花生けのお仕事より(3月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わります。

本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より3月のまとめをご覧いただきます。

(過去の事例はコチラ→ 1月 2月 )

 

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①3月初旬【投げ入れ】

3月の初め、生花店の売り場ではチューリップの旬が終わろうとしています。

1月の終わりか2月の初め頃の極寒時期から見かけてはいたものの、その鮮やかな花色と実際の季節感が違い過ぎて活ける気にならず、時期を読んで自然な雰囲気のチューリップなら仕入れてみようと考えていました。

そうしているうち、和菓子屋さんに合いそうなチューリップに出会いました。

茎が短くて球根がついたままのチューリップです。

 

球根付きの小さなチューリップ。山苔とともに手持ちの盃洗に活けました。薄黄緑の蕾が華美でなく自然な雰囲気です。

 

窓辺で結構咲いたようです。

 

②3月初旬【掛け花】

店内の壁に掛けた花器にはまだ蕾のシデコブシの枝を。

産毛が生えた皮を纏ってすべすべしています。枝先がほんのすこしほころびかけていて春らしい。

 

シデコブシの枝。青空めざして伸びているような~

 

以前住んでいた家の近所で、玄関先にシデコブシが植えられたお宅がありました。

飾り気のないお庭で、その木は自由に枝を広げ、きれいな楕円の樹形になっていました。春になると白い枝先に、薄桃色の花がいっぱいに咲き、それはそれは見事でした。波打った花びらが優美にひらひらと揺れて、当時飼っていた犬と一緒に、飽きずに見上げたものです。

私の中ではシデコブシというとあのお宅の木。

懐かしく思い出します。

 

③3月下旬【投げ入れ】

この日は面白い茎姿の丹頂アリウムを仕入れました。

花壇で育てるアリウムはネギ坊主の部分が大きくて茎も真っ直ぐです。きっと花の生産者さんが工夫して、こんなにクネクネのアリウムを作って下さったんだな。

花に香りはありませんが、茎を切るとネギっぽい香りがします。

 

茎が面白く曲がった丹頂アリウム。奔放に挿してみました。

 

お店の方に「意外にモダンな雰囲気で和に合うね~」と言っていただきました。

 

④3月下旬【掛け花】

大抵の植物は知っているつもりですが(名前は大抵パッと出てきませんが)、もちろん知らない植物に出会うこともあります。

「このヤマブキっぽい木は何ですか?」

葉っぱの雰囲気からしてヤマブキっぽいなぁと思うけれど違うような???

すると生花店の方が「ヤマシラズという木です」と教えてくださいました。初めて聞く名前です。ネットで調べても出てこないので、ひょっとしたら聞き間違いかもしれません。

でも葉のちょっと白っぽい黄緑色がきれいだったので、分からないまま仕入れて、お店の方にもそのまま「ヤマシラズという木だそうです」なんて伝えて生けちゃいました。

 

ヤマブキに似た木に、薄紫の花が咲く都忘れを組み合わせて。

 

「知らず」と名前についた木に、名前に「忘れ」とつく花を添えたのは、たまたまです。

二つの植物の色合いが合うと思って感覚的に合わせただけで、あとで名前を並べてみて面白いと気づきました。

 

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仕事上がりに駅へと向かう道すがら、仁々木さんから程近い白川通りを歩きました。

ちょうど桜の花が5分咲きの頃。ちょっとしたお花見気分を味わえました。

 

祇園白川通り。メディアに度々登場する「巽橋(たつみばし)」では、木製の欄干越しから白川のせせらぎと桜がしだれる様子を眺めることができます。

 

京都の街中は人出が戻り始めていて、時期的に卒業旅行なのか?春休みなのか?若い方で溢れていましたけど、この通りは大きな通りから少し外れているからか、まだ疎らでした。

でも本来ならば、祇園の中でもとくに絵になる場所として、桜の時期は特に、世界各国からの観光客も多く混みあっていますのに。

 

柳と桜が石畳を彩って。

 

川のせせらぎ、町家を背景に桜。京都らしい景色です。

 

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明日から4月ですね。

和名の卯月は、旧暦の4月に咲く卯の花から来ているそう。卯とはウツギです。

日本全国の山野に見られるユキノシタ科の落葉低木で、5月から6月にかけて咲く花は、派手さはないものの清楚な佇まいで、和の雰囲気にぴったり。ということで、私も盆栽に仕立てて仁々木さんに納品しました。

 

卯の花の盆栽。ウツギでも小型種の姫ウツギです。

 

新暦と旧暦とはひと月ほどのズレがありますが、生花市場の植物は本来の時期よりふた月以上ズレがあります。だいぶ早いのです。ですので、季を先取りして3月に飾ることが出来ます。

