夏を振り返って。水遣り作業を再考

空気がカラッと澄んで秋の気配が漂ってまいりました。

大好きなシーズン到来です。よく眠れるし、庭に出ても汗をかかなくなって嬉しい限りです。

この夏を振り返ると、梅雨入りは統計史上最も早く、梅雨明け後は全く雨が降らず猛暑続きでした。8月になると一転大雨続きで・・・何だかね、いちいち極端で疲れました。

今夏は猛暑のなか植栽工事をしたので、体力を随分消耗しました。そして自分の庭(ディスプレイガーデンと呼んでいます)の水遣りがだいぶ疎かになってしまいました。

それでも枯れることはありません。乾燥に強い植物や自生植物をメインに植えており、10年以上ここで育ちしっかりと根を張っている植物が多いからです。節水を念頭に植栽デザインを改良し続けているので、年間を通して水遣りの頻度は少なくて済んでいます。

ただ、真夏は出来れば日に一度は水遣りをした方が生き生きとしますし、葉焼け予防に葉水も遣りたいところ。展示用の庭なので、枯れなきゃいいではダメで、見て頂けるレベルを目指しています。そこで、今更なんですが、水遣りのサポートをしてくれる自動散水システムを試してみることにしました。

導入するキッカケは、この夏、法人のお客様の庭で自動散水システムを初めて設置してみて「意外に簡単。小さなお庭仕様もあることだし、これは使えるゾ!」と思ったこと。

それまで存在はもちろん知っていましたが、実際に工事をして、自分でも設置出来る手軽さと効果を感じました。

これが助けになる方がいらっしゃるかも。そんな方に実物を見て頂けるようにとも思いまして導入することにしました。

自動散水システムの詳細は別途記事にしましたのでコチラをご覧ください→「小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

 

ディアガーデンの庭に設置した自動散水システムです。

 

私の場合、水遣りを必要とする時期と仕事の繁忙期が重なるので、ちょっとでも時間を節約出来るなら機械に頼りたいという思いもあります。

コロナ禍では家を空けることが少なくて済んでいますが、通常なら出張や旅行・帰省等で何日も家を空けることも多く、その都度ハラハラしていたので、機械が水を遣ってくれたらやっぱり気持ち的にラクです。

ディスプレイガーデンは、先にも書きましたように植栽を工夫していますので、水遣りの頻度はかなり少なめに抑えられています。それでも真夏はこまめに遣る方が綺麗に育ってくれますし、花殻摘みや草取り、葉水など必要な作業も他にありますから、水遣りだけでも機械がしてくれたらやっぱり助かるのは間違いありません。

あと日焼け予防もあるかなぁ。自動散水システムはタイマーを設定すれば文字通り自動的にやってくれます。手動操作をしたい場合もスマホを使って部屋の中から操作できるので、外に出る必要がないのです。これは女性にとっては嬉しいことです。水遣り時の日焼けを気にして、UVクリームを塗ったり長袖の上着を着て帽子を被って・・・などなど色々気を使っている方も多いと思います。

植物のため、お庭のための自動散水システムですが、人にとっても「水を遣らねば!」というストレスから解放され、気持ち的にラクになる点がいいです。

自動散水システムってどういうもの?操作方法は?などなど詳しくは記事をチェックしてみてください →「小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

 

 

 

小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

日々の水遣りをサポートしてくれる強い味方(株)グローベン製の自動散水システムをご紹介します。

植物に自動で散水できるこのシステムは、用途に合わせて各種機器を組み合わせ、コントローラーにて時間・回数・規模・散水パターンなど設定し、あらゆるシチュエーションに応じた水遣りを自動的に行うものです。

コントローラーなしで蛇口に直接穴の開いたホーズを接続して散水する「手動タイプ」もございますが、蛇口の開閉を忘れがちです。節水のために、また余計な手間を省くためにも「自動タイプ」の方をおススメします。

こんな方におすすめ

  • 庭を新しく作られた方
  • 忙しくてタイミングよく水遣りが出来ない方
  • 水遣りにストレスを感じておられる方
  • 水遣りの加減が分からない方
  • 水遣りが必要な箇所がいくつもあり、手間や時間がかかってお困りの方
  • 日焼けを避けたい方
  • 手間を掛けずに植物を育てたい方
  • 旅行や出張などで家を空けることが多い方  などなど。

一般的に自動散水システムというと商業施設や工場の植え込みに設置されている機器を想像してしまいますが、小さなお庭用の簡易タイプもございます。それが(株)グローベン製の水栓用コントローラー「スマプロBT」です。

いまある水栓にお客様ご自身で簡単に取り付けられ、すぐ使っていただけるのが、この商品の魅力のひとつです。

 

一般のご家庭でも簡単に設置していただけるタイプの自動散水システム(株)グローベン製水栓用コントローラー「スマプロBT」です。

 

「スマプロBT」の特徴

  • スマホに専用アプリをインストールして制御

スマホがリモコンに早変わり。シンプルで見やすい画面でどなたでも簡単に操作いただけます。

Bluetooth接続で10m以内は遠隔操作可能。家の中に居ながらにして操作が出来ちゃう優れものです!

  • 電源は乾電池で簡単接続

電気工事は不要です。9Vアルカリ電池(別売)を使用します。

  • 設置は立水栓で簡単施工

既存の蛇口に簡単に取り付けられられる小さなコントローラーです。本体に操作ボタンがないのでいたずらによる誤操作を防げます。

 

この度、ディアガーデンのディスプレイガーデンに、この自動散水システムを見本として設置しました。

ご興味のある方、設置してみたいという方は実際にご覧いただけます。製品について、設置方法についても詳しくお聞きになりたい方もお気軽にお問合せください。ご注文の前にまずは見積もり依頼をどうぞ。

※製品についてのお問い合わせ、見学のご予約、見積依頼はコチラ→ Contact

 

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ここからは、ディスプレイガーデンに設置した様子をご覧いただきます。

どのようなパーツがあってどのように取り付けていくのか、アプリの画面や散水する様子など、順にご紹介していきますね。

①商品のお届け

宅配便にてお届けします。

縦横約1m弱×高さ20cmくらいの大きめの段ボールに色々なパーツが入っています。

 

基本セットはこんな感じ。制御本体(中央)にドリップチューブ、各種部品(ジョイント部材、チューブホルダー等)

 

設置は難しそう・・・と思われるかもしれませんが、ワタクシ、馬渕(女性)でも一人で出来ました。特別な技術は必要ありません。恐らく大人ならどなたでも設置できるのではないかと思います。

道枝切り鋏や大き目のカッター、プラスドライバーをご用意くださればすぐ作業にかかれます。

 

