に見えるので、庭や斜向かいのコンビニくらいなら外履きも出来そうです。

なにより可愛い。

私の大きな足がちょっと可愛くみえます。