和食の世界では、季節を楽しむ食材の取り入れ方として「走り・盛り(旬)・名残り」と「出会いもの」がありますよね。和のお店の装花としては、それに準することも心得ておくべき点のひとつだと思っています。

大抵「走り」の方が多いけれど、時に庭で咲いているその季最後の枝を折って「名残り」として飾ることもあります。走りで仕入れて、事務所で咲かせ「盛り」に再度持って行って飾ることもあります。

こんな風にかなり自由にお仕事をさせてもらえ、私としても楽しんでやっております。

さぁ、卯月はどんな花生けをしましょうか。

 

装花室礼についてのお問合せ、ご相談はコチラ→ contact

 

 

 

庭の花を根洗いして

ディスプレイガーデンのあちこちで低木や宿根草の芽吹きが見られるようになりました。

高木の芽はかなり膨らんでいますが、まだ固さがあります。シンボルツリーのアオダモに至ってはそんな様子もなくて、例年通り一番最後になりそうです。

それから、いま咲いているのは低木の花。沈丁花や斑入りサカキ、もう終わりそうな数寄屋侘助椿です。宿根草はクリスマスローズやスミレなど。

これらの中のいずれかの香りが風にのって鼻先に届くことがあります。

冬の空気に花の香りはありませんから、こうして次第に花の香りの空気が漂い始めると春を感じます。

 

ニオイスミレが咲いています。甘いというよりスッキリした香り。

 

特別な香りをもっと身近に感じたくて、今の時期よくインテリアに取り入れています。

根を付けたままそっと掘り取ってきれいに洗い、乾燥しないよう苔に水を含ませカバーして活けるのです。

この方法は根洗いと言い、球根でも素敵に飾れます。

インテリアとしてしばらく楽しんだら、また庭に返しますので、株が減ることもありません。

 

昔作ったアレンジ。庭のニオイスミレを根洗いして飾っていました。こんなに小さくても部屋いっぱいに春の香りが広がります。

 

鉢で育てているバラの害虫(コガネムシの幼虫)対策として、一緒に植えこんでいる水仙もいまちょうど満開です。

幾つかそおっと抜き根洗いして飾ります。そして花が終わったら葉をつけたまま再びバラの鉢に戻します。毎年この繰り返しですが球根が痛むこともありません。コンパニオンプランツとしてまた活躍してくれます。

毎冬土を変えているのですが、水仙を植えてから、コガネムシの幼虫は一切見なくなりました。本当です。コンパニオンプランツの力、実感しています。

 

水仙の根洗い。ガラスの器に入れるとテラリウムっぽい。清潔感もあります。

 

水仙の茎はか細く倒れやすいので、スッポリと包む大きなガラスの器が合います。球根の乾燥防止と水分補給のために水苔を敷いています。

 

こちらは花生けの仕事より。原種系かな?丈の低いチューリップ。球根が付いたものを仕入れました。アンティークのピューターの器にグリーンの山苔を敷いて。

 

春の球根植物といえばチューリップ。

この頃は球根付きのチューリップも花屋さんで見かけます。もし出会ったら、ぜひ根洗いの要領で飾ってみてください。見違えます。

まぁね、球根付きでなくても、可愛らしくて買っちゃいますけれど~。

 

茎のしなやかさを生かしてチューリップを活ける。春待ちのリビングダイニングです。

 

買ったときは蕾。全体的に淡いグリーンで先がほんのりピンクでした。咲き進むにつれてピンク勝ちになってきましたよ。

 

たまにヘコむことがありますが、花を見たり、触ったりしていると自然と力が抜けて口元が緩みます。

本当言うと全く笑う気分じゃなくて、なんだったら泣きたいくらいなのだけれど、花の前で不機嫌のままでいるなんてこと、私には出来ないみたいです。

嫌なものを吐き出して、花の香りで身体いっぱい満たすんだ。

 

花活けのお仕事より(2月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えしたいと思っております。

例えば、ガーデンデザイナーがお花を活けたっていいじゃない?ということで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店の装花室礼業務を請け賜わることとなりました(その経緯→コチラ

今日は、そんなお仕事より、2月のまとめをご覧いただきます。

 

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2月初旬【投げ入れ】

立春を前に選んだお花は水仙です。日本水仙の清潔な佇まいは和菓子店にピッタリ。香りは顔を近づけると感じられるといった風でその控えめな感じもいいです。そして黄色い花は如何にも春を思わせてくれます。

節分の前でもあったので小さな赤鬼さんを厄除けに添えてみました。

 

