町家とその庭、住まい方-無名舎(吉田家住宅)

特別公開中の京町家「無名舎(吉田家住宅)」さんを見学してまいりました。

こちら、昔は白生地問屋だったそうで、建物は大店(おおだな)によく見られる「表屋造り」。棟と棟の間に小さな庭(坪庭)が複数箇所設けられているのが特徴で、採光や風通しに問題がある町家建築の弱点を補っています。国登録有形文化財の指定を受けた貴重な建物ですが、現在も住まいとして使われています。

過去メディアで何度も取り上げられたお宅ですから、建物や庭のウンチクは、ウェブ検索すると山ほど出てまいります。ですので、詳細はそちらにお任せするとして、私は住まい方についていいなぁと思った点など書きたいと思います。

 

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暖簾をくぐると、店の間、そして玄関へと続きます。

玄関先は外部空間となっていて、足元には洒落た石貼りが。それが通り庭へと伸びています。ここにある腰掛待合は、茶道を嗜まれるご当主が近年作られたものだそう。新しいものなのに、明治に作られた建物と違和感なく合っているのはさすがです。

腰掛待合とは、お茶事で客が茶席に入るまでの間待機する場所。玄関棟の隣棟にある座敷に炉を切ってお茶室にされています。水屋も押し入れのスペースを上手く利用して設けられていました。

登録有形文化財とはいえ、外観を著しく変更しなければ改修や改装も行うことができるそう。建物を守ることは大事だけれど、住まい手が楽しく暮らすことも大事。吉田家住宅はそのあたりのバランスが素晴らしい。ご当主様の知性とセンスによるものだと思います。

 

玄関の脇にある腰掛待合。こう見えて一番新しい。石の貼り方が凝ってます。

 

玄関で靴を脱いで上がらせてもらいますと、座敷には網代が敷かてれいます。町家独特の夏の室礼の一部で、ヒンヤリとした感触が心地いい。その冷たさは予想以上で「うちにも網代、欲しいな~」と思うくらいでした。

吉田家は季節によって敷物や建具を変えられます。床の間の軸、各部屋の室礼、先ほどの書きました水屋に置かれたものなどは、季節毎ではなく、それはもうしょちゅう変えられているそうです。

お気に入りの美術品や道具類がいっぱいあったら・・・私もそんな風にとっかえひっかえして遊びたい!

 

玄関棟から見る坪庭。向かって右に店舗棟、左に住居棟があり、それらを上手くつなぐのがこの坪庭です。棕櫚竹とシダ、灯籠、手水鉢などが品よく配されています。

 

小判型に繰りぬかれていた手水鉢。商家ならでのユニークな発想ですね。

 

庭は、店と玄関・住居棟の3方に接する「中庭」と、住居棟と蔵の間にある「奥の庭」の2カ所。

そう大きくない空間ですが、灯籠や手水鉢が配され、ちょっとした露地を思わせます。坪庭がこのような形になったのも、茶道の露地の体裁を取り入れたからだと言われています。常緑植物が多いのも露地由来かなと思います。

中庭はあまり日が差さない陰の庭、奥の庭は日当たりのいい陽の庭となっていて、部屋の障子をあけ放つと気圧の差によって風が通る仕組みです。これは皆様もよくご存じのことと思います。

庭を空調設備とするこの仕組みは、暮らしの知恵?それともちゃんとした計算?少しでも涼しさを感じようという京都人の執念のようなものを感じますね。

 

網代、簀戸など夏座敷の室礼のむこうにも庭が見えます。床に敷かれた網代は、冷たい感触だけれなく、水が撒かれたかのように艶があり目にも涼しい。

 

木陰のように薄暗い座敷に座ると、前には明るい庭が見えて、そのコントラストの美しさは圧巻。でもとても落ち着きます。奥の間の簀戸を引いてもらうと、庭がより涼し気に見えました。冬は簀戸が障子に変わるので、庭の光が障子紙を通して拡散され、室内がほわっと明るくなります。建具替えの妙です。

これを行うには、その労力も大変ながら、凄い枚数の建具を収納する場所が必要です。おいそれとは真似できません。更にいうとエアコンが設置できません。窓を開け放っているので虫も入って来るでしょう。冬は恐ろしく寒いといいます。

空調設備に慣らされた私は、この粋な暮らしに憧れつつも、無理やわ~と思ってしまう。それでもこの世界観を取り入れることは出来ます。

庭は敷地の東~東南方向にひとつ、部屋から庭を見えるように窓を大きく開けます。そして対面にも窓を設けます。西〜北側は庭でなくとも木を植えるだけでOK。庭は背景を遮断し、僅かでもいいので常緑植物を植え、お気に入りの照明やオブジェを置きます。庭を歩きたければ小道を作ります。

灯籠も庭石も場に合わせて決まり事のようなものあり、難しく考えてしまいがちですが、要は今でいう照明とオブジェ、と見立ててみましょう。照明器具に凝るように昔の人も灯籠を選び、灯りが欲しいところにいくつも置いたのです。

オブジェがあると、庭に変化が付くし、その人の個性も出ますよね?それと同じように昔の人も、どこそこの石がいいとか好きとか、鶴みたいな形の石がいいとか、どうせなら亀みたいな形の石も合わせて置くと「鶴亀」になって縁起良さそうとか、考えたのですね。可愛いじゃないですか。

 

奥の庭。鶴亀石はじめ京都の名石がゴロゴロ。侘助椿が灯籠をふわっと覆って素敵です(灯障りの木といいます)簾をよく見ると波の模様が。格のある奥の間だけに凝ってますね~。

 

沓脱石は貴重な鞍馬石。奥の縁先手水鉢の足元は大きく掘りとられ海という部分。大雨時は水がここに流れ込むようになっています。

 

昔ならではの素材、施工方法は、それしかなかった当時を思うと、良く考えられているなぁと尊敬する部分が多々あります。

中庭は大雨の時に、どうしても水が溜まりやすい。今なら暗渠排水といって透水パイプを埋め、それを桝に接続し、外部の側溝に流すようにするのですが、昔は違います。庭の一部を深く掘って、地面に傾斜をつけてそこに水が流れ込むようにしています。溜まった水は土に浸透させて、そのうち無くなるのを待つのです。どこかに流すという訳ではないような。時々海の底の土を耕さないと水が浸透しなくなるそうです。

