お庭の改修工事Before&Afterと・・・

6月に入って雨は数えるくらいしか降っていないのに、本日もう梅雨明けしたとか?!

近畿でも統計開始以来、最も早い梅雨明け(これまでの最早:1978年の73日ごろ)らしく、梅雨期間は14日間で最短を更新(これまでの最短:1958年の17日間)

だそうです。

今夏は例年以上に過酷なものになるのではないでしょうか。

巷では電力の供給不足が懸念されていますが、私は水不足による農作物の影響も心配です。庭の植物も梅雨の雨が不可欠なのに。

 

紫陽花が色付いて一応6月っぽいディアガーデンの前庭です。例年なら水遣りなど全く要らない時期なのに、今年は遣らないと小さな株や苔は枯れちゃいそうです。庭をお持ちの方は個々の状態に合わせて水遣りをお願いいたします。

 

それにしても、暑さに慣れていない身体に連日30度越えは、かなり堪えます。

皆様もどうぞ、水分をしっかり補給していただき、無理のないようお過ごしください。

 

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さてブログですが、前回の更新から2週間以上も間が空いてしまいました。

その間、とあるお宅のお庭の改修工事を終えお引渡し、別物件の設計と見積もり からのプレゼン、4月にオーダーしていた事務所の家具がやっと納品されて断捨離や片付けに追われたり、その他公私共に用事も細々とあって移動も多く。そういえば梅仕事も一応やったのですが・・・。

何だか怒涛のごとく日が過ぎ去っていき、気がつけば6月の最終週になっていました。

ブログネタはたっぷりあるので追々綴っていくとして、まずはお庭改修工事Before&Afterをご紹介します。

 

この眺めのポイントは3つ

  1. たくさん植えてもスッキリ見えて、お手入れがしやすい高さのレンガ花壇を新設。見えていませんが小さなコンポストスペースもあります。
  2. 部屋と繋がっていて広縁のように寛げるデッキを新設。
  3. 雑草除けに防草シートを張り化粧砂利を敷きました。

 

こちらのお宅には、他にデッキがもう一か所とサイクルポートを新設しました。

動線に無理のないよう最初にしっかりゾーニングのお打合せし、施工の際は更に改善しつつ納めましたので使いやすいと思います。素材は建物に合わせつつも、お客様のお好みが反映されております。

今回、私共はお庭のベースを作っただけ。ちょっとしたストレスを排除し、お庭での過ごし方やガーデニングをより楽しめるよう構造物や土づくり、支柱を建てる、等々の施工のみです。

植物は元もとお客様が育てておられたもの。樹木以外の移植はお客様でなさいましたので、工期が短く済みました。

新しいお庭で、益々充実した時間を過ごしていただければと思います。

 

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最後に、そのお客様からいただいた素敵な贈り物をご紹介。

御贔屓にされている京都のお茶に添えられていたサンキューカードがとても綺麗でした。

 

いただいたカードに付属していた切り絵。初夏の花々がモチーフになっていて、この繊細さに感心してしまいました。近くで眺めたいので屏風ふうに折って香りの道具と一緒にサイドテーブルに飾ってみました。

 

あとで奥様にうかがうと「郵便局のグリーティングカードでサンリオ製ですよ」と教えてくださいました。

私も郵便局では特殊切手なんかはチェックしてはいるのですが、こんなに素敵なカードがあったなんて全く知りませんでした。

見ているだけでなんだか涼しく感じられて癒されます。

ありがとうございます。

 

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このようなお客様からいただいた心のこもったカード類は、しばらく飾って癒されたあと、紙が傷まないうちにファイルしています。

私にとっては勲章のようなものなので、見ると、他の仕事で感じる辛さや苦しさも何もかも吹き飛んでいくようです。またピュアな気持ちというか原点に戻って頑張ろうと思うのです。

植物を植えるっていいお仕事ですね、と言ってくださる方も多いです。確かに植えることは楽しいし大好きです。でも植えるまでの過程で、不得手な仕事はたくさんありますし、工事現場もかなりキツイ。色々な方がおられますので辛く感じることもあります。これってどんな職業でもそうだと思うのですが。

仕事の辛さは仕事でしか解消できないものですね。

 

 

サンプル

ディアガーデンの庭づくりでは、ある程度プランが固まり、使う材料が絞れると、次はサンプルを取寄せカラーや質感を実際に見て頂いています。

植物は画像や実際の大きさなどを提示したり、私共の庭に植わっているものなら実際に見ていだくとか、石材はその欠片を持っていくとか、なるだけお客様に材料の情報を伝えようと心掛けています。木は最終的に畑で一緒に選んでいただくことも可能です。

とにかく、植物名やカタログの品番だけで漠然と進めないようにしようと思っています。

メーカーさんもどうやらサンプルを大切に思ってらして、ブック型になっていたり、それがまるで一つの商品のように丁寧に作られているものも。商社さんに頼めばすぐ送ってくれるのも有難いです。

それで商材のサンプルを取寄せてみて、私自身いつも思うのですが、庭に置いてみるとカタログの色と違って見えることが割と多い。質感は言わずもがなです。

小さいモノだけけれど、建物の外装や内装に当てて見比べることが出来ますし、雨を想定して濡らした時どう変わるかも見て頂けるので、お客様の安心感や納得感が上がるように思います。

 

5月に施工するお庭で使う材料サンプル。レンガやデッキの床板の見本、化粧砂利いろいろ。こうして見ると分かりやすいでしょ?

