日光建物探訪③-SHELTER GARDEN NIKKO

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、夫婦で日光へ行って参りました。

「観光目線ではない」建物探訪記を3回に分けて綴ります。最終回はホテル編です。

(前回はコチラ)

日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

日光建物探訪②-大谷石の蔵

 

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今回は「シェルターガーデン日光」に宿泊しました。日光東照宮から車で5分ほど走った山の中にあるリゾートホテルです。

インテリアが、なんというか・・・ユニークでした。

スタッフの方はとてもフレンドリー。開業されてから1年とまだ新しいこともあり随所に一生懸命さが伝わってきます。もてなしにも遊び心を感じました。

 

ラウンジでシャンパンをいただきながらチェックイン。まず目に飛び込んでくるのは山の緑。そしてこの床。ゴツイです。

 

ホテルのコンセプトは、フランスの田舎町にある中世の小さなホテルからインスピレーションを得たとか。今の建築にない手作りのぬくもりがあったのだそうです。素材本来の素朴さや温かみを感じてもらいたいとのことです。

私達が泊まったのはリバービューのスーペリアルームです。

ラウンジと同様に、ここでも無垢の木が多用されています。無塗装のモールディングを見るのは初めてです。それが一瞬、DIY?と疑うようなラフな納まり。突き合わせの部分がズレていたり、端っこを揃えて切ってなかったり。クローゼットの扉も古材のような荒い仕上がりの無垢板がこれまたラフに貼られていて、鉄のフックで留めるようになっています。

「え?こんな雑でええの?」と思ってしまいましたが、そこは「敢えて」「わざと」でした。

デザインはとてもモダンだけれど、自然素材をふんだんに使ったラフな仕上げ。このバランスがとても興味深いお部屋でした。

一方、寝具やカーペットやタオル、パジャマなどはとても質のよいもので、備品やアメニティも充実しています。すっごい山の中ですが、Wifiやサブスクなどデジタル環境も不自由ありません。

写真いっぱい撮ったのでUPします。

 

リバービューのお部屋。インテリアの一番のポイントは2300×2300の一枚ガラスの窓。素晴らしい眺め!です。モールディングの額縁が付いていて、まさに絵画をみるようです。パーソナルチェアは不揃い。クッションカバーも馴染ませるのではなく外しで。

 

ベッドはSealy。バスルームの天井とテキスタイルはブラックで部屋とまた雰囲気が違います。ガラス張りなのは、バスタブからも山を見るため、だと思います。

 

でもこのインテリアは好みが分かれそう。年代も選ぶと思います。ご高齢の方は恐らく寛げません。小さなお子様のいるファミリー向けでもないような。

建物探訪が大好きな私は興味深々。とても楽しめました。

大自然の中に立つホテル、同じ自然素材を使っても、馴染ませるような和のデザインもあり、そっちも大好物ですが、たまにはこういった刺激的なデザインも面白い。思い出になります。

 

デスクコーナーには偶然にもディアガーデンの事務所の椅子と同じエルゴヒューマン。こんな部屋だったら寛ぎ過ぎて仕事にならんな。

 

大型額縁のビューウインドウはベッドからだけでなく、バスルームからも楽しめます。猫足のバスタブが置かれています。洗面は鉄。シンクも鉄。なんと叩いて窪みを作っていました。シャワーブースとトイレもここ。

 

猫足のバスタブは初めてでしたが、170cmと大きめな私の身体にジャストフィットでした。頭から背中にかけてが安定するというか、特に頭の納まりが良かったです。足もゆったり延ばせました。

日光峰山清湧加温の湯に、2種類用意されていたバスソルトのうち、フローラルな香りの方を入れて、窓外の景色を見ながら非日常に酔いしれました。

猫足のバスタブ、また機会があったら入りたいな。

 

バーコーナーに置いてあったKalitaのコーヒーセットを使ってコーヒータイム。ポットはBalmuda、豆とカップ&ソーサ―オリジナル、水は湧き水だそう。夫が豆を挽いて淹れてくれました。

 

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お風呂でサッパリしたら、着替えて、ラウンジでカクテルタイムです。

スパークリングワイン、厳選されたワイン、カクテルなどが無料でいただけるサービスがあって、おかわりもできます。

これは嬉しい。

 

ラウンジのバーコーナー。ポイントに使われたブラックが素敵。

 

カクテルタイム満喫中。キリッと冷えた白ワイン、美味しかった~。

 

さて、ホテルのお楽しみといえば食事は外せません。

こちらもオリジナリティあふれるメニューでした。建物探訪記なので詳細は端折りますけれど、初めていただく味もありました。量もちょうどよく、どれも大変美味しゅうございました。窓外には夕暮れから星空へと変わる大自然の風景、寛ぎながらいただく美味しい食事、しかも後片付けしなくていい・・・旅の醍醐味です。

ブログの初めに、もてなしに遊び心を感じたと書きましたが、それはDJブースがあるところです。(上の画像左端)

ラウンジの端に立派なDJブースやスピーカーがあり、お客からリクエスト曲募り、それをDJの方が紹介しながらかけてくれるのです。

どんな曲でもいいというので、面白半分で、私達夫婦もたくさんリクエストしました。会話を邪魔しない音量で、しかもDJの方がいい感じの曲紹介をしてくれるので、色々なジャンルの曲が流れても不思議と場の雰囲気は壊れません。むしろすごく良かったです。

久しぶりに聴いた曲で、すっかり忘れていた思い出が沢山蘇り、とても楽しい時間になりました。

 

メインのステーキを盛った器は切り株でした。森の木の再利用だそう。

 

朝、またコーヒーを淹れてもらって。この日もいいお天気で眺めは最高。

 

朝食のあと、まだ時間があったので、テラスに出てみました。

ちょうど建物の陰に入り、とても涼しく快適でした。

コンクリートのシンプルなテラスで、椅子が何組かと、下に落ちないようにだと思うのですが、端に木を植えた鉢が少しだけ置いてあります。

こちらの眺めは部屋からみた眺めと同じですが、当然ながらガラス越しに見るよりライブ感があります。鳥の声が聞こえ、美味しい空気も満喫できます。

 