②コントローラーの取付け

設置方法は単純です。

蛇口に制御本体を直接取り付けるだけ、以上です。

冬場凍結する場合は原則取り外していただきたいのですが、念のため的な凍結防止アダプター仕様のコントローラーもあります。タイマー設定中に雨が降った場合感知するレインセンサーも取付可能です。場所に応じてコントローラーを固定するための金具やアルミ支柱などもオプションで選べます。

 

コントローラーは蛇口に取り付けます。メタルアダプター(プラスねじがついている部品)が標準でついていますので新たに買う必要はありません。

 

③コントローラーにドリップチューブを接続し、花壇に延長していく。

ドリップチューブは直径16mmでこのように等間隔に穴が開いていて、水が垂れる仕組み。穴の間隔は150mmピッチ、300mmピッチ、500mmピッチと3種類あります。ディスプレイガーデンは300mmにしました。

 

チューブのジョイント部材は4種類ありますので、花壇の形に合わせてどのようにでも延長できます。チューブは黒いので植物が茂ると分かりにくくなります。

 

ホースとジョイント部材の接続は簡単。ホースを適当なところで切って継手部分に差し込み、抜けないようにカバーを回し込みます。ホースを差し込む際、非力な女性は少々疲れるかもしれません。ゴム製の手袋を装着してやると力が入ります。冬場はホースが固くなるので同じ様にちょっと力がいるかも。

 

自動散水装置の設置完了したところ

 

標準的な散水にはドリップチューブで足りるかと思いますが、植物や植え方によって先端パーツが色々と用意されています。

例えば苔や芝用にジェットスプレーやミストスプレー、ハンギング専用ミストキット、水を遣るときだけ地表に出てくるポップアップスプリンクラーなど、用途に合わせてお選びいただけます。これらは穴のあいていないポリチューブに接続します。

 

④専用アプリ(無料)をインストール

 

専用アプリをお手持ちのスマートホンにインストールして操作します。スマホがリモコンになるってこと。画面はこのようにシンプルです。操作も直感で出来ます。

 

アプリをインストールして、コントローラーに電池を入れると、アプリが本体を自動検出しますので、Bluetooth設定もスムーズです。

コントローラーを複数制御する場合でも個別に管理できます。

タイマー設定しておけば特に何もすることはありませんが、手動操作でイレギュラーに遣ることも可能です。

 

散水中。ドリップチューブからポタポタと水が滴り落ちているのが分かると思います。(矢印の部分)

 

余談ですが、手動操作で便利だなと思ったことをひとつ。

私は来客があるときは、門履きをし水を打ってお迎えするようにしています。でも夏場は特に何ですが、すぐに乾いてしまい、来訪時間とタイミングを合わせて水を打つことはなかなか難しいものでした。

それが、自動散水システムのお陰で、事務所からクリックひとつで水打ちが出来るようになりまして、気持ちに余裕が出来ました。(下の画像↓が打ち水を兼ねた散水の様子)

 

スプレーノズルを取り付けた前庭の様子。苔の部分にミストスプレーノズルをセットしていて、散水が開始されると霧状に撒かれます。(ホースは分かりやすいように見せていますが後に隠します)来客の際は打ち水としても作動させています。

 

⑤コスト

  • 散水機器材費例

ドリップチューブ式散水約30mの場合:合計46,700円(定価)

コントローラー スマプロBT(メタルアダプター仕様)×1 25,500円

16mmドリップチューブ300mmピッチ(30m巻)×1 13,800円

16mmチューブホルダー(10個入)×3 3,000円

16mmクイックエルボ(1個入)×4 2,200円

16mmクイックエンド(1個入)×4 2,200円

※エルボやエンドの個数は参考数です。花壇の形によって変わります。

※消費税、送料別途。

  • ランニングコスト

電気代:9Vアルカリ乾電池1個分

水道代:16mmドリップチューブ300mmピッチ×50mの場合 30分当たりの水量83.4L 約1円(※メーカー調べ 基本料金別途)

 

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では最後に、ご購入をお考えの方へ

製品についてのご質問、見学のご予約、見積依頼は下記のフォームをご利用下さい。

コチラからもどうぞ→ Contact

 

 

 

店舗の造園工事ー地下のお話

目下、取り組んでおります造園工事は、とある店舗さんの改築工事に伴い、玄関周りや駐車場の景観を作るもの。

遅れている建築工事とオープン予定日の狭間でヒーヒー言いながら工程調整をしつつ、出来るところから仕事を進めています。

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個人邸でも商業施設でも言えることですが、造園工事って結局最後の最後なので、いつ着工させてもらえるかは建築工事の進捗次第。

その建築工事って、何故だか大抵遅れるので、コチラの都合通り進まないのはいつものこと。覚悟はしていましたが、今回は道路の拡張工事も絡んでいて、案の上というか、そちらも遅れるでしょ。しかも梅雨末期で大雨だし雷はなるしで諸工事は更に遅れてしまう。

・・・悲惨です。

私や造園工事会社様は、当初の予定に合わせて、材料を手配し人を集めて準備万端なんですが、仕事をさせてもらえない。

「もぅ~~~。知らんで~。間に合わへんで~」

・・・と、頭を抱えたこと、ブチ切れたこと、数知れず。はぁ。

造園関係者なら日常茶飯事的な。いわゆる「造園あるある」みたいな話でした。

 

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さて。

植栽現場は別会社の駐車場だった場所です。

アスファルトをめくると、砕石層の下にセメント改良層がありました。これは駐車場路盤の安定のためには必要な処理です。でも植栽するには当然不向きなんですね。このまま植えては水は浸透しませんので根腐れする可能性があります。

関係個所を大きく掘り取ってもらうことにし、ついでに土壌検査をしました。

長く不毛であった土地、これからどのように土壌改良をすればよいかの目安になります。

店舗の内装と同じくらい植栽にも心血を注がれているお客様ですので、造園工事にも並々ならぬご関心を持たれています。これから埋もれて見えなくなる部分の情報を共用して、納得して前に進めたい、そんな気持ちもありました。

土壌検査は細かくは色々あるのですが、今回は要の3項目です。

  1. 透水試験:排水不良による根腐れ防止のため
  2. 土壌硬度試験:地盤の硬さによる生育不良を防止するため
  3. ph検査:土壌の酸性度を把握し生育に影響のない状態にするため

 

透水性を調べる検査。直径15cm深さ20~30cm程(樹種によって変わりますが今回は元々深く掘れているので30cm程)に何回か水を注ぎ、水が浸み込む時間を測ります。

 

