ディスプレイガーデンのニューフェイス

蒸し暑い日が続きます。いかがお過ごしでしょうか?

滋賀県では6月1日に県境超え移動自粛は一部解除され、19日にはいよいよ全国的に解除になりましたね。出不精な私も、徐々にですが、出掛けるようになりました。

今週は3か月ぶりに京都へ。電車に乗るのさえ3ヶ月ぶりです。こんな新鮮な気持ちで電車に乗るなんてと、自分でも驚いています。

不織布マスクは暑そうなので、布の機能性マスクをつけていたけれど、やっぱり蒸し暑くて苦しくて、現場にいるより疲れました。(3密とは無縁の現場では、ほぼマスクはしないので)

「やっぱりおうちがいいよ~」お籠り生活に慣れた軟な自分の心の声

これから本格的に暑くなるのに・・・先が思いやられます。

 

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さて、今日も蒸し暑さMaxではありますが。

ディスプレイガーデンでは、フウロ草の青紫の花が涼し気に咲いています。

今季のニューフェイスです。

 

フウロ草。花色もそうですが、茎が立ち上がり、揺れながら咲くのも涼し気。

 

ディスプレイガーデンは、実験の場でもあるので、毎年何かしら新しい植物を育てています。

自生植物でベースを作っているため、華やかとは言えないところもあります。そこを外来種の宿根草で補っているのですが、あくまでゲストであって、増やすつもりはありません。ゆえに時々入れ替えを楽しんでいます。

育てやすく、蔓延ることもなく、この風土にも合っていたら、お客様にもおススメできます。これからも色々な植物に挑戦、実験を続けます。

 

花は数日ですぐ散ってしまうけれど、次々と咲きます。

 

このフウロ草は昨年の11月に植えたもので「ブルーサンライズ」という品種です。

耐寒性宿根草で、青花と黄金葉のコントラストが素敵。花は初夏から秋まで繰り返し咲き、花期が長いとのこと。そうだと嬉しいけれど、どうかな?花には過剰に期待はしていません。でも半日陰でも割と咲いてくれています。

いつもブログで書いていますが、植物は花で選ぶのではなく、草姿で選ぶもの。そしてそれを植える場所の近くにある植物とのコーデも考慮するべきです。お互いを引き立てあうよう変化を付けるといいです。耐寒性はマスト条件。

フウロ草は低くこんもり茂ってくれますし、この品種は季節によっては葉色が少し変化する(春は黄色っぽく、夏になるにつれライム色になる)ので選びました。

ディスプレイガーデンで植えた場所は前庭。事務所のアプローチ階段のすぐ脇です。タイル貼りなので、エッジは効きすぎる程効いていますから、葉で覆ってくれると階段が庭に馴染んで見えます。

 

事務所のアプローチ階段をふんわり覆ってくれます。周りの細長いグラス類の葉とフォルムのコントラストをつけて植えています。

 

青い花は遠目で見ると色が沈んでほとんど見えませんが、ブルーサンライズは明度が高い青、ライム色の葉を背景に咲くところもいいです。

少し前まで、コーラルピンクに咲いていたアスチルベ「ビジョン・インフェルノ」の花房は、すっかり緑となって脇役と化し、今は、グラスの白い穂と葉、フウロ草の対比が見所となっています。

こんな感じの前庭は、道路に向かって解放していますので、お近くの方はいつでも見て頂けます^^

 

 

 

梅雨の間に植栽工事

一般的に木の移植適期と言われているのは、

常緑樹の場合は、萌芽前の4月か梅雨期。

落葉樹は、落葉期で萌芽前の3月下旬頃か、落葉後暖かさの残る11月頃。ですが、梅雨のころは新芽も定着していますし、植付け後にたっぷり雨にあたりますので、6月もおすすめしています。お客様にとっても、梅雨の間は、お水遣りの手間が少なく済みますから。

だいたい高さ2mまでの木なら、ご自分でも植えていただけると思いますので、是非挑戦してみてください!

 

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とはいえ、実際に植えるとなると、場所を整えたり、穴を掘ったり、土壌を改良したり、木を買ってきて運び込み、姿が良いように植付け、しっかり支柱もし・・・と、何かと大変です。特に穴を掘る作業は重労働ですし、残土の処理など思った以上に苦労するものです。

そこで私たち造園のプロの出番ですが、頼むのには予算が限られているしなぁと躊躇されるかもしれません。しかし、ご予算と理想をいかに擦り合わせ素敵な景色を作るか。それを考えるのも仕事の一つなので、一度ご相談いただければと思います。

例えば、必要な作業の一部をお客様ご自身で行っていただく、というのも予算削減に効果的です。どの作業なら出来そうか、そのやり方やコツ、道具のレンタル(無料です)なども含め色々とアドバイス出来ます。

 

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それで、今日ご紹介するのは、梅雨に入ってまもなく、つい先日ですが、植栽工事をさせていただいたお宅です。

リビングダイニングから、木のある緑の景色を眺めたいとのご希望でした。

伺ってみると、住宅街の中ということもあってか、隣家の外壁と室外機だけしか見えません。確かにこの部分だけちょっと無機質な感じがします。でも日当たりや風通しは良さそうです。

色々ご希望を伺いながら相談を重ね、お客様で出来る作業は、ご自身で行っていただくことになりました。

除草剤散布と防草シート設置の2つの作業です。

 

植樹する場所。(右)元々は芝生を張られていましたが、芝に雑草や苔がはびこり手入れにストレスを感じるように。(左)植栽する前に除草していただきました。除草剤を撒いてから3週間超経過した状態。しっかり枯れています。