でもただ穴を掘ったのでは庭の景観としてイケてません。なので手水鉢を添えたりして。ついでに手水鉢の水も流せるし、上手い具合に落としどころを見つけたなぁと思います。

 

雨が降りだして、庭の見え方も一変。鶴石がヌラッと光ります。庭に雨、風情が増します。

 

庭は部屋を掃除するのと同じレベルで、とっても清潔でした。枝の透かし具合から見ても庭の管理も相当きちんとなされています。だからこそ、こんなにも一体感があるのです。

座敷は埃一つないのに、庭は生い茂りまくりで、折角の庭石も見えなかったらだったらどうでしょう。そこまで極端でなくても、一か月間なにも掃除していない庭と、昨日今日掃除した庭の差は、誰が見ても分かりますよね。そこなんですよ。

個人邸で毎日の掃除は大変でしょうが、こちらのように公開している庭だったり、モデルハウスの庭とか、お商売をされているところの庭は、室内と同じ程度に掃除して季節ごとに整えないと、全てが台無し。ちぐはぐに見えるので、気を付けたいところです。

 

見学を終えて外に出ると結構降っていて、お陰で足もとがずぶ濡れ(´;ω;`)ウゥゥ

 

受付にはオジサマ3人が座っておられ、希望すれば各部屋の詳しい解説をして下さいます。タイミングがあえば家猫がひょっこり顔を出してくれるかも。私は台所の吹き抜けあたりでみました(^^

撮影も自由。通年予約制で公開されているそうですが、今月一杯は観光協会主催の特別公開なので、予約なしですぐ見せていただけますよ。

 

 

エクステリアフェア2019へ

毎年6月に開催されるエクステリアフェアへ行ってきました。

色々なメーカーさんの新商品を一度にチェック出来るよい機会です。

会場のインテックス大阪までは、いつもお世話になっている商社さんのバスに乗せてもらいました。お弁当やお茶、お菓子など支給していただき、まるでバスツアーのように快適。電車で行くと乗り継ぎが多く、滋賀からは結構遠い場所だから本当に有難いです。

 

入口の展示。今年は「ホーム・グランピング」でした。お庭で楽しむ提案色々。

 

昨年も見せてもらったこともあって、傾向としてはそう大きく変わってないなぁという印象。宅配ポストの充実、門回り商品の大型化、物置がお洒落に、といった流れは今年も変わらず。昨年に比べ、個々の商品のデザイン性がUPしたような感じを受けました。

 

東洋工業(株)さんのブース。100mmの厚さのコンクリート平板がお洒落でした。ニュアンスカラー3色展開。階段用のパーツもあって組み合わせるとカッコいいです!

 

これは型枠ブロック。エクステリアというより建築資材ですが、控え壁なしに高く積めます。RC壁より安く施工でき目地もいらないとか。横に細長いデザインに惹かれました。

 

近年目立ってきたのは、お庭で過ごすための空間づくり。離れのような部屋を作る提案です。

躯体はカーポートを高級にしたような感じで、屋根が素敵にデザインされ、壁やガラス扉などが追加されてます。

 

(株)タカショーさんの商品。画像はお借りしました。隣家から見えにくいよう、位置や壁など空間のつくり方を調整できるのは離れならでは。

 

庭でホームパーティーを開いたり、ラグジュアリーに寛いだりと、なんだか海外ドラマに出てきそうな展示。大人の楽しみを満喫できそうな非日常的な空間に仕上がっていました。

もしも、滋賀でそういう空間を作るとしたら?メーカーの方にお話しを伺うと、耐雪が30cmないものも多く課題アリです。もちろん建築確認が必要ですから、地域によって出来ること出来ないこともあるでしょう。

 

同じく(株)タカショーさんの展示。めちゃめちゃ素敵ですが、このガラス扉は地域によっては建築確認がおりないかもしれませんとのこと。

 

(株)リクシルさんの屋根材。タブレットで屋根の開閉やルーバーの角度調整、ライティングなど自在に操作できます。なんか凄ーい、としか。

 

エクステリアの可能性を感じる展示。エクステリアフェアならではのハイグレードな商品に目を奪われました。

こういう商材を提案する機会があるかどうかはわかりませんが、質感とかスケール感、家具のコーデとか、体験していないと何にも言えませんから、見ておくことはやはり大事かなと思いました。

気になった商品や、実際にディアガーデンのお客様に提案しようと思っている商品をチェックしつつ、さらに会場を巡ります。

 

人工芝もひところに比べかなり質感が良くなってました。芝の長さが40mmあるとフッカフカで、歩いていてめっちゃ気持ちいい。家具とセットでラグのように使ったらどうかな。

 

リクシル(株)さんのLED照明器具。ランタンのデザインが可愛かったです。光源は傘下にあって、あえて見せないデザインです。眩しさを感じさせない優しいあかりですね。

 

例年日替わりでスペシャルセミナーなるものが開催されていて、この日の講師は、テレビ朝日系の長寿番組「建物探訪」のホスト役でお馴染みの渡辺篤史さんだったの!

私、実はこの番組のファンで、開始当時からずっと拝見いるんです。だから絶対セミナーを聞きたい!って思って。メーカーさんのブースは一通り見たいし、でも決められた滞在時間は2時間半程しかないしで、結構バタバタ(^^;

セミナー途中に退席するのは嫌だったので、開始時間を15分程過ぎたところで、何とか滑り込みました。

渡辺さん、テレビで見るのと同じで、とても気さくでホンワカした方でしたよ~。

番組で訪れたお宅の中で、エクステリアが渡辺さん好みという回や、プライベートで行かれた養蜂体験とか、楽しい映像をご紹介いただき、建築と庭との関わりについて、渡辺節でもって色々なお話をしてくださいました。やはり渡辺さんは植物が好きな方なんですよねぇ。それがひしひしと感じられて嬉しくなってしまいました。アドリブで歌も歌ってくれたり、愛犬の画像ありで、セミナーというよりいつもの建物探訪を見ているような小一時間でした。

 

あと、エクステリアとは関係ないんですが、今回は停めてある車が凄かったような気がします。メルセデスはオープンカーとか以前にありましたが、今回のは特別仕様車っぽくて。フェラーリも置いてあったりして。

エクステリア業界、けっこう元気じゃん!っていう印象を受けました。

 

メルセデスのグランピング特別仕様車?お洒落~。

 

