県外のお仕事で

この頃は、来春以降の工事計画の件で、あちこち移動して打合せをしています。

これまで庭作りをしたことのない土地に伺うと、そこに育っている植物を観察するのが癖になってしまいました。ここ関西でよくみる植物も、例えば桜前線や紅葉前線という風に、その時期その土地ならではの育ちをすることもありますから面白いものです。

先日、愛知県に打合せで伺った折、ある場所で。

「今日はまさに小春日和。青い空にイチョウの黄葉が映えて綺麗だな~」と思いながら気持ち良く歩いていて、ふと傍の桜の木を見上げると、11月なのにナント花が咲いていました。

 

11月中旬。暖かくて勘違い?桜が咲いていました。

 

これが狂い咲きというものでしょうか。

桜は普通、夏に花芽が作られ、越冬芽という形で冬の低温を経て、春に咲くものです。

しかし花芽が分化した後、葉が異常落葉したりして、樹芽や種子の胚などの成長を抑制する植物ホルモン「アブシシン酸(ABA)」の供給がなくなり、その後高い気温が続いたりすると、休眠状態を経ないで成長し開花してしまう・・・と聞いたことあります。

それかなぁと思いながら、季節外れの桜を見せてもらいました。

そして少し歩くとまた「???」という木に出会います。

1本の幹から分かれている枝先に、明らかに違う色の実が生っているのです。それがモチノキだというのは分かりますが、黒い実と赤い実が生っています。どうしてこんな風になっちゃうのでしょう。

不思議に思い、幹から根元と目線を下げて観察するのですが、根は一つに見えるのです。

 

イチョウの黄葉がきれいと見上げていると、変な木を発見。クロガネモチの赤い実とネズミモチ(トウネズ?)の黒い実が1本の樹になっていました。

 

株立ちには、1本の木を根元から切り株にし、そこから幹を複数本立ち上がった「本株立ち」と、苗木の頃に何本か寄せて植え、株立ち形に仕立てた「寄せ株立ち」があります。2種を同じ種類と思って寄せ株にしたものが、成長して、くっついちゃったのかな?でもモチノキの寄せ株なんて見たことがありません。

それとも鳥の仕業かな?どちらかが一人生えで、成長してくっついちゃったのかな?・・・知らんけど(笑)

誰か教えてください。

 

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別の日、今度は北陸に移動。

5年ほど前に計画したお庭の改修についての打合せです。

久しぶりに訪れたお庭は、お客様のお手入れの甲斐もあって、いい感じに成長しています。一回りさせてもらい、懐かしい気持ちで見ていると、街中にある庭なのに、景石にはもう苔がのっています。

そう、こちらは降水量が多い土地柄、そして豪雪地域なのです。故に普段から湿度が高く苔も育ちやすいのかもしれません。

この日も滋賀を出るときは快晴だったのに、こちらに着いたときは雨でした。

 

据えてから5年程たった景石。苔むしてきています。

 

打合せで何度かその土地を訪れると、季節の訪れ方、風の吹き方、湿度、空気の香り、天気の移り方など、自分の住む地域とはだいぶ違うなぁ実感するので、それがおのずと庭作りに生かされます。

計画が始まったばかりのお庭。随分様変わりしそうで、来春が楽しみです。

さて、この日は打合せを終えると、もう18時。乗り換え駅である金沢駅で降りることにしました。

 

久しぶりの金沢。駅前のシンボル「鼓門」と冬の風物詩である雪吊り。相変わらず素敵。そしてとても清潔な街です。

 

駅の近くを少し散策。

コロナ前に訪れて以来で、そんなに変わっていないように感じましたが、金沢の訛りも久しぶりに聞けて、またもや懐かしく感じてしまいました。

 

 

 

 

日光建物探訪③-SHELTER GARDEN NIKKO

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、夫婦で日光へ行って参りました。

「観光目線ではない」建物探訪記を3回に分けて綴ります。最終回はホテル編です。

(前回はコチラ)

日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

日光建物探訪②-大谷石の蔵

 

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今回は「シェルターガーデン日光」に宿泊しました。日光東照宮から車で5分ほど走った山の中にあるリゾートホテルです。

インテリアが、なんというか・・・ユニークでした。

スタッフの方はとてもフレンドリー。開業されてから1年とまだ新しいこともあり随所に一生懸命さが伝わってきます。もてなしにも遊び心を感じました。

 

ラウンジでシャンパンをいただきながらチェックイン。まず目に飛び込んでくるのは山の緑。そしてこの床。ゴツイです。

 

ホテルのコンセプトは、フランスの田舎町にある中世の小さなホテルからインスピレーションを得たとか。今の建築にない手作りのぬくもりがあったのだそうです。素材本来の素朴さや温かみを感じてもらいたいとのことです。

私達が泊まったのはリバービューのスーペリアルームです。

ラウンジと同様に、ここでも無垢の木が多用されています。無塗装のモールディングを見るのは初めてです。それが一瞬、DIY?と疑うようなラフな納まり。突き合わせの部分がズレていたり、端っこを揃えて切ってなかったり。クローゼットの扉も古材のような荒い仕上がりの無垢板がこれまたラフに貼られていて、鉄のフックで留めるようになっています。

