来春に向けてディスプレイガーデン更新

先週末はディスプレイガーデンの前庭部分のお手入れをちょこっと。

ここの花壇は昨年春に、ローメンテナンスでよりナチュラルな植栽に変更した花壇です。大きく育ち過ぎた古い株は分け、うまく育たなかったものは配置替えし、空いたスペースに新しい苗を植えました。

株が古くなると、最初に比べて花が減ったり姿が乱れてきますので、株分けは必須。するとまた若返って、新しい植物ともよく馴染みます。株が小さくなるので、余白が出来るのもメリットです。

ディスプレイガーデンは雑草の蔓延るスペースもない程にぎっちり植わっていて、新しく植えるには何かを抜かねばならないの((+_+))

 

新しく丁子草を植えました。これは日本原産種で初夏に青い花を咲かせます。その周りに見えているのはオキザリス。何も手入れせずとも増え続けてます。冬の間中、青々として、グランドカバーになってくれてるから、まぁいっか。

 

高木や低木は、ここで10年以上も育っており、もう植え替えられません。剪定や幹の更新で姿を整える程度です。でも宿根草は、最新のスタイルを実験する意味もあって、常に入れ替えしています。

ローメンテナンスの観点から、なるべく自生種から選ぶようにしていますが、外来種の魅力にも抗えなくてやっぱり植えちゃいます。でも、ここでは敢えて増やさない、あくまでゲスト的な扱いをしていて、自生種と場に馴染むような品種を厳選しているつもり。

こうした小まめなお手入れは、お客様に見ていただくための庭だから、ということもありますが、私の楽しみでもあるのです。

より美しく育てる楽しみ、今まで育てたことのない植物に挑戦する楽しみ、どんな景色になるだろうかと想像する楽しみ、色々な楽しみがあるものですから。

ガーデンデザイナーになる前の年月も足すとガーデニング歴は25年位になりますでしょうか。もう25年というよりまだ25年、です。その間、ずっと植物を育てることに魅せられ続けていますし、これから先も、更に経験を積んでいきたいです。

 

事務所の階段脇。ここは外来種のフウロ草を。青花と黄金葉のコントラストが素晴らしい「ブルーサンライズ」という品種で、初夏から秋までと花期の長いのが魅力。フウロ草は好きなのですがこれまで育った試しなし。これは黄金葉なのに丈夫なところに期待して。ちなみに日本原産のフウロ草は「ゲンノショウコ」です。

 

丁子草やフウロ草の他にも、10年前に育てていた植物の新品種をいくつかゲットできたので、追加しました。また新たな気持ちで育ててみようと思います。

育ったら嬉しい。成功です。お客様にもおススメできるかもしれません。育たなかったら、上手くいかなかったという事実が分かっただけ、データ収集出来たという点で、成功です。

そう。偉人トーマス・エジソンさんに倣って、そう思うことにしています。

 

 

グラス類の春から秋

ディアガーデンの前庭でミューレンベルギアが立派に育ちました~(ノ´∀`)ノ

秋に出す穂が赤みを帯びてスモーク状になる植物で、グラス類の仲間です。

この場所は西日がガンガンに当たるので、植物を育てるにはあまりよろしくない環境。それを逆手にとって、西日(午後の日差しや夕日)が当たったら綺麗だろうな~と思う植物を植えることにしました。それが穂が出て乾燥にも強いグラス類ってわけ。

 

事務所の階段脇で育つミューレンベルギア「カピラリス」

 

赤い穂が夕日に照らされてフワフワ&スモーキー

 

ミューレンベルギア以外に、ウチで秋に穂が出ているのはペニセタムJSジョメニクという品種。こちらはチカラシバの黄金葉品種。小型でとても扱いやすいです。

 

ペニセタムJSジョメニクは秋にフワフワの穂を出します。夕日が当たると黄金に輝いて。

 

何種類か育ててみて分かりましたが、穂を出すタイミングが季節によって違うようです。春から夏にかけて穂を出していたメリカ・キリアタやスティパ「エンジェルヘアー」、ホルデュウム・ジュバダムなどは、今の時期は葉っぱだけになっています。