土壌の硬さを調べる検査。硬度計なる測定器具をゆっくりと土に挿して抵抗値を見ます。

 

ph測定器を地面に挿して測定します。デジタルは簡単ですね。造園樹木ではph4.5~8.0の間であれば問題なし。草花や野菜などは個別な値があります。

 

3項目を測定し、植栽土壌としていずれも問題ありませんでした。試験結果をレポートにまとめて、このまま使えそうな土壌ですよと報告。

適量埋め戻して、追加する土(客土)には改良を施しまして、植え付けることになりました。

今回は専用機材を使用しましたが、透水試験にはただ穴を掘って水を流し状態を見てもいいですし、硬度計やph測定器はインターネット等で安価に手に入りますので、個人様でも測定できると思います。気になる方は測ってみて改良のヒントにしてみてください。

 

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今回は地下に埋もれて見えない部分にもうひと技、施しています。

地下支柱です。

3mを超える木を植えた場合、根付きやすくするために支柱を施します。

支柱はとても大切。

支柱をせず木が揺さぶられると、折角伸びた新しい根が切られてしまうことになりかねません。運が悪いと台風や嵐などの強風にあおられ倒れてしまうかも。最近の台風の威力はハンパないですから。

強い風に当たらない場所なら、自力で根を張る方がいいので、支柱は要らないかもしれません。そうでなければ普通は支柱をすることをおすすめしています。

大抵、竹や丸杭などを用いて固定することが多く、何だったら木より目立ってしまうことも。取り付けた支柱が腐る頃には根付いてるので、それまでは付けっぱなしにしていただいています。ですので3年以上は支柱がある状態です。

大事なことは分かるんだけど、見た目がイマイチ。不自然なんですよね。

今回は店舗なので、見た目も非常に大事です。そのお店を訪れるお客様に、非日常的な特別な雰囲気を提供したいとお考えなのに、支柱ばかりが目立ってしまってはナンセンスです。そこで見えない支柱「地下支柱」をとリクエストされました。

 

根の大きさに合わせた地下支柱の機材。四方から根を挟んで特殊なテープで強固に固定します。そして埋め戻すと、木自体の重さと土の重さも加わり、もうびくともしません。

 

3m以上の高木がたっくさんあるので、全部に地下支柱をするのは大変です。でも、慣れれば竹の支柱とそんなに手間は変らないような印象です。

一度取り付けると取り外しは恐らく出来ませんが、根の成長を阻害する程の物でもありませんので、そのままで大丈夫でしょう。部分的に腐るような素材を採用している地下支柱もあります。

値段は竹支柱の何倍もしますから、誰もかれもとはいきませんが、見た目重視の方にはいい商品ではないかと思います。

 

地下支柱を取り付け完了。水をたっぷりやって機器が見えないように埋め戻します。

 

見えない部分にお金をかけて下さっているこちらの店舗様。

お店を訪れた方は「こんな大きな木、支柱がないのは何故?倒れない?大丈夫かな?」なんて、普通は考えないでしょう。

ただただ自然な眺めを楽しんでいただけるのではないかと思います。

秘すれば花なり、ですね。

 

 

7月の工事に向けて

来月から、店舗の造園工事が始まります。

4月に設計を始め、施主に当たる会社様や建築関係の方々との設計打合せ、パートナーの施工業者様や資材関係会社様との打合せ、材料選定、見積もりなど諸々経ていよいよです。

 

図面はいつものように手書きで。書いていると頭の中にどんどん庭が出来上がっていって、細かな点も記憶に残ります。

 

建築工事中の現場にて打合せ。何度も足を運びます。

 

駐車場と店舗玄関周囲の緑化という内容でご依頼をいただき、当初、植栽範囲はごく一般的というか。

それがお打合せを重ねるたびに、何故かどんどん緑量が増えてまいりまして。

店舗の周りや道路から見た感じを潤いのある印象的な風景にしたい、その雰囲気を作るのには緑量が必要だとお感じになられ、大幅に方向転換されたのです。

造園に大きな期待を寄せて下さっていて・・・今はそれに応えるべく、プレッシャーと不安と意欲、そしてワクワク感とのない交ぜ状態・・・。

まぁこれはどの現場も同じ、いつものことなんですが。

 

主たる樹木を選び、それぞれの状態や枝振り、根鉢の大きさなど細かく確認します。

 

今回は景石を入れるのでそれも選びに。どう据えるか組むか、工事中は悩んでいる時間がないので今のうちに熟考。職人さんと相談しながら据えますが、私の意向を尊重して下さるのでしっかりしないと!

 

でも、私は一人でありません。

色々な方にお知恵とご協力をいただきますので心強いです。

仕事を長くしていると、このことも当たり前のように感じてしまいがちですが、決してそうではありません。本当に。

「知らんわ」って言われたら・・・自分だけでは何も作れないので。

事故のないよう安全に、工期や予算を遵守し、なにより建物をぐっと素敵に見せられるよう尽力します。

施工中のアレコレも追々と綴ってまいりますので宜しければお付き合いくださいませ。

 

湖東の造園外構工事ー植栽編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。今日は作庭記としては最終回の植栽編です。

それで、あと残すところは完成画像なんですが、実はまだほとんど撮影出来ていなくて、またタイミングを見計らいUPしたいと思います。

工事最終日に何枚か撮ったものを一部先行してInstagramにUPしています。→

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ、 床工事編 → コチラ

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

 

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作庭記では、これまで構造物を作る作業ばかり書いてきましたが、ようやく植物の登場です。

この日も晴れ渡ってきれいな青空!まさに植栽日和でした。

植えるにあたり、花壇には予め敷地から出た良質土(砂系)と客土(関西では真砂土を客土として使います)を入れ盛っておきました。お施主様は畑をされている関係で「この辺りは砂地だよ」とおっしゃっていて、実際土工事で掘り返して見ても、水はけがとても良いことが分かりました。

それを踏まえ、パートナーの造園屋さんの提案もあって、改良剤はバーク堆肥とネニサンソという真珠岩系パーライトを採用しました。通気性に優れ酸素を十分に補給することからネニサンソという名前がついたみたいです。水持ちがよく、水と空気の配分が理想的で、過湿にならず乾かないということでよく使っています。(水はけが悪く根腐れする危険がある場合は黒曜石パーライトを使います)

 

前庭にドウダンツツジを下ろしているところ。重すぎて男性でも持てない木は、植える場所にユニックで吊って下ろします。

 