テラスにはイームズのラウンジチェアにオットマン。サイドテーブルが切り株ってところがお洒落。

 

テラスから見える景色。大自然が広がります。足元を除くと稲荷川のせせらぎが。

 

私が暮らす滋賀も相当田舎なので、似たような景色がありますけれど、普段は街中に住んでいるわけで、この解放感はやっぱり特別です。

建物のロケーションって大事。その中でもどこを切り取るか、それもセンスだなぁとつくづく感じます。

 

旅の最後の日の朝。この雄大な景色にしばし酔いしれる二人なのでした。

 

3回に渡った日光建物探訪。

ところ違えば、建物もだいぶ違いますね~。

私はガーデンデザイナーですが、庭と同じくらい、建築にも興味があります。

近い将来、長らく行けてない海外でも建物探訪してみたいです。

 

 

日光建物探訪②-大谷石の蔵

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、日光へ行って参りました。

「観光目線ではない」建物探訪記を3回に分けて綴ります。

(前回はコチラ→日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

 

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宇都宮駅までは新幹線、そこからレンタカーであちこち巡りました。

その道すがら、頻繁に大谷石(おおやいし)の蔵を見かけたのです。産地とは知っていましたが、このように使われていることは初めて知りました。

母屋の離れに1棟たっているのが基本パターン。中には2棟建っていたり、かなり大きな蔵もあります。蔵の装飾や瓦の色もそれぞれで、次々現れる蔵を見ているだけでも、すごく楽しかったです。

よくよく見ていると、蔵だけでなく、敷地を囲う塀であったり、農業用ポンプ小屋、消防器具庫までもが大谷石だったりします。

レンタカーの助手席で、「あ、あの蔵カワイー」とか「あれ、凄く立派やわ〜!」とか叫びながら大コーフン状態の私。

ゆっくり見たいけれど、ドライバーの夫がなかなか止まってくれないので、撮影もままなりません。

中でも小マシに撮れたものをUPします。

 

正面は大体このようなデザインが多かったです。入口には下屋(庇)がついており、窓は2階正面に2つ、横にも1つ。その上は家紋かな?こちらの瓦の色は珍しい青でとっても可愛いと思った蔵です。

 

大谷石は火山灰や軽石岩片が固結して生まれた「軽石凝灰岩」で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材です。

軽量で、調湿性に優れ、防火性も高い。おまけに柔らかいので加工が容易なことから建築資材として多用されています。

私は使ったことはありませんが、大谷石は好きな石です。素朴かつ柔らかな風合いにとても惹かれます。

 

道路から見えるのは裏側ばかり。同じ敷地に2棟も蔵がある!こちらは状態も良くて立派ですね。

 

大谷石の蔵は、明治・大正時代に建てはじめられ昭和初期に広まったようです。

建物の構造の一部である扉や窓も大谷石で、様々な彫刻が施されていました。

しかも必ず家紋や屋号などの印が付いています。

蔵とは分かりますが、洋館風でもあり、すごくお洒落な建物という印象を持ちました。

しかし、中には崩れかけた蔵や、空き家らしく荒れ放題の蔵も沢山あり、維持管理は大変だろうなと思いました。

蔵が大谷石なら、塀も大谷石というお宅も多かった。

 

市内にはこのような大谷石の蔵を改装したレストラン(ここ素敵!→「石の蔵」)やカフェがあります。

帰宅後に知ったことですが、宇都宮市では「大谷石蔵活用事業」で空き石蔵物件と借り手のマッチングなど色々な取り組みをされているそう。

この美しい蔵がこれから先も遺っていきますように、期待してやみません。

 

宿泊先のホテルの日本酒バーの内装。壁の一部に大谷石が貼られていました(矢印ところ)

 

行く先々で大谷石が目に付いて、「いいなぁ~」「素敵だなぁ~」「蔵、買って~」って連発していた私です。

大谷石のことをもっと知りたい方は、大谷資料館がおすすめです。私は時間の都合で行けませんでしたが、夏はヒンヤリしてて人気スポットらしいです。

 

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さて、折角なので、観光についてもサラッと。

メインは日光東照宮で、その付近の寺院仏閣もいくつか巡りました。(中には秘境みたいな神社も)

東照宮は修理を終えて間もないこともあり、とにかくあちこち金ピカで、「ほー」とか「はー」とか溜息ばかり。龍や妖獣の手の込んだ細工は、いくら見てもキリがない程です。

境内の石垣という石垣が苔むしていて、灯籠も素晴らしく、そちらも見所満載でした。

個人的に嬉しかったのは、御本社で、久しぶりに幣でお祓いをしていただいたこと、かな。お隣の輪王寺ではタイミングよく秘仏も拝ませていただきました。

 

日光東照宮の陽明門(別名、日暮の門)です。遠く樹々の間から金箔がキラキラと輝いているのが見えました。この細工には本当に驚きです。

 

それから華厳の滝。

ここに辿りつくまでイロハ坂というヘアピンカーブがいくつも重なる峠をドライブするのですが、スリル満点です。

華厳の滝は飛沫がすごいせいか、虹が出ていてとても綺麗でした。色々な角度で眺められるのが有難かったです。

 

華厳の滝。そのパワーに圧倒されます。イワツバメが気持ち良さげにヒュンヒュン飛びまくっていました。

 

虹が綺麗でした。(丸印のところ)見てるように撮れないのが残念です。

 

山の中で。これはイワジャシンかな?と思ったのですが、自信がありません。美しくて欲しくなるけれども、こういう場所では撮るだけね。

 

小さな滝や川もたくさんあって、それぞれに美しかった。

雨が多く常に湿っているので、様々な山野草が生き生きと育ち、目の喜ばせてくれました。

次回は日光建築探訪のラスト。ホテル編です。

 

 

日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、日光へ行って参りました。

(ちなみに、帰宅後しばらくして受けたPCR検査は陰性でした。今のところ健康状態は良好です)