ぽってりとした胴の花瓶はアンティークショップで見つけました。下半分は黒に見えるけれど実は濃紺。貫入がいい味をだしています。どんな植物を活けても野にある素朴さを引き出してくれそうだなと思って。

 

2月初旬【掛け花】

アオモジの枝を1月にたくさん仕入れましたので、引き続き使うことにしました。

枝一面に鈴なりに小さな緑色の粒々の蕾をつけるアオモジ。生花の状態では生けているだけでは香りはしませんが、蕾をつぶしてみると、柑橘系のさわやかな香りがします。

2月初旬は春と冬の間、ということで添えたのは渋い色合いの小菊です。

 

花器は真竹を薄く削いでのし広げ熱を加えながら丁寧に曲げて作られたもの。これは通年使えてどんな花も合わせやすそうだなと思って。

 

2月中旬【投げ入れ】

この時期、あたりはまだ寒さ厳しく滋賀では積雪も珍しくありません。そんな中でも春遠からじと思える日差しが感じられる日もあって、庭木には芽吹きの確かな用意が認められます。

一方、生花市場は季節が一足も二足も早くて、このころお花屋さんに行くと、チューリップやスイートピー、啓翁桜など可愛らしい春の花がたくさん並ぶようになります。まさに「春爛漫」といった言葉がぴったり。

そんな華やかな花を横目に私が選んだのは麦です。

和菓子屋さんに活ける場合、お店の雰囲気に合う花材を選ぶのはモチロンですが「散らからない」材を選ぶようにも気を付けています。

 

花ではありませんが、ピン伸びる若い麦に明るい春を感じてもらえたら。

 

2月中旬【掛け花】

2月になるとお花屋さんには雛祭りを先取りするように花桃が並びます。直線的なその枝に、蕾がうっすらピンクのクリスマスローズを合わせて活けました。

クリスマスローズは今頃ちょうど庭でも咲いてます。花は俯き加減に咲くので、テーブルに活けるとその顔がよく見えませんが、この花器ですと目線より少し高めに掛けますので、ちょうどいい角度で眺めてもらえます。

 

 

2月下旬【投げ入れ】

1月に多めに仕入れたアオモジの枝。暫く預かって養生していましたら、ついに咲き始めました。

その姿をお店の方にも見て頂きたくて、再び持っていきました。

 

アオモジの花。ひとつのつぼみの中に複数の花が咲くという、とても面白い特徴があります。

 

花が咲いたアオモジをシンプルに挿して。間近で見るととっても可愛らしい花です。

 

2月下旬【掛け花】

2月ももう終わり。

庭の椿をひと枝手折って活けました。

お花屋さんの季節を先取りした花もいいけれど、たまには庭で奔放に咲く旬の花も良いでしょう。

 

数寄屋侘助椿です。生けた後は必ず霧を吹いてから飾っています。水を受けた花がステージで輝きます。

 

 

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花生けの仕事を本格的に始めるにあたり、気を付けたいなと思っていること。

店内ではお店の方々のご迷惑にならぬようこじんまりと仕事をして、なるだけサッと終え、来たときより場を綺麗にして帰る。これを毎回自分に言い聞かせてから伺うようにしています。

特に掃除は造園の仕事と全く同じです。

掃除が行き届いていない場所で花が映えることは決してありません。特に仁々木様の店内はいつも磨き上げられているので、切り枝の端っこでも落ちていたら大変です。だから手帚は必需品です。

私のお気に入りの箒、荒神箒というそうですが、結構使いやすいです。

 

この荒神帚は京都・三条大橋の袂にある昔からある箒屋さんで求めました。コンパクトで小回りが利いて掃きやすい。デザインも綺麗です。

 

季節の瑞々しい姿は、あらゆる空間を洗練させてくれますね。

明日から3月。暖かな陽気にすべての草木がいよいよ茂るという「弥生(やよい)」の月です。

さぁ、どんな花生けをしましょうか。

 

 

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装花室礼のお仕事が始まりました。

2年前に店舗前花壇の植栽のお仕事がご縁でお付き合いが始まり、ずっとご愛顧いただいている株式会社仁々木さま

和菓子を中心に独自ブランドを立ち上げられ有名デパートなど全国展開されています。滋賀県内にも2店舗あり、守山市の近江工房店では、ディアガーデンが造園工事その後のメンテナンスもさせていただいております。

そして本年度からは京都祇園本店の装花室礼業務も担当することになりました。

私はガーデンデザイナーだけど、植えるのも花を活けるのも同じように好きで、普段の暮らしに花を飾ることや年中行事の室礼は欠かせないものです。学びも同じように続けて参りました。苗や植木と同様に花材の仕入れ先も宛がありましたので、今回のご依頼も特に躊躇なくお受けしました。