今回、植える庭は2ヶ所。前庭と主庭です。

前庭は個人の庭でありながら、道路に接しているので公共的な性格も持ち合わせた庭です。お玄関先でもありますし、出来れば常にきれいに見せたい部分です。

ですので、私は前庭の植栽を設計するとき、常緑低木を必ず入れます。場にあった育てやすい樹種を選ぶと、手入れもしやすく年中緑が楽しめます。目線に近いので、ここにきれいな緑がいつもあると、なんだか整って見えるのです。

常緑といっても高木ばかりだとなんだか暗くて重苦しくなるし、草花できれいに整えるには手がかかり過ぎます。ですから常緑低木が適していると思います。

このお宅の前庭の常緑低木には、サツキツツジを選びました。上の画像で手前に見えている木です。自生植物で根付けば雨さえ当たればよく育ちますし、花後に刈り込むだけでいいので手入れも楽。予め据えた景石に添わせるようにたくさん植えました。和の雰囲気の建物ですのでよく合うはず。

前庭のシンボルツリーは2m越えのビックなドウダンツツジです。秋に見た時は枝だけでしたが、今は花が咲いて葉も芽吹いて・・・植えるとそれはそれはきれいで立派で、場にドンピシャ!上手くマッチしたと思います。

(本文最後にドウダンツツジ含めた画像があります)

 

仕入先には色々な苔類がパレットや乾燥した状態で並んでいます。今回はその中から砂苔を、築山の端と石貼りの目地に植えました。

 

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主庭はリビングダイニングに面した庭で、雑木の庭にしたいというご希望でした。

イロハモミジやアオダモ、サルスベリなどの落葉高木を何本かに、アジサイ、ユキヤナギ、トサミズキ、ヒメシャリンバイなどの低木、それに春~秋咲く宿根草などをご提案しました。

こちらのお宅の植物の9割以上は日本の野山で育っている自生種から選んでいます。ただ、アジサイと主庭の宿根草の一部は外来種です。

奥様から「和になりすぎないように」というご希望がありましたので、アジサイは白い「アナベル」に、宿根草ではロシアンセージ「リトルスパイヤー(矮化種)」やベロニカ「ロンギフォリア」をおススメしました。

アジサイ「アナベル」は西洋アジサイですが、細い茎に綿帽子のようなフンワリとした白い花を咲かせどんな庭でも素敵にしてくれます。大きさはコントロールできるし何より丈夫で切り花にしてもいい。私も大好きでディスプレイガーデンで長年育てています(画像はテラスの花壇です)お客様のお庭に大抵おススメしていて100%採用されてるアジサイです。

外来種でもはんなりした優しい雰囲気の植物だから自生種に合うと思います。それに外来種といってもむやみに繁殖せず、大きくなりすぎないので良いかなと思いました。

外来種は何といっても華やかでそそられるのだけれど、自生種を脅かす存在。環境保護の観点からも取り扱いには気を付けているつもり。

 

前庭(砕石敷きの駐車場)から繋がる主庭の植栽の様子。ここは落葉樹を中心とした雑木の庭で、画像はイロハモミジを植えているところです。その奥には先に植えたアオダモが見えます。

 

上の画像からお分かりいただけるでしょうか?木は敷地の周辺に一直線に植えるのではなく、家寄りにも植えたりして、どの角度から見ても並ばないようジグザグに配置して、奥行きが感じられるようにしています。

主庭のシンボルツリーのアオダモは庭の中心に植えてあり、縁側のようなデッキに座ると出るとその清々しい姿が一番に見えます。

前庭の植栽は完成させましたが、主庭の方は広いので、主たるものを植えただけ、ベースを作っただけです。花壇には客土のみで改良剤も入っていない部分がまだ残っており、これからお施主様のお好きなように植えられる予定で、追々サポートしていきます。

どんな風になるのかとっても楽しみです。

 

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最後に。

フェンスや門、アプローチ、駐車場などの構造物は庭の骨格となるもの。生活する為になくてはならないものだから、デザインは素敵でありつつ、利便性や耐久性が重要です。造り手は、それら構造物をしっかりと作るだけでなく、建築で出来ていない部分や足りない部分をどう補うか?予算内でディティールをどう納めるか?などに頭を悩ませ神経を使って造っています。

それでようやくいろんな構造物が出来て外構は完成します。

でも家全体を見ると、いまいち殺風景なのです。なんていうか、「家」ではなく「建物」という感じ。私の勝手な見方なんですが、土地にモノが載っているだけ、そんな印象です。

 

工事中の画像ですが、敷地の縁に沿ってブロックを積み、門壁がつき、アプローチがつき・・・外構はほぼ完成の図。構造物が並んでいるだけ、何だか殺風景です。

 

それが、木を植えたり草花を植えたりすると、一気に土地と建物がつながって「家」になるように思います。

上の画像と下の画像を見比べていただくと、私の言うことが何となく伝わるかしら?

 

外構工事につづき、造園工事で植栽完了の図。上の画像と見比べると、雰囲気が全然違いますよね。緑が入るとこんなに建物が生き生きと、そして根付いて見えるんです。

 

これは設計の段階で、いつもお客様にもお話していることで、その時は殆どのお客は私の言うことがピンとはきていないご様子。でも植栽工事が始まって、どんどん緑が足されていくにつれ、建物が生き生きと見えてくるのに驚かれます。

そして植え終わったとき、「家になった、という感じがします!」とおっしゃいます。

 

 

湖東の造園外構工事-床工事編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。

今日は床工事編。次回、植栽工事をUPして完成をご覧いただくつもりです。

完成画像は、一部先行してInstagramにUPしています。→

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ

 

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外部空間の床というと、アプローチ、駐車場、デッキやテラス、花壇以外の裸地、等々。それらの仕上げをどうするか?は、インテリアと同様に大事なことです。

私がデザインするときは、インテリアをコーディネートするように、アクセントにしたい部分の素材を変えたり、建物を引き立てるよう、また全体のバランスが取れるようにカラーコディネートにも気を配っているつもりです。

インテリアと違うのは、耐候性や耐久性のある素材を選ぶこと。造りはだいぶ違って、車が乗っても壊れない強度や、水が溜まらないような勾配が必要です。それでいてどんな年代の方でも安全に歩けるように、植物とも馴染むようにしたいものです。

今日は、洗い出しのアプローチ、アクセントと花壇枠を兼ねた自然石貼り、コンクリート土間の駐車場、砕石敷きという4パターンの床仕上げをご覧いただきます。

まずは洗い出し仕上げから。

洗い出しとは、セメントモルタルに化粧砂利などの骨材を入れて塗りつけ、完全硬化する前に噴霧器やブラシで水洗いして、石の頭を少し浮き出たせるようにする左官工法のことをいいます。石の種類や大きさを変えると違う表情になります。樹脂で固めるので方法もありますが、塊ではがれやすく樹脂部分がカビやすいので私はオススメしません。