 

次に何かを植える場所での除草作業は、予め地上に出ている部分を刈った後、表土ごと剥ぎ取ったりして出来るだけ根を残さないようにするのですが、お客様でそれをしていただくのは大変なので、ホームセンターで購入できる「ラウンドアップ」という除草剤をおすすめしました。

ラウンドアップはアミノ酸系除草剤で、葉から入って根まで枯らし、土に落ちても短期間で微生物により自然物に分解されるもので、散布後3週間からひと月ほど経過すると、植付けや種まきが出来るそうです。

 

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工事は枯草の処理からスタート。

梅雨の中休み日で、作業はサクサクと捗ります。

 

(右)土壌が粘土質なため植穴の底部を水はけよくするためにパーライトを沢山使って改良しました。(左)植穴周囲も改良剤を施し植付け完了。こういう作業もお客様に材料や意味を説明しながら行っています。

 

ではここで、植木を紹介しますね。

仕入れにはお客様も同行していただき一緒に選びました。

ディアガーデンでは仕入れによくお誘いするんですよ。実際にあれこれ見ていただきながら選ぶと、木に対して思い入れが違うと思いますし、何よりたくさんの木を一度に見るのは珍しいでしょう。そういう経験も工事の中に含まれているって楽しくないですか?

主木はアオダモです。高さ4m超えの2本立ち。畑で見たとき、樹冠の小梢がとてもいい感じで、木漏れ日がさぞ素敵だろうなという印象でした。なので、ふんわり広がるように支柱で細工しました。今は幹は2本ですが、数年後に根元近くから新しい幹(ひこばえ)が出てくると思います。

添えの木は鳥が来る木をご希望でしたので、実のなるオトコヨウゾメとムラサキシキブ、冬に蜜を吸いにくるよう侘助ツバキを植えました。小さな実なのでくちばしの小さな小鳥が来てくれると思うのですが、さていかに?!

侘助ツバキだけ常緑なのは、前のお宅のエコキュートを見えなくするためです。育つと結構隠してくれると思います。

宿根草は、私がいつも仕入れる種苗会社さんの苗の中からお客様セレクトで。自然な風合いの白と青の花が、そのうち見られるかと。

楽しみです。

 

高木と低木の植付けが完了。花壇全体に客土・堆肥を追加し改良します。見栄えは悪いのですが、木に水を遣りやすいように水鉢(根鉢の周りに土で土手を巡らせる方法)を作りました。

 

 

植栽完了です

 

(右)ビフォー。前のお宅の壁面や給湯設備や室外機などが見え、平面的で無機質な眺めでした。(左)アフター。清々しい緑の眺めが出来ました。空間が立体的になり、四季折々の木々変化や草花の手入れも楽しみな場所になりました。

 

建物の脇。特に何を植えるでもなく土で残されていたスペースです。(右)お客様で除草剤を撒いていただき枯らした状態。(左)お客様で防草シートを張られた後、砕石を敷きました。スッキリしましたね。雑草に悩むこともなくなりそう。

 

今回のお客様、奥様を癒してあげたいという旦那様のお気持ちが、静か~に伝わってきて・・・なんか素敵でした。

今頃お二人でどんなふうに新しい庭を眺められておられるのでしょうか?

想像すると心がほんわかします。ふふふ。

 

 

ナチュラルな植物にはナチュラルな支柱を

梅雨の前の貴重な晴れ間、日向では暑いくらいですが、木蔭に入るとひんやり。爽やかな風も感じられます。

ディアガーデンの庭では、いま、グラス達が思い思いにそよいで、とても気持ちよさそうです。

グラスとは、イネ科やカヤツリグサ科などの草のことを言い、その細長い葉や穂を鑑賞します。花とはまた一味違った魅力があり、ワイルドだったり逆に繊細な感じもして、庭に自然な雰囲気をもたらしてくれます。

 

今朝の前庭。そよそよ、ふわりふわり、とそれぞれに揺れるグラス達。

 

雨がかかるところでは放任で育ち肥料もいりません。

そんな丈夫なグラス達ですが、唯一手を掛けていることと言えば、倒れないように支えを作ること、くらいでしょうか。

大型のグラスだと要らないのですが、ディスプレイガーデンは狭いので繊細な小型か中型種しか植えられないし、日当たりも悪いから骨太には育たず、葉や茎の整理が必要なのです。

びっしりと植えているので、周囲の植物が支えになっている箇所もありますが、ほとんどは目立たないように小枝を使って支柱をしています。

 

こんな風に小枝を地面にクロスに刺して株を支えています。

 

小枝は植えているエゴやモミジなどの剪定枝を再利用したもの。プラスチック製品の支柱と違って、悪目立ちしないところが気に入ってます。

先端を斜めにカットして地面に刺しているだけなんですけれど、これで冬まで十分役目を果たしてくれます。

スッと立ってそよいでいる方が、やっぱりカッコイイ。

 

大型のグラスをこざっぱりさせる方法。

インスタグラムで見つけた、こんな技いかがでしょう↓ なんと葉っぱを編み込んでまとめています(^m^

 

大型のグラスにナイスアイデア!