 

サンプルを見ても、すぐに決められないのは当然のことですから、しばらくお客様にお預けしています。

あれこれ悩むのも庭作りの醍醐味ですよね。

 

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実は、私もいま、サンプルを眺めながら悩んでいる最中なんです。

以前ブログでちょこっと書きましたが、事務所のインテリアを改造します。といっても大袈裟なものではなく、レイアウトや家具を変えるだけなのですが、印象や使い勝手がだいぶ変わりそうです。

 

家具をリフォームするのでサンプルを取寄せ、内装やオフィスチェア・インテリアグッズに合わせて検討中です。もともと内装はグレーだし好きな色なので、色々なグレーを集めてみたものの、どれも良くて迷う~。

 

PC作業中の姿勢が悪いために、持病の腰痛が悪化し始めたので、この際、デスクやチェアも適切なものに変えます。

というのも最近になって気づいたのですが、私、座っているとき、ずーっと反り腰になっていたのです。

立っているときに反り腰気味なのは薄々気づいていたのだけれど、まさか座っているときもそうだったとは!いや、むしろ反り腰で座っていたから定着してしまったのではなかろうか?!これって盲点でした。意外と多くの方が当てはまるのかもしれません。

年を重ねると、普段の姿勢や動きが大事だなって、つくづく思います。

若いときは筋力で対処できていたからか、多少変な姿勢でも痛みは出ませんし、見た目もそうおかしくないもの。それで気づかぬうち嫌な癖がついてしまい、身体が歪んでしまうのですね。歪むと当然どこかに負担がかかって痛みが出ます。

痛みが出てやっと気づいた私。今更だけど直したくて、出来ることから変えていきます。

 

 

自転車置き場問題

現在進行中の案件で、自転車置き場を含めたお庭のリフォームプランを考えております。

自転車って複数台所有されているご家庭も多いのではないでしょうか。大人用の自転車を2台置くとすると、およそ2m四方のスペースが必要で、案外場所を取ります。

家を建てる時にしっかり計画しておかないと、使いづらくなるかもしれません。外に置くならば、車体が劣化しないよう、盗難に遭わないよう注意もしなければなりません。

動線として最適な置き場所は玄関付近ですが、ここは家の顔ですから、悪目立ちしないようにしたいもの。

よくある3パターンについて考察してみました。

 

①屋内に収納する

玄関に通じる場所にウォークインクローゼットやビルトインガレージを設け、そこに置けるようにする。

このスペースがあると、冬用タイヤや遊具、アウトドア用品、ガーデニング用の道具なども収納できるのでとても便利です。

最近は玄関にシューズクローゼットを設けるプランが一般的になってきましたので、自転車のことも併せて検討されていることと思います。

我が家も玄関脇に小さなウォークインクローゼットを作り、ここに自転車を収納しています。1.8m×1.5mと本当に狭いスペースですが、2方向に天井まであるザックリとした棚を設け、先ほど書きました品々の他、灯油ポリタンク2個、庭のホース、工作用の道具や工具類、ディアガーデンの書類、長靴、防災用品、廃棄用の段ボール、傘、脚立大小、マキタの掃除器、箒、等々かなり沢山収納しております。

少々整頓出来てなくても、扉を締めれば一応スッキリです。(これ以上物が増えないよう気を付けないといけないなーと自戒していますが)

固定資産税を払うことになったとしても、外に置く物置きよりも、アクセスが圧倒的にラクだし、建物の外観を壊さないので満足しています。

 

我が家は折りたたみ自転車1台のみ。折って玄関のウォークインクローゼット(画像左に見えているのがそのドアです)に収納しています。しまうのが面倒なときは脇の通路にこうして置いておくことも。

 

室内でなくとも、玄関ポーチを広くとり、その屋根の下に置くようにしても良いですね。

ポーチ自体、デザイン的に素敵に見える工夫は必要ですけれど、お洒落な自転車が置いてあるといいアクセントにもなりそうです。

 

②既存の屋外スペースを利用する

  1. 既存のカーポートかガレージの空きスペースに置く。
  2. 軒下にカバーをかけて置く。

これはよく見るパターンですが、あまりおすすめできません。

1は車を傷つけてしまうかもしれませんし、2は天候によってはカバーが外れて自転車の劣化が著しいと聞きます。

 

③屋外に自転車置き場を後付けする

  1. 大きめの物置の中に入れるか、物置に自転車置き場が付属したタイプを選ぶ。
  2. サイクルポートやテラス屋根を設置する。

どちらも建物の外観に合う商品を選ぶことと、場に馴染ませたり目立たなくする工夫をしたいもの。

1の物置きは建物に合うデザインが少ないように思いますが、設置しているお宅は結構多いのかもしれません。雨風をシャットアウトしてくれて、自転車がなくなったとしても他の物を収納できます。固定資産税もかかりません。

2のサイクルポートは、大工さんに作ってもらう場合とエクステリアメーカーの商品を設置する場合の2パターンあります。台風被害が心配だったり豪雪地域にお住まいの方は耐風圧や耐雪の数値を確認して商品を選ぶようにしてください。

メーカーから色々なデザインの商品が出ており選びやすいかと思いますが、たとえデザイン的に合っていても、商品単体では、玄関の格を上げることは難しい。

ですので、門の中に隠したり(これは防犯上の利点もあります)、植栽を添えて場に馴染ませたり、何らかの工夫を施します。

でもそれもスペースに余裕があればの話。サイクルポートを後から設置しようとお考えならば、最低でも3m四方程空けて建物を配置して下さると、門や植栽なども入れられて良いと思います。

 

(株)タカショーさんのウェブサイトより。「スノースタイルミニ」というサイクルポートを玄関脇に設置した例です。家の扉と色を合わせ、壁や植栽を添えサイクルポートだけ浮かないように工夫されたプラン。私ならサイクルポート近くにも高木を植えるかも。