まずは新幹線で東京を経由し宇都宮へ、それからはレンタカーに乗り換え、日光東照宮など建物を探訪する小旅行です。

実はコロナ前に次の旅行先は日光と思っていたのです。あれから3年が経って、ようやく行けました。

観光地や温泉、地元の美味しいモノなど色々と楽しみましたが、ブログでは敢えて「観光目線ではない」建物探訪記を書こうと思います。

 

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栃木へ行くと決まって、東照宮の他に「絶対に行きたい」ところと言えば「那珂川町馬頭広重美術館」でした。

建築家の隈研吾さんが手掛けた美術館で、CMの撮影場所としても時々使われているので、ご存じの方もいらっしゃると思います。

ここは栃木県の観光スポットの中でも、かなりマイナーな場所みたいですが、隈さんファンで、美術館巡りが大好きな私にとっては、憧れの美術館。

隈さんの作品なら県内では他に「石の美術館 STONE PLAZA」最近では「宝積寺駅舎」などもあり、美術館なら藤城清治美術館、奈良美智さんのN’S YARDなど心惹かれる場所は多々ありましたが、限られた時間で一つとなるとここなんですよ。

 

憧れの馬頭広重美術館。正面です。関西から行くには相当困難な場所にあるため諦めていましたが、念願叶って来れました。山の中にあるのかと思いきや山裾。村の一角にあるという感じ。

 

こちらの展示は、栃木県さくら市出身の実業家 青木藤作氏収集による広重の肉筆画や版画をはじめとする美術品が中心です。

木版画は異なる版木を何度も擦り重ねて色や奥行を表現するもの。隈さんはこの美術館を設計するに当たり、地元産の八溝杉による格子(ルーバー)を使って、木版画の工程を建築化した・・・みたいなことを言われています。

2000年竣工とありますので数ある隈さんのルーバー作品の中でも初期の頃ではと思います。

詳しくはコチラ→ 隈建築設計事務所のサイト 馬頭美術館PROJECTのページ

 

ルーバーのレイヤーがつくりだす景色、陰

 

実際、行って見ると、想像していたよりもだいぶ小さな建物でした。

平屋で切妻の屋根、That’all。

思うにこの佇まいは、まるで神社のそれです。

景色の邪魔にならず、かといって溶け込み過ぎる訳ではありません。

存在感は物凄くある。

 

広いアプローチ。迫力の大屋根。奥の限られた開口部から見える庭が眩しい。色々と計算されているのを感じます。

 

余談ですが。

こんなに美しいアプローチ↑の目に付くところに、ド派手なピンクのどこでもドアみたいなものが置いてありました。画像左、ミュージアムカフェの入口付近です。(撮影の際、思わず見切ってしまいました)

これははたして展示なのか?SNS用なのか?実際20代らしきカップルが撮影に励んでいましたけど。

正直、悪目立ちしているとしか思えません。嫌悪感すら感じたけれど、こればっかりは人それぞれですしね。

自分をなだめてさらに真っ直ぐ進むと、庭へ出ます。

 

庭側から建物の裏を見る。CMではこの辺りによく車が登場しますよねー。

 

庭から見る。モノトーンの建築に色を添えるのは空と竹のみ。絵になるなぁ。

 

外観を色々な角度から堪能していると、あっというまに30分程経っていました。

流石に暑くなってきて、企画展「二つの百人一首 《小倉擬百人一首》と《百人一首之内》」を見ることに。

夏休みなのに全く混んでおらず、お陰で久しぶりの浮世絵をゆっくり堪能できました。

 

チケット買って展示室へ向かう廊下。この日の私は和モダンな馬頭広重美術館に合わせてストライプ&モノトーンコーデです。

 

内装にも地元の材。壁は烏山和紙、床は芦野石だそう。太鼓貼りの壁からもれる灯りが優しい。

 

縦格子の屋根は影も美しい。屋根と影のラインが、奥に目線を引っ張っていくような。

 

窓を覆うシャープな線は、広重の描く雨のよう。

 

庭は裏山を背景に砂利が敷き詰められ、竹が植えられているだけです。これまた神社の参道のようでもあり、お寺の方丈庭園のようでもあります。

おおきな「余白」として存在するこの庭は、中から見ると全く違って見えます。

窓にもルーバーがついていて、それを通して眺めると、ただの砂利の広場に先程見た広重の雨が降っているように見えます。また、屋根のルーバーはモダンな影を映し出し、それがまたレイヤーになっていて・・・と、色々な見え方が楽しめるのです。

建築と庭の素敵なつながり。なるほどです。

こんなに単純なフォルムの建築なのに、見所はたくさんあります。

ブログ読者様にもこの感じ、伝わったでしょうか。

宇都宮駅から1時間以上、だいぶ遠かったけれど、やっぱり来て見て良かったです。

次回は現地で見かけた大谷石の蔵について。日光観光の様子も少し書きます。

夏庭の愉しみ-雨の庭

三連休いかがお過ごしでしょうか?

このごろは戻り梅雨(梅雨が明けたあとに、再び梅雨のような天気が戻ること)のような天候が続きます。梅雨末期に見られる豪雨も予想されています。

結局平年通りの梅雨と変わらないような?