エクステリア商材で何か探されているものがありましたら是非お尋ねください。やはりデザインや性能は最新が一番です。いいものいっぱい見てきましたので~。

また、いくら素敵でもエクステリア商材単体では庭で浮いてしまいがち。ガーデンデザイナーならではの庭馴染み良くするご提案、お洒落なスタイリングも、色々ご紹介できます(^^

 

 

京の美仏と庭巡り

これまで寺社へは「庭園鑑賞」目的で訪れることが多かったのですが、先日は「美仏鑑賞」という私にとっては新鮮な切り口で、お隣の京都へ行ってまいりました。というのも、珍しく一人ではなく、同伴がおり、彼女が仏像好きだったので。

今日は、この時であった美仏と、窓超しに見る庭園の画像をご紹介します。

 

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まずは龍谷ミュージアムで開催中の「因幡堂平等寺展」へ。

20体の様々な仏像を鑑賞した中には、なるほど確かにお顔やお姿がひときわ美しい仏像があります。平安時代や鎌倉時代の作られた当時は、どれほど煌びやかだったのでしょうか。それを想像するとさらに凄みが増します。

好みの問題もあるかと思いますが、私は鎌倉時代作・平等寺所蔵の「如意輪観音座像」に見とれてしまいました。ご存知の方も多いと思いますが、頬に手を当て右足を立てて座られた観音像です。こちらは、今まで出会った中でもとりわけ優美な観音様でした。

仏像の多くは文化財指定になっており、当然ながら撮影禁止。画像をご紹介できないのが残念です。

 

西本願寺の前にある龍谷ミュージアム。色々な視点から仏教芸術を掘り下げておられる。建物もカッコよくて好きな美術館です。

 

ところで、美術館や博物館などで「○○寺の仏像」という展示があるとき、いつも疑問に思っていたことなんですが、この像に魂って入っているの?運搬展示の際には当然魂を抜く儀式をされるでしょうが、やっぱり抜いたままなの?どっち?

思い切って係りの方に聞いてみました。すると学芸員に確認しますとのこと。しばらく待っていると・・・

展示後ちゃんと法要をして入れています、とのことお答えでした!ということは、毎日お勤めもされているんでしょうか?そこまでは伺えませんでしたが、ただの木像状態の展示も多いそうですから、聞いておきながらびっくりです。平等寺に行けなくとも、こちらでご縁がいただけるのは有難いことではないでしょうか。

そんなことで、手を合わせつつ鑑賞しました。

 

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さて次は一旦京都駅に戻って、市バスで10分程走ったところにある泉湧寺へ。

「京都傑作美仏大全」という本があって、その巻頭に紹介されていたのが泉湧寺。塔頭寺院あわせるといくつもの美仏が祀られていると紹介されていたお寺なんです。

 

泉湧寺の門。この門の奥に塔頭寺院、神社、さらに学校など多くの建物と庭があります。造園屋さんの姿があちこちにあり(画像真ん中に立ってる方もそう)剪定に忙しそうでした。

 

天皇家ゆかりのとても大きなお寺で、神聖な気が漂う境内は、折しも青モミジが見頃です。少しの間だけ降った霧雨が、より一層緑に深みを与えていました。

こちらでは楊貴妃観音像や薬師三尊像はじめいくつもの美仏が祀られていますが、中でも運慶作の本尊・三世仏がものすごーく美しかったです。

天上に描かれた狩野探幽作・雲龍図の迫力もさながら、黄金に輝く仏像三体それぞれが神々しいばかりのイケメンなんです。特に斜め横からみたお顔が!仏像に男女の性はないとか言いますけれど、あえてイケメンと表現させてもらいます。同伴の彼女は涙を流して感動していました。

 

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とりあえず、美仏のお話はこのあたりでおいて、ここからは庭のお話を。

泉湧寺の塔頭のひとつで、雲龍院のお庭を拝見しました。やはり皇室と深い縁がある故に、高い寺格を持ち、別院とも称される寺院です。

こちらのお寺は庭というより窓が有名。京都にいくつかあるという「悟りの窓」。有名なのは源光庵ですが、ここにもあるのです。

 

徳川慶喜寄進の石灯篭。砂紋が天皇家の紋章である菊の御紋になってる!

 

中庭。水鉢にもやっぱり天皇家の御紋「十六八重表菊」が。美しい水鉢ですね~。この下は水琴窟になっていました。凝ってます。観光客の話し声がしなければ、そのままで聞こえますが、付属の竹に耳を当てても聞くことが出来ます。

 

手入れや掃除が隅々まで行き届いたお庭。サツキの花が色を添えていました。

座敷の窓や障子などの造作がとてもモダン。そしてそこから見える、庭の眺めが本当に素晴らしく、まさに絵か掛け軸かのようです。建物と庭との関係は、かくあるべき!と改めて思う景色でした。

 

障子が少し開かれて、庭木がいい感じに見えています。

 

書院の窓が「悟りの窓」と呼ばれる。予想より小さい窓でした。窓ありきの庭、でしょうか。

 

蓮華の間の障子窓がまた粋で。四角い障子窓から見えるので「しきしの景色」と呼ばれています。座る場所によって全部違う景色にも成り得る。

 

改めて障子という建具の秀逸さを感じます。ほんのりとした明るさを保ちながら、同時に自由に視界を閉じる(制限する)ことが出来る。だから余計な景色を省きポイントで庭を見られます。カーテンやブラインドと違って、枠がはっきりして、枠そのものにもデザイン性があり、まさに額縁そのもの。故に絵に見えるのですね。しかも季節によって景色が変わる絵、です。

これは寺院だから、という訳でもなく、一般住宅でも取り入れることが出来そうです。

 

 

祝 令和&GWのお出掛け

皆様、あらためまして、令和元年、おめでとうございます。

 

 

五月晴れの若葉の煌めきと共に新しい時代の幕開け。その瞬間を本当に晴れやかに、そして背筋を正すような静かな心持ちで迎えました。

一人ひとりが輝く時代、令和。どうか幸多きことと心よりお祈り申し上げます。

 

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それにしても、列島各地祝賀ムードに溢れてますね!