 

外構計画の時に駐車場はしっかり考えると思いますが、自転車については後回しになってしまうのかもしれません。

後から何とでもなるような気がするけれど、その実、出来ることが限られます。

物置きやサイクルポートは、とても便利な商品ではありますが、どうしたって後付け感はあります。建物や庭に馴染みにくいものです。できれば目立たないところに設置したいと思うけれど、自転車置き場だけは使い勝手が最優先なんですよね。

スマートな自転車置き場、どうか建築士さんもご一考ください。

 

 

植木選びに

昨日は、まもなく始まる造園工事に先駆けて、お客様と植木を選んでまいりました。

私に任せていただく場合もありますが、ディアガーデンに来られるほとんどのお客様は、一緒に見て選びたいとおっしゃられます。

草花と違って樹木は、それも仰ぎ見る程の大きさともなると、やはりかなり個体差があるもの。私がエスコートしつつ木の特性や植え方など必要な情報を提供し、お客様はたくさんある木の中からご自分の庭のための特別な1本を選ばれます。

それはある種の出会いであり、これから育てていく上で、良いエピソードとして作用してくれるものと思っております。庭作りの物語の大切な1章となるに違いありません。ですので、出来るだけこのひと時を楽しく感じていただけるように努めております。

 

まだ芽吹き前の園内で素敵なご家族とワイワイ楽しい植木選び。いい出会いがあり私もご案内した甲斐がありました。

 

これから始まる造園工事に向けて、お客様のピュアな期待をヒシヒシと感じ、身が引き締まる思いです。

庭作りの中で、造園工事は土台作りでしかなく、その先はお客様の手に委ねられます。そうであるならば、出来るだけお客様がやりやすいように良いスタートを切っていただける手助けをするのが私の仕事かと思っています。

 

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お客様の中には、このご家族のように小さな子供さんがおられることも。

私は普段大人とばかり接しているものだから、たまに小さな人に会えると新鮮な気持ちになります。

仕草が可愛くてしょうがないし、話をしていても真っ直ぐで、一生懸命で、楽しそうで・・・見ているだけで癒されます。余所のおばちゃんである私に、とても丁寧に接してくれ、優しくしてくれるので、小さな人なりに気を使ってくれているんだなって思うとキュンとします。

打合せを重ねると、色々なご家族の在り方や人となりを知れて、庭が出来たら益々幸せになっていただきたいと願わずにはいられません。

新しく出来る庭が、この小さな人の成長過程でより良い存在となりますように。

 

 

植生観察とデザインの原点を確認

気が付けばもう10月。

晩秋に予定している工事の準備をしつつ、来春に向けての案件もいくつか動きはじめ、何となく気忙しい日々を過ごしております。

先日は出張で久しぶりに長野県へ参りました。とあるショールームの造園設計のためです。

広い敷地には素敵な建物が建っており、それ以外の部分はほとんど白紙の状態です。お客様のご要望は少なく「後は全てお任せします」とおっしゃいます。最近こういう風に言って下さるお客様が増えて、有難いような~難しいような~。植物や庭のことはよく分からないので「任せます」とおっしゃるのですが、その真っ直ぐなご信頼と期待感たるや・・・かなりのプレッシャーです。

今回の打ち合わせでは、いくつか可能性をお伝えしつつ漠然としたビジョンを掘り起こし、方向性を決めて参りました。

ご期待にお応えするべく力を尽くさねばと思います。

 

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他府県で庭を設計するときは、念のためその土地に合う植物を調べたり、その土地に行けるのなら何が育っているのか観察します。隣県ならほぼ変わらない植生も、エリアが変わると若干違ったりするからです。

観察する場合は、移動中の車窓からや個人邸の庭は通りから。時間があれば、公開されている庭園や観光公園、美術館の庭などを訪ねます。

長野県へは壮大な自然に魅了されて、これまで公私合わせると十数回は訪れておりますが、設計の仕事は久しぶりなので、今回改めて、仕事をする場所に程近い松本市で植生の確認をして戻りました。

街中を歩くだけでも、関西では馴染みのない木が普通に植わっていて「へぇー」です。例えば街路樹がカツラだったり、生垣はイチイが圧倒的に多い、等。逆に馴染みのある木が普通に育ってるのを確認すると安心材料になります。

雑木の庭がある「松本民芸館」にも立ち寄ってみました。

 

松本民芸館の門

 

門から一歩足を踏み入れると、見上げる程のケヤキやブナの木。そして足元に様々な雑木が植えられています。

広さは10m×20m位?(適当です・・・)で、木々の他は園路が見えるだけ。まさに用の美というか、とても簡素な庭です。圧倒的な緑に包まれ、鳥の囀りだけが心地よく響いて、何とも気持ち良い空間。ここにいる鳥たちはここが好きなんでしょうね。声がものすごく大きく感じました。

モミジ、ダンコウバイ、クヌギ、クロモジ、ニシキギ・・等々、植えられた木々をメモしつつ散策しました。見知った木が多かったことは良かったです。

 

門と建物の間にある庭。すっきりとしたデザインの、でも味のある園路が2方向に延びており散策できます。

 

土蔵造りの美しい建物に国内外の民藝品がゆったりと展示されています。照明や家具、活けられた花々も美しいこと。

 

ここは、元は、民芸店のオーナー故丸山太郎氏が、柳宗悦氏の民芸運動に共鳴して集めた日本や世界の民芸コレクションを収蔵した私設資料館だったそうです。

展示品の面白さ、そして建築に使われている素材、間取りやディテールに、故人のこだわりが見えてきます。

(民藝品について感じ入ること多々ありましたが、長くなるので端折ります。またいつか)