お陰で庭の植物も生き返ったように青々としています。

 

雨は慈雨と表現されることも。万物を潤し育ててくれます。

 

さて、日本の夏を如何に心地よく過ごすか、庭という視点から数回に渡って考えている7月のブログ。今回は「雨の庭」です。

(前回はコチラ→「夏庭の愉しみ-陰翳礼賛」

 

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雨が降ると頭痛やだるさなど不調を訴える方もおられます。原因の一つは、低気圧や光が足りないことから起こる自律神経が乱れ。

雨によって副交感神経が優位になり休息モードになっているのに活動しようとするので、身体が混乱し、頭痛をはじめとする不調につながるのだとか。

だから雨の日は、本来、穏やかに過ごすのが一番なのです。

辛い時はなるべく無理をせず、マイペースで出来る仕事をするなど工夫してみてくださいね。

 

 

雨の日は身体がぼんやりする一方で、感性は強くなります。

エネルギーが自分の内側に使われますから、インプットしたりクリエイティブな作業をするには最適なのです。

そんな時は、窓外の庭の景色が眺められる場所でするのがおすすめ。

庭は一番身近な自然。雨の庭には独特のゆらぎがあります。雨粒を見たり雨音に耳を傾けたり、湿り気によって変わる素材の色や香りも感じてください。

自然のリズム「1/fゆらぎ」を感じることで、インプットやクリエイティブな作業の効率も上がるそうです。

1/fゆらぎを感じると、自律神経も整いやすくもなります。雨の日に不調を感じる方も、どうぞ自然のゆらぎに触れてください。

 

ディアガーデンのテラスで。雨が降るとガラステーブルに薄い水たまりが出来ます。自然のゆらぎのリズムを感じて。

 

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雨の庭で思い出されるのは、8月の終わり頃、ある町家の坪庭を見せていただいたときのことです。

晴れ女の私は、どこか出掛けるとき、滅多に雨に遭遇しません。傘を持って行っても差す程でもないとか、帰ってきたら降り出したとか、そういう場合が多いです。でもこの時は町家について暫くすると雨が降り出し、帰り際には本降りになっちゃって、足元はずぶ寝れ。だからよく覚えているのです。

 

京都「無名舎(吉田家住宅)」訪ねたとき、晴れ女の私としては珍しく激しい雨に遭遇。

 

縁側に縁どられた小さな坪庭は、どの部屋からも見えます。真ん中には、蹲踞と燈籠があり、棕櫚竹と常緑の植物が少しだけ植えられていました。

ただそれだけの空間です。

そこに雨。

すると棕櫚竹や常緑の葉は濡れ一層艶やかに、水鉢にはちいさな波紋が次々と生まれては消え、そして川石がヌラリと光るのです。縁側に座ると聞こえるのは雨音だけ。雨による変化が、単に濡れてるんじゃなくて、情緒的なんですよね。

心なしか涼しくて、ここでぼーっと座っていると、とっても心地よく、自分がいつの時代にいるのか?分からないような奇妙な感覚になります。

そう、坪庭には雨の庭の愉しみがギュッと詰まっていました。

 

雨の坪庭(京都無名舎)

 

普段頑張っている脳や心、身体にとって、雨を五感で楽しめる庭は最高に贅沢な空間だと思います。

 

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雨の日が休日だったら・・・身体の求めに応じて家でゆっくり過ごしてみてください。

特に雨の日に症状が出る人はしっかり休んだ方がいい。

実は雨というだけで疲労軽減の効果があるので、上手に休むことができれば、身体が細胞から生き返ります。

平日頑張っているひとこそ、雨の休日は庭と共にゆったりと過ごしていただきたいです。

 

 

建築家伊礼智氏の講演会へ

現場作業が雨で日程変更となり、その日の夕方、ぽっかりスケジュールが空いてしまいました。

出掛けるつもりで一応メイクしたり支度をしていたので、折角だし「行けたら行こう」と思っていた講演会に参加することに。

それは建築家 伊礼智氏の講演会。

自然素材を使い豊かに暮らせる小さな住宅設計で人気の建築家さん。全国の工務店で設計指導もされています。建築関係、とりわけ木造建築の世界では恐らく知らない人はいない・・・そんな方です。

私はご本や雑誌を通して伊礼氏の植栽ありきの設計手法に共感し、その延長でブログも拝見していました。

ここ滋賀県にも伊礼建築は何棟かあります。講演会は恐らくそれらを建てた工務店さんのアテンドかな?

「行けたら行こう」なんて気になったのは、会場がすぐそこにあるホテルで、席がまだ残っていたから。そしてテーマが「町と家の間を考える」だったので、きっと造園についても話されるだろうな、どんな風に設計されるのか聞いてみたいと思ったからです。

 

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講演は、沖縄ご出身というご自分の生い立ち、そして、ご実家や沖縄建築のお話から始まりました。

沖縄は、海と陸の間、この世とあの世の間、町と家の間…というふうに、何かにつけて「間(あいだ)」が豊かなんです。とおっしゃられたことが印象的でした。

年を重ねるごとに、沖縄の建築にどんどん回帰しているように思うともおっしゃっていました。

 

潮が引くと海岸には海の恵みが色々と出現。沖縄の人々は海と陸の間の豊かさを暮らしに生かしてこられた。

 

それに、天井高2100mmが何だかいい高さなんですよ~と何度も言われるのです。椅子に座ると、とても落ち着く高さなんだとか。

2100mmって、私なら(身長170cm)手を伸ばせば届いてしまうくらいの高さです。低っ!と思ってしまいましたが、よく考えたら実家にそういう部屋がいくつかあります。ですから、言わんとされていることは何となく分かりますが。

大きな窓を付けたり吹き抜けとの併用で圧迫感をカバーするらしい。そんな部屋が一つくらいあってもいいのかもしれませんね。

 

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さて、演題の町と家の間について。

伊礼氏は、構想の段階で、造園家さんと現地でアレコレ話すそうです。一般住宅では普通、庭は後付けで最後に相談される場合が多いのですが、それが設計時でもなく、構想時というところが特徴的です。

そして方位のセオリーに囚われず(南向きのリビングとか)、土地の良いところを読み取り、施主の希望や造園家さんの意向も取り入れつつ、設計を始めるということです。

なるほど、完成した住宅を見ると、植栽が後付けでないことがはっきり分かります。中から見て、近景・中景・遠景のバランスが良いので、開口部それぞれが意味を持ち、活かされているのかなぁと感じました。