令和元日、私は岐阜県高山市に向かっていました。連休中日ともなると、高速道路の渋滞が収っており、呆気なく到着。しかしその安堵も束の間で、やっぱりというか、観光地は局所的に大渋滞。若干予定を変更しながらも「温泉と花と美術館」という私的旅行のセオリーは外さず、楽しんでまいりました。

 

ホテルにチェックインした後、歩いてすぐの人気観光スポット「古い町並み」へ。

 

高山の古い町並みを散策。そこかしこに「令和」の文字、そして国旗を掲げてあります。

 

高山はまだ桜が咲いていました。特に八重桜は見頃。また花見が出来て嬉しい。

 

高山市の新元号を記念する行事として「高山祭屋台の特別曳き揃え」が開催されていました。春と秋に曳かれる山車が一度で見られる特別な行事のようですが、雨で一部中止になったり、曳き揃えが予定より遅れてたようでした。

でもそのおかげで、本当にギリギリのタイミングでしたが、見ることが出来たので、ラッキーでした(^^*

人出もピーク時よりは減っていたようで、わりと上手く撮影出来ましたよ↓

 

からくり付きの立派な屋台。

 

後ろ姿も美しい♡とっても豪華です。

 

見事な彫刻!間近で拝見しました。

 

街並み散策のお目当てはズバリ酒蔵!

女子的には食べ歩きでしょうが、飛騨牛やなんかはホテルで食べる予定だったので、地酒をメインにしました。

それでいっぱい試飲して、どれも美味しくて決めるのが大変でしたが、なんとか2本に絞ってお持ち帰り~(ノ´∀`)ノ

うち1本は「令和」というお酒。美味しかったし、やっぱりお祝いでね。飲むのが楽しみです。

 

高速で走行中は雨がたくさん降っていて心配でしたが、散策時にちょうど止んでラッキー。夫が超が付く程の晴れ男なので、そのお陰かな?

 

酒蔵を巡って試飲を楽しみ(もちろんお酒も買って^^)ほろ酔い気分で観光。青い瓶が「令和」という名前のお酒です。

 

夕方になると格子から漏れる灯り。情緒たっぷりですね。ここは料亭でした。

 

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そして、高山市内の観光前に寄ったのは、美術館というか博物館?展示物の趣旨がよくわからないけど、とにかく建築が凄かった「光ミュージアム」。

山の中に突如現れた不思議な建物に、思わず「おぉーーーっ」と叫ぶこと間違いなし!です。

 

ピラミッドやマヤ建築がモチーフのよう。平成5年から(株)竹中工務店と左官職人の挾土秀平氏により約5年近くかけて作られたらしい。

 

このミュージアムは地下に降りていくようにアプローチします。出入口のフロアは地下3階で、地下通路という美しいトンネルを通って総合案内へ。次に、エスカレーターもしくは階段を上って進むと、巨大な吹き抜けのフロア。その吹き抜けは、外からみるとピラミッドになっていて、これまた凄い。見る者を圧倒します。

構成が見事です。ディティールも凝りまくりで、よくこんなの作れたなぁって感心しきり。これだから美術館建築探訪は楽しい!

 

左官職人の挾土秀平氏の力作の地下通路。土の柔らかな質感とモダンなデザインが不思議と調和していて素敵でした。

 

展示品は、新旧・和洋・誰でも知っているような有名どころを薄く網羅されていて、例えばゴッホやモネの絵が、ガラス越しでなく至近距離で、しかも独り占めしながら見られます。

それでもって、考古学的なコーナーあり、恐竜ありで、おもちゃ箱をひっくり返したような感じ。マヤのモチーフの中に能の立派な舞台があったりもして、なんというか・・・面白いんです。

美術館といえば、ミュージアムショップやミュージアムカフェに寄るのも楽しみのひとつですが、こちらはお土産屋さんもしくは町のレストランという雰囲気。建築の素敵さに比べてちぐはぐな感じがして、もうちょっと何か出来るのではないかと思っちゃった。

 

ピラミッドホールというところ。天井がものすごく高くてこの陰影とステンドガラスが美しいです。

 

外壁や内壁にライムストーンでつくられた幾何学模様のレリーフが繰り返し使われています。それが細かくてとても丁寧に作られおり素晴らしい。

 

ピラミッドホールの外観。メキシコ・ベラクルス州エルタヒン遺跡の一つ「壁龕(へきがん)のピラミッド」をモチーフに作られており雰囲気たっぷり。窓は365個もあるそうです。これを見るだけでも価値がありそう。

 

中庭になぜが恐竜の実物大模型が!◝(⁰▿⁰)◜ヒエー このように子供さんが喜びそうな展示も。

 

令和最初の美術館探訪は、なかなか刺激的でした。この先は、きっと日本以外、世界の美術館も堪能しそうな予感♡

(つづく。次回は花巡りです)

 

 

現場帰りに隈さん建築を探訪-守山市立図書館

来週、仕事をする現場で打合せを行ってまいりました。

昨年から計画していた事案。かなり変更はありますが、有難いことに作らせてもらえることになりました。

 

来月オープンに向けて追い込み中の建築現場にて。ここに新たに花壇を設けます。

 

この度の現場打ち合わせは、パートナーの造園会社さんと、実際に仕事をする手順に沿って確認しつつ行いました。建築工事も佳境で、いろいろな職人さんが賢明に作っておられます。邪魔にならないようにしないとです。

建築工事といえば、よくあることなんですが、いただいている図面と変わることもあります。そういうところ、私達はいちいち説明を受ける訳ではないので(^^;

「あれ?ここ、図面と違いますね。」「このままではうまく収まらへんな。」「うーん。」ってな感じになることは、しょっちゅうなんですね。でもなんとか収めます。最後に収まりの帳尻を合わすのも造園の仕事。逆に言うと、最終工程の造園でしか出来ない帳尻合わせもあるのです。

 

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さて、今回の現場は守山市というところ。この近くにかねてから見たい建築があったので、ついでに寄ってまいりました。

それは、新国立競技場の設計でも注目の建築家・隈研吾さんが手がけられた「守山市立図書館」。オープンしたのは昨年11月1日でした。隈さんファンのワタクシ、まさかこんな近く(ディアガーデンから車で30分ちょいのところ)で見せていただけるなんて!思いもよらず嬉しすぎます。

実はオープンの少し前に外観は探訪していたのですが、内観は混雑が治まってからじっくり・・・なーんて思っていたら、うっかり半年近く経ってしまいました。

 

外観は如何にも隈さんらしく縦格子のデザイン。でも他の作品と違ってかなりカジュアルな印象を受けました。

 

トサミズキやサンシュが満開。もともとあったのか?新たに植えたのかわかりませんが。山にあるような木々と杉の意匠の建物が青い空に映えてます。

 