建築と庭の雰囲気がとても合っていると思いました。

 

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長野県はギリギリ日帰りできる距離ではありますが、往復9時間近くかかる移動が身体に堪えるであろうことは、経験より想像できました。

それで今回は一泊させてもらい、翌日午前中いっぱい植生観察に費やして戻ることにしました。

宿は、泊まれる民藝「松本ホテル花月」さんを予約しました。

 

松本ホテル花月さん。松本城へ徒歩5分の場所です。打ち合わせを終えホテルに着いたのは夕方。ライトアップされた外観が美しい。

 

松本ホテル花月さんは、大正ロマンあふれる洋館に松本民芸家具を配した粋なシティホテルです。2016年にリブランドオープンされていて、建築設計は永山 祐子氏、インテリアデザインは濱川 秀樹氏によるものだそうです。

ロビーが超絶素敵でした!

まだあちこち緊急事態宣言中の頃だったので宿泊客はまばら。素敵な空間を長い間独り占めしつつ、ここでもまた観察してしまいました。

 

松本民芸家具が配された重厚なロビー。民藝品がセンス良く飾られて。

 

家具に合わせた壁の色、タイル、照明、天井仕上げ、窓・・・全てがマッチしていてため息です。それぞれの素材の存在感は確かにあるのに出過ぎずバランス感が絶妙。落ち着きます。

 

このタイル、陰影がいい感じに出でて好きだなぁ。ホテル向いの建物の外装にも使われていました。

 

お部屋も松本民芸家具でコーディネートされいて、簡素なのですが十分。大人の雰囲気でした。

直前予約だったのでビジネスホテル並みのお値段になったのにもかかわらず、宿泊客が少ないということで、一人だけどツインルームにアップグレードまでして下さいまして、なんだか申し訳ない気分。でも有難かったです。

Bluetoothスピーカーが置いてあったのも嬉しくて。静かな音楽を流してリラックス出来ました。

 

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民藝は「無心の美」「自然の美」「健康の美」そして「用の美」と表現されます。

暮らしの中で使われることを考えて作られ、使われることによって輝く、そんな美を言うそうです。それは私のデザインの目指すところでもあります。用途に即したデザインでないと経年変化に耐えられないと思うからです。

今回の出張は、改めて自分のデザインの原点を確認できた良い機会でした。

 

 

夏を振り返って。水遣り作業を再考

空気がカラッと澄んで秋の気配が漂ってまいりました。

大好きなシーズン到来です。よく眠れるし、庭に出ても汗をかかなくなって嬉しい限りです。

この夏を振り返ると、梅雨入りは統計史上最も早く、梅雨明け後は全く雨が降らず猛暑続きでした。8月になると一転大雨続きで・・・何だかね、いちいち極端で疲れました。

今夏は猛暑のなか植栽工事をしたので、体力を随分消耗しました。そして自分の庭(ディスプレイガーデンと呼んでいます)の水遣りがだいぶ疎かになってしまいました。

それでも枯れることはありません。乾燥に強い植物や自生植物をメインに植えており、10年以上ここで育ちしっかりと根を張っている植物が多いからです。節水を念頭に植栽デザインを改良し続けているので、年間を通して水遣りの頻度は少なくて済んでいます。

ただ、真夏は出来れば日に一度は水遣りをした方が生き生きとしますし、葉焼け予防に葉水も遣りたいところ。展示用の庭なので、枯れなきゃいいではダメで、見て頂けるレベルを目指しています。そこで、今更なんですが、水遣りのサポートをしてくれる自動散水システムを試してみることにしました。

導入するキッカケは、この夏、法人のお客様の庭で自動散水システムを初めて設置してみて「意外に簡単。小さなお庭仕様もあることだし、これは使えるゾ!」と思ったこと。

それまで存在はもちろん知っていましたが、実際に工事をして、自分でも設置出来る手軽さと効果を感じました。

これが助けになる方がいらっしゃるかも。そんな方に実物を見て頂けるようにとも思いまして導入することにしました。

自動散水システムの詳細は別途記事にしましたのでコチラをご覧ください→「小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

 

ディアガーデンの庭に設置した自動散水システムです。

 

私の場合、水遣りを必要とする時期と仕事の繁忙期が重なるので、ちょっとでも時間を節約出来るなら機械に頼りたいという思いもあります。

コロナ禍では家を空けることが少なくて済んでいますが、通常なら出張や旅行・帰省等で何日も家を空けることも多く、その都度ハラハラしていたので、機械が水を遣ってくれたらやっぱり気持ち的にラクです。

ディスプレイガーデンは、先にも書きましたように植栽を工夫していますので、水遣りの頻度はかなり少なめに抑えられています。それでも真夏はこまめに遣る方が綺麗に育ってくれますし、花殻摘みや草取り、葉水など必要な作業も他にありますから、水遣りだけでも機械がしてくれたらやっぱり助かるのは間違いありません。

あと日焼け予防もあるかなぁ。自動散水システムはタイマーを設定すれば文字通り自動的にやってくれます。手動操作をしたい場合もスマホを使って部屋の中から操作できるので、外に出る必要がないのです。これは女性にとっては嬉しいことです。水遣り時の日焼けを気にして、UVクリームを塗ったり長袖の上着を着て帽子を被って・・・などなど色々気を使っている方も多いと思います。