穂がなくなった後、しっかり立って茂る「エンジェルヘアー」は花壇の中で役割を果たしますが、あとは茂っているけれど寝てしまうので、ちょっとだらしない感じに。そうなったら早めに地際まで切り戻すようにしています。

ちなみに、初夏の前庭はこんな感じでした↓↓↓

 

5月~6月の同じ場所。グラス類の青々としたシルキーな穂が風になびいて爽やか~。

 

グラス類のいいところは放任で育つところ。雨がかかる場所なら水やりはおろか、肥料もほとんど必要ありません。冬になったら、稲を刈るように地際まで切りもどすと、株はそのまま冬越し、春になったらまたグングン芽吹いてきます。

種が飛んで増えるので、飛ぶ前に穂を切り取るか、芽吹いたところをコマメに抜いてください。外来種を野放しにしないように気を付けている私は、増えないように目を光らせ、近所もさりげなく見回っています。といっても、今のところ増えてどうしようもないと思ったことは一度もありませんが。

 

 

春から晩秋まで、グラス類でも花を咲かせる植物と同様に長く楽しめます。

ナチュラル感たっぷりで植栽にリズムを生みだすグラス類、ちょうど来シーズンに向けて今が植え時です。

 

 

ナチュラルな真砂土舗装

いくつもある庭の舗装方法の中から、自然に見えてコストパフォーマンスにも優れた「真砂土舗装」をご紹介します。土系舗装とも言います。

真砂土(まさつち・まさど)とは砂土状の土のこと。透水性に優れつつ、ある程度保水もしてくれる土で、関西では庭づくりの際、客土として使います。このような砂質系の土に、セメント系、石灰系、樹脂系、アスファルト系などの固化材を混合し、敷き均し、締め固めたものが土系舗装です。

景観性に大変優れた舗装で、コンクリートのように固まっているけれど、見た目は土本来の風合いそのまま。庭に施工してもよく馴染みますのでおすすめします。

 

 

特徴をざっと書きますと、メリット的な面では、

  1. 足当たりが柔らかいため、子供さんやご高齢の方にとっても歩き易い。よく歩道や園路などに多く使用されています。
  2. 透水性や保水性を有していることから、夏場の路面温度の上昇を抑制し、ヒートアイランド現象の対策としても注目をされています。
  3. 雨が降っても吸収する為、樹木の周りを舗装しても、普通の土と同様に水を吸収することが出来ます。
  4. 水はけがいいのでぬかるんだりしません。
  5. 堅くしまっているので雑草の種の発芽を防ぎ防草対策になります。
  6. 見た目は自然感のある土であるため、庭と調和がしやすく景観性が高い。
  7. コンクリートや石・レンガ等敷きに比べ、施工性に優れている。

一方、デメリットとしては、

  1. 車が走行する部分には使えない。(製品には「駐車場や公園庭園の管理車両が通る舗装など、低速に車両が乗って頂く分には強度的には問題ない」と書かれていますが、私はあまりお勧めしません)
  2. 製品や場所によって、数日の養生期間が必要になる場合があります。個人庭などで出入りがほとんどない場合は一日程度です。
  3. 工場で緻密に配合されたプレミックス製品。工場から現地までの運賃が高いので施工者は要注意です。
  4. 施工者の知識不足・技術不足によりムラや水たまりが出来ることがある。広い場所では素人工事は難しいかも。

 

ここまでで、真砂土舗装がどんなものなのか、大体お分かりいただけたかと。

ディアガーデンでは、これまで店舗の庭で何度かご採用いただきました。今週、個人のお庭で雑草対策として、施工しましたので改めてご紹介しようと思います。

以下、施工中の画像です。

 

真砂土舗装をする前に路盤を作ります。ここでしっかり転圧して固めておく。水勾配にそって墨付けを行ったあと、配合された真砂土舗装用の製品を敷きならします。厚みを均一にするためにも路盤づくりは重要。

 

画像で見ても分かるように、配合された製品は、ちっちゃい砂利まじりの砂で、サラサラしていて白っぽい。

ザーッと撒いて、左官ゴテでならしていくだけです。生コンクリートのように表面仕上げをしなくていいし、乾いた状態では何度でも直せるので、気分的にラクですね~。

素人では難しいかもと思うのは、水勾配をどうとるか?です。透水性のある舗装ですが、勾配をつけていないと、大雨の時などは表面排水が滞る場所が出来るかもしれません。見た目にも違和感なく、かつ水がちゃんとはけるようにしたいものです。