 

「仁々木」さん祇園本店。花小路通りや八坂(神社)さんからもすぐのところ。2019年に店舗を改築された折に花壇の植栽をさせていただきました。

 

コロナ禍の現在、京都府は緊急事態宣言の対象地区となり、祇園の観光客は目に見えて激減しています。

そんな状況でも季節の花を絶やさないようにという社長様のお気持ち。重く重く受け止めて、足を運んでいただいたお客様のおもてなしに少しでもお役に立てるように精いっぱい頑張ろうと思います。

 

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祇園本店さんでは、店内入口と奥の2ヶ所に座るスペースを設けられています。花を飾る場所はそのあたりです。

一か所目は店舗入ってすぐ正面の壁。

ここは待合いスペースとなっていて、軽く腰掛けることが出来ます。座って見ると丁度いいところに掛け花があります。

 

さりげない花、掛け花。お店にはいると割とすぐ目に付く場所。カウンターに立つ店員さんにも見て頂けるようです。

 

こちらには、今回、木瓜と椿をシンプルに挿しました。

花器は真竹を薄く削いでのし広げ、熱を加えながら丁寧に曲げて作られたもの。新しいものですが、手触りがとても滑らかで、自然素材の温かみが感じられます。どこかモダンな佇まいがマブチ好みなのです。

 

冬は枝物がいい。凛とした枝振り、小さな花、そして膨らみかけた芽などは確かに来る春を思わせ希望を持てます。

 

2ヶ所目は店内奥のベンチスペース。花を飾るのにちょうどいいカウンターがあります。

そこに片口の器を花器に見立てて、春を予感させる小さな盛花を。

蕾のたくさんついたアオモジを伸び伸びと、中心には固く丸まったゼンマイを挿し、足元は瑞々しい青葉で埋めました。

 

 

「片口(かたくち)」とは、口縁の片側に注ぎ口がついた器のこと。小さなものから大きなものまでさまざまな形のものがあり、酒器として使ったり、お料理を盛ったり、ドレッシングの入れ物にしたり、色々と工夫次第で使えますが、私は花入れにしました。

もともと蓋つきだったので、可愛らしいし、愛想に添えています。

この器には、山野草一輪挿しても合いそうで、そのうちやってみたい。

 

ゼンマイは葉が開く前は動物のような毛に覆われて、植物というより何か不思議な生き物のよう。

 

社長様や店長様のご要望に合わせて、花材選びはもちろんですが、花器選びも全て任せていただいています。

器でも季節感は出るし雰囲気がかなり左右されるので、作る側としては任せていただけるのは大変有難いことです。

私は主にアンティークショップや骨董店を中心に色々と見て回り、古いものの中から、雰囲気の優しいちょっと面白みのある器を集めています。モダンなインテリアショップにも足を運び、お店の雰囲気に合えば新しい品でも仕入れます。

ブログでそんなお店の紹介も追々していきたいと思います。

 

花を活ける他、草盆栽も時々作り替えます。今回はスミレを植え苔を貼りました。

 

トクサの鉢植えは以前納品したもの。たまに水さえやれば良くて、年中緑を楽しめます。

 

これから毎月、活け込みと活け直しで何度かお訪ねする予定です。

さて来月はどんな風になるでしょうか?自分でもまだ分かりません。

また報告します。

 

 

2021年新年のご挨拶

新年あけましておめでとうございます。

旧年中はディアガーデンのサイトをご覧いただき 誠にありがとうございます。

本年もお庭やエクステリアに役立つ情報を発信して参りますので どうぞ宜しくお願い申し上げます。

 

今年の年賀状。ディアガーデン用と家族用2種作りました。いつもSNSにUPした庭の画像から選んで印刷しています。今年も庭の写真をいっぱい撮るぞー!(^^)!

 

大寒波襲来やコロナ自粛の影響で、自宅で過ごす静かな年末年始となりました。

皆様はどんなお正月をお過ごしでしょうか。

 

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話は大晦日にさかのぼりますが・・・

朝起きると一面銀世界でした。積雪は25~30cm程で日本海側の地域に比べればどうという量ではありませんが、一夜にして積もったので驚いてしまいました。

 

ディアガーデン前の様子。このところ暖冬続きだったので、久しぶりのドカ雪におののく。全ての買い物は済んでいて出掛ける必要のないことは幸いでした。

 

つららが出来てました。

 

テラスが雪で埋もれてる。真綿の布団を敷いたようにフカフカです。だいぶ溶けましたが庭の半分にはまだ雪が残っています。

 

元日の朝は一転!晴れて美しい初日の出を拝むことが出来ました。

初詣は遅らせるつもりで、代わりにせめて初日の出くらいはと期待していました。見られてとても嬉しいです。

毎朝登る朝日でも、顔を出す瞬間には滅多に立ち会いませんし、元日は見る側の気持ちが特別なので全く別物のように感じます。万物を等しく照らす光とは、なんと明るくそして力強いものかと改めて感じました。願掛けもして幸先良いスタートが切れたような?