植物のため、お庭のための自動散水システムですが、人にとっても「水を遣らねば!」というストレスから解放され、気持ち的にラクになる点がいいです。

自動散水システムってどういうもの?操作方法は?などなど詳しくは記事をチェックしてみてください →「小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

 

 

 

小さなお庭用 自動散水システムのすすめ

日々の水遣りをサポートしてくれる強い味方(株)グローベン製の自動散水システムをご紹介します。

植物に自動で散水できるこのシステムは、用途に合わせて各種機器を組み合わせ、コントローラーにて時間・回数・規模・散水パターンなど設定し、あらゆるシチュエーションに応じた水遣りを自動的に行うものです。

コントローラーなしで蛇口に直接穴の開いたホーズを接続して散水する「手動タイプ」もございますが、蛇口の開閉を忘れがちです。節水のために、また余計な手間を省くためにも「自動タイプ」の方をおススメします。

こんな方におすすめ

  • 庭を新しく作られた方
  • 忙しくてタイミングよく水遣りが出来ない方
  • 水遣りにストレスを感じておられる方
  • 水遣りの加減が分からない方
  • 水遣りが必要な箇所がいくつもあり、手間や時間がかかってお困りの方
  • 日焼けを避けたい方
  • 手間を掛けずに植物を育てたい方
  • 旅行や出張などで家を空けることが多い方  などなど。

一般的に自動散水システムというと商業施設や工場の植え込みに設置されている機器を想像してしまいますが、小さなお庭用の簡易タイプもございます。それが(株)グローベン製の水栓用コントローラー「スマプロBT」です。

いまある水栓にお客様ご自身で簡単に取り付けられ、すぐ使っていただけるのが、この商品の魅力のひとつです。

 

一般のご家庭でも簡単に設置していただけるタイプの自動散水システム(株)グローベン製水栓用コントローラー「スマプロBT」です。

 

「スマプロBT」の特徴

  • スマホに専用アプリをインストールして制御

スマホがリモコンに早変わり。シンプルで見やすい画面でどなたでも簡単に操作いただけます。

Bluetooth接続で10m以内は遠隔操作可能。家の中に居ながらにして操作が出来ちゃう優れものです!

  • 電源は乾電池で簡単接続

電気工事は不要です。9Vアルカリ電池(別売)を使用します。

  • 設置は立水栓で簡単施工

既存の蛇口に簡単に取り付けられられる小さなコントローラーです。本体に操作ボタンがないのでいたずらによる誤操作を防げます。

 

この度、ディアガーデンのディスプレイガーデンに、この自動散水システムを見本として設置しました。

ご興味のある方、設置してみたいという方は実際にご覧いただけます。製品について、設置方法についても詳しくお聞きになりたい方もお気軽にお問合せください。ご注文の前にまずは見積もり依頼をどうぞ。

※製品についてのお問い合わせ、見学のご予約、見積依頼はコチラ→ Contact

 

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ここからは、ディスプレイガーデンに設置した様子をご覧いただきます。

どのようなパーツがあってどのように取り付けていくのか、アプリの画面や散水する様子など、順にご紹介していきますね。

①商品のお届け

宅配便にてお届けします。

縦横約1m弱×高さ20cmくらいの大きめの段ボールに色々なパーツが入っています。

 

基本セットはこんな感じ。制御本体(中央)にドリップチューブ、各種部品(ジョイント部材、チューブホルダー等)

 

設置は難しそう・・・と思われるかもしれませんが、ワタクシ、馬渕(女性)でも一人で出来ました。特別な技術は必要ありません。恐らく大人ならどなたでも設置できるのではないかと思います。

道枝切り鋏や大き目のカッター、プラスドライバーをご用意くださればすぐ作業にかかれます。

 

②コントローラーの取付け

設置方法は単純です。

蛇口に制御本体を直接取り付けるだけ、以上です。

冬場凍結する場合は原則取り外していただきたいのですが、念のため的な凍結防止アダプター仕様のコントローラーもあります。タイマー設定中に雨が降った場合感知するレインセンサーも取付可能です。場所に応じてコントローラーを固定するための金具やアルミ支柱などもオプションで選べます。

 

コントローラーは蛇口に取り付けます。メタルアダプター(プラスねじがついている部品)が標準でついていますので新たに買う必要はありません。

 

③コントローラーにドリップチューブを接続し、花壇に延長していく。

ドリップチューブは直径16mmでこのように等間隔に穴が開いていて、水が垂れる仕組み。穴の間隔は150mmピッチ、300mmピッチ、500mmピッチと3種類あります。ディスプレイガーデンは300mmにしました。

 

チューブのジョイント部材は4種類ありますので、花壇の形に合わせてどのようにでも延長できます。チューブは黒いので植物が茂ると分かりにくくなります。

 

ホースとジョイント部材の接続は簡単。ホースを適当なところで切って継手部分に差し込み、抜けないようにカバーを回し込みます。ホースを差し込む際、非力な女性は少々疲れるかもしれません。ゴム製の手袋を装着してやると力が入ります。冬場はホースが固くなるので同じ様にちょっと力がいるかも。

 

自動散水装置の設置完了したところ

 

標準的な散水にはドリップチューブで足りるかと思いますが、植物や植え方によって先端パーツが色々と用意されています。

例えば苔や芝用にジェットスプレーやミストスプレー、ハンギング専用ミストキット、水を遣るときだけ地表に出てくるポップアップスプリンクラーなど、用途に合わせてお選びいただけます。これらは穴のあいていないポリチューブに接続します。

 

④専用アプリ(無料)をインストール

 

専用アプリをお手持ちのスマートホンにインストールして操作します。スマホがリモコンになるってこと。画面はこのようにシンプルです。操作も直感で出来ます。

 