造園家は建築家とは違う目線で住宅を考えますから、互いに強い信頼関係が築けたら、それは素晴らしい仕事が出来るでしょう。

それに、そういう設計手法って、やっぱり施主が望まないと出来ません。建物と違って庭は生き物なので育んでいくもの。庭を楽しめる気持ちがない施主だと難しいと思います。

植栽ありきで街並みにも貢献したいという施主だから伊礼氏を選ばれるのでしょう。それに、伊礼氏には施主をその気にさせる魅力もあるのかなと思ったり。

私は、そんな建築家、そんな施主と出会うためには・・・やっぱり自分を磨くしかありません。

同じ目線で考え、しっかり提案できるよう、いや、今も出来るつもりではいるのですが。

自分がやる事にどういう意味を感じるのか?仕事との関わり方含め、もっと考えてみたいと思った講演会でした。

 

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最後に、哲学者の野矢茂樹氏との対談の話をして下さいました。

野矢氏は「豊かなものは外部からやってくる。いいものは取り入れ、良くないものは取り入れない、建築ってそういうことでしょ」と言い放たれ、その言葉に感銘を受けたとおっしゃられていました。

敷地内で完結しない設計が町と住宅をつなぐのですね。

 

 

のんびりGW

GWも後わずかとなりました。

久しぶりに規制のない連休ということで、観光地はどこも盛況で道路は大渋滞でしたね。

私のGWといえば、ほぼカレンダー通り。土曜日にも仕事をしたとはいえ、そんなにバタバタせず、ゆっくり過ごしております。気分転換のお出掛けは近場に1日だけ。あとは家の用事をしたり、読書に耽ったり。

 

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GWで済ませた用事というと、

衣替えの総仕上げ兼ねてクローゼットの整理整頓、キッチンの換気扇やその周りの拭き掃除、窓拭き、ガーデンファニチャーを洗ったり、観葉植物の手入れ・・・等など。

一気にやると疲れてしまうので、一日にひとつづつ片付けていきました。

 

ダイニングキッチンのハンギングプランツのひとつ、リプサリスが角のような新芽をニュニュッと出しました。角は最初、糸のような細さなのにどんどん太く長くなっていきます。日々変わるので観察するのが楽しいです。

 

暖かくなったので、観葉植物はこれからが株分けや植え替えの適期です。

私は今回、ストレリチアやアスパラガス、多肉植物、ポトスなどを、株分けしたり一回り大きな鉢に植え替えました。

部屋にはそうして増やした観葉植物があちこち置いてあるのですが、庭に比べればまだまだスペースに余裕があります。なので、ウチに合う観葉植物を常に探してる。

そして、空いたスペースには、ひとまず、枝物を生けて愛でています。

 

事務所に緑清々しい枝物を飾りました。これはナツハゼです。もとは不要な切り枝でしたが、こうして活けると十分美しい。

 

庭の植物たちもこの陽気でグングン成長しています。植え付けて1年未満の木や根の浅い宿根草は、水切れしないよう気を付けてやらねばなりません。

私は天候や植物の状態に合わせて、手動と自動散水システムを使い分けて水遣りをしています。忙しいときや疲れているときは、スマホでポチっとするだけで水を撒いてくれる自動散水システムがすごく便利。

GW中、何度この機械のお世話になったことでしょう。

 

昨年設置した自動散水システム。黒いホースは植物が育つとほぼ見えません。水遣りは機械に任せて、空いた時間を活用できます。春はもう紫外線が強いので、外に出ずに室内からスマホで操作できるのも嬉しい。

 

家庭用の自動散水システムについての詳細はコチラ

 

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お出掛けは夫の希望で長浜へ。

県内といえども、道路の渋滞や駐車場探しで無駄に時間を取られたくないので、電車に乗って向かいました。

夫が行きたい場所は、私はあまり興味がない場所だったのですが、それだけに新鮮。まぁまぁ楽しめました。

結構な人出で、喧騒を逃れようと脇道に入ると、立派なお寺が見えます。こんなところにお寺があったのねと行って見ると、素敵な障子絵に出会うことが出来ました。

 

長浜別院大通寺。長浜の商店街は何度も訪れているのに、こちらのお寺は初めてでした。浄土真宗大谷派(東本願寺)の別院で地元では「長浜御坊」と呼ばれています。安土桃山時代末期創建で建造物の多くは国又は市の指定重要文化財です。

 

米原市を拠点に活動されているアーティスト早川鉄兵氏による切り絵障子が特別に展示されていました。

5月15日(日)までの期間限定だそうです。

 

切り絵障子とは!何ともカッコいいです。初めて見せていただく眺めです。

 

18面の障子に阿弥陀如来と様々な生き物たちが切り出されています。

 

中からは影絵となって、また表からは微妙に趣の異なる眺め。私は中から見た感じが好きです。

 

感動しました~。

偶然の出会いに感謝です。

 

長浜浪漫ビールにてランチ。昼間っからクラフトビールをいただけるのも、休暇中ならでは。暑いくらいだったので、冷たいビールは本当に美味しかったな。電車で来て大正解でした。

 

こうして行きたいところに行き、人と集えるって、やっぱりいいですね。

このままコロナとの共存が上手く進みますように願っています。

 

京都市京セラ美術館の建物探訪記

先日、京都市京セラ美術館に行って来ました。

前回のブログでは展覧会の様子を。今回は建物についてです。

昔から美術館という場所自体が大好きで、パワースポットのようにも感じているワタクシ。非日常的で飛びぬけて素敵なその空間に身を置くだけで、不思議と癒され満たされるのです。だから全て味わい尽くしたい。展示だけでなく建築までもじっくりと鑑賞してしまいます。

振り返ればこれらの経験は、ガーデンデザインをする上で血となり肉となっているように思います。もはや美術館は私の人生から切り離せないものになりました。(何と大袈裟な!笑 でも本当のこと)

過去ログでもいろんな美術館記事を書いております。ご興味のある方はサイトのサイドバーにある検索欄で「美術館」と入力して探してみてください。ざっと30は出てくると思います。旧seesaaブログを合わせると60近くあるかもしれません。

 

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さて、京セラ美術館。

以前は京都市美術館だったところです。2017年に50年間のネーミングライツ契約を京セラ(株)と締結。スポンサーを得て大規模な改修工事が行われました。

工事中は何度も前を通り、どのように変わるのだろうと楽しみにしていたのですが、オープン後2年も行けないでいました。パンデミックのせいもあるけれど、無理をしてでも見たい!と思う展覧会がなかったのが本音です。建物は逃げないので、そのうち行く気になるだろうとのんびり考えていました。他にも行くべき美術館はありましたしね。