このお宅の花壇の縁石や飛石(既存のもの)も、真砂土舗装の仕上げ高さを考慮して据えたもの。リフォームの場合は特に、構造物の基礎とか電気や排水管等がどう埋まっているか計画段階では分からないことが多いので、その場その場で臨機応変に上手く納めていくことはプロならではと思います。

 

真砂土舗装を敷き均したあと、転圧し、散水します。転圧方法は製品や場所によって異なりますが、ここでは狭いためコテ押さえしました。表面に水が浮くほど散水するのが重要。

 

完成。渇くと白っぽくなります。画像手前から奥に向かって水が流れるような勾配。

 

++++++++++

 

では、最後にこちらのお庭の全容を。

お客様のライフスタイルやライフステージの変化に合わせ、お庭で好きな植物だけを楽しめるように、雑草対策に重点を置いて改修したお庭です。前庭というか、お玄関先なので、フォーマルであまり手入れをせずとも整うようデザインしました。

Before&Afterをご覧ください。

 

 

 

 

 

花壇に玉竜のグランドカバーをしたり、化粧砂利を真砂土舗装に変更して、地面がスッキリしたせいか、施工前に比べてかなり広くなったように感じます。

お客様とご相談し、和の雰囲気を強めた落ち着いた庭になりました。灯籠や景石は元々別の場所で埋もれていたのを据え直したもの。

ほとんどの木をそのまま生かしていますが、一部追加も。和の庭に合わせ日本の自生植物を主に植えました。でも例えば庭セキショウの中でも、イングリッシュガーデンにも見られる大型の品種シシリンチューム「ストリアタム」や、自分でも実際育ててみて良かったティアレラなどを植えて、ディアガーデンらしい捻りを加えています。

 

ディスプレイガーデンで育てているティアレラ。日陰でも咲くので重宝します。和洋どちらにも合います。

 

秋に植えると来シーズンまでにしっかり根も張っているだろうし、きっと見応えのある春になることでしょう。

 

++++++++++

 

真砂土舗装は「土」の質感そのままなので、このような和の雰囲気にも合いますし、もちろん洋の雰囲気にも合います。雑木を植えた自然風のお庭などにもピッタリ。

雑草にお困りの方、是非ご検討ください。

 

 

木犀の香り成分に注目

いま、ディスプレイガーデンでは柊モクセイの花の上品な香りが漂っています。

このあたりでは、キンモクセイの開花時期が例年に比べ遅いようで、先週まで香っていました。それより更に遅く開花する柊モクセイは一体いつ咲くのかしら?と心配していましたら、こちらはいつも通りでした。あれ?

 

柊モクセイの花。キンモクセイの花と形は似ていますが、白い花びらで香りも全然違います。

 

柊モクセイは木犀と柊を掛け合わせて出来たもので、トゲトゲの葉っぱが防犯上役に立つところから、東側の隣地境界に沿って生垣にしています。10数本が一気に咲くので、とてもよく香ります。

キンモクセイの香りはフルーティーな甘さがありますが、柊モクセイは奥行きのある甘い香り。非常に女性らしい香りで、クチナシの香りに近いように思います。

 

金木犀は前栽によく植えられる常緑低木。丸く刈り込んで整えます。生垣にしてもいいですね。

 

見えない世界では、モクセイの木はその強い香りでもって、魔を祓うとも言われています。見たわけではありませんが、悪霊や禍々しいモノたちは良い香りが苦手なんだそうです。植物で厄除けするという方法は古くから日本の建築に取り入れられていました。

一方、現実世界のお話。

キンモクセイや柊モクセイの香りにはラクトンという成分が含まれています。ラクトンにはいくつか種類があり、クチナシや桃などにも含まれているそうです。

実はラクトンは若い女性特有の香りでもあるそう。10代後半でピークとなり、年齢を重ねるごとに悲しいかな、どんどん減少していきます。2018年2月、ロート製薬(株)さんがこの事実を発見し「スイート臭」と名付けました。サイトによると、ラクトンの香りをつけることで、女性らしさや若々しさ、魅力度を上げることが出来るという実験結果が公開されています。