大晦日に雪で全て埋め尽くされた庭は白紙に戻されたようでした。良いことも悪いことも何もかも見えない。象徴的な出来事と捉えました。

2021年はそこに何を描くのか。

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さて、例年なら元日から帰省しているところ、雪のせいもあって今のところ様子見です。どこにも行かない元日は初めてかもしれません。

心づくしのお節をつまみに朝から呑む至福の時を過ごしています。

 

小さなお重と受け継いだ塗りのお膳、そして南天のお正月花。簡素ながら目出度さを意識したテーブルコーデ。

 

26日から少しづつ仕込んで14種類詰めました。一の重は祝い肴、二の重は口取り肴中心、3の重は焼き物と煮しめ。だいたいですが。

 

 

一の重の包みを広げる。大好きな黒豆は26日から煮てしっかり味を含ませています。だいたい小正月くらいまでいただきます。

日本酒とお節って最高に合う!

 

テーブルの盛花は南天をどっさり活けました。

南天は「難転(難を転じて福となす)」に通じることから、縁起木としてよく庭に植えられます。ディスプレイガーデンにも3株ほどありますが、今季は残念ながら実がほとんど生らず、活けたものは買い求めたものです。生花店で聞くと、どうやら外れ年らしく品薄とのこと。手に入れられたのは偶然でとてもラッキーでした。

 

難を転じて福となす。節目に活ける花には気持ちを託します。

 

世界は新型コロナウィスル感染症との闘い、まさに難の最中にあり、必然的に新しい生活様式が生み出されました。これが福となると私は思いたいです。

StayHomeや場所を選ばず仕事をするリモートスタイル、個々を掘り下げ発信していくような新しい生活スタイルは、元々自分のスタイルに近いものだったので、割とスムーズに受け入れられたのは幸いでした。

流れから見てこれからは個が加速しそう。

だから個性は大事、それが間違っているかも?変かも?と自分で否定せずに、楽しく出来ることや面白いと思う気持ちを大切にしたいです。

それに個性を理解してくれる繋がりもきっとある。分かる人には分かるし、分からない人と無理につるむ必要はないのです。それが出来る生活様式になってきました。

「私って、こういうセンスなんです」と堂々と勝負しようではありませんか。

 

 

 

処暑のある日 庭で

処暑を迎え、朝夕に秋の気配が感じられるようになりました。日中はまだまだ残暑厳しく、庭に出られる唯一の時間帯は朝夕に限られます。一日の始まりと終わりに、晩夏の庭特有の雰囲気を味わいながら、ほっと一息つくこの頃。

そんな処暑の庭での一日を画像と共におおくりします。

 

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5:30am

庭が目覚めはじめる時間。

草叢には虫の声。夜明けと共に鳥も鳴き始めて。それにしても、生き物の声はなんて耳に心地良いのでしょう。音が全く無いより、自然の音が少しある方が、静けさが際立つようです。

庭のアロマを取り込むようにゆっくり深呼吸しながら身体を伸ばします。

 

夜が明けて薄っすらと朝日がかかり始める頃の空気感が好き。テラスの瑠璃柳と共に。

 

この辺りは、家を建てたときに比べ、徒歩圏内にお店が増えて、より便利になりました。でもそれと引き換えに、車の走行音が、時に神経を逆なでてきます。自分も毎日車に乗るのでお互い様、解っちゃいるけれど。

未だに改造して?わざと大きなエンジン音を轟かせて走る方もいて、その音が心臓に悪いんですよ、ホントやめて欲しい。

窓を閉めてしまえば全く気にならないものの、夏はそうもいかなくて。例外は深夜から早朝にかけて。

目覚めはじめた庭で、静寂を聴けることが癒しです。

 

9:00am

家事ルーティンをひと通り終えてから庭へ。水遣りついでに、庭の草花を摘んで玄関に活けました。

このごろはザックリ束ねる感じの自然な活け方がマイブーム。花というより葉っぱや枝が中心で、フォルムや色の違いで変化を付けます。庭の景色そのままだから、季節感は工夫せずとも表れて。

 