 

京都市京セラ美術館。改修工事が始まったのが2018年1月で、翌年10月に竣工、リニューアルオープンは2022年5月のことでした。建築家青木淳、西澤徹夫氏のよる。青木氏は現館長。

 

建築の見所の一つは、なんといってもファサード。元々あった前広場を掘り下げ、ガラスをはめ込んで出来た新しい空間「ガラス・リボン」でしょう。

レンガにガラス、直線的なラインに対して流動的なライン。素人の私でも分かりやすい対比ですが、それにより、実際は以前とさほど変わらないのに、とても新鮮に映ります。

ガラス張りの効果は絶大で、全体を引きで見ると、どっしりとした建築が浮いているように見えるから不思議です。このデザインを実現する技術力も凄いんだろうな。

 

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中に入ってみると、壁は恐らく塗り替えられているのでしょうが、モールディングやタイル、窓枠、古いガラス、階段の手摺りなど、古き良き時代を思わせる意匠はそのまま。

そこに極々控えめにモダンテイストを加えたという感じで、元のデザインをとてもリスペクトされているんだなと感じます。

 

ここは談話室。元々の意匠がそのまま残されています。天井が高くて窓や照明が本当に素敵。家具はこれで合ってるのかな?

 

 

中央ホール。照明が変わっていたけれど床や天井は前と同じ。新しい動線として階段が追加されています。紙で作ったかのような軽やかなデザイン。

 

以前と大きく変わったのが動線です。

メインエントランスが地下になって、奥の日本庭園まで一直線に伸びる軸線が新しく設けられました。シンプルで機能的だし「抜け」があってとても素晴らしいと思いました。前は内部がいまいち分かりにくく薄暗い印象でしたので。

改築に当たり「この美術館に埋め込まれていた軸線を引き出そうとしました」と青木氏はおっしゃっています。

 

中央ホールを少し進んだところ。レトロとモダンテイストが融合してカッコいい。扉の向こう側、ガラス越しに日本庭園が見えるところも素敵です。

 

メインエントランスから真っ直ぐ進み突き当たる場所。ガラスがはめ込まれ、中からこんなに解放感ある眺めが楽しめます。庭も作品のひとつ、まさに屏風をひろげたよう。

 

建物と庭というのは、このように一体化してこそ価値があると改めて感じました。

いくら立派な庭でも、室内からその景色を取り込めないと魅力は半減してしまいます。

以前のお庭は建物の裏と言う感じで、ガラスがはめ込まれたところには確か重い扉があったような。中から見えたかどうかもはっきり覚えていませんもの。新しくなって庭がようやく生きたように思います。

見せ方って大事。庭が分かっている建築家っていいよね~。

 

元々あった日本庭園。七代目小川治兵衛が関わった言われています。東エントランスから出て散策できます(一度出たらまた正面に回らないと入れません)。そんなに広くありませんが東山まで視線が抜けて気持ちいいお庭です。

 

藤棚もあり見頃を少し過ぎたころでした。良い香りを堪能。

 

池のほとりに番いかな?2羽の鴨が寛いでいました。すぐ近くに人がいるのに慣れているのか逃げる素振りもありません。あまりに動かないので置き物のよう。ウトウトとお昼寝中でした。

 

最後に美術館の隠れたお楽しみ。それはミュージアムカフェです。

美術館に併設されたカフェって、大抵お洒落で静かなので大好きです。展覧会の余韻を楽しむのにはピッタリな場所。私は必ず立ち寄ります。

こちらのカフェは新しく作られたスペース。メインエントランスのすぐ脇にありますが、奥まったところにあるので、入館者の出入りは案外気になりません。

 

鑑賞したあとはミュージアムカフェで寛ぐのが定番です。半地下でガラス越しに前広場や平安神宮の大鳥居が見えます。京都の食材を選んで使っているようです。私は京もち豚のローストポークを挟んだホットサンドをオーダー。美味しかったですよ。

 

新設された建物東山キューブの屋上。この日はあいにくの曇り空でしたが、それでもこの景色。新緑の山々が見えて爽快でした。

 

このさき何度も訪ねそうな美術館。

斬新な企画展を期待しつつ、その折にはまたゆっくり建物探訪したいと思います。

皆様も機会があれば是非行って見てください。

 

 

植生観察とデザインの原点を確認

気が付けばもう10月。

晩秋に予定している工事の準備をしつつ、来春に向けての案件もいくつか動きはじめ、何となく気忙しい日々を過ごしております。

先日は出張で久しぶりに長野県へ参りました。とあるショールームの造園設計のためです。

広い敷地には素敵な建物が建っており、それ以外の部分はほとんど白紙の状態です。お客様のご要望は少なく「後は全てお任せします」とおっしゃいます。最近こういう風に言って下さるお客様が増えて、有難いような~難しいような~。植物や庭のことはよく分からないので「任せます」とおっしゃるのですが、その真っ直ぐなご信頼と期待感たるや・・・かなりのプレッシャーです。

今回の打ち合わせでは、いくつか可能性をお伝えしつつ漠然としたビジョンを掘り起こし、方向性を決めて参りました。

ご期待にお応えするべく力を尽くさねばと思います。

 

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他府県で庭を設計するときは、念のためその土地に合う植物を調べたり、その土地に行けるのなら何が育っているのか観察します。隣県ならほぼ変わらない植生も、エリアが変わると若干違ったりするからです。

観察する場合は、移動中の車窓からや個人邸の庭は通りから。時間があれば、公開されている庭園や観光公園、美術館の庭などを訪ねます。

長野県へは壮大な自然に魅了されて、これまで公私合わせると十数回は訪れておりますが、設計の仕事は久しぶりなので、今回改めて、仕事をする場所に程近い松本市で植生の確認をして戻りました。