 

髪が長かった頃、こんな風に編んでまとめていたっけ・・・と思い出しました。

 

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さて、6月に入って、我が家にもあべのマスクや給付金が届きました。

有難いです♡

自分や周りの安全のため、そして社会経済に貢献するために、大事に使わせていただこうと思います。

 

 

雑草対策はいまが肝心

春に向かうちょうど今頃に降る雨を、一般的に菜種梅雨といいますが「催花雨(さいかう)」という呼び方もあることをご存知でしょうか。書いて字の如く「花」を「催す(咲かせる)」「雨」という意味です。

植物は、開花や芽吹きに向けて、とても水を欲しがっている時期なので、一日中シトシトと降る催花雨はまさに恵の雨。私は部屋の中の鉢植えにも、催花雨を当ててあげます。朝からずっと夜通し降る、なんて日が理想的で、冷え込まないし、24時間、催花雨の下に放置します。葉っぱがピンピンになりますよ。

それって如雨露でやっても同じじゃないって思うでしょう?雨はただの水ではありません。地上の生きとし生けるもの全ての活動と成長を促す作用があると言われています(詳しくはコチラの回を参照されたし→「雨のポテンシャル」)。

雨上がりに庭に出ると、庭全体が生き生きして見えるのは、こういう訳なのです。

 

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さて催花雨上がりにやっておくべき庭仕事は雑草取りです。土が柔らかくなっているので簡単に抜けますし、春にやっておくのが肝心なのです!必ず夏に差が出ますゾ。

雑草取りにはこんなコツがあります。

  1. 鎌で刈るときは、地上部だけを刈るのでなく、土より3㎝下を意識して掻き取るように刈る。発芽するまでの期間が長くなり、雑草の量がグッと減ります。
  2. 根の浅い草は抜かずに土ごと掻きとる方が簡単です。数分で枯れます。
  3. 一・二年草(ナズナ、ハコベ、ヒメジョオンなど)は種ができる前に取り除く。
  4. 宿根草(タンポポ、ヨモギオオバコなど)は出来る限り根を残さず抜く。日が経つにつれ根が張り抜けなくなります。

しゃがんだ姿勢での作業は腰にきます。一気にやろうと思わないことです。そもそも人は植物の繁殖に勝てるわけがないのですから、完璧を目指さず程々に整えば良し!と思ってください。植えた植物の成長の妨げにならなければ、それで良いのです。根を詰めないで気楽にやりましょう。

 

職人さんの草取り用の道具を参考に見せてもらいました。オススメは右から2つ目と3つ目の道具。土ごと雑草を掻き均すので仕事が早い。右から4番目の小さな鎌は扱いやすく地面下3cmを狙いやすい。左から1番目2番目は根を引き抜く道具。

 

雑草は、手入れや水要らずで蔓延ってくれるので、鑑賞するほどでもないけれど緑が欲しい、なんて場所のグランドカバーとして利用しても良いと思います。闇雲に取ってしまうのは惜しいです。イヌフグリやシロツメグサ、ヨモギ、カタバミなどはそれに値するかと。

雑草という言い方が価値がないように感じてしまう一番の要因なんですよね。そんな偏見なしに、じっくり見ると素朴で実に愛らしい。

例えばナズナとか。私はアジサイの鉢でいつの間にか育っていた芽を抜かずにしばらく育てていました。そのうち種が出来そうになり、仕方なく抜いて、でも生き生きと可愛らしい花をたくさんつけているので捨てられず。花瓶に活けて事務所に飾ることにしました。

 

花も可愛いし、明るい黄緑の草も綺麗なら、真っ白な根も綺麗。しかもナズナは食べられます。七草粥にも入れる春の七草のひとつ。

 

通称ぺんぺん草。PCのそばに置いているので、目をあげるとこの子が。それで「可愛いね、可愛いねぇ」ってずっと言ってるの。

 

手入れする場所が広すぎる、または時間的身体的にどうにも無理という場合は、何かで覆ってしまうのがおすすめ。ディアガーデンにご相談ください。面積によって、また現行の下地の状態によって、㎡単価が変わりますのでお見積り致します。

安価な順で

  1. 防草シート+砂利
  2. 土舗装(ディアガーデンの施工例があります→コチラ
  3. レンガや石を敷き詰める

コンクリート舗装という選択もありますが、これは味気ないものですから、お庭にはあまりお勧めできません。透水性もなく環境面から考えても増やしたくない舗装です。駐車場なら・・・やむを得ずってところ。

 

とってもナチュラルな土舗装。コンクリートのように固まっているので雑草が生えません。

 

ガーデナー的な対策は・・・雑草が蔓延る隙間もない程、好きな植物を植えてしまうという!この方法がベストかもしれませんね。

うちのディスプレイガーデンがほぼそんな感じです。

 

ディスプレイガーデン前庭部分の昨年6月の様子。ギッチギチに茂ります。野草っぽいのもデザインの一部。好きで植えたものです。

 

3月末現在の上↑の画像の場所は、芽吹きが始まったばかり。スッカスカですから、今の内にちょこっとだけ生えている雑草の芽を処分しておきます。3ヶ月もするとここまで茂り、もしも雑草の残りがあったとしても、伸びていく空間がほとんどないので、全く目立たなくなります。

今年は若干植栽を変えていますので、また違った眺めになるはずです。楽しみだなぁ。

 

 

今津港の植栽工事

前回の続きで、今津港の植栽工事の模様です。

今回の現場は、琵琶湖を周航する観光船の停泊所(切符売り場や待合い等がある建物)なので、当たり前なんだけど、すぐ目の前がこんな景色↓

 

琵琶湖汽船の今津港桟橋を望む。植栽工事の日の朝は気持ち良く晴れ、琵琶湖もこんなに青い。いい眺め!