アプローチを洗い出しにしたのは、建築デザインと合わせたいとのお施主様のご希望もあったからです。コンクリートだけより割高ですが、こちらの場合は小面積ですし、門壁にも合っていますから、よい選択だったと思います。

 

玄関ポーチにアプローチ階段を追加。基礎をブロックで作って表面仕上げのための下塗りを終えたところです。表面仕上げは建築と同じ砂利を使い洗い出しにして、自然に馴染ませます。階段が門壁の化粧ブロックにかからないよう門壁の基礎を調整しています。

 

庭やエクステリアでは自然石を床材として使うことが多いと思います。滑りにくいですし、植物にも良く合い、仕上がってみるとすごく素敵になります。コンクリートや洗い出しに比べて材料も手間も割高ですから、予算にあわせて面積を調整しています。

自然石でも色々あり、全体の雰囲気や予算にあわせて私の方からご提案することがほとんどです。ここは滋賀県ですので、地元の石や近畿で採れる石がやはり風土に馴染むと思っています。

今回は京都~兵庫に位置する丹波地方で採れた石「丹波石」をご採用いただきました。色合いはベージュ~焦げ茶色で、穏やかな風合いで非常に上品な石です。

 

石選びの際に撮った丹波石の画像。5~10cmくらいの厚みがあります。

 

石の形が不定形なので貼るのはセンスが問われます。そのセンスは目地に現れるのです。四ツ目や芋目地など見た目によくない目地は色々とあり、これを避けて貼るのは口でいうのは容易しするは難しの典型で至難の業。まさに職人技です。自分で選んだ石ならともかく、支給された石を貼る場合は、特に大変だと思います。

この丹波石は、しっかり厚みがあるので、その良さを生かしたく、目地幅は1~2cm内外、深さも1cmは欲しいと職人さんにお願いしました。このように貼ると、石が埋もれずに石の影がくっきり見られ、カッコいいのです。ピンヒールでここを歩く方は恐らくいないので、このような目地でも支障ありません。更に石に営利な角があれば落としてもらい、柔らかな仕上がりに拘っています。

職人さんにたくさんの制約やお願いをしましたが、とてもいい感じに仕上げて頂けたと思います。お施主様にも大変気に入っていただけて良かったです。

 

アプローチ階段の洗い出し仕上げが出来、既存の玄関ポーチと違和感なく繋がりました。つぎに花壇枠兼アクセントとして丹波石を貼ってその目地を整えているところです。深目地で仕上げてもらっています。

 

仕上がりの様子。洗い出しや石貼り、手水鉢、五郎太石、下草や苔、それぞれの素材がいい表情を作ってくれました。床の勾配も適当で引っ掛かりなどなくとても歩きやすいアプローチです。石の目地に苔を貼ったりして遊んでいます。

 

最後に一般的なエクステリア工事でよく見られるコンクリート土間と砕石敷きを。

こちらのお宅の前庭には、車3台がゆったりと停められます。1台の土間をコンクリートで仕上げ、残り2台分は砕石敷きとしました。コンクリートの駐車場は一部アプローチも兼ねており、通常車1台分だと幅2.5mもあれば良いところ3m程あります。ここには軽自動車を停められるそうです。

 

駐車場1台分をコンクリート土間に。型枠を組んで、メッシュ筋を仮置きしたところです。打設するときには、キューブ状のスペーサーを使って鉄筋をかさ上げし、コンクリート厚に対して適当な位置にくるよう調整します。

 

コンクリート土間の表面仕上げは、金コテ仕上げと刷毛引き仕上げが定番。

埃がつきにくいけれど滑りやすいコテ仕上げ、汚れやすいけれど滑りにくい刷毛引き仕上げ・・・どちらも一長一短あり、お好みで選んでいただくのですが、こちらのお施主様には、刷毛引きを選択いただきました。刷毛引き仕上げはタイヤ痕が目立ちにくいということもあります。

 

打設し、表面に刷毛引き仕上げを施したところ。画像で分かるように石貼りを一部コンクリート土間に食い込ませて、石貼りの意匠が上手く駐車場と繋がるよう工夫しました。

 

庭の床と駐車場の一部に砕石を敷いています。どちらも同じ石ですが、庭は粒がそろった単粒で、駐車場の方は粒を不揃いに、と種類を変えています。

不揃いの方が石同士が噛み合うので、より締まって石が散らばりにくい。転圧してもらい、しっかりと固めてありますので、駐車するときタイヤが埋もれたり石が道にばらけたりしずらく、とても停めやすいです。一方、庭の単粒は砕石でも化粧っぽく見えます。

本当にちょっとしたことですが、使用感がUPしたと思います。

 

砂利も場所と用途に合わせて使い分けしています。

 

砂利敷きの話題で、最後に余談なのですが・・・

家づくりの際、建築で予算を使い切ってしまい、外部空間は砕石敷きオンリーで済ませてしまう方がいらっしゃいます。砕石敷きにすると、ひとまず泥を気にせず歩けるし車も停めやすいです。またいつか余裕が出来たらと、床仕上げを先延ばしにされているのだと思います。

しかし「いつか」はなくて、結局ずーっと砕石敷きのまま、というお宅がほとんどです。そういうお宅は土が固いので植物は植えられず、プラ鉢などで育てておられます。殺風景極まりないのですが「まぁ、これでいいか。暮らしに支障はないし」と砕石敷きに慣れてしまうのでしょう。

もしも家づくりの際に、エクステリアをある程度整えたいとお考えならば、最初に予算をしっかり確保することがとってもとっても大事です。建築会社様もそれぞれで、外回りの設計や工事に深入りしない場合も多く注意が必要です。

ざっくりですが、建物に釣り合うエクステリアの目安は建築費の10~15%。敷地の建物以外の面積×1万円と算出していただいても良いと思います。

 

 

湖東の造園外構工事ー石据え編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。お引渡しが出来ました。

その作庭過程の様子は工事中に更新するつもりが、体力不足で出来ず(>_<)

これから振り返りながら作庭記をあと2回ほど書いたのち完成をご覧いただくつもりです。途中、全く関係ない話題が割り込むかもしれませんが、宜しければお付き合いくださいませ。

完成画像は、一部先行してInstagramにUPしています。→

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

前回のブログでは、エクステリア工事の基礎を作る場面のことを書きました。→コチラ

今日は沓脱石や景石、水鉢、石組など石を据える様子をご紹介します。

 

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工事は天候に左右されることが多いけれど、この現場ではこれまで雨に泣かされたことがありませんでした。