人々を引き込むように外に開かれ、散策しながら本と人との交流を生み出す「みち」のような図書館を目指したとか。図書館の周りには散歩道があって、その両脇に植栽スペースもあります。自生植物がランダムな感じで植えられていました。今はまだ苗ですが、おそらく梅雨明けにはモリモリと茂っていることでしょう。

デザインコンセプトは「本の森」で外装や天井など管内全体に滋賀県産の杉を使い木のぬくもりを感じるよう設計されています。私が素敵だなぁと思ったのは、内装のカラーコーディネート。淡いベージュのスギの木の色にグリーンっぽいグレーを合わせておられて、とても優しい色合いで和みます。

 

解放感ある大きな窓。本から視線を外しぼーっと外の景色を眺める・・・そんな動作が自然にできるのはこういうピクチャーウィンドウがあるから。

 

スギの木に包まれた、もしくは杉木立の中にいるような意匠。吹き抜けが予想以上に高く気持ちいい。

 

ガーデンファニチャーはディアガーデンでも取り扱っている「Altec(アルテック)」。デッキスペースでは飲食可能らしい。

 

図書館の中に併設されたカフェで。

 

訪れたのは春休み中のウィークデー、時間はお昼前でした。ご年配の方や子供さん、ママさん等で結構賑わっていましたが、吹き抜けの大空間のせいか、まだまだ余裕が感じられます。本棚が大きすぎるのか?肝心の図書は物足りない感じで今後に期待です。ここで調べものが出来るくらい植物や庭の本が充実するといいなぁ。

ともあれ、滋賀県にまたひとつお洒落なスポットが出来て嬉しいな。天気のいい日なら、テラスに出たり・・・、一日いても退屈しないかも。近江八幡市民の私は本は借りることは出来ませんが、スペースを使うことは可能なので、ちょくちょく寄ってみたいと思います。

 

 

最近少し余裕が出来まして~

事務所で使っているPCの動作が重くて、仕事に支障を感じるようになり、この度新しくしました。初期設定やアプリのダウンロード、データの移行などようやく済ませて、ブログを書いています。

サクサク速くて気持ちいい(^^

サクサクついでに施工例もUPしました。コチラ→works

 

右が新しいPC。移行ついでにデータも整理整頓しました。

 

このところ有難いことに業務多忙で、確定申告もあったし、加えてプライベートでも大きな変化が。その準備に結構な時間がかかり、3月はホントにバタバタでした。

今は諸々一区切りついた感じ。またブログ更新に精を出したいです。

誰にも期待されていないディアガーデンブログですが、ちゃんと営業してます的なことが伝わる要素でもあると思うのでこれからも続けたいと思っています。相変わらずガーデンの話に留まらず、話題があっちこっち行きそうですが、よろしければお付き合いくださいませ。

 

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そんな訳で気持ちの余裕が出来たので~。

先日、諸用を済ませたあと、好きな照明を見にインテリアショップに寄ってみました。

私の中で照明器具は、年々重要な存在になりつつあります。どんな高級な家具に囲まれた素晴らしい豪邸でも、それが蛍光灯に均一に照らされた空間だったら、興ざめです。照明は光を灯すものですが、同時に影を作ることもできます。美しい影を作る照明こそが理想の照明、そう思います。

ライトアップした夜の庭の景色を眺めるとき、室内の照明は暗い方がいい。室内が明るいと窓ガラスに家具やら自分が映りこんでしまい、せっかく照らした庭の景色が見えません。だからインテリアの照明器具は要所要所を照らす間接照明でなければならないのです。

そんなことで次買うとしたら、どんな照明器具がいいかなぁと思い巡らせて見ていました。

 

この中に意中の照明アリ(^m^

 

折り紙のような。プラスティックペーパーが使われていて陰影もきれい。事務所にどうかな?これは大きすぎるかな。

 

次に寄ったのは書道具でお世話になっている鳩居堂さん。長らくリニューアル工事中でしたが、お稽古仲間からオープンしてたよって聞いて行ってみました。以前のお店は落ち着いた重厚感ある雰囲気でしたが、さてどんな風になっているのかしら?

 

耐震工事が終わってリニューアルオープンされた鳩居堂さん。モダンな和でかっこよくなってました。

 

吹き抜けが気持ちいい。商品は以前より少なくなったような?選りすぐりのものが置いてあるのかな。

 

木とアイアンのインテリアは今時どこでも見かけますが、それを和の雰囲気に納めるには?またファサードの石の貼り方がモダンで、でもなんでモダンに見えるのだろう?なんて、ついデザイン的な観察をしてしまいます。

なんとなくお洒落~と感じるだけでは、漠然とした記憶しか残りません。じっくり観察&自分なりに考察することが大事だと思っています。こちらの場合、部材の寸法にヒントがありそうと感じたので、石の寸法を測ってメモ。実測の記録は必ずデザインの役に立ちます。

どこでどうしてても常に仕事のことが頭にあるというか、デザインに生かせそうか?という目で見てしまうって、どうなんでしょうね~(^^;

 

 

平成最後のお正月

お正月の三が日、いかが過ごされましたか?

平成最後のお正月、ですが、私は例年通り夫の実家でワイワイ賑やかなお正月を過ごしてました。優しい義兄さん家族に甘えっぱなしで、もう自分の実家と同じくらいリラックス。超馴染んじゃってます(^^;

 

馬渕家のお正月というと、カニすきパーティーーー♪が恒例なんです。

 

カニすき、せこ蟹、島安納黒豚しゃぶしゃぶ。お正月に集まれば、やっぱりお鍋&お取り寄せ、ですよね!

 

2日の夜にお姉さんが作ってくれた豚しゃぶ鍋。その食べ方が、珍しかったので紹介しますね。

魚介のお出汁(焼きあご入り・濃いめ)に、刻んだ長ネギをたっぷり投入して、そこに肉をくぐらせていただく、というもの。お出汁の香りとねぎの風味がお肉をアッサリとさせてくれて、とっても美味しかったです。これは本当におすすめ!

「今度うちでも作ろう!」って言ったら、特製だしパックをお土産に持たせてくれました。お姉さん、ありがとう (T_T)♡

 

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初詣2社目ですが、美濃国一の宮の南宮大社さんに連れて行ってもらいました。地元では「南宮さん」と呼ばれていて、私もこれまで3回程お参りしたことがあります。

南宮さんは、平成18年より進められていた「平成の大修理」が昨年竣功。式年遷宮を行ったばかりだそうで、貴重なタイミングだし、きっと綺麗だろうということで、今年はこちらに伺うことになりました。

 

南宮さんの真新しい拝殿。

 

吊灯籠に「南」の文字がデザインされています。素敵!