アプリをインストールして、コントローラーに電池を入れると、アプリが本体を自動検出しますので、Bluetooth設定もスムーズです。

コントローラーを複数制御する場合でも個別に管理できます。

タイマー設定しておけば特に何もすることはありませんが、手動操作でイレギュラーに遣ることも可能です。

 

散水中。ドリップチューブからポタポタと水が滴り落ちているのが分かると思います。(矢印の部分)

 

余談ですが、手動操作で便利だなと思ったことをひとつ。

私は来客があるときは、門履きをし水を打ってお迎えするようにしています。でも夏場は特に何ですが、すぐに乾いてしまい、来訪時間とタイミングを合わせて水を打つことはなかなか難しいものでした。

それが、自動散水システムのお陰で、事務所からクリックひとつで水打ちが出来るようになりまして、気持ちに余裕が出来ました。(下の画像↓が打ち水を兼ねた散水の様子)

 

スプレーノズルを取り付けた前庭の様子。苔の部分にミストスプレーノズルをセットしていて、散水が開始されると霧状に撒かれます。(ホースは分かりやすいように見せていますが後に隠します)来客の際は打ち水としても作動させています。

 

⑤コスト

  • 散水機器材費例

ドリップチューブ式散水約30mの場合:合計46,700円(定価)

コントローラー スマプロBT(メタルアダプター仕様)×1 25,500円

16mmドリップチューブ300mmピッチ(30m巻)×1 13,800円

16mmチューブホルダー(10個入)×3 3,000円

16mmクイックエルボ(1個入)×4 2,200円

16mmクイックエンド(1個入)×4 2,200円

※エルボやエンドの個数は参考数です。花壇の形によって変わります。

※消費税、送料別途。

  • ランニングコスト

電気代:9Vアルカリ乾電池1個分

水道代:16mmドリップチューブ300mmピッチ×50mの場合 30分当たりの水量83.4L 約1円(※メーカー調べ 基本料金別途)

 

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では最後に、ご購入をお考えの方へ

製品についてのご質問、見学のご予約、見積依頼は下記のフォームをご利用下さい。

コチラからもどうぞ→ Contact

 

 

 

店舗の造園工事ー地下のお話

目下、取り組んでおります造園工事は、とある店舗さんの改築工事に伴い、玄関周りや駐車場の景観を作るもの。

遅れている建築工事とオープン予定日の狭間でヒーヒー言いながら工程調整をしつつ、出来るところから仕事を進めています。

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個人邸でも商業施設でも言えることですが、造園工事って結局最後の最後なので、いつ着工させてもらえるかは建築工事の進捗次第。

その建築工事って、何故だか大抵遅れるので、コチラの都合通り進まないのはいつものこと。覚悟はしていましたが、今回は道路の拡張工事も絡んでいて、案の上というか、そちらも遅れるでしょ。しかも梅雨末期で大雨だし雷はなるしで諸工事は更に遅れてしまう。

・・・悲惨です。

私や造園工事会社様は、当初の予定に合わせて、材料を手配し人を集めて準備万端なんですが、仕事をさせてもらえない。

「もぅ~~~。知らんで~。間に合わへんで~」

・・・と、頭を抱えたこと、ブチ切れたこと、数知れず。はぁ。

造園関係者なら日常茶飯事的な。いわゆる「造園あるある」みたいな話でした。

 

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さて。

植栽現場は別会社の駐車場だった場所です。

アスファルトをめくると、砕石層の下にセメント改良層がありました。これは駐車場路盤の安定のためには必要な処理です。でも植栽するには当然不向きなんですね。このまま植えては水は浸透しませんので根腐れする可能性があります。

関係個所を大きく掘り取ってもらうことにし、ついでに土壌検査をしました。

長く不毛であった土地、これからどのように土壌改良をすればよいかの目安になります。

店舗の内装と同じくらい植栽にも心血を注がれているお客様ですので、造園工事にも並々ならぬご関心を持たれています。これから埋もれて見えなくなる部分の情報を共用して、納得して前に進めたい、そんな気持ちもありました。

土壌検査は細かくは色々あるのですが、今回は要の3項目です。

  1. 透水試験:排水不良による根腐れ防止のため
  2. 土壌硬度試験:地盤の硬さによる生育不良を防止するため
  3. ph検査:土壌の酸性度を把握し生育に影響のない状態にするため

 

透水性を調べる検査。直径15cm深さ20~30cm程(樹種によって変わりますが今回は元々深く掘れているので30cm程)に何回か水を注ぎ、水が浸み込む時間を測ります。

 

土壌の硬さを調べる検査。硬度計なる測定器具をゆっくりと土に挿して抵抗値を見ます。

 

ph測定器を地面に挿して測定します。デジタルは簡単ですね。造園樹木ではph4.5~8.0の間であれば問題なし。草花や野菜などは個別な値があります。

 

3項目を測定し、植栽土壌としていずれも問題ありませんでした。試験結果をレポートにまとめて、このまま使えそうな土壌ですよと報告。

適量埋め戻して、追加する土(客土)には改良を施しまして、植え付けることになりました。

今回は専用機材を使用しましたが、透水試験にはただ穴を掘って水を流し状態を見てもいいですし、硬度計やph測定器はインターネット等で安価に手に入りますので、個人様でも測定できると思います。気になる方は測ってみて改良のヒントにしてみてください。

 

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今回は地下に埋もれて見えない部分にもうひと技、施しています。

地下支柱です。

3mを超える木を植えた場合、根付きやすくするために支柱を施します。

支柱はとても大切。

支柱をせず木が揺さぶられると、折角伸びた新しい根が切られてしまうことになりかねません。運が悪いと台風や嵐などの強風にあおられ倒れてしまうかも。最近の台風の威力はハンパないですから。