雨が降るのは決まって工事がお休みの日曜日ばかり。月曜日になると回復し、それから土曜日までずーっと晴天が続いていました。こんなにお天道様が味方してくれることは珍しいかも。お陰様で予定より少し早くお引渡しできました。

石を据えていたのはちょうど桜が満開のころでした。

 

現場近くにも桜の木があります。満開を迎えたある日、お昼休みにここでお花見しながらランチをしました。

 

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石を据えるような庭づくりといえば、和風のお庭と思われがちです。

しかし、この頃は自然風のお庭で小さめの石を転がしてみたり、若い方でも枯山水風のお庭が好きな方もいらっしゃっいますので、割と需要はあるのかなと思っています。私の作る庭にも度々石は登場します。ただ昔のように、庭作りと言えば「仏間や客間の縁側から見える前栽」という時代から比べると、石のボリュームが減っているのは違いありません。

今回のお客様は、元のお庭にあった石を、新築された家の庭にも使いたいというご要望がありました。予め調べたところ、沓脱石や飛石、後はほとんど土留め用の石のようでした。

 

解体されて仮置き状態の石たち。

 

ご希望を取り入れ、部分的に足りないところは追加したりして、出来るだけお手持ちの石を活かせるように考えたつもりです。

でも既存の石は、前の庭に合わせて持ってこられたもので、それを新しい庭で使うとなると、図面にはアッサリ書けても、実際据えるとなるとかなり難しいものがあります。造園職人さんの技術的センスが問われます。

 

何トンもある石は重機でないと移動できません。ユニック車やユンボ(バックホウ)で吊って移動させます。安全第一で進めます。画像は沓脱石を移動させているところ。荷台には既存の石、追加の石、混ざって積んであります。これら全部お庭に使いました。

 

石にも表裏があり、一番よい表情をしている部分を「顔」と呼んだりします。場面によって裏と思わるような面をあえて「顔」にして据えることもありますし、パッとしない石でもいくつか寄せたり、大きな石とバランスを取るために使ったり。そのあたりを考えるのが石を据える醍醐味でもあります。

実際やってみると、両手で持てるくらいの小さな石でも、見場よく据えるのは難しいものです。それが何トンもある石なら尚の事大変で、少し高さを変えるだけでも、重機で吊って土を掘り、また石を下ろして・・・という風になかなか簡単にはいきません。

 

沓脱石はお客様の使い勝手を優先して配置。無事据わりました。二つの石は高さが違うけれど建物から降りる高さは同じに調整して据えました。

 

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次は仏間縁側の傍にあった縁先手水鉢です。

新しい家にも和室はあるものの実用的に使かう設計ではありません。そこで眺めのポイントとなるようお玄関先で意匠的に使うことになりました。

和に偏らないよう、目立たない感じで据えて欲しいとのご希望でしたので、思い切って半分ほど埋めてしまいました。

 

手水鉢もお客様の手持ちの品。据え直してちゃんと水が落ちるか確認しているところ。手水鉢に溜まった水がオーバーフローする時、ひと所から流れるよう口があります。上手く流れるように据えます。

 

後に鉢の周りに植えた植物が育つと、自然な感じになります。来客時や気分でたまに水を張ったり、花器として見立て花や枝物を活けたりしても素敵です。

ここには軒が掛かっており、雨水が溜まることは少ないでしょう。日々目に付くところろですので、メンテナンスも行き届くでしょうから、恐らくボウフラはわかないのではと思います。

 

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次は景石。景色をつくるための石、景観を整えるための石です。

お玄関先や門壁の付近にさり気ない存在感を感じさせたくて、いくつか据えるよう設計しました。

ここの石は追加した石で、溶岩石のような渋い石。ゴツゴツと皺の寄った面、色々な石を抱き込んでいる面、そして以外に滑らかな面もあります。どの面を使うのか、職人さんと個性を見極めて据えました。

この場所は、門壁やアプローチが黒やグレーといったモノトーンの空間ですから、黒い溶岩石が上手く調和しました。

 

お玄関先の坪庭的な場所に1石据えています。玄関側、アプローチ側様々な方向から見て素敵に見えるよう角度が難しいです。でもあまり迷いません。直観で進めていきます。

 

石を据えるときは元からそこにあったかのように馴染ませたいので、結構深く埋めます。石にも根っこ呼ばれる部分があって、それが地面から出ているとなんだか如何にも置きました的に見えてしまうのです。

深く掘れないところで、どうしても根が見える場合は植物や他の石を添えたりして工夫します。大きな厳つい石でも埋めてしまうと意外とそうでもありません。周りに植物があると更に優しい雰囲気になります。

溶岩系の景石は他にも門壁前に2石。主庭にもお客様の石をいくつか据えました。

 

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最後に主庭と駐車場を仕切るように設計した石組です。

駐車場からお庭に入れるよう入口も作りました。二つの場所は若干高低差がありますので、低い階段を設けています。階段の両側に一番大きな石を袖壁風に据えたのがポイントです。

 

主庭への入り口となる部分を作っているところ。駐車場との仕切りも兼ねて低い石垣を作ります。(主庭から駐車場へ向いて撮影)大きな石を据えるのに少し地面を削っています。

 

主庭と駐車場との仕切り完成。入口となる階段がいい感じに出来ました。既に据えた沓脱石に向かって飛石を打ってもらい庭の枠組みが大方整いました。(駐車場から主庭に向かって撮影)

 

石を据えるといっても、私は離れてバランスを見たり傍で口出しするだけで、力仕事はほとんどしていません。据えてみて変だったらまたやり直してもらうので、職人さんは大変で、本当に申し訳なく思っています。

力仕事は男性頼みです。重機を使えば男女そう変わらないと思うけれど、細かい部分は手作業になります。私がいくら頑張っても動かせない石でも、男性は軽々と、しかも何回でも動かせるので、やっぱり力の差を感じます。凄い力だなぁと思ってしまいます。自分で出来たら一番いいのですが、こればっかりは仕方がありません。

 

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宅地であっても景石を据えたり、石で起伏や段差を付けると、庭に自然の風情が出ます。

石はいつもそこに有りますが、同じ場所にあるからと言って、いつも同じ表情をしているとは限りません。

 

景石の窪みに水がたまり空の景色が映っています。これは水鉢ではありませんが、雨あがりだけ水鉢のようになる石です。それを想定してこう据えるのが造園かな。(別の庭より)

 

日当たり具合や雨でぬれると、全く違う石のように見えることもあります。

 

ひとつの石を味わい尽くすのは庭を持つ醍醐味です。

次回は庭の床、地面の仕上げを色々とご覧いただきます。

 