「え?こんな雑でええの?」と思ってしまいましたが、そこは「敢えて」「わざと」でした。

デザインはとてもモダンだけれど、自然素材をふんだんに使ったラフな仕上げ。このバランスがとても興味深いお部屋でした。

一方、寝具やカーペットやタオル、パジャマなどはとても質のよいもので、備品やアメニティも充実しています。すっごい山の中ですが、Wifiやサブスクなどデジタル環境も不自由ありません。

写真いっぱい撮ったのでUPします。

 

リバービューのお部屋。インテリアの一番のポイントは2300×2300の一枚ガラスの窓。素晴らしい眺め!です。モールディングの額縁が付いていて、まさに絵画をみるようです。パーソナルチェアは不揃い。クッションカバーも馴染ませるのではなく外しで。

 

ベッドはSealy。バスルームの天井とテキスタイルはブラックで部屋とまた雰囲気が違います。ガラス張りなのは、バスタブからも山を見るため、だと思います。

 

でもこのインテリアは好みが分かれそう。年代も選ぶと思います。ご高齢の方は恐らく寛げません。小さなお子様のいるファミリー向けでもないような。

建物探訪が大好きな私は興味深々。とても楽しめました。

大自然の中に立つホテル、同じ自然素材を使っても、馴染ませるような和のデザインもあり、そっちも大好物ですが、たまにはこういった刺激的なデザインも面白い。思い出になります。

 

デスクコーナーには偶然にもディアガーデンの事務所の椅子と同じエルゴヒューマン。こんな部屋だったら寛ぎ過ぎて仕事にならんな。

 

大型額縁のビューウインドウはベッドからだけでなく、バスルームからも楽しめます。猫足のバスタブが置かれています。洗面は鉄。シンクも鉄。なんと叩いて窪みを作っていました。シャワーブースとトイレもここ。

 

猫足のバスタブは初めてでしたが、170cmと大きめな私の身体にジャストフィットでした。頭から背中にかけてが安定するというか、特に頭の納まりが良かったです。足もゆったり延ばせました。

日光峰山清湧加温の湯に、2種類用意されていたバスソルトのうち、フローラルな香りの方を入れて、窓外の景色を見ながら非日常に酔いしれました。

猫足のバスタブ、また機会があったら入りたいな。

 

バーコーナーに置いてあったKalitaのコーヒーセットを使ってコーヒータイム。ポットはBalmuda、豆とカップ&ソーサ―オリジナル、水は湧き水だそう。夫が豆を挽いて淹れてくれました。

 

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お風呂でサッパリしたら、着替えて、ラウンジでカクテルタイムです。

スパークリングワイン、厳選されたワイン、カクテルなどが無料でいただけるサービスがあって、おかわりもできます。

これは嬉しい。

 

ラウンジのバーコーナー。ポイントに使われたブラックが素敵。

 

カクテルタイム満喫中。キリッと冷えた白ワイン、美味しかった~。

 

さて、ホテルのお楽しみといえば食事は外せません。

こちらもオリジナリティあふれるメニューでした。建物探訪記なので詳細は端折りますけれど、初めていただく味もありました。量もちょうどよく、どれも大変美味しゅうございました。窓外には夕暮れから星空へと変わる大自然の風景、寛ぎながらいただく美味しい食事、しかも後片付けしなくていい・・・旅の醍醐味です。

ブログの初めに、もてなしに遊び心を感じたと書きましたが、それはDJブースがあるところです。(上の画像左端)

ラウンジの端に立派なDJブースやスピーカーがあり、お客からリクエスト曲募り、それをDJの方が紹介しながらかけてくれるのです。

どんな曲でもいいというので、面白半分で、私達夫婦もたくさんリクエストしました。会話を邪魔しない音量で、しかもDJの方がいい感じの曲紹介をしてくれるので、色々なジャンルの曲が流れても不思議と場の雰囲気は壊れません。むしろすごく良かったです。

久しぶりに聴いた曲で、すっかり忘れていた思い出が沢山蘇り、とても楽しい時間になりました。

 

メインのステーキを盛った器は切り株でした。森の木の再利用だそう。

 

朝、またコーヒーを淹れてもらって。この日もいいお天気で眺めは最高。

 

朝食のあと、まだ時間があったので、テラスに出てみました。

ちょうど建物の陰に入り、とても涼しく快適でした。

コンクリートのシンプルなテラスで、椅子が何組かと、下に落ちないようにだと思うのですが、端に木を植えた鉢が少しだけ置いてあります。

こちらの眺めは部屋からみた眺めと同じですが、当然ながらガラス越しに見るよりライブ感があります。鳥の声が聞こえ、美味しい空気も満喫できます。

 

テラスにはイームズのラウンジチェアにオットマン。サイドテーブルが切り株ってところがお洒落。

 

テラスから見える景色。大自然が広がります。足元を除くと稲荷川のせせらぎが。

 