確かにフルーティーな甘い香りは若い女性を連想させますね。

たぶん昔は私にも含まれていたであろうラクトン、今はもうほとんどないであろうラクトン・・・。柊モクセイの香りをかいで気持ちが高揚するのは、こうした理由があったからなんだな。

若々しくいたい方は、ラクトン入りの香水やヘアケア、ボディケア商品を探してみてはいかがでしょうか。

 

++++++++++

 

ところで、一昨日行われた天皇陛下「即位礼正殿の儀」素晴らしかったですね。古式ゆかしい装束や御帳台の美しく厳かな雰囲気に、改めて日本の良さを感じました。

中継を見ていて、天皇陛下がお言葉を述べられたあたりで、直前まで降っていた雨が止んだだけでなく青空が見えたので「おぉーーーっ、凄ーい!」とビックリしました。後で聞いたのですが、くっきりと虹までかかっていたとか!!!

あのタイミングで虹がかかるなんて・・・神がかり的としか思えません。天照大御神様が祝福の気持ちをお示しになられたのだなぁ。日本が神々に見守られている証、なんて有難い。

植物を通して、目に見えない世界のこと、神様の存在も信じているので、こんな超現象を見せていただいて感激しました。

ということで、その晩「令和」という名前のついたのお酒でお祝いしました。

 

船坂酒造店さんの純米吟醸酒「令和」。春に買ってなんとなく飲みそびれていたもの。賞味期限内に美味しくいただかないとね。

 

きっと令和は良い時代になることでしょう。あぁワクワクします。

 

 

庭作りの始動は秋!

10月になったというのに結構暑い。衣替えの時期ではありますが、まだ半袖1枚で過ごしてちょうどいいくらい。

それでも植物たちは、日が短くなったのを感じて、ちゃんと秋の装いへと変わり始めています。今朝撮ったばかりのディスプレイガーデンの様子をご覧ください。

 

秋の花が咲き始めたディアガーデンの前庭

 

この場所は建物の北西ですから、午前中はほとんど日が当たりません。朝でもちょっと暗めの映りになってしまいます。

花を咲かせるが難しいので、美しい葉を持つ植物をメインに構成しています。花はおまけ、位にしか考えていないのですが、やっぱり咲くと嬉しいものです。日当たりが良ければモリモリと咲くところ、ここでは楚々としか咲きません。だからこそ余計に愛おしい。

日陰でもアジサイやユーパトリウム(洋種フジバカマ)、ヤブランはまだよく咲く方で、夏の花の代名詞的なセージやジニアなどは咲かないどころか自立も難しい。好きだけど、もう植えないようにしようと思います。

 

白い花を咲かせているのはユーパトリウム「チョコラータ」茎と葉裏が濃赤茶色。ナチュラルシックな雰囲気が気に入ってます。

 

秋明菊もポツポツと咲き始めました。この部分だけちょうど朝日が当たって輝いています。

 

雄蕊の黄色がいい色合いです。こんなに清楚な花を咲かせる割には、野性味ある育ち方をするというか。どん欲に増えていく。

 

この前庭は自生植物が多い。杉苔も育てています。和の庭の要素がありながら、それでも緑一色で時々木に花が咲く…という程度では物足りなくて、四季折々に咲く草花も多く取り入れたデザインとなっています。

自生植物はあまりメンテナンスを必要としませんが、昨年からは更にローメンテナンスにと、部分的に植栽を変えました。乾燥に強く肥料もあまり必要としない草花たちを多く取り入れてみたのです。

でもいくらローメンテナンスとはいえ、もちろんほったらかしではダメで、姿が乱れるような時には手を入れています。自然を、人の都合で作った庭という枠にはめるのですから、そこはデザイン力が必要なのです。

姿が乱れるパターンは2つあって、茂り過ぎる、倒れる、です。茂り過ぎるのは場所に適合しているということ、切り戻せばいい。一方、倒れるというのは適合していないということです。適合していないものを植えても、人と植物両方のためになりません。

そんな風に色々と見直しつつ、ナーセリーのカタログを眺めています。

 