 

青い空、青い淡海、遠くの山々も青く霞んで・・・本当に心が洗われるような景色です。工事前にここで深呼吸。気持ちを整えてから入りました。

ついでにこの日の作業服コーデ撮ってみました(^^*↓

 

カーキ色+チョコ茶のちょい地味めな組み合わせ。UNIQLOのブロックテックパーカー(メンズ)に迷彩柄のスキニー。ブーツはいつものイルセ・ヤコブセン。ウエストポートに鋏やスコップ、ペン、スケール。

 

晴れているとはいえ、動いていないとかなり寒いから、ニット帽も被ってガッツリ防寒。スキニーの下にはヒートテックタイツも履いてます(^^;

 

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さて、植栽場所は建物のファサード部分で、奥行がなく幅がある花壇。

どう植えても横並びの平凡な眺めになりがち。高低差や植物のフォルムを上手く生かして変化を付けようと思いました。

高木は落葉樹で、根鉢の小さな上背のある単幹をいくつか寄せて。低木はおおむね常緑のもの、宿根草は風にそよぐグラス類を中心に揃えました。これらはほとんど地元に自生する植物たちです。

(種類や自生種にこだわるワケは前回のブログに書いたので端折ります)

 

3~5mのモミジとアオダモ数本、低木いろいろ。ポット苗も9種30株ほど植えます。

 

まずは花壇の土をしっかり改良。客土にパーライトや堆肥を混ぜ水はけ水持ちどちらも良くなるように。

 

湖北地域はかなり強い風が吹きつける土地柄なので、高木には支柱は必要です。しかし場所が狭いため、八ツ掛けは難しいし、悪目立ちもしますから、メインは地下支柱で。補助的に1本支柱を付けることとしました。

地下支柱は、専用の製品や金具がありますし、やり方も色々です。今回は画像のような↓金属製のベースマットに根鉢を固定するような製品を採用しました。高木を植える前に予め取り付けておきます。

 

地下支柱を装着しているところ。ベースに取り付けられた固定ネットに根鉢を設置し、四方からロープで固定。ベースの板の底には穴が開いていて根は下にも伸びて行けますからこのまま植えます。

 

シンメトリーで視線の抜けが特徴的な建築なので、植栽デザインもそれに合わせる感じで考えました。

建築家さんから中央扉のところは空けて植えて欲しいという要望があり、その部分を避けて両側に高木を伸びやかに配置しました。将来的に吹き抜けの天井付近のガラス窓越しに小梢が見えるといいな。

 

建築に合わせ、植栽もシンメトリーを意識しつつ。ウチソトからの視線を通すよう下枝の少ない木を選んでいます。

 

住宅のファサードでも、最低でもこれくらいのスペースは取れると思うので、応用できそうです。

緑があるのとないのとでは、住宅の見え方かなり違います。カッコよくなりますよね。

 

マルチングを施し最後にたっぷりと灌水&お掃除。隙間があるように見えますが休眠中のポット苗がしっかり植わっています。

 

次回は、完成の様子を動画をまじえて!ご紹介したいと思います。

 

 

クリスマスワークショップの予約受付、スタートしました!

もうすぐ12月。街はクリスマスムードに溢れていて、とても華やいだ気分になります。

クリスマスにはアドベントというものがあって、

アドベントとはイエス・キリストの降誕に備えて準備をする期間のことを言うそうですが、

その準備期間は12月24日までの4週間で、海外やクリスチャンのご家庭では、毎年11月30日に一番近い日曜日に始めることが多いそうです。

今年だと12月1日かな?

一気に飾るのではなく、毎日少しずつ増やしていくのが楽しいんですよね。

で、ディアガーデンでも、そんなクリスマスを盛り上げるイベントを今年も企画しました。ドア飾りを作る恒例のワークショップの告知を昨日UPしました。ご覧いただけましたでしょうか?フェイスブックやインスタグラム、ライン公式アカウントからもお送りしていますので、一部の方には「何回言うてくんねん?!」状態になっちゃってます。すみません(^^;

ナント今年で8回目になります。

 

 

日程など詳しい内容はコチラ→X’masスワッグづくり ワークショップ開催のご案内

今年もディアガーデンでお庭をつくっていただいたOB様はもちろん、ビジター様にも楽しんでいただきたく、材料をたくさんご用意しております。お茶やお菓子も、喜んでいただけるように心を込めて準備します。

皆様のご参加心よりお待ちしております。

 

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さて、今年のスワッグはいつもに比べてシンプルなグリーン1色のデザインです。

ガラスビーズを雫のように葉先に輝かせてみました。クリスマスらしいオーナメントもたくさんではなく、大き目の繊細なものをひとつだけ。さらっと大人っぽく、でも可愛い、そんなデザインにしてみました。

試作で色々作ってみましたが、植物の種類が多いと、ガラスビーズがまったく目立たないんです。

 

遠くから見ると大人っぽいシンプルなスワッグ。でもドアに立ってみると、キラキラがいっぱい。トキメキますよ~(^m^*

 

緑の枝は、ディアガーデンで育てているレイランド・ヒノキです。

今年の夏も暑かったので、葉が焼けないように水やり頑張りました!おかげですっごく生き生きとして香りもいいです。切りたての枝をたーくさん、思い存分使ってもらって、素敵なスワッグに仕立ててください。

 

さてさて、

イベントに向けて私も今週末から事務所の飾り付けを始めまーす。

 

 

モダンな筧

今日は4年前にお作りしたモダンな坪庭をちょいリニューアルしたお話です。

こちらのお庭は、ステンレスと自然石という異素材をマッチングさせた蹲踞(つくばい)が景色のポイントになっています。

ご存知の方も多いと思いますが、蹲踞とは、茶庭にあって、かがんで手を清める装置のことを言います。本式は役石と呼ばれる石を設置しますが、ここの場合は主に眺めるための場所なので省略しています。一滴の水が作り出す波紋が、どんどん外に広がっていく様子をデザインしました。広がるって縁起がいいことですしね~。