街中を歩くだけでも、関西では馴染みのない木が普通に植わっていて「へぇー」です。例えば街路樹がカツラだったり、生垣はイチイが圧倒的に多い、等。逆に馴染みのある木が普通に育ってるのを確認すると安心材料になります。

雑木の庭がある「松本民芸館」にも立ち寄ってみました。

 

松本民芸館の門

 

門から一歩足を踏み入れると、見上げる程のケヤキやブナの木。そして足元に様々な雑木が植えられています。

広さは10m×20m位?(適当です・・・)で、木々の他は園路が見えるだけ。まさに用の美というか、とても簡素な庭です。圧倒的な緑に包まれ、鳥の囀りだけが心地よく響いて、何とも気持ち良い空間。ここにいる鳥たちはここが好きなんでしょうね。声がものすごく大きく感じました。

モミジ、ダンコウバイ、クヌギ、クロモジ、ニシキギ・・等々、植えられた木々をメモしつつ散策しました。見知った木が多かったことは良かったです。

 

門と建物の間にある庭。すっきりとしたデザインの、でも味のある園路が2方向に延びており散策できます。

 

土蔵造りの美しい建物に国内外の民藝品がゆったりと展示されています。照明や家具、活けられた花々も美しいこと。

 

ここは、元は、民芸店のオーナー故丸山太郎氏が、柳宗悦氏の民芸運動に共鳴して集めた日本や世界の民芸コレクションを収蔵した私設資料館だったそうです。

展示品の面白さ、そして建築に使われている素材、間取りやディテールに、故人のこだわりが見えてきます。

(民藝品について感じ入ること多々ありましたが、長くなるので端折ります。またいつか)

建築と庭の雰囲気がとても合っていると思いました。

 

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長野県はギリギリ日帰りできる距離ではありますが、往復9時間近くかかる移動が身体に堪えるであろうことは、経験より想像できました。

それで今回は一泊させてもらい、翌日午前中いっぱい植生観察に費やして戻ることにしました。

宿は、泊まれる民藝「松本ホテル花月」さんを予約しました。

 

松本ホテル花月さん。松本城へ徒歩5分の場所です。打ち合わせを終えホテルに着いたのは夕方。ライトアップされた外観が美しい。

 

松本ホテル花月さんは、大正ロマンあふれる洋館に松本民芸家具を配した粋なシティホテルです。2016年にリブランドオープンされていて、建築設計は永山 祐子氏、インテリアデザインは濱川 秀樹氏によるものだそうです。

ロビーが超絶素敵でした!

まだあちこち緊急事態宣言中の頃だったので宿泊客はまばら。素敵な空間を長い間独り占めしつつ、ここでもまた観察してしまいました。

 

松本民芸家具が配された重厚なロビー。民藝品がセンス良く飾られて。

 

家具に合わせた壁の色、タイル、照明、天井仕上げ、窓・・・全てがマッチしていてため息です。それぞれの素材の存在感は確かにあるのに出過ぎずバランス感が絶妙。落ち着きます。

 

このタイル、陰影がいい感じに出でて好きだなぁ。ホテル向いの建物の外装にも使われていました。

 

お部屋も松本民芸家具でコーディネートされいて、簡素なのですが十分。大人の雰囲気でした。

直前予約だったのでビジネスホテル並みのお値段になったのにもかかわらず、宿泊客が少ないということで、一人だけどツインルームにアップグレードまでして下さいまして、なんだか申し訳ない気分。でも有難かったです。

Bluetoothスピーカーが置いてあったのも嬉しくて。静かな音楽を流してリラックス出来ました。

 

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民藝は「無心の美」「自然の美」「健康の美」そして「用の美」と表現されます。

暮らしの中で使われることを考えて作られ、使われることによって輝く、そんな美を言うそうです。それは私のデザインの目指すところでもあります。用途に即したデザインでないと経年変化に耐えられないと思うからです。

今回の出張は、改めて自分のデザインの原点を確認できた良い機会でした。

 

 

(株)仁々木様新店舗「ほのあかり」のお庭が完成しました

今春から進めておりました(株)仁々木様の統括工場に新しく増設された直営店「ほのあかり」のお庭が完成しました。

こちらは滋賀県守山市千代町の県道145号線沿いにある和菓子店で、店内には大人気のフルーツ大福他、出来立てのお菓子やここ限定のお菓子等がずらり並んでいます。

202185日(木)10OPENアクセス等詳細GOOGLE MAP が開きます)

ブログをご覧の皆様、お近くにお越しの際は是非お立ち寄りくださいませ。

 

 

仁々木様、この度は新店舗オープン誠におめでとうございます。

こちらの会社様とはかねてよりお付き合いがあり、祇園本店の作庭や月々の花生け、守山市内にある近江工房店の作庭などご愛顧いただいております。

今回新店舗の造園計画でもお声掛けくださって、このような機会をいただけましたこと、心より感謝申し上げます。

 

道路から見た店舗エントランス。街中にありながらも木立に囲まれた緑豊かな空間を目指しました。

 

建築工事や道路工事の兼ね合いで苦労もありましたが、庭の完成がオープンに無事間に合ってホッとしています。

振り返れば7月の猛暑の中、もうこれ以上は出ませんというくらい汗を流しながら、パートナーの造園会社様と一緒に作り上げました。

工事関係者の皆様に改めてお礼申し上げます。ありがとうございました。

 

工事中の一コマ。この日は大きな景石(景色を作る石)を据えていました。石は植物を引き立ててくれる大切な存在。相性が良いのは言うまでもなく自然でダイナミックな景色を作ってくれます。造園会社様のご厚意で銘石もいくつか入っています。滋賀県産の銘石「守山石」も何気に居ます。見つけて!