 

湖東の造園外構工事ー基礎工事編

昨年から計画していましたお宅の工事が始まりました。

広い敷地に建っていた2階建ての家を、お洒落な平屋に新築されたお宅で、境界を整えたり門壁やアプローチ・駐車場といった外構工事(エクステリア工事とも言います)と、石を据えたり木を植えたりといった景色を作る造園工事、この2種類の工事をします。

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になるかもしれませんので、工事の様子を追々UPしていこうと思います。

 

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さて最初の工程はというと、リフォームの場合は解体工事、新築の場合は土工事から始めます。

今回のお宅は建築工事の前に、元々あったお庭(前栽)の解体工事も済まされていましたので、ほぼ更地の状態から始められました。

コンクリートブロック造の門壁や境界ブロックを設置する場所の土を掘削し、型枠や鉄筋を組みコンクリートを打設するといった構造物の基礎となる部分を作ります。

ブロック塀は近年、地震で倒壊する事故がよく報道されます。建築基準法に則って作ること。万が一、想定外の大地震で倒壊してしまっても、お施主様や通行人の方々に被害が及ばないような設計の工夫をしなければなりません。

この門壁は高さ1.5m程ですが、場所上、控え壁がない方が使いやすいので設けず、かわりに基礎を安定的な逆T型で作ることしました。道路から3m程奥まったところに設置するので、万が一道路側に倒れても敷地内です。家側に倒れてもアプローチの上で建物に当たることはありません。

 

門壁の基礎工事。設置場所を掘り、クラッシャーラン(砕石)を10cm厚敷きつめ転圧してベースを作ります。これだけのスペースでも掘ると凄い量の土が出ていることが分かりますね。

 

門壁基礎工事つづき。クランシャーランのベース+逆T字型の鉄筋コンクリート造の布基礎です。インターホンの配線を引き込む菅も仕込んでいます。

 

今週は上の画像の型枠を外すところまで進みました。この上にブロックを積むのはもう少し先です。

このブロック、かなりカッコいいデザインのブロックなので楽しみです。

 

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次は隣地境界線に沿って設けるブロック塀の基礎をご覧いただきます。

隣地は里道といって細い路地になっています。そこに元々ある溝がかなり古く、その溝を固定しているコンクリートもかなり古い。なんなら里道の舗装も危うい感じで、とにかく慎重に慎重に掘削していただきました。

埋められていた土を掘ってみると画像↓のように境界がガタガタ。元の建物にあったものを解体するときにこうなったように思うのですが、ここを、もしも真っ直ぐ削るとしたら公共の溝を壊す危険性もあります。境界問題もデリケートですし、出来る範囲で整え、そおっとこのままブロック基礎を作ります。

 

里道との境界際を掘削。基礎コンクリート用の型枠やブロック積みの配筋をしている最中です。

 

基礎を打設したところです。建物の横に砂利を敷くので土留めとしてコンクリートブロックを2段積みます。

 

出来るだけ境界に寄せるようにブロックを積み、ガタガタ部分もきれいに埋める予定です。

新しく造成された宅地ですと、このようなことはありません。

住み継がれた土地は、他にも色々と気を遣うこともありますが、そこはしっかり対応せねばと思っています。

 

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こんな風に構造物の基礎や、木や草花を植える土壌づくりなど、私達の仕事の半分は土の中に隠れてしまい見えません。土の中に構造物を作ると、その体積分以上の土を処分する必要もあります。

見えている塀や土間、植栽に費用が掛かるのは理解されやすいのですが、見えない部分や捨てる部分にも、たくさんの費用と労力が掛かることをご理解していただきたいです。

基礎工事が安価でお座成りでも埋められてしまっては分かりません。見積書の段階で、この部分がしっかり計上されているか確認し、説明を求めましょう。

そのために、ある程度、お客様も勉強されなければならないと思います。

 

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土工事の現場はぐちゃぐちゃ、画像も美しくありませんませんが、庭の骨格を支える大事な工程です。

測量してもらって、色々な構造物の高さをしっかり決めていても、掘ってみると上手く合わない場合もあって(建物の関係、劣化した公共物との関係等)、でもその場その場で一番良い処理をしていかなければなりません。

無駄に悩んで職人さんの手を留めることは避けたいし、追加費用を発生しないようにもしなければ。

そんなこんなで、工事関係者みなにも意見を聞きつつ、良い納まり、美しい納まりというんですかね?元からそうするはずだったかのような自然な納まり、何より使い勝手よくお施主様が納得されてお喜びになる納まり、そんな納まりどころをいつも考えています。

 

土工事の工程は、駐車場部分や敷地の他の部分を均したり、まだまだ続きますが、ひとまず今日はここまで。

次回は庭石や手水鉢など据えるところをご紹介できるかなぁと思います。

 

植木選び ー 庭づくりには時間がかかるという話

来月から造園工事が始まるお宅の植木を仕入れに、お客様を誘って行って来ました。

今の時期は葉を落とした木がほとんどですから、枝姿が良く見えて分かりやすいです。一見枯れ枝のようですが、よくよく見ると、梢はうっすらと赤く色づいていたり、ぷっくりと芽を膨らませていたりして、それらが晴天の空に向かって伸びている様はとても力強いものでした。

ちょうど梅も咲いていて、ちょっとした花見気分です。

 

畑には梅の木もたくさん。ちょうど花盛りで良い香りを振りまいていました。春らしい淡い青空に映えること!

 

ディアガーデンでは植木を仕入れる際、お客様に「よろしければ一緒に選びに行きませんか?」とお声かけしています。「分からないので全てお任せします」という方もいらっしゃいますが、ほとんどの方は「行きたいです!」と言って下さいます。

色々な植木を一度に見るって、しかもそれがホームセンターの売り場に並んでいるような小さな木ではなく、背丈を優に超える木ばかりなのですから、とても珍しい体験のようです。

私は庭をお作りすることだけが仕事とは思ってなくて、他で出来ない体験や植物の新しい知識なども併せてご提供できればと思っています。庭づくりの過程ひとつひとつを楽しむこと、それはモノづくりの醍醐味と言っていいでしょう。

選ぶ際は、もちろん予算もありますし私もアドバイスをしつつですが、最終的にはお客様が納得された木に決めます。その方がその木に対して愛着が増すだろうなと思うからです。

 

選んだ木をお客様と囲んで。木の性質、どんなふうに成長するのか、お手入れ方法なども併せてお話するので結構時間が掛かってしまいます。

 