 

まずは直す前の画像を。4年前の蹲踞です。筧は竹製でした。

 

 

筧から出た水は、手水鉢に溜まり、ステンレスの輪を二つ重ねた海(水門)へと自然に流れ落ち、排水されるように作っています。

一般的な筧は竹製が多いです。天然素材なので数年で朽ちていきますから、時々新しくする必要があります。年度末や大事なお客様をお迎えする時など、折々に架けかえて、その清々しさを味わうのが粋というもの。竹自体、安価なものですからね。

このお客様も今まで何度か新しくされていましたが、どちらかでステンレスで出来た筧をご覧になり、こういうの作れないかしら?とご相談がありました。

ステンレスなら、こちらの蹲踞に間違いなく合うし、竹のように朽ちたりしないので、それもいいですね!とお請けすることにしました。

 

古くなった筧を解体。足元に設けた水栓からつないだホースを竹の中に通し水を流していました。

 

さっそく現場で実測、詳細な寸法を決めて・・・と、形はすぐに決まりましたが、ちゃんと使えるような構造を考えないと。

出来るだけシンプルな仕組みで、元々の給排水設備もやり変えることなく、設置自体も簡単で、かつ、何か不具合が起こった時いつでも取り換えられるような装置にしたいと思いました。それが一番きれいに安く作れるからです。

紆余曲折ありましたが、結局、もとの竹の筧とほぼ同じような仕組みで作ることにしました。

次に作って下さる方、ステンレス加工をして下さる鉄工所さんなんですが、最初お願いしようと思っていたところは合わず、次もダメで・・・と、探すのにちょっと苦労しました。

でも色々と尋ねまわっていると不思議と縁がつながるもので、意外に身近で、引き受けて下さる鉄工所さんに巡り合うことが出来ました。

良心的で、とても丁寧に作って下さって、しかも感覚的な話も通じる方で、有難かったです。腕のいい職人さんは、私にとって貴重な存在。出会いに感謝です。

 

鉄工所さんの作業場です。いろんな機械がいっぱいあってカッコいい。仕上げをマットにするか?ちょい磨きをかけるか?迷って試しに磨いてもらっている場面です。完全オーダーメイドなのでこういう細かなことを積み重ねていくの。楽しいよ~。

 

据えるのはそれ程手間でなく、重たくもないので、全て分かっているワタクシが設置しました。

手水鉢との距離をしっかり見極め、水平器を使ってとにかく垂直に!お客様にもその様子をお見せしたので、万が一水漏れがあっても見当はつけられ、何なら自ら補修も出来ちゃう。

やっぱりそういう手軽さは、シンプルな仕組みあってこそ、です。

色々な方に助けていただきながら、お陰様で、頭に思い描いた通りの景色を作ることが出来ました。筧がモダンになったので、蹲踞がまた一段とカッコ良くみえます。お客様にもお喜びいただけたようで良かったです。

 

設置完了。ほぼ計算通り~(^m^

 

プクチャーウィンドウからいい感じに見えてます♡周りに植えた黒竹やインテリアには竹よりもステンレスの筧の方があってますね~。

 

最後に、お玄関先に来春以降咲く山野草や苔を少し植えさせてもらい、その日の作業を終えました。

作庭後4年経ち、庭木や宿根草がこの場に馴染んで参りました。定期的に剪定をされているので、いい感じに保たれています。

ときどき様子見伺いやお打合せなどでお邪魔すると、奥様がいつも趣向をこらしたテーブルセッティングで美味しいお茶をご馳走してくださるの。花もあちこちに飾られていて、庭の植物を切ってきて活けることもあるそうです。南天やモミジの葉をお料理の盛り付けに添えたりと、庭のある暮らしを楽しまれている様子。

作り手として、このようなお話を聞くと嬉しくて、本当に有り難いなぁと思うのです。

 

おもてなしテーブル撮影させていただきました。本当に素敵。

 

庭は、どんな小さな庭であっても、オートクチュール・メゾン並みに、場に合わせて素材を選び形作っていきます。植物もその環境で育つであろう中から、大きさやいい枝振りのものを吟味して植えています。今回のように、世の中に売ってないものをイチから作ることも可能です。

ディアガーデンはそのようなものに、ある意味面白がって挑戦しているので、色々なご要望にもお応えすることが出来ると思います。

 

 

ナチュラルな真砂土舗装

いくつもある庭の舗装方法の中から、自然に見えてコストパフォーマンスにも優れた「真砂土舗装」をご紹介します。土系舗装とも言います。

真砂土(まさつち・まさど)とは砂土状の土のこと。透水性に優れつつ、ある程度保水もしてくれる土で、関西では庭づくりの際、客土として使います。このような砂質系の土に、セメント系、石灰系、樹脂系、アスファルト系などの固化材を混合し、敷き均し、締め固めたものが土系舗装です。

景観性に大変優れた舗装で、コンクリートのように固まっているけれど、見た目は土本来の風合いそのまま。庭に施工してもよく馴染みますのでおすすめします。

 

 

特徴をざっと書きますと、メリット的な面では、

  1. 足当たりが柔らかいため、子供さんやご高齢の方にとっても歩き易い。よく歩道や園路などに多く使用されています。
  2. 透水性や保水性を有していることから、夏場の路面温度の上昇を抑制し、ヒートアイランド現象の対策としても注目をされています。
  3. 雨が降っても吸収する為、樹木の周りを舗装しても、普通の土と同様に水を吸収することが出来ます。
  4. 水はけがいいのでぬかるんだりしません。
  5. 堅くしまっているので雑草の種の発芽を防ぎ防草対策になります。
  6. 見た目は自然感のある土であるため、庭と調和がしやすく景観性が高い。
  7. コンクリートや石・レンガ等敷きに比べ、施工性に優れている。