 

木や景石を入れて土を整形したところ。まだ乾いた印象で、これから低木や宿根草、苔や化粧用の砕石などを入れると一機に潤いある空間になります。

 

時折、社長様から差し入れをいただきました。これは特産の守山メロンで作ったソフトクリーム。意識が朦朧とする午後、疲れた身体に染みわたる美味しさ。ご馳走様でした。

 

夏場の植栽工事はいつも以上に気を使います。

木が活発に活動している成長時期ですから、水をたくさん吸うのはもちろん、たくさん吐き出してもいます。植え付けたばかりの苗木はにとって、強い日差しや高温といった夏の環境は過酷そのもの。なにより水管理が大変です。

個人邸ならば「植えるのは休眠期まで待ちましょう」とか「葉っぱを大幅にむしって植えます」とか提案できるのですが、店舗さんの場合はオープンの日取りが決まっているし、見栄えも大事なので、なかなかそうもいかなくて。

それで蒸散抑制剤の散布に加え、見場えと活着の狭間ギリギリのところを狙って植えていただきました。葉の量はこれからも微調整せねばと思います。

水遣りしやすいような工夫や散水装置の提案もしていますが、この夏はとにかくしっかりと手で遣ることが大事。これからは台風も来ますのでなかなか気を抜けません。

「なんとか根付いて!!!」

お庭を引き渡した後はいつもそう祈ります。お客様と一緒に見守っていくしかありません。

 

ひとまず完成の姿。造園はここからがスタートです。

 

社長様のコレクションであり手塩にかけて育てておられたアジサイやウツギ類をあちこちに植えました。来年の初夏が楽しみでなりません。

 

オープンの日。庭の様子見ついでにお店に伺いました。暖簾がかかるとお店感が出ますね~。素敵です。アプローチ脇に遊びで転がしたコロンとまあるい虎石も以外と目立ってるかも。

 

許可をいただき店内を撮影。白木が清々しい素敵な内装。工事中はしょっちゅう見ていたけれど「こうなりましたか~」とため息。

 

お客様が引けた一瞬のタイミングを狙って撮った一枚。

 

看板商品のフルーツ大福をゲット。旬のシャインマスカットと桃です。フルーツの酸味と白あん、クリームのバランスが計算されているところが素晴らしくて、お餅はやわやわと優しい。季節毎に一番美味しいフルーツを厳選して作っておられるのでフレッシュでジューシー。新商品がいつも楽しみです。

 

オープン限定???お楽しみ袋なる商品もあって、もちろんゲットです。こちらは私も普段から慣れ親しんでいる仁々木さんの定番商品がいっぱい。内勤のお供です。

 

さて暦は立秋を迎えました。立秋は小さな秋の誕生であると同時に、夏のピークでもあります。

昼間は残暑は厳しいものの、朝や夕方にふと涼しさを感じる瞬間があり、寝苦しさからも解放されつつあるこの頃。昼間の蝉の声と入れ替わるように草むらや植え込みの中から、ちらほらと虫の声が聞こえ始め、大好きな秋の到来を予感させます。

来る季節を楽しむべく、また新しい庭作りに向けてパワーを蓄えるべく、お盆の期間は養生しようと思います。

 

 

紫陽花の盛りに 夏越しの大祓-2021

例年通り六月晦日は夏越しの大祓へ。

知らず知らずのうちに溜まった半年間の穢れを祓い、新たな気持ちで後半を過ごせるようにという年中行事です。

一番訪ねやすいのが、ディアガーデンから車で10分程走ったところにある沙沙貴神社です。いつも参拝している日牟礼神社は晦日18時以降でないと潜らせてもらえないので、なかなかタイミングが合わないのです。

 

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さて、沙沙貴神社さんの駐車場から山門へ向かう道すがら、迎えてくれるのは大きな紫陽花の木です。

神社やお寺、公園など敷地に余裕のある場所に植えられた紫陽花は、小さく切り詰めなくてよいので悠々とした枝振り。紫陽花本来の良さが味わえます。朝日と明るい木漏れ日をいただいて葉焼けもせず本当に美しいです。

皆様にも神社の澄んだ空気の中で咲く美しい紫陽花を是非ご覧いただきたく撮影しました。

 

シックな青紫色の紫陽花の前に可憐な露草。近所に田んぼや畦が少なくなり露草を見るのも久しぶり。

 

色とりどりの紫陽花。グラデーションが見事です。

 

今年はどこも紫陽花の花付きがいいような?

紫陽花に当たり年などないとは思いますが、そんな気がします。皆様のお庭ではいかがでしょうか?

 

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紫陽花を堪能して身を清めたら、いざ、茅の輪くぐり。

沙沙貴神社へはいつも早朝に伺うので、潜るとき参拝者はほとんどいらっしゃいません。なので厳かな気持ちで落ち着いて潜らせてもらえます。

 

今年の茅の輪くぐり、スッキリ晴れました。ゆっくりと潜り穢れを祓ってもらいました。

 

あぁ、今年も早、半分過ぎてしまいました・・・。

例年に比べ何だか慌ただしくて、ただただ目の前のことを処理するというか、文化的な暮らしとは程遠い日々でした。いろんな穢れを背負い込みまくっていたと思います。

茅の輪の香りと共にスカーッと浄化してもらえたなら嬉しいです。

そう思うことでまた目の前の課題に向き合えそう。出来ればあとの半年は、落ち着いた自分の時間もとれるといいな。

 

例年似たような画角になってしまうのでたまには違う角度から。拝殿から山門背景の茅の輪です。

 

本殿裏の庭で涼し気な半夏生

 

こちらの神社はいつ行っても美しく掃き清められていて、立っているだけで気持ちがスッキリシャッキリ。

境内には紫陽花の他、色々な自生植物が植えられていて、参拝後ゆっくりと見て回るのも楽しみです。今年は境内の端っこに植えられていた「タニワタリノキ」に注目しました。

「こんなところにこんな木あったっけ?」

常緑低木で横広がりの樹形、突起のたくさんある丸い花が何とも愛くるしいです。

帰って調べると、原産地は日本の九州南部や中国、インドシナとのことで、どうりでこの辺りの山では見かけないはずです。

でも冬に積雪のある近江八幡市でもなんとか育つみたいですね。

 

初めて見る花、タニワタリノキだそうです。丸い花がとっても可愛らしいです。

 

参拝の後は定番の水無月を。今年もたねやさん。