 

黄金の飾り金具は輝いているし、目の覚めるような極彩色が冬空に冴え冴えと映えて、それはそれは美しい。新春の清々しさとも相まって、ありがたさ倍増です。

極彩色は、朱色に緑、白、黒、黄色、青、茶、金。色数は少ないのに、こんなに鮮やかに感じるのは配色に補色が多用されているから、ということです。補色とはお互いに引き立てあう色の組み合わせ。色相環でいうと対面にある色で、朱(あか)なら緑。先人の色彩感覚の素晴らしさに感服するばかりです。

式年遷宮という行事があるお蔭で、21世紀に生きる私達が、古代の人々が目にしたであろう景色と同じものを見ることが出来ます。そう思いつつ、改めてこの立派な社殿を見ると、神仏を敬う心は古代の人と変わらないのだなぁと思いました。

 

最後に「今年のディアガーデンへアドバイスをください」と心で唱えながら、おみくじを引いたところ・・・

「さびさしさに 何とはなくて 来て見れば うれし桜の 花ざかりかな」

・・・と、縁起良さげな歌が最初に目に入って、花ざかりとはまた嬉しいことを思いつつ、読み進むと、

大吉ーーーーーっ!

いただきました。やったぁ♪

「短気を戒めて、身を慎み、何事にも心静かに、他人とよくよく相談して事をなさい」とのこと。いいアドバイスをいただいたので、結ばずに持ち帰りました。

 

大吉おみくじ、ちょいちょい見返そうとスマホカバーのポケットに忍ばせておきます。

 

よーし、頑張るゾ!(←めっちゃ単純)

 

 

BIWAKO BIENNALE 2018 へ

近江八幡市の旧市街地で開催中の「BIWAKOビエンナーレ」を見てまいりました。

市内でも、この辺りは豊臣秀次が築いた近江商人発祥の地で、往時の繁栄を偲ばせる趣ある町屋が点在している観光スポットです。ビエンナーレとは、そんな町屋と国内外の新進気鋭のアーティストさん達がコラボする2年に一度の芸術祭なのです。

以前、東京の展覧会で見て大感動したアーティストさんが、実はビエンナーレに参加されていたってことを知り、地方のイベントでも意外と侮れないなーと見直したことがあって、それで、今度あったら絶対行こうと思っていました。

それなのに、いざとなるとあまりに近すぎて「いつでも行けるし~」と油断していたら、もう今週末(11日sun)で終わりとのこと!(゜゜)アララ

・・・ジモティってそんなもんですよね~~~。

 

この日は朝から秋晴れ。気持ちの良いポカポカ陽気で、久々に自転車に乗って出掛けました。風が心地よかったです。

 

ディアガーデンから旧市街地までは自転車を駆ると5分程度で着きます。道幅も狭いし駐車場も少ないので、一人のときは大抵自転車で。ここに写っているのが私の愛車です♡

 

会場の町屋は12もあって、75組を超すアーティストさんの作品が展示されています。中には、あまりにシュールで、古い町屋とマッチしすぎて怖っ・・・って、勝手ながら感じる作品もあります。そういう系は苦手なので遠慮して、見たかった作品が全て集中している「カネ吉別邸」に伺いました。

撮影は自由でした。いくつか作品を紹介します。

 

露地演出。鉄板で出来た園路。鉄板って庭にあっても素敵!濡れて滑らない何かが出来れば、アリですね。ガーデンデザインの参考になります。

 

吹き抜けの空間にすごくマッチしている小部屋のような?テントのような?

 

中に座って上を見ると、幾何学模様がうつくしー。

 

磁器で出来た雲のようなオブジェ。和の柄がこまかーく丁寧に描かれて、これまたうつくしー。奥の屏風もきれー。

 

雲の横にあったひょうげたオブジェ。桃のようなフォルムに足がついてます。かわいかった。

 

蔵の中にあった作品。ひとつだけある窓からの光が作品を神々しく照らしていました。この一体感、素晴らしー。

 

硝子で出来た泡のような?ドアからモコモコ・・・。泡の末端にはガラスの花が置いてあったので、泡じゃない?

 

硝子で出来た花びらが儚げに。これ欲しいっ。これはチューリップの花びらだなって、職業柄ね。見逃しそうな階段スペースにある窓際にそっと展示されてます。

 

他にもプロジェクションマッピングのような演出がされていたり、お香が焚かれていたりして、美術館で分厚いガラス越しに見るのとは、一味もふた味も違う面白い展示。

特に古い町屋って独特の匂いがあるから、お香ってすごく気配りされてるなって感心しました。香りだけでもかなり特別感・・・と思って見ると、これもlisnというブランドとのコラボでした。

ゆっくりと作品と戯れて、小一時間ほど過ごし帰宅。特別な仕掛けもない家で、アートがある暮らしについて考えてみました。さすがにここまで大がかりなものじゃなくてもね、場と呼応するアートがある家って楽しいだろうなって思います。

例えば庭で、自分ならどんな作品を仕込むだろう?って創作意欲が膨らみます。

 

シルバーウィーク、京のアート・建築めぐり

3連休はどう過ごされましたか?私は芸術の秋らしく、いや、いつもの如くと言うべきか?京都でアートと建築めぐりをしていました。秋のお出かけの参考に画像盛りだくさんでお送ります。

アートめぐりは、基本いつも一人なのですが、今回はお義姉さんと一緒です。前から、祇園にあるフォーエバー現代美術館に行ってみたいと話されていて、天気と二人の予定がちょうどいい感じに合った秋分の日に実現しました。

この美術館のコレクションは6割近くが草間彌生作品だそうです。なので開館以来ずっーと草間彌生展が開催中です。私は今年の3月に一度見ていたのですが、彼女の作品は何度見ても刺激的ですね。新しい展示室も増えていてまた新鮮です。お義姉さんも草間作品はもう何度目かになるので、二人して興味深く見て回りました。

一人でじっくり見るのも楽しいですけれど、誰かと一緒に見ると、その方の感じ方や意見が聞けて更に楽しいです。特に今回は気心知れた仲ですし、男兄弟と育った私にとっては、姉妹でお出掛けというシチュエーションがたまりません。