一方、デメリットとしては、

  1. 車が走行する部分には使えない。(製品には「駐車場や公園庭園の管理車両が通る舗装など、低速に車両が乗って頂く分には強度的には問題ない」と書かれていますが、私はあまりお勧めしません)
  2. 製品や場所によって、数日の養生期間が必要になる場合があります。個人庭などで出入りがほとんどない場合は一日程度です。
  3. 工場で緻密に配合されたプレミックス製品。工場から現地までの運賃が高いので施工者は要注意です。
  4. 施工者の知識不足・技術不足によりムラや水たまりが出来ることがある。広い場所では素人工事は難しいかも。

 

ここまでで、真砂土舗装がどんなものなのか、大体お分かりいただけたかと。

ディアガーデンでは、これまで店舗の庭で何度かご採用いただきました。今週、個人のお庭で雑草対策として、施工しましたので改めてご紹介しようと思います。

以下、施工中の画像です。

 

真砂土舗装をする前に路盤を作ります。ここでしっかり転圧して固めておく。水勾配にそって墨付けを行ったあと、配合された真砂土舗装用の製品を敷きならします。厚みを均一にするためにも路盤づくりは重要。

 

画像で見ても分かるように、配合された製品は、ちっちゃい砂利まじりの砂で、サラサラしていて白っぽい。

ザーッと撒いて、左官ゴテでならしていくだけです。生コンクリートのように表面仕上げをしなくていいし、乾いた状態では何度でも直せるので、気分的にラクですね~。

素人では難しいかもと思うのは、水勾配をどうとるか?です。透水性のある舗装ですが、勾配をつけていないと、大雨の時などは表面排水が滞る場所が出来るかもしれません。見た目にも違和感なく、かつ水がちゃんとはけるようにしたいものです。

このお宅の花壇の縁石や飛石(既存のもの)も、真砂土舗装の仕上げ高さを考慮して据えたもの。リフォームの場合は特に、構造物の基礎とか電気や排水管等がどう埋まっているか計画段階では分からないことが多いので、その場その場で臨機応変に上手く納めていくことはプロならではと思います。

 

真砂土舗装を敷き均したあと、転圧し、散水します。転圧方法は製品や場所によって異なりますが、ここでは狭いためコテ押さえしました。表面に水が浮くほど散水するのが重要。

 

完成。渇くと白っぽくなります。画像手前から奥に向かって水が流れるような勾配。

 

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では、最後にこちらのお庭の全容を。

お客様のライフスタイルやライフステージの変化に合わせ、お庭で好きな植物だけを楽しめるように、雑草対策に重点を置いて改修したお庭です。前庭というか、お玄関先なので、フォーマルであまり手入れをせずとも整うようデザインしました。

Before&Afterをご覧ください。

 

 

 

 

 

花壇に玉竜のグランドカバーをしたり、化粧砂利を真砂土舗装に変更して、地面がスッキリしたせいか、施工前に比べてかなり広くなったように感じます。

お客様とご相談し、和の雰囲気を強めた落ち着いた庭になりました。灯籠や景石は元々別の場所で埋もれていたのを据え直したもの。

ほとんどの木をそのまま生かしていますが、一部追加も。和の庭に合わせ日本の自生植物を主に植えました。でも例えば庭セキショウの中でも、イングリッシュガーデンにも見られる大型の品種シシリンチューム「ストリアタム」や、自分でも実際育ててみて良かったティアレラなどを植えて、ディアガーデンらしい捻りを加えています。

 

ディスプレイガーデンで育てているティアレラ。日陰でも咲くので重宝します。和洋どちらにも合います。

 

秋に植えると来シーズンまでにしっかり根も張っているだろうし、きっと見応えのある春になることでしょう。

 

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真砂土舗装は「土」の質感そのままなので、このような和の雰囲気にも合いますし、もちろん洋の雰囲気にも合います。雑木を植えた自然風のお庭などにもピッタリ。

雑草にお困りの方、是非ご検討ください。

 

 

坪庭作庭物語3-竹細工と照明

京都市山科区にあるパスタ&甘味「ゆる音家」さんでの作庭記を3回に分けて書いています。

先週9日から改修工事に着手、13日に無事お引渡しが済みました。しかし、まぁ。あの時の暑さったら!今週の涼しさからは想像できない猛暑日続きでした。たった1週間しか違わないのに、体感温度が違い過ぎて、随分と時間が経ったような気がします。

 

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さて、今日は最終回。竹細工と照明について、です。

初めに竹細工を。竹製品と書くべきか迷ったけれど、手仕事なのでやはり細工かなと思いまして。

このお庭用に、ディアガーデンの近くにある老舗竹材店「(有)竹松」さんにオーダーして、簾と縁先手水鉢用の柄杓セットを作っていただきました。自社で竹林を育て、伐採から製品製造、販売、現場施工まで一貫したサービスを提供されている今となっては稀有な会社様です。私のお願いする仕事は専ら小さなものばかり、でもニコニコと請けてピシーッと仕上げて下さるの。ホント頼りになる存在です。

簾は町家では必須アイテムと申しましょうか。夏の間だけでなく、プライバシーを保ったり建築の装飾として年中吊るされる場合もあります。ゆる音やさんは常設でとのご希望で、竹松さんに相談しましたら、蒲で織った「蒲芯」の簾を薦めてくださいました。