強い風に当たらない場所なら、自力で根を張る方がいいので、支柱は要らないかもしれません。そうでなければ普通は支柱をすることをおすすめしています。

大抵、竹や丸杭などを用いて固定することが多く、何だったら木より目立ってしまうことも。取り付けた支柱が腐る頃には根付いてるので、それまでは付けっぱなしにしていただいています。ですので3年以上は支柱がある状態です。

大事なことは分かるんだけど、見た目がイマイチ。不自然なんですよね。

今回は店舗なので、見た目も非常に大事です。そのお店を訪れるお客様に、非日常的な特別な雰囲気を提供したいとお考えなのに、支柱ばかりが目立ってしまってはナンセンスです。そこで見えない支柱「地下支柱」をとリクエストされました。

 

根の大きさに合わせた地下支柱の機材。四方から根を挟んで特殊なテープで強固に固定します。そして埋め戻すと、木自体の重さと土の重さも加わり、もうびくともしません。

 

3m以上の高木がたっくさんあるので、全部に地下支柱をするのは大変です。でも、慣れれば竹の支柱とそんなに手間は変らないような印象です。

一度取り付けると取り外しは恐らく出来ませんが、根の成長を阻害する程の物でもありませんので、そのままで大丈夫でしょう。部分的に腐るような素材を採用している地下支柱もあります。

値段は竹支柱の何倍もしますから、誰もかれもとはいきませんが、見た目重視の方にはいい商品ではないかと思います。

 

地下支柱を取り付け完了。水をたっぷりやって機器が見えないように埋め戻します。

 

見えない部分にお金をかけて下さっているこちらの店舗様。

お店を訪れた方は「こんな大きな木、支柱がないのは何故?倒れない?大丈夫かな?」なんて、普通は考えないでしょう。

ただただ自然な眺めを楽しんでいただけるのではないかと思います。

秘すれば花なり、ですね。

 

 

7月の工事に向けて

来月から、店舗の造園工事が始まります。

4月に設計を始め、施主に当たる会社様や建築関係の方々との設計打合せ、パートナーの施工業者様や資材関係会社様との打合せ、材料選定、見積もりなど諸々経ていよいよです。

 

図面はいつものように手書きで。書いていると頭の中にどんどん庭が出来上がっていって、細かな点も記憶に残ります。

 

建築工事中の現場にて打合せ。何度も足を運びます。

 

駐車場と店舗玄関周囲の緑化という内容でご依頼をいただき、当初、植栽範囲はごく一般的というか。

それがお打合せを重ねるたびに、何故かどんどん緑量が増えてまいりまして。

店舗の周りや道路から見た感じを潤いのある印象的な風景にしたい、その雰囲気を作るのには緑量が必要だとお感じになられ、大幅に方向転換されたのです。

造園に大きな期待を寄せて下さっていて・・・今はそれに応えるべく、プレッシャーと不安と意欲、そしてワクワク感とのない交ぜ状態・・・。

まぁこれはどの現場も同じ、いつものことなんですが。

 

主たる樹木を選び、それぞれの状態や枝振り、根鉢の大きさなど細かく確認します。

 

今回は景石を入れるのでそれも選びに。どう据えるか組むか、工事中は悩んでいる時間がないので今のうちに熟考。職人さんと相談しながら据えますが、私の意向を尊重して下さるのでしっかりしないと!

 

でも、私は一人でありません。

色々な方にお知恵とご協力をいただきますので心強いです。

仕事を長くしていると、このことも当たり前のように感じてしまいがちですが、決してそうではありません。本当に。

「知らんわ」って言われたら・・・自分だけでは何も作れないので。

事故のないよう安全に、工期や予算を遵守し、なにより建物をぐっと素敵に見せられるよう尽力します。

施工中のアレコレも追々と綴ってまいりますので宜しければお付き合いくださいませ。

 

湖東の造園外構工事ー植栽編

琵琶湖の東側の地域のとあるお宅の外構工事(エクステリア工事とも言います)と造園工事、2種類の工事が無事終了。

いま振り返りながら作庭記を書いています。今日は作庭記としては最終回の植栽編です。

それで、あと残すところは完成画像なんですが、実はまだほとんど撮影出来ていなくて、またタイミングを見計らいUPしたいと思います。

工事最終日に何枚か撮ったものを一部先行してInstagramにUPしています。→

既にUPしました工事の様子: 基礎工事編 → コチラ、 石工事編 → コチラ、 床工事編 → コチラ

これからお庭や外構(エクステリア)を作りたいと思われている方、リフォームしたい方の参考になればと思います。

 

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作庭記では、これまで構造物を作る作業ばかり書いてきましたが、ようやく植物の登場です。

この日も晴れ渡ってきれいな青空!まさに植栽日和でした。

植えるにあたり、花壇には予め敷地から出た良質土(砂系)と客土(関西では真砂土を客土として使います)を入れ盛っておきました。お施主様は畑をされている関係で「この辺りは砂地だよ」とおっしゃっていて、実際土工事で掘り返して見ても、水はけがとても良いことが分かりました。

それを踏まえ、パートナーの造園屋さんの提案もあって、改良剤はバーク堆肥とネニサンソという真珠岩系パーライトを採用しました。通気性に優れ酸素を十分に補給することからネニサンソという名前がついたみたいです。水持ちがよく、水と空気の配分が理想的で、過湿にならず乾かないということでよく使っています。(水はけが悪く根腐れする危険がある場合は黒曜石パーライトを使います)