真っ直ぐのものは何一つなく、それぞれ向きたい方に垂れたい方に配するだけのアレンジ

 

花が咲く宿根草や低木のほとんどは、夏前にカットバックしていて、いま咲かせているのは少しだけ。

それらは涼し気な青系のもの。草叢のような花壇の中でわずかに揺れています。

 

シマススキ、エゴの若い枝、蔓忍、ベロニカ、アジサイ

 

10:00am

事務所で仕事開始。

ここは建物の北側にあるので、午前中は窓を開けているだけで結構涼しい。風が通り抜け、涼を運ぶついでに、インテリアとして吊るしている風鈴を響かせます。

今日は蝉の声があまりしないな。

 

おりんのような音色の明珍火箸風鈴。これと同じ画角の動画をインスタグラムに投稿しています。音色はそちらで聞いてみて。

1:30pm

太陽が厚かましく迫ってきます。我慢せずに冷房を付けて。

たまに目を上げて外の緑で目を休めています。 それにしても暑そう。

 

ダイニングからテラスを望む。建物の東側にあるため午後からは日陰になるものの、風がないと出る気がしない。昼間はもっぱら眺めているだけ。

 

6:15pm

前庭に夕日が射す頃、事務所を切り上げて庭に出て水遣りをします。涼しい風と水を打つお陰で気温が一気に下がり、とても気持ちいい瞬間。それは植物も同じようです。

「今日も暑かったけれど、何とかしのいだね」

バーベナ・ボナリエンシスの花が盛大にそよぎ肯定します。植物はいつも聞き役に徹してくれるけれど、この花は更に頷いてもくれます。

 

夕陽を浴びながらそよぐバーベナ・ボナリエンシス。奔放に育っています。

 

一年草は伸びきっていて、茂みはまさに草叢のよう。木々の葉は、ところどころ陽に焼かれてしまっています。

晩夏の庭を見ていると、いつもヘルマン・K・ヘッセ氏の文章を思い出します。

わずか一年以内に それどころか数か月以内に
芽を出してから死ぬまでの生涯の
前段階を通過する運命を持つ植物や草花は 不思議なものである!

春 私たちはそれらを 子供を観察するように観察し
そのあわただしい成長を 感動的で 愉快で
無邪気であると同時に少し愚かな花の顔を 愉しんで眺める。

―そして突然
晩夏のある日 まだ今まで子どものように思われた花が
謎にみちて それまでとは違った花に見える。
秘密をはらんで ひどく年老いて 疲れた姿になる。それでもなお
花たちはすばらしく円熟し 悠然と 盛衰を警告する見本のように微笑む。

「庭仕事の愉しみ」より

 

アジサイの剪定とアレンジメント

アジサイの剪定適期です。

最初にこんなこと言って何ですが、アジサイの剪定は難しい。何年やっても思った風にはなりません。

色々やった結果、アジサイにとっては、花殻だけ切るくらいの剪定が一番良いのでは?と思います。あまり切り詰めない方が、樹形も伸び伸びとして、花は毎年たくさん咲いて、アジサイらしい美しさが堪能できます。山寺のアジサイがあのように美しいのは、あまり強く切り戻さないから、かと。

だから狭い庭で、樹形はふんわりコンパクトに!でも花はたくさん!!・・・なんて、そう都合良くは行きません。

でもアジサイ、大好きです。

花が小さく少なくとも、自分の手で咲かせたアジサイは可愛くてたまりません。

 

ディスプレイガーデンの秋色アジサイ。今年もこんな風にポツポツと咲いてくれました。

 

ここで、アジサイの剪定のポイント

〇一般的なアジサイを来年も咲かせたいと思うなら、7月の中頃までに剪定するのがセオリーです。翌年の花芽が出来るのが秋なので、それ以降切るのは論外!少し早めに剪定して木のエネルギーを多く保とうというのが狙いです。

植物にとって花や実(種)をつけることは、大変なエネルギーを要することなのです。折角の秋色アジサイだからと、秋までそのままにしていると、翌年の花付きが悪くなります。

〇切る位置は、花から数えて2~3節下の芽のすぐ上で。

〇剪定が遅くなると、花芽が葉芽に変わることもあるそうで、その場合、葉が落ちてから再度花芽を確認しましょう。プックリしているのが花芽なので、直ぐ上で切るといいです。

こんな感じで剪定していると、だんだんと木が大きくなっていきます。個人の庭では植物それぞれのバランスが大事ですから、たまには心を鬼にして、強めに切り戻さねばなりませんね。

ディスプレイガーデンのアジサイは、2年前に強剪定をしましたので、今年はセオリー通りの剪定をしました。

 

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剪定といえば、

今度の土曜日、18日に「植木剪定のワークショップ」を開催します。

既に何人かご予約いただいておりますが、まだまだ絶賛予約受付中です。

詳細、お申込みは →コチラ

剪定のワークショップは初めて行います。今後も行えるかどうかはわかりません。こんなご時世、いつどんな制限があるかもわからないし。なので、ご都合がつけば是非いらしてください。

お待ちしております!