ローメンテ植物といえばグラス類。これもディスプレイガーデンに合う品種合わない品種というものがあるのよね。このペニセタム「JSジョメニク」は良さそう。

 

来年の庭づくりに向けてのスタートはいま、秋です。

春に植えても、庭の鑑賞時期は梅雨までとわずかな期間しかありません。この頃の夏はあまりに厳しいため、それ以降植物は美しくならなくなりました。それに肝心の庭の主、人間が長く庭で過ごせない状況になってしまっています。

ですから、新しく何かを植えるのなら今です。冬までに根をある程度育て、春の早い時期から芽吹かせるようにすると、少しでも長く鑑賞できます。

ガーデンデザイナーの吉谷桂子氏いわく「日本の温暖地のガーデニングのパターンとは、秋にはじまり初夏に終わらせる。梅雨が来たら景色は熱帯になる、そんなとき一旦、庭は休業でもよいのじゃないかと。」

全く同感です。

 

 

坪庭作庭物語2-植栽

京都市山科区にある「ゆる音家」さんでの作庭記を3回に分けて書いています。先週9日から改修工事に着手、13日に無事お引渡しが済みました。

今日は2回目、植栽工事について。

まずは改修前の様子を↓

 

左奥がモチノキ、右奥にツバキ、右手前がシダレモミジ、そこここに実生の木々が育っています。

 

高い木塀に囲まれた幅2.7m奥行4m程の坪庭です。

元々植えられてあったのと思われるのはシダレモミジとツバキで、モチノキやナンテン他低木は実生かな?と想像され、どれも勢いよく育っていました。これまではオーナー様が剪定されていたそうで、どう整えたら良いのか判断がつかない場面もあったことでしょう。バランスと今後のお手入れのことも考慮して、モチノキとシダレモミジは残し、その他は思い切って伐採することをご提案しました。

木を処分するという行為は辛く、なかなかご自分では出来ません。私も木に対しては気の毒に思いますが、庭を良くするために決断を促すのも仕事です。その代わりといっては何ですが、切るときは前もって木と話をし、心を込めてお清めをさせていただいております。

 

さて、その残したモチノキのことですが。樹勢が強くなかなかの強者です。

伸び放題だったので、思い切って切り詰めさらに枝を透かしてもらいます。これだけで見違える程良くなりました。次に石組みをやり替えるために根元を囲んでいた石をはずすと、太い根がしっかりと地面をつかんでいました。樹勢が強いのはこの根張りのせいでは?と職人さんがおっしゃるくらい立派な根です。そこで、いくつかの根は切るとしても、太い根は思い切って見せるよう納めることにしました。

根の周りに苔を貼り、石を根が抱きこんだように据えてみると、まるで山に生えているような自然な感じになりました。この部分、物凄く気に入っています。

実生の木、切っても切っても生い茂る、持て余していた木が、どうでしょう?!堂々とした幹と根を魅せて、まさに主役に躍り出た感じ。私までもが何故か誇らしい気分です。

 

生命力溢れる根を見せることにしました。

 

横にかなり伸びていた根はどちらにせよ切れないし、石はそれに沿わせるようにしか据えられない。そのせいで延段が短くなってしまったけれど、これで良かったかなと。あるがままを生かすのもデザインです。

 

実は設計の段階で、モチノキの周りには石を据えないつもりだったのですが、根を表しで作ることまでは考えもしませんでした。

作りながら、あーでもないこーでもないと職人さんと話をして、状況にあわせてデザインを変えていく方が結果的に良くなることが多いです。だってそれがその庭の個性になるから。勿論お客様とお約束した所は勝手に変えられませんが。

それにその方が作り手も面白いと思うの。頭の中で考えただけの図面通りに作ったってしようがないんです。

そうして楽しんで笑いながら作った庭はいいオーラが出る気がするの。本当に。気持ちが植物にも伝わるからかな?