 

開館1周年を機に展示室が2室拡張。これは初めて見る「宇宙にとどけ、水玉かぼちゃ」(2009)。ミラールームの中で増殖を繰り返すカボチャ。見る者が壁の水玉とカボチャに映り込んで、アートの一部になるところも面白い。

 

この美術館は、祇園甲部歌舞練場内の大正2年に建てられた伝統的日本建築をリノベーションして、2017年6月にオープンされました。美術館になる前から数えると、訪れるのは4回目になります。

リノベーションされる前は伝統色が強く、渋くて、それはそれで素敵でしたが、今は現代アートらしくモダンに彩色されて、すごく明るい雰囲気になっています。

 

硝子窓が隅まではめ込まれ、庭の緑が飛び込んでくる開放的な造り。2階でこの窓は珍しいと思う。4度目にして初めて入らせてもらった場所。リノベーションされずそのまま残されたよう。

 

休憩スペースが色々あります。部屋によって壁の色が違います。ここはシックでお洒落!

 

近くにある八坂神社にも寄って、ランチは折角だし祇園でと「和バルOKU」さんを予約しました。

京都でも奥の方、花背というところにある料理旅館「美山荘」のお店です。美山荘は白洲正子さんにも愛されたという摘草料理で有名。それが祇園で手軽に味わえるのがOKUさんなのです。庭は売れっ子の造園家、荻野寿也氏作ということで、そちらの見学もちゃっかりしてまいりました。

 

バルがコンセプトのOKUさん。入るとカウンターバーがあり、その奥と2階にテーブル席があります。明かり取りを兼ねた坪庭がカッコいい。美山のせせらぎをイメージされ作庭されたそう。中央に水が湧く仕掛けがあり、石には苔がのせられています。

 

奥行2m程の坪庭は、施工後6年経っています。白壁に木々の陰影が写り、苔の緑もしっとりとして風情があります。お話を伺うと、普段の落ち葉拾いや掃除はお店の方がされているそうで「大変ですが四季折々の表情があっていいものですね」と庭への愛情が感じられました。愛情持って手入れされたら、絶対良くなるに決まってますから、ここはきっと綺麗なままだだろうなと思います。

街中ですが、小さな庭が美山の雰囲気を作っていて、とても贅沢な気分でいただけます。都市の住宅でもこんな坪庭があれば素敵だと思いませんか?「イスが紫っていうのもいいよね。」なんて、お義姉さんともひとしきに庭とインテリア談義が盛り上がりました。気に入ってもらえたようで良かったです。

さて、ランチメニューは「京ノ奥定食」ひとつのみです。暑かったので生ビールも注文しました。細々と手のかかった、でも素朴なお料理にほっこりします。よこわ(クロマグロの和魚)のたたきが珍しく、甘鯛や卵黄味噌漬けは味に奥行があってとっても美味しい。お出汁やお野菜、お米も美山荘のこだわりと思うと、この定食はかなりお得感があります。

お料理は習う程も興味がないので、献立とか器の取り合わせ方、盛り付け方などはいつもこういう席の記憶頼りなのよね。

 

京ノ奥定食。最後デザートに小豆アイス最中が付きます。

 

お茶は初めていただく味で、聞くと番茶を炒った物だそう。ほうじ茶とはまた違う複雑な味でした。このお茶と卵黄の味噌漬け(画像竹皿の中のつやっとした丸いの)を真似して作ってみようかな?

 

午後はお義姉さんのリクエストで御所迎賓館見学へ。広大な御所内では、先の台風21号の影響で折れたり倒れたりと痛々しい木の姿があちこちで見られました。いまだ全てが片づけられていないところを見ると、相当数被害があったのではないかと思われます。

御所内は何度となく通りますが、ちゃんとした見学は初めてです。

職員の方の説明付ツアーがあって、1時間ほどかけて回れます。スタートの時刻が指定されていますが、無料ですから、余裕があれば一緒に回られるのがオススメです。私達もちょうど間に合いました。

NHK大河ドラマ「西郷どん」で先々週でしたか?見たばかりの「王政復古の大号令」が発せられた「御学問所」などタイムリーに見られ、その場面を想像すると何だかゾクゾクしました。

 

御所内で最も格式の高い正殿「紫宸殿」。来年はいよいよ即位の礼が行われます。この中に納められている高御座・美帳台が分解されて東京に搬送されるそうです。

御所の庭「御池庭」は池泉回遊式。意外とこじんまりしています。明治天皇がお住まいになっていたころはもっと広く、舟遊びも楽しまれたそうです。

 

休憩所で少し座って喉を潤した後、迎賓館へ向かいました。ここに来るのも実は2度目。以前は事前予約が必要で、しかも抽選でした。今は予約なしで、行事がない限り大抵見せていただけます。

見学が容易になった代償、というと大げさかもしれませんが、廊下には以前にも増して敷物がしかれ、スリッパ用のロッカーがドーンと入口に置かれたりと、美観を大層損なっているのですが、仕方がありません。以前観られた場所が立入禁止になっていたり、障子が締まっているとこもありました。お義姉さんにも見て欲しかったな。

 

京都迎賓館。いつでも見学できるようになって、以前はなかったスリッパの入ったロッカーが置かれました。来客の折には取り除かれるのでしょうね。

 

迎賓館は日本建築の粋や匠の技が結集されています。細部の細部まで美しいのが迎賓館。

恐らく設計図にはない匠の遊び心も、よーく見ると感じられ、2度目にして初めて気づいた美もたくさんありました。こんなことがあるので、また通いたくなります。

 

私が一番好きな匠は、截金師の故・江里佐代子氏。藤の間という晩餐室にある舞台扉の截金細工が見事。飽きることなくずっーと見ていられます。

 

桐の間。五七桐紋の唐紙が貼られた襖の上、これも欄間と呼んでいいのでしょうか?截金細工で飾られていて、とっても粋です。前回見逃していました。

 

奥に見える廊橋の手前と向こうでは水深が違っている池。手前は浅く、底の石も透けて見えます。実はその石もただ貼られているのでなかった。模様がつけられてて、今回波紋にようやく気付けました。嬉しい。凄い細かな演出です(画像を良く見るとわかります)

 

深い方の池は鯉が放たれ、舟遊びも出来るようになっています。ブータン国王夫妻も乗られたそうです。(ガラス越しに撮ったので、中の照明が写りこんでいます)

 

 

お義姉さんをアテンドする役なのに、御所の見学用の入口が一ヶ所しかないことも知らず遠回りさせてしまったり(警備上、いくつかある豪華な門は閉じられいるのです。後から思うと当たり前なことでした)、つい真剣に見入ってしまったりと、至らぬことが多々あり反省。

でも京都の街を一緒に歩けて嬉しかったなぁ。しゃべりながらだと、いつの間にか結構な歩数になっていて、最後二人でビックリしました。私はなんと2万歩超え!お義姉さんは2万3千歩超えです!!凄くない?