 

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今朝のアジサイ。中央の花は散って、ガクが青から緑に変わっていきそうな・・・この微妙な色のグラデーションが見所です。秋まで置いておくと紅葉しますが、来年の花付きに影響するので剪定します。

 

さて、剪定したアジサイはまだ綺麗。これからはお部屋で楽しみます。

先程申しましたように、あまり切っていませんので、茎が短く、こじんまりとしたアレンジが多いです。

 

特に短い茎のアジサイは、コロンと丸い四海波籠に挿してダイニングテーブルに飾りました。

 

茎は短いけれど、一番大きなアジサイ。アンティークのピューターに一輪だけ。事務所のカウンターに置いています。

 

六つ目編みの竹籠には、まだ幾分茎の長いアジサイを、庭で摘んだ山吹や虎の尾などと一緒に活けて、玄関に。

 

庭の植物だけで作ったアレンジ。くるっと1周すると、結構集まります。花摘み=剪定にもなりますし、一石二鳥ですね。

 

茎が短い分、水はよく揚がり長持ちします。

花はもう散ってガクだけですから、たまにお水を変えるだけで、ひと月くらいは余裕で飾って置けます。

しかも、こうして飾っているうちに、発根するので、増やそうと思うと幾らでも増やせます。毎年、発根したものを処分するのに心が痛むので、数本だけ鉢に植えてしまいます。

あかんて。

 

 

庭の花でブーケづくり

これから夏にかけて、庭の花がどんどん咲いてまいります。

庭を持っていて良かったことのひとつ、それは、思うままに花が摘めること。この時ばかりは少女の気持ちに戻り、ワクワクしながら摘むのです。

満開一歩手前ぐらいの花を摘みたいのですが、そのまま咲かせて眺めとして楽しみたい気持ちもあります。余程たくさん咲いていない限り「思うまま」ではないけれど、摘んで風通しよくすることは、庭にとっても、良いことなのです。

昨日は、庭を新しくされたいというお客様とのお打合せでしたので、参考までに、ディスプレイガーデンの花を摘んでブーケを作り持っていきました。この地でよく育つものばかりです。

 

一巡りして集めた草花たち(見えているのは薔薇、紫蘭、セージ、アマドコロ、シモツケ、白山吹、グラスの穂、フジバカマ)たくさん摘むときは、水を張った器を用意してすぐ浸すように。

 

庭の草花でアレンジをするときの私なりのコツや手順。

  1. 摘むときは朝一番に。午後は植物が乾き気味になるので避けたい。水を張った器を傍らに持ち摘んでいく。
  2. 摘むついでに、咲き終わった花を切ったり雑草を抜いたり。ちょこっと庭の手入れもやります。
  3. 部屋に持ち込む前に、虫が付いていないかチェックする。ここで下葉を取っておくとゴミが増えない。
  4. 洗って下葉を丁寧に処理。花の中やガク、葉の裏に小さな虫や卵が付いてる場合が多いので、再度チェックして出来るだけ取り除く。
  5. 水切り後、出来れば半時間ほどは水に浸し、しっかり水揚げをする。
  6. アレンジする直前に植物の種類ごとに並べて置くと捗ります。(私はそのへん適当ですが)
  7. ブーケにするときは花→葉、花、花→葉とランダムに組んでいく。器に活けるときは枝や葉物から差していく。庭の花は茎が繊細なので、葉物枝物で支えます。
  8. 微調整して仕上げ。ブーケは輪ゴムで縛り茎を切りそろえる。器に水を張る場合、草花は少なめ枝物は多めで。

お花屋さんの草花と違って、庭の場合は、虫や埃がついていますので、その処理はしっかりやります。でも、十分取り除いたと思っても、どこからか虫が出てくることもあります。

ガーデナーならその位どうってことないと思いますが、人によりますよね。プレゼントする時はいつも以上に気を付けてはいます。

 

いまのディアガーデンの景色を映した小さなブーケ

 

庭の花で作る小さなブーケは、作る人も、それを貰った人も、幸せな気持ちにしてくれます。

是非作ってみてください。

 

 