仕入れ先の畑にある木は、背を優に超えると書きましたが、今回のお客様におススメしたのは2~3m程の木ばかり。この位だとまだ若木で幹も細い。値段もお手頃です。

「3年経てばそろそろ剪定を、5年~10年も経てばある程度の景色が出来ますよ」とお伝えしたところ「その時まで生きてるかな?」と冗談交じりにご返答が・・・(^^;

大きな木を植えると、いきなり庭が完成したようにも見えて迫力満点です。でもその分根鉢も大きいので、ちゃんと水遣りをしないと枯れる恐れがあります。大型の台風が来たら倒れないか心配になりますし、剪定するにも手が届きません。

商業施設や建物にボリュームがある場合は、バランスを考えて、大き目の木をおススメすることはあります。しかし個人邸の場合、そして初めてお庭を作る場合は、若木を植える方が良いのではと思います。

初めはひょろひょろと物足りないかもしれませんが、負担が軽くていいのです。それを自然に生長させて、時間をかけて眺めを作っていく。その場にあった眺めになることは間違いなしです。

 

建築のデザインに合わせて選んだ1本立ちのモミジ。枝が白線のようにカッコよく広がっていて、場に絶対合うと思いました。

 

時間が掛かると言えばもうひとつ。

仕入先の畑にある木は、予め太い根は切られコンパクトに整えられていて、その先から新しい根も出ています。草花でいうポット苗のような状態ですので、割と小さな植穴で済み、適切に植えれば根付きます。

でも庭に元々ある木を別の場所に植え替える場合はこうはいきません。出来れば予め太い根を切ってそこから新たに根を出させてから(根回しという)、根についている土を崩さぬよう丁寧に養生して(根巻きという)移動し、大きな植穴を掘りそっと植え付けます。大きな支柱もするので元より嵩が高くなってしまいます。

文章で書くとあっという間な感じですが、実際は何か月もかかります。枯らさぬよう植え付けるには、時間はたくさんかける方がいいのです。これを力業で1日でする場合もあり、上手く根付いたとしても樹勢をかなり落としてしまいます。

ですから移植を考えるなら、いっそ伐採伐根して、新しい木を植えた方が確実で安く済みます。でも長く付き合ってきた木をバッサリと切り捨てるなんて、気持ち的には簡単ではありませんよね。分かります。

木の移植には時間もお金も掛かると覚えてていただき、出来ればそのままでいられるように、住宅の設計なり庭の設計を進めてください。

 

苔もいろいろな種類が手に入ります。これは砂苔。モフモフしていい感じ。一般的な庭では杉苔よりこちらがオススメ。ハイゴケも育てやすいです。

 

このように、一個人邸でも庭作りには時間がかかります。

モチベーションを維持しながら何代もかかって出来たのが名園と呼ばれるものでしょう。桂離宮しかり、兼六園、小石川後楽園なども何代目かで完成しています。

東京の清澄庭園は、元は江戸の豪商の屋敷跡の一部だそうで、荒廃していたこの邸地を買い取り庭園造成を計画したのが岩崎弥太郎です。しかしは弥太郎は庭作り半ばで亡くなり、それを弟弥之助が完成、次の久弥は風格を高め、関東大震災ののち東京都に寄付します。

1代目が自前で作り2代目が充実させ3代目が公共に贈るという見事なリレー。アッパレ!ですよね。3代続く財力もさることながら庭にかける気持ちね。

最後は話が大きくなり過ぎました (^^;

 

 

モダンなモルタル製ボウル

新しく誂えたモダンなモルタル製のボウル。

無機質で静かな佇まいがとても気にっています。

 

 

何かを盛ってもいいし、そのままでもオブジェになります。

直径30cmほど、持つとずっしりとしていますが過剰に重くもなく、丁度いい大きさです。

 

事務所のカウンターに飾りました。

 

すべすべの肌、でもピンホールや色むらなどもあって、それがいい味になっています。

 

実はこれ、連休中に夫と一緒に作りました。というか、私は口で言うだけで、作業したのはほとんど夫です。

現場で使わなかったセメントの小袋(4kg)、そのまま物置きに放置してると、そのうち袋が劣化して変に固まってしまいそう。処分したくて、時間が出来たら何か作るつもりだったのが、ようやくです。

 

型枠になる大小のプラスティックボウルを用意。セメントを練るバケツは後始末しやすいようにビニール袋で覆っておく。

 

材料は手近で揃うものばかりで工程もシンプル。意外と簡単に出来ます。

まずは型枠。お気づきでしょうか?このボウルの型枠、実は洗面器です。ダイソーで買いました。1回打設したら多分もう使えないかも。だから100均で十分かなと。

最初はキッチン用のボウルがいいと思っていましたが、実際に見ると、注ぎ口がついていたりと変に工夫されていて使えません。プレーンなデザインでセメント4kgが使い切れるちょうどいい大きさ、しかもサイズ違いがあるのが、洗面器だったという訳です。

本当言うと、もうちょっと円錐に近いシュッとした型が良かったのだけれど、そんな都合良く手に入りませんよね〜。

 

ボウルの裏面に少しだけ台が付いていました。この形が残るのが嫌でサンダーで削り取っているところ。

 

上手く型が外れないと、割れたり表面が荒れたりします。

今回は念のため、型枠の表面に離型剤としてチェーン専用の潤滑油(CRE 「チェーンルブ」)を薄く塗っておきました。青い色をしていますが、仕上がりに影響はありません。

結論から言うと、気持ちいくらいスムーズに脱型出来まして、もしかしたら離型剤がなくても外れたような気もします。

 

セメントを練る。配合の目安は袋に書かれてあります。今回は4㎏に対して水900cc入れました。若干シャバシャバ気味。手が荒れるので必ずビニール手袋着用して。

 

大きな方の型にセメントを流し込み、小さな方の型で挟む。圧で浮いてくるので砂利で重石をします。置いたときに安定するよう底は厚めにしつつ芯を合わせて据えるのがちょっと難しい。

 

1日経って脱型。するんと型が外れて気持ちいい。芯があまりズレていなくてホッとしました。このあと縁のガタガタとざらつきをサンダーで整え、少し乾かして完成です。

 

ガーデンデザイナーが鉢じゃなくて何故ボウルを作るの?と言われそうですが。

セメント系の鉢は、アルカリ中和処理も必要で多少手間がかかります。それに、お洒落な既製品がたくさん出回っていますから、敢えて作る意味がないように思いまして。その点、セメント系のインテリアボウルはあまり見かけないなーと思って。

 

画像ではドライフラワーを置いています。エアープランツや(直接ふれないようにして)苔玉を置いてもカッコいい。季節の室礼などにも利用できそう。