まずは、Before & After の画像を。

比べると見え方が一変したように感じますが、如何でしょう。

 

改修前の様子。客席に西日が入って眩しいということで簾を吊り下げておられました。古くなっていたので取り換えを提案しました。

 

改修後。室内から見る。新しく蒲芯の簾を吊ったところです。シャープですっきりとしたラインのお陰で、庭がより端正な雰囲気に見えます。

 

蒲芯の簾は、よくある葭の簾とは違って、空洞はなく中まで繊維が詰まっています。ゆえにとても丈夫で遮光性や断熱性に優れています。節がないので見た目にスッキリとしていますし、色も柔らかなベージュで品がいい。ぺらんとした感じではないので常設でも違和感はないです。

ただ、中が空洞ではないので、湿気には弱くカビが生えやすいというデメリットもあります。梅雨や台風などの時は巻いておくといいでしょう。

 

簾を場に合うようオーダーメイド。色目が柔らかいです。

 

日除けの役目を果たせるように、室内から確認しつつ何度も修正しながら吊りました。ジャストな位置はここ!

 

軒下には、垂木に竹竿を掛けられるようなものが既に打ち付けてありましたが、そこにそのまま吊ったのでは、上手く機能しないのです。

せっかくオーダーメイドで作ったのに、ちょっとした違いで眩しかったら悔しいじゃありませんか。なので、ちょうど西日が照り付ける時間帯に客席に座ってみて、もろもろ微調整しながら吊りました。

 

縁先手水鉢に作ってもらった手酌を置きました。ピッタリです。実際に使う訳ではないけれど、あった方が雰囲気出るよね~。

 

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次は照明について。

こちらのお店「ゆる音家」さん、営業時間は夜9時までです。お庭は元々、投光器を上手く利用してライトアップされていましたが、折角の改修工事のタイミングです。新たにライティング計画もご提案しました。

考えましたのは灯籠の存在。2基あるのですが、その火袋に灯さずしてどこに灯すんねん!ってね。前々から、いろんなお庭で火袋に灯さずに灯籠全体に照明を当てているのを見て、絶対おかしいと思っていたの。だって照明器具に照明を当てているんですもの、変ですよね。それで、灯籠を主役にするライティング計画を立てました。

ところが実際探してみると、火袋に入れられる照明器具はなかなか見つかりません。唯一手に入りそうだったのがタカショーさんの製品。それが低電圧12Vの商品だったので、他の照明もそれで統一することにしました。

火袋に入る小さな照明は、見えても一向に構わないデザインではありますが、やはり窓にシェードをかけた方がより雰囲気が良くなると思い作ることにしました。それで、当然職人さんにやってもらえるもんだと思っていると「それはマブチさんの仕事やろ」とあっさりと蹴られてしまいました。軽作業だからそれ位やりなって感じで。(´;ω;`)ウゥ・・・

「仕方がない。いっちょ頑張るか」と、材料を揃え持っていきました。枠の4隅の精度が自分では出せなかったので、お店の内装工事に来られていた大工さんに頼んで、木をスパッと切ってもらい(忙しいところ無理くり。優しい方で嫌な顔せずやって下さった。有難うございます)あとはちょこちょこ削って、何とか出来ました。

 

木枠を寸法通り作ったのはいいけれど、灯籠はそもそも石なので地が結構ボコボコ。合わせるために掘っているところ。

 

半透明のポリプロピレンを切ってタッカーで留めたら出来上がり。

 

火袋の窓に押し込こむ。上手くはまってくれた。格子も作れたら良かったけれどそこまで根気がなく。でも照明も点いたらいい感じ~。

 

トランスです。既存の外部コンセントが庭の近くにあり上手く設置できました。このトランスは照度センサー内臓なので、点灯や消灯の調整が出来る優れものです。

 

ライティングも微調整が必要です。日が暮れるのを待って照明の角度チェックをしました。

いかに照らすか、よりも、いかに美しい明暗を作るか?いかに綺麗な影を作るか?が意外と大事です。とはいえ、灯籠の場合、暗い所で灯るとちょっと怖い感じがするので、特にこちらのお店の大多数の客層である若い女性にはそう感じる気がして、ベースライトを明るめにしました。そして影は部分的に作って奥行も出したつもり。

下の画像は、まだ調整の途中に撮ったものですが、灯籠の灯りってこんな感じです。

 

灯籠が本来の役割を果たしています。LEDですが電球光でしかも時々揺れるよう作られているので蝋燭っぽいです。その他に全体をふんわり照らすためのベースライトを2基仕込んでいます。

 

3回にわたってお送りしました作庭物語。物語なだけに、結構ボリューミーな内容になってしまいました。こんなに長くて、まともに読んでくれている方はいるんだろうか???画像を見ていただくだけでも嬉しいです。

庭作りの裏側、こんなことを考えて作りましたって、お客様にも1から10までお話しないのですが。大体いつもこのような感じで、パートナーの造園屋さんはじめ、色々な方々のお力を借りて、私なりに思い入れたっぷりに作っています。

お庭が出来てからも、まずはメンテナンスの方法や照明器具の扱い方をお教えしたり。何か困ったことが起こりましたら駆けつける、ご相談に乗る、管理を丸ごと請け負うとか、親しくお付き合いが始まります。

庭は作庭4分守り6分といいます。要は今、私達はベースを整えたに過ぎません。これからが本当の庭作りなんです。

 

次回はブログではなく、Works(施工例)で、ブログ掲載した画像以外の、選りすぐりの画像をまとめて、お見せしようと思います。UP出来ましたらお知らせします。どうか引き続きご覧くださいませ。