 

前庭にドウダンツツジを下ろしているところ。重すぎて男性でも持てない木は、植える場所にユニックで吊って下ろします。

 

今回、植える庭は2ヶ所。前庭と主庭です。

前庭は個人の庭でありながら、道路に接しているので公共的な性格も持ち合わせた庭です。お玄関先でもありますし、出来れば常にきれいに見せたい部分です。

ですので、私は前庭の植栽を設計するとき、常緑低木を必ず入れます。場にあった育てやすい樹種を選ぶと、手入れもしやすく年中緑が楽しめます。目線に近いので、ここにきれいな緑がいつもあると、なんだか整って見えるのです。

常緑といっても高木ばかりだとなんだか暗くて重苦しくなるし、草花できれいに整えるには手がかかり過ぎます。ですから常緑低木が適していると思います。

このお宅の前庭の常緑低木には、サツキツツジを選びました。上の画像で手前に見えている木です。自生植物で根付けば雨さえ当たればよく育ちますし、花後に刈り込むだけでいいので手入れも楽。予め据えた景石に添わせるようにたくさん植えました。和の雰囲気の建物ですのでよく合うはず。

前庭のシンボルツリーは2m越えのビックなドウダンツツジです。秋に見た時は枝だけでしたが、今は花が咲いて葉も芽吹いて・・・植えるとそれはそれはきれいで立派で、場にドンピシャ!上手くマッチしたと思います。

(本文最後にドウダンツツジ含めた画像があります)

 

仕入先には色々な苔類がパレットや乾燥した状態で並んでいます。今回はその中から砂苔を、築山の端と石貼りの目地に植えました。

 

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主庭はリビングダイニングに面した庭で、雑木の庭にしたいというご希望でした。

イロハモミジやアオダモ、サルスベリなどの落葉高木を何本かに、アジサイ、ユキヤナギ、トサミズキ、ヒメシャリンバイなどの低木、それに春~秋咲く宿根草などをご提案しました。

こちらのお宅の植物の9割以上は日本の野山で育っている自生種から選んでいます。ただ、アジサイと主庭の宿根草の一部は外来種です。

奥様から「和になりすぎないように」というご希望がありましたので、アジサイは白い「アナベル」に、宿根草ではロシアンセージ「リトルスパイヤー(矮化種)」やベロニカ「ロンギフォリア」をおススメしました。

アジサイ「アナベル」は西洋アジサイですが、細い茎に綿帽子のようなフンワリとした白い花を咲かせどんな庭でも素敵にしてくれます。大きさはコントロールできるし何より丈夫で切り花にしてもいい。私も大好きでディスプレイガーデンで長年育てています(画像はテラスの花壇です)お客様のお庭に大抵おススメしていて100%採用されてるアジサイです。

外来種でもはんなりした優しい雰囲気の植物だから自生種に合うと思います。それに外来種といってもむやみに繁殖せず、大きくなりすぎないので良いかなと思いました。

外来種は何といっても華やかでそそられるのだけれど、自生種を脅かす存在。環境保護の観点からも取り扱いには気を付けているつもり。

 

前庭(砕石敷きの駐車場)から繋がる主庭の植栽の様子。ここは落葉樹を中心とした雑木の庭で、画像はイロハモミジを植えているところです。その奥には先に植えたアオダモが見えます。

 

上の画像からお分かりいただけるでしょうか?木は敷地の周辺に一直線に植えるのではなく、家寄りにも植えたりして、どの角度から見ても並ばないようジグザグに配置して、奥行きが感じられるようにしています。

主庭のシンボルツリーのアオダモは庭の中心に植えてあり、縁側のようなデッキに座ると出るとその清々しい姿が一番に見えます。

前庭の植栽は完成させましたが、主庭の方は広いので、主たるものを植えただけ、ベースを作っただけです。花壇には客土のみで改良剤も入っていない部分がまだ残っており、これからお施主様のお好きなように植えられる予定で、追々サポートしていきます。

どんな風になるのかとっても楽しみです。

 

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最後に。

フェンスや門、アプローチ、駐車場などの構造物は庭の骨格となるもの。生活する為になくてはならないものだから、デザインは素敵でありつつ、利便性や耐久性が重要です。造り手は、それら構造物をしっかりと作るだけでなく、建築で出来ていない部分や足りない部分をどう補うか?予算内でディティールをどう納めるか?などに頭を悩ませ神経を使って造っています。

それでようやくいろんな構造物が出来て外構は完成します。

でも家全体を見ると、いまいち殺風景なのです。なんていうか、「家」ではなく「建物」という感じ。私の勝手な見方なんですが、土地にモノが載っているだけ、そんな印象です。

 

工事中の画像ですが、敷地の縁に沿ってブロックを積み、門壁がつき、アプローチがつき・・・外構はほぼ完成の図。構造物が並んでいるだけ、何だか殺風景です。

 

それが、木を植えたり草花を植えたりすると、一気に土地と建物がつながって「家」になるように思います。

上の画像と下の画像を見比べていただくと、私の言うことが何となく伝わるかしら?

 

外構工事につづき、造園工事で植栽完了の図。上の画像と見比べると、雰囲気が全然違いますよね。緑が入るとこんなに建物が生き生きと、そして根付いて見えるんです。

 

これは設計の段階で、いつもお客様にもお話していることで、その時は殆どのお客は私の言うことがピンとはきていないご様子。でも植栽工事が始まって、どんどん緑が足されていくにつれ、建物が生き生きと見えてくるのに驚かれます。

そして植え終わったとき、「家になった、という感じがします!」とおっしゃいます。