 

++++++++++

 

さて、その他の植え込み。

坪庭はもともと茶道の露地の体裁を取り入れて作られましたが、広さが限られているので、露地が求める「市中の山居」といった風情に仕上げるのは難しいことです。でも出来るだけ自然に見えるように心掛け植物を配しました。

景石や飛び石・灯籠の傍に、まるで種が落ちて芽吹いたかのように、そしてそれらが自然に増えたかように植えていきます。石はそれだけでは厳しめに見えてしまいますが、植物が添うとなんと穏やかに見えることでしょう。

 

石に添わせるよう配置。ジャノヒゲはその線の美しさを見せたく細かく株分けして植付け。艶のある葉を持つヤブコウジ、ともに常緑です。

 

左のシモツケは落葉低木ですが合うと思ったので植えました。ヤブコウジはあちこちに。冬に赤い実を付けます。

 

露地の植物はモミジ以外は常緑植物を主として用います。派手な花、香りの強いものは用いないなど、いくつかセオリーがありますが、町家の場合はそこまでこだわらなくても良いかと思います。

こちらで元々育っていたハラン、ベニシダは移植。そして伐根したツバキの名残りとしてコンパクトに育つカンツバキを入れました。今まで赤い花を楽しんでおられたそうなので。無くなるとやっぱり寂しいものですものね。

これからは、より愛でやすいところで咲いてくれます。

 

雪見灯篭はここではちょっと異質な存在なので、シダレモモジで覆って主張しすぎないように。そして足元にカンツバキ。石とのバランスを見ながら緑を足していくと、庭に生気が満ちてきます。

 

仕上げにハイゴケを全体に貼りました。

ハイゴケはスギゴケやスナゴケよりも育てやすく、乾燥しても直ちに枯れることはありません。密なマット状になると雑草が生えにくくなります。

苔には植物の根にあたるものがなく仮根というもので石や土にへばりついています。植付け時はそれがないので目土を被せます。重しになり苔を動きにくくすると共に、乾燥から守るのです。

ですので、仕上がったばかりは、苔よりも目土の方が目立ってしまうのは仕方がないことです。数か月水を切らさないように育てると次第に青々としてきます。

 

ハイゴケを貼っていただいているところ。手前は既に目土が被せてあります。

微風が揺らす葉擦れの音、木漏れ日の光が苔の上で揺らぐ様、ほの暗く清浄感ある風情・・・。

そんな庭が、美味しい食事のひとときを、更に印象深くしてくれることを願います。

 

 

 

次回は、竹細工と照明について書きます。

庭の雰囲気を盛り上げる演出。最後まで手抜かりはありません。とても楽しくやらせていただきました。

 

 

雨の日は

梅雨空の日、今日は一日中シトシトと降り続けるなんて日。私は家の中で育てている植物達を外に出してあげます。

インテリアプランツや、アレンジメントの枝物は、本来なら屋外で育っているもの。それが鉢に入れられたせいで、もしくは切り枝となったせいで、雨の恩恵を受ける機会がなくなってしまいました。

雨は植物の成長を促すポテンシャルを秘めている・・・という話を以前のブログに書きましたが(→コチラ)、たまにはね、そんな恵の雨の中で一日過ごすのも良かろうと思って外に出すのです。

日差しにある程度耐えられるような葉に厚みのある種は、このままひと夏、外暮らしとなる場合もあります。

 

いつもはインテリアとして飾っているドウダンツツジ。葉水をやる変わりに、雨の日はこうしてテラスに出して濡らしています。

 

たっぷりの雨に打たれた後は、本当にプリプリとして、ご機嫌さん♪な感じです。

 

+++++++++++

 

植物が外で気持ち良く過ごしている間、今度は私が気持ち良く過ごす為に、いつもの朝掃除の後にお香を焚きます。

夏は何故か和の香りの方が好み。インテリアも和風の方が涼しく感じます。

 

ジメジメとした空気感とお香の香りって合うと思う。掃除の後などに焚きます。

 

静岡で知ったお茶の葉を焚く習慣。この香りも爽やかで好きです。

 

事務所の小窓をすこーし開けていると、すぐ近くに植えたフジバカマの香りも漂ってきます。フジバカマは葉から桜餅のような?何とも言えないいい香りがするので大好きです。濡れると余計に香りが強くなるようで、雨の効果がこんなところにも。

和の香りなので、お香と混ざっても気持ち悪くならず、かえって良いハーモニーが生まれているように感じます。

 

 