 

 

坪庭作庭物語2-植栽

京都市山科区にある「ゆる音家」さんでの作庭記を3回に分けて書いています。先週9日から改修工事に着手、13日に無事お引渡しが済みました。

今日は2回目、植栽工事について。

まずは改修前の様子を↓

 

左奥がモチノキ、右奥にツバキ、右手前がシダレモミジ、そこここに実生の木々が育っています。

 

高い木塀に囲まれた幅2.7m奥行4m程の坪庭です。

元々植えられてあったのと思われるのはシダレモミジとツバキで、モチノキやナンテン他低木は実生かな?と想像され、どれも勢いよく育っていました。これまではオーナー様が剪定されていたそうで、どう整えたら良いのか判断がつかない場面もあったことでしょう。バランスと今後のお手入れのことも考慮して、モチノキとシダレモミジは残し、その他は思い切って伐採することをご提案しました。

木を処分するという行為は辛く、なかなかご自分では出来ません。私も木に対しては気の毒に思いますが、庭を良くするために決断を促すのも仕事です。その代わりといっては何ですが、切るときは前もって木と話をし、心を込めてお清めをさせていただいております。

 

さて、その残したモチノキのことですが。樹勢が強くなかなかの強者です。

伸び放題だったので、思い切って切り詰めさらに枝を透かしてもらいます。これだけで見違える程良くなりました。次に石組みをやり替えるために根元を囲んでいた石をはずすと、太い根がしっかりと地面をつかんでいました。樹勢が強いのはこの根張りのせいでは?と職人さんがおっしゃるくらい立派な根です。そこで、いくつかの根は切るとしても、太い根は思い切って見せるよう納めることにしました。

根の周りに苔を貼り、石を根が抱きこんだように据えてみると、まるで山に生えているような自然な感じになりました。この部分、物凄く気に入っています。

実生の木、切っても切っても生い茂る、持て余していた木が、どうでしょう?!堂々とした幹と根を魅せて、まさに主役に躍り出た感じ。私までもが何故か誇らしい気分です。

 

生命力溢れる根を見せることにしました。

 

横にかなり伸びていた根はどちらにせよ切れないし、石はそれに沿わせるようにしか据えられない。そのせいで延段が短くなってしまったけれど、これで良かったかなと。あるがままを生かすのもデザインです。

 

実は設計の段階で、モチノキの周りには石を据えないつもりだったのですが、根を表しで作ることまでは考えもしませんでした。

作りながら、あーでもないこーでもないと職人さんと話をして、状況にあわせてデザインを変えていく方が結果的に良くなることが多いです。だってそれがその庭の個性になるから。勿論お客様とお約束した所は勝手に変えられませんが。

それにその方が作り手も面白いと思うの。頭の中で考えただけの図面通りに作ったってしようがないんです。

そうして楽しんで笑いながら作った庭はいいオーラが出る気がするの。本当に。気持ちが植物にも伝わるからかな?

 

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さて、その他の植え込み。

坪庭はもともと茶道の露地の体裁を取り入れて作られましたが、広さが限られているので、露地が求める「市中の山居」といった風情に仕上げるのは難しいことです。でも出来るだけ自然に見えるように心掛け植物を配しました。

景石や飛び石・灯籠の傍に、まるで種が落ちて芽吹いたかのように、そしてそれらが自然に増えたかように植えていきます。石はそれだけでは厳しめに見えてしまいますが、植物が添うとなんと穏やかに見えることでしょう。

 

石に添わせるよう配置。ジャノヒゲはその線の美しさを見せたく細かく株分けして植付け。艶のある葉を持つヤブコウジ、ともに常緑です。

 

左のシモツケは落葉低木ですが合うと思ったので植えました。ヤブコウジはあちこちに。冬に赤い実を付けます。

 

露地の植物はモミジ以外は常緑植物を主として用います。派手な花、香りの強いものは用いないなど、いくつかセオリーがありますが、町家の場合はそこまでこだわらなくても良いかと思います。

こちらで元々育っていたハラン、ベニシダは移植。そして伐根したツバキの名残りとしてコンパクトに育つカンツバキを入れました。今まで赤い花を楽しんでおられたそうなので。無くなるとやっぱり寂しいものですものね。

これからは、より愛でやすいところで咲いてくれます。

 

雪見灯篭はここではちょっと異質な存在なので、シダレモモジで覆って主張しすぎないように。そして足元にカンツバキ。石とのバランスを見ながら緑を足していくと、庭に生気が満ちてきます。

 

仕上げにハイゴケを全体に貼りました。

ハイゴケはスギゴケやスナゴケよりも育てやすく、乾燥しても直ちに枯れることはありません。密なマット状になると雑草が生えにくくなります。

苔には植物の根にあたるものがなく仮根というもので石や土にへばりついています。植付け時はそれがないので目土を被せます。重しになり苔を動きにくくすると共に、乾燥から守るのです。

ですので、仕上がったばかりは、苔よりも目土の方が目立ってしまうのは仕方がないことです。数か月水を切らさないように育てると次第に青々としてきます。

 

ハイゴケを貼っていただいているところ。手前は既に目土が被せてあります。

微風が揺らす葉擦れの音、木漏れ日の光が苔の上で揺らぐ様、ほの暗く清浄感ある風情・・・。

そんな庭が、美味しい食事のひとときを、更に印象深くしてくれることを願います。

 

 

 

次回は、竹細工と照明について書きます。

庭の雰囲気を盛り上げる演出。最後まで手抜かりはありません。とても楽しくやらせていただきました。