 

 

「田中一村展」へ

いつもお世話になっている素敵マダムから「佐川美術館で田中一村展やってるよ」との情報をいただきました。

「きっと馬渕さん好きだろうと思って!」

「えー、なんでわかるんですか?めっちゃ好きです、一村!」

お聞きしてからだいぶ経ちますが、ようやく少し手が空いたので見てまいりました。佐川美術館までは車で30分程。結構近いのです。クールでモダンな建物がかっこよくて、いつも空いてて静か。県内では一番好きな美術館です。

このブログでも過去何回も登場しています(^_^;

 

佐川美術館。エントランスより本館を見る。台風20号の影響で普段は鏡のような水庭に波が立っていました。こんな日は鹿の像(画像奥)がより勇ましくみえるようです。

 

画像は佐川美術館さんからお借りしました。クリックすると特別展のサイトが開きます。

 

一村の詳細ついては美術館のサイトをご覧いただくとして。

私が一村を知ったのは、たしか30歳になってまもなくの頃。奄美の亜熱帯植物、鮮やかな花や鳥、それらが力強く生き生きと描かれていて、一目みると決して忘れられない絵です。すごくモダンな構図で、日本のゴーギャンとも言われています。日本にこんな絵を描く人がいたのか!って衝撃を受けたのを覚えています。その一村の絵が、なんとここ滋賀で見られるなんて!滋賀に住んでいて良かった!(←ちょっと大げさか)

 

田中一村の特別展示室の入口で。佐藤忠良作「帽子・夏」の像がお出迎え。あら?いつもと違う場所。でもここも合ってますね。

 

特別展入口のサイン。一村の絵はグラフィックアート風にアレンジすると、とっても素敵です。美術館の雰囲気にもすごくマッチしています。

 

米邨が一村になる軌跡の展示です。それをたどっていて、私がなぜ一村の絵が好きなのかもわかりました。米邨と名乗っていた若いころ、琳派への傾倒もあったのです。米邨も酒井抱一の絵の影響を少なからず受けていました。草花の絵なんか、琳派の構図そのもの、っていうのもたくさんありました。

琳派は花鳥風月を題材にした絵が多く、日本画の中でもひと際モダン。私はそういう絵なら何でも好きなようで、だから一村の絵も覚えていたんだな~。個人的にすごく腑に落ちたというか。

それと今回初めて実物を見て、もうひとつわかったこと。黒だと思っていた色が、実は深い深い、深い緑色でした。あの洗練された深い色、柔らかくて奥行があって、本当に素晴らしい。あの色があるからこそ、鮮やかな色が更に映えて見えます。庭の絵を塗る時、出来るかどうかわかりませんが、真似してみようと思いました。

あぁ、それにしても。沢山の絵を見て感心したのは、一村の絵に対する一途な情熱です。

画壇とは決別し、生涯妻をめとらず、自らの才能だけを信じて、清貧を貫き、ひたすら絵を描いた69年の生涯でした。きっと書かずにはいられなかったのだと。普通ならもう落ち着いてしまいそうな50歳という年齢から、敢えて知り合いのいない奄美に移り住んで、新しい挑戦を始めたりして。画業が天職だったのですね。

そうだとしても・・・一体どうやって高いモチベーションをキープ出来たのでしょうか?一村にあって聞いてみたい。いないけど。

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いつになく混んでいた館内。実は佐川美術館でこんなに人を見たのは初めてでした。(といっても絵を見るにはなんのストレスも感じない程度の人数ですけれど)

特別展の部屋を出て、常設展の部屋へ向かうと、一気に人が減って。みんな一村だけ見て満足されたのかしら?だとしたら勿体ないな。樂吉左衞門の茶碗の展示室は佐川美術館の中でもとびきり洗練されているのに。

 

樂吉左衞門の展示室へ向かう廊下。視線の先にある緑が床にまで伸びて。この演出は計算。床のタイルはそれように選ばれた素材なのでしょう。

 

茶碗の展示室ロビーまでは撮影可能な場所。天井から落ちる僅かな光がコンクリートの壁を洗って、静謐な空間になっています。

 

しかし、いつ見ても、樂さんの茶碗はよく分からない。

重そうだし、飲み口は分厚くて角が立っているので、唇を切りそうです。ひしゃげた茶碗もあって、どこから飲んだらよいかすらもわかりません。持つと自然に口に当たる部分、たぶんここかなぁ?なんて、随分と観察しました。実際お茶を点ててもらって、このお茶碗で飲むでもしないと、本当のところはわからないような気がします。

広い広い展示室にちっちゃなお茶碗がポツポツとあるだけ。モノトーンの張りつめた感じが非日常的。なんとも贅沢な空間。そして、モダンインテリア好きにはたまらない空間です。

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帰り際に、特別展のパンフレットをいただきました。これがまた良く出来ていて、どうやら人気があるようです。わざわざ「おひとり様一枚限り」と注意書きがしてありました。

表には、展覧会の絵の中でもいいなと思った一枚が大きくプリントされていて、ローマ字のロゴも絵とよく合っていてお洒落です。開くと縦長のポスターみたいになります。

「コレ、めっちゃええやん!」気に入り過ぎて、パネルに加工しました。事務所に飾ってます♪(←どんだけ気に入ってんだか!)

 

ローマ字が入っているところがいい。縦長なところもいい。「ええ感じ~」と、ひとり悦に入って眺めています。しばらく飾っとこ(^m^*

 

ミュージアムショップで一村の一筆箋も買いました。しかも2セット。私はお客様へのちょっとしたメッセージを書くときによく使っています。めっちゃ綺麗やん?

 

興奮すると、ちょいちょい関西弁が出ます(笑)

奄美には田中一村記念美術館がありますが、なかなか行けそうもないので、いつの日か、晩年の作品をどーんと集めた展覧会を、また関西で。お願いしまーす!