初夏のインテリアの定番ドウダンツツジ

ドウダンツツジの枝が花屋さんの店先に並んでいます。涼し気な雰囲気がナチュラルなインテリアにぴったりで、投げ入れるだけの手軽さもあってか、とても人気があるよう。早ければ5月頃から出回ってるみたいですね。

私は庭で育てているので、昨年試しに飾って、すっかり気に入りました。いろんな木を剪定する際に出た切り枝を時々飾っているのですが、ドウダンツツジは葉っぱが小さいので納まりがいいように感じます。

それで、今年も飾ろうかなと思っていた矢先、通りがかった花屋さんで偶然見かけたのです。それがまたお買い得価格で!(^m^

庭木を切るよりいいなと思って即買い。長い枝も結構ありましたが、小さな家なので、1.3~1.0mくらいのセットを選んで持って帰ってきました。

大き目のガラスの花器に活けて、TVボードに飾りました↓

 

背景がシンプルなグレーだから映えるような気がします。

 

枝越しに見るダイニング

 

ドウダンツツジのような細い枝を、寸胴の花器に数本だけ活けるとき、自分の思う方向に留まってくれないことが多いですよね。真っ直ぐ立たせるなんて絶対出来ません。その枝の向きたい方向にありのまま活けるのが本当は一番いいのだけれど、飾るスペースが限られているとそうもいきません。

しかも今回は花器はガラス。透明感を生かしたいので、剣山などの花止めではなく、小枝をY字に細工して留めました。

これは生け花のテクニックのひとつで、ご存知の方も多いと思います。

 

小枝を花器の直径にぴったりハマるよう長さを調整。そして先に鋏をいれ、Y字になるよう広げます。Yの開いた部分に枝を刺すと留まってくれます。枝の太さと本数によってYの深さを調節してください。

 

生け花を習っていたときに使ったもので、竹で出来ているこういう部品がありまして、今も何個か手元に残っています。今回は、枝が細すぎたり花器の直径があわなかったりで使えなかったので、急遽庭へ出てエゴの枝を切って作りました。

同じ茶色の枝だから、言われてみれば分かる程度?そんなに悪目立ちはしないと思いますが如何でしょう。

長い枝に苦戦されている方の参考になれば幸いです。

 

++++++++++

 

さて、先日のこと。

庭づくりの打合せをしていたお客様に、白樺のキャンドルホルダーをいただきました~ (ノ´∀`)ノ

手作りだそうです。ティーライトキャンドルがうまい具合に置けるよう細工されていて素敵。白樺の樹皮って本当にきれいですね。

 

白樺のキャンドルホルダーに、涼し気なガラスの器と緑を色々寄せて、サイドテーブルにも景色を。

 

日が落ちて。ライトアップされた庭の景色を楽しむためには、部屋ではこれくらいの灯りがちょうどいいんです。かわいい~(^^*

 

使うときは目を離さないでくださいね~ということで、キャンドルの揺らぎを十二分に堪能しつつ、寛いでいます♪

 

 

木陰

木を1本植えると、四季折々の美しさを味わえるだけでなく、恩恵を受けるというか、ありがたいなと思うことがあります。

これからの季節は木陰が出来ること、かな。

ディアガーデンの庭の木も、苗木だったころは頼りなかった影が、十余年の時を経て、今や美しい緑陰を作るようになりました。何だかね、年々蒸し暑さを感じるようになってきましたでしょ。熱帯化する夏、この緑陰の恩恵は計り知れません。自分でも実感しています。

木陰に入ると、日向に比べ、体感温度はかなり下がります。葉裏からは蒸散による天然のシャワーが注がれるのでひんやり気持ちいい。そしてヒトは五感の中でとりわけ視覚から得られる情報がウエートを占めているため、目で涼しさを感じることも大切。

 

ディアガーデンのテラスに映る淡い美しい影。奥の方は肉眼で見るともっと明るいのだけど。

 

梅雨前の影は、夏ほど濃くなくて、まだ淡いです。何気なく外を見たとき、その淡い影色がとても美しくてしばらく眺めていました。

そういえば、印象派の画家モネの影には、対象物によって、それぞれ違う色彩がありました。そして昨年見た日本画家田中一村の影色は濃い緑でした。一見黒に見えて黒じゃなかったな、なんてことも思い出したりして。