今年もバラの季節が到来

ディアガーデンのバルコニーでバラがポツポツと咲き始めました。

バラは一度は育てていただきたい植物の一つです。デリケートな植物ですから育てるのは少々苦労します。それでもお勧めしたい訳は、バラの花ほど咲かせて感動する植物はないからです。

バラの季節は本当に楽しみ。場所の関係で育てられるのはたった2,3鉢ですけれど、それでも十分にバラを堪能しています。樹勢を衰えさせないように、咲いたらすぐに摘み取って、家のあちこちに飾ります。

 

和ばら「葵」を庭の植物と共にアンティークのピューターに活けました。今年はまだ咲き始めたばかり、これは昨年のものです。

 

房咲きのバラは、蕾は残し、咲いたものだけを短く切り取って、こんな風に飾っています↓

たった一輪で小さな事務所はいい香りに満たされています。

 

今朝のこと。「シャンテ・ロゼ・ミサト」の咲き始めの花。短く摘み取り事務所のPCの傍に飾りました。

 

バラは女性の身体やメンタルに良い影響を及ぼすと言われています。

以前のブログ「毎日解毒生活」という記事の中で、バラ一輪で女性ホルモンの分泌を高める方法をご紹介しました。女性らしさやモテ度(フェロモン)を高めたい方必見。以下その部分を抜粋します。

生理の2週間後の排卵日の時に、好みの色のバラを一輪買って寝室に飾ります。そして寝る前にそのバラをしばらく見つめたら電気を消して寝ます。以上!

え?たったそれだけ?それだけなんです。

寝る前にバラを見ると色や香りなどによって五感が刺激されて脳に伝わり、寝ている間の女性ホルモンの分泌が高まるそうです。飾ってしばらくしたら、花びらをちぎって塩をひとつかみ加えてバラ風呂にすると更によくて。不妊や更年期トラブルの改善にもバラは効果的なんだとか。ちなみにこの方法は男性ホルモン分泌の安定にも効果を発揮し、抜け毛や薄毛予防になるんだって。

バラってすごいですね~。夫婦の寝室に一輪いかがでしょう?

 

バラの香りについては他にもこんな記事を書いています→「ローズの精油で印象UP出来るという話

よろしければ参考になさってください。

 

小さな器ならではの楽しみ方。こうして近くに持ってきて時々香りをかいでいます。本当に素晴らしい香りで、お伝え出来ないのが残念。

 

強香種は花もちが悪く病気になりやすい傾向があります。

うちでも葵よりミサトの方が強香、でも花もちの良いのはだんぜん葵の方。それぞれに良いところがあるので色々育ててみたくなります。膨大な品種から選ぶのは至難の業ですが。

因みに私がなぜこの2種を選んで育てているかというと、身内に同じ名前のものがいるからです。姪っ子なのですが、いつもその子を思いつつ世話をしています。それに、葵は県内の育種家さんが「和ばら」として世に出されたものでもあります。

 

ところで、より香るタイミングなるものも存在します。

  • 咲き始め
  • 早朝
  • 薄曇りの日

この条件が合わさったとき、バラは一番香るそうです。

心行くまで堪能することができるのは、やはり自宅で育てているからこその特権と言えそうです。

 

 

端午の室礼-2020

庭の花菖蒲の葉と近くの畦に生えている蓬を摘んで、端午の節句に因んだ活け込みをしました。

今日は5月5日。奇数が重なる日で五節供のうちのひとつ、菖蒲の節供です。奇数(陽)の重なる日は、めでたい反面、陰に転じやすい・・・そこで、邪気を祓うために、旬の植物から生命力をもらうということで、それぞれの節供には植物が深く関わっているのですね。

人日は七草、上巳は桃、端午は菖蒲、七夕は笹、重陽は菊、というように。

 

今朝の玄関、端午の活けこみです。

 

庭の花菖蒲の葉と蓬、愛想付けにアマドコロを少し加えて。まぁそんなに凝るものではありません。サラリと活けたつもり。

 

本当言うと菖蒲と花菖蒲は別物なので、これで邪気は祓えてはいませんが、玄関に五月の風が吹き込んだかのような涼やかなアレンジになりました。これから夏にかけてはこのように青い葉だけの室礼が増えて参ります。

さて、本物の菖蒲はお風呂にでも入れましょうかね。

 

今日のおやつはやっぱりコレ!柏餅、蓬入りです。

 

年中行事で定期的に邪気を祓っているお蔭か(勝手にそのように思っているのだけれど)心身ともに健康であることに感謝です。

身体のことを見えない何かに頼りきることはあり得ませんが、心には薬もメスも入れられませんので、そういう意味で、禱りやお祓いは安まります。

ひとつ行事を終えるたびに心丈夫になっていくように感じます。