今日のディアガーデンの影色もちょっと青みを帯びたグレーというか、優しい色です。

 

こちらは坪庭。椿の葉陰が美しくて。ドラゴンさんも気持ちよさげ。

 

もうすぐ6月。木を植えても根付きやすく、おすすめの時期です。

緑のカーテンを毎年作るより、木一本植える方が楽しみは多いように思いますが、いかがでしょうか。

ブログでは過去にも木蔭について書いてます。よろしければ→ 緑と健康の関係木陰の気持ち良さって

 

 

前庭はおもてなし感覚で

初夏はディスプレイガーデンで一番花が多い時期です。

春は割と肌寒い日が多かったせいか、例年に比べ7~10日程花が遅い気がしますが、花付きはまずまずです。

皆様のお庭ではいかがでしょうか?

 

前庭にあるエゴノキの花が咲き始めました。今年も蕾がいっぱい!

 

通りに面した前庭は、歩道までは庭という感覚。雑草を抜いて、掃き清め、気持ちよく通っていただけるよう私なりに気を付けています。夏になれば、打ち水をしたり、程よく木陰を提供するなど、ディアガーデンの前を通る方に対して、ちょっとしたおもてなしの感覚です。

自分の庭ですが、公共性のあるスペースなので、四季折々の草花を植えて、年中緑を絶やさないように、いつも気持ち良い眺めを作るよう心掛けています。

前庭とはそういう場所、なんですよね。

「他人目線で見てどうか?」完璧じゃなくてもいい、でも、それさえ気を付けていたら大きく乱れないし、街並みも整って防犯面でも効果を発揮します。

 

++++++++++

 

さて、その前庭に植えているオキザリスが増えすぎるので、よく抜いているのですが、いつの間にか歩道を超えて、舗石の際で根付いたみたいです。ほとんど土がないのに咲いて、その繁殖力に感心します。

抜くべきか?迷いましたが、どのみちいろんな草が生える場所。スミレやヒナゲシ、オキザリスの3種類だけ残して、あとはコマメに取っています。

雑草だからなんでも抜いてしまうのではなく、管理できる範囲でそこもデザイン出来たら、お金をかけずに水も遣らず、きれいに保てます。

そういう訳で、処分はいつでもできそうだし、両脇に同じ花が咲いていると、園路みたく歩くのが楽しそうな雰囲気なので、しばらくこのままでいいかな?

これも、ディアガーデン前の歩道らしいかな、なんて思っているのですが。

 

奥の花壇にピンクのオキザリスが咲いています。その向かいの鋪石のキワにも所々繁殖して、それが花を咲かせています。

 

もっと増えたらオキザリスの小道、ってな感じになりそ(^m^

 

実は個人的には濃いピンクって、薔薇以外はあんまり好きじゃありません。

このオキザリスも自分で買ったものではなくて、何かの苗の土に紛れ込んでいたものでした。それを育てようかどうしようか迷っていた時、他人目線で見て、この色は遠目からも良く目立つし、道路植栽のサツキツツジと同じ花色で合っているなと思って残しました。

なので、今の時期だけはこのピンクで統一しています。因みに夏は変わって、涼しげなシルバー&紫(青)の配色になります。

 

同じくピンクのシラン。これも増えすぎたので半分程度減らしました。元々は約20年前住んでいた家の近所の方からいただいたもの。引っ越しの度に植え替えして今に至ります。

 

 

+++++++++++

 

前庭は、こんな風に他人目線で植栽デザインをしていますが、プライベートスペースにあるテラスの花壇は自分好みの植物でいっぱいです。

静かで穏やかで爽やかで・・・いつ見てもほっと落ち着くように、白い植物を多く植えています。夜も眺めるので、白ならば闇に紛れず見えるという利点もあります。

主役はアジサイ「アナベル」ですが、今はようやく小さな蕾が付き始めたばかり。

 

白い葉、白斑、白花、などなど白系の植物と少しの青花を。

 

手前から。シマススキ、ヤブコウジ、ティアレア、ムラサキシキブ、アマドコロ。

 

白系で、いま一番冴えているのは、斑入りのムラサキシキブです。

 

狭い土地でも、こんな風にいろんな目線で見て植える植物を変えると、個性あるコーナーを作ることが出来ます。