私が暮らす滋賀も相当田舎なので、似たような景色がありますけれど、普段は街中に住んでいるわけで、この解放感はやっぱり特別です。

建物のロケーションって大事。その中でもどこを切り取るか、それもセンスだなぁとつくづく感じます。

 

旅の最後の日の朝。この雄大な景色にしばし酔いしれる二人なのでした。

 

3回に渡った日光建物探訪。

ところ違えば、建物もだいぶ違いますね~。

私はガーデンデザイナーですが、庭と同じくらい、建築にも興味があります。

近い将来、長らく行けてない海外でも建物探訪してみたいです。

 

 

日光建物探訪②-大谷石の蔵

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、日光へ行って参りました。

「観光目線ではない」建物探訪記を3回に分けて綴ります。

(前回はコチラ→日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

 

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宇都宮駅までは新幹線、そこからレンタカーであちこち巡りました。

その道すがら、頻繁に大谷石(おおやいし)の蔵を見かけたのです。産地とは知っていましたが、このように使われていることは初めて知りました。

母屋の離れに1棟たっているのが基本パターン。中には2棟建っていたり、かなり大きな蔵もあります。蔵の装飾や瓦の色もそれぞれで、次々現れる蔵を見ているだけでも、すごく楽しかったです。

よくよく見ていると、蔵だけでなく、敷地を囲う塀であったり、農業用ポンプ小屋、消防器具庫までもが大谷石だったりします。

レンタカーの助手席で、「あ、あの蔵カワイー」とか「あれ、凄く立派やわ〜!」とか叫びながら大コーフン状態の私。

ゆっくり見たいけれど、ドライバーの夫がなかなか止まってくれないので、撮影もままなりません。

中でも小マシに撮れたものをUPします。

 

正面は大体このようなデザインが多かったです。入口には下屋(庇)がついており、窓は2階正面に2つ、横にも1つ。その上は家紋かな?こちらの瓦の色は珍しい青でとっても可愛いと思った蔵です。

 

大谷石は火山灰や軽石岩片が固結して生まれた「軽石凝灰岩」で、栃木県宇都宮市北西部の大谷町付近一帯で採掘される石材です。

軽量で、調湿性に優れ、防火性も高い。おまけに柔らかいので加工が容易なことから建築資材として多用されています。

私は使ったことはありませんが、大谷石は好きな石です。素朴かつ柔らかな風合いにとても惹かれます。

 

道路から見えるのは裏側ばかり。同じ敷地に2棟も蔵がある!こちらは状態も良くて立派ですね。

 

大谷石の蔵は、明治・大正時代に建てはじめられ昭和初期に広まったようです。

建物の構造の一部である扉や窓も大谷石で、様々な彫刻が施されていました。

しかも必ず家紋や屋号などの印が付いています。

蔵とは分かりますが、洋館風でもあり、すごくお洒落な建物という印象を持ちました。

しかし、中には崩れかけた蔵や、空き家らしく荒れ放題の蔵も沢山あり、維持管理は大変だろうなと思いました。

蔵が大谷石なら、塀も大谷石というお宅も多かった。

 

市内にはこのような大谷石の蔵を改装したレストラン(ここ素敵!→「石の蔵」)やカフェがあります。

帰宅後に知ったことですが、宇都宮市では「大谷石蔵活用事業」で空き石蔵物件と借り手のマッチングなど色々な取り組みをされているそう。

この美しい蔵がこれから先も遺っていきますように、期待してやみません。

 

宿泊先のホテルの日本酒バーの内装。壁の一部に大谷石が貼られていました(矢印ところ)

 

行く先々で大谷石が目に付いて、「いいなぁ~」「素敵だなぁ~」「蔵、買って~」って連発していた私です。

大谷石のことをもっと知りたい方は、大谷資料館がおすすめです。私は時間の都合で行けませんでしたが、夏はヒンヤリしてて人気スポットらしいです。

 

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さて、折角なので、観光についてもサラッと。

メインは日光東照宮で、その付近の寺院仏閣もいくつか巡りました。(中には秘境みたいな神社も)

東照宮は修理を終えて間もないこともあり、とにかくあちこち金ピカで、「ほー」とか「はー」とか溜息ばかり。龍や妖獣の手の込んだ細工は、いくら見てもキリがない程です。

境内の石垣という石垣が苔むしていて、灯籠も素晴らしく、そちらも見所満載でした。

個人的に嬉しかったのは、御本社で、久しぶりに幣でお祓いをしていただいたこと、かな。お隣の輪王寺ではタイミングよく秘仏も拝ませていただきました。

 

日光東照宮の陽明門(別名、日暮の門)です。遠く樹々の間から金箔がキラキラと輝いているのが見えました。この細工には本当に驚きです。

 

それから華厳の滝。

ここに辿りつくまでイロハ坂というヘアピンカーブがいくつも重なる峠をドライブするのですが、スリル満点です。

華厳の滝は飛沫がすごいせいか、虹が出ていてとても綺麗でした。色々な角度で眺められるのが有難かったです。

 

華厳の滝。そのパワーに圧倒されます。イワツバメが気持ち良さげにヒュンヒュン飛びまくっていました。

 

虹が綺麗でした。(丸印のところ)見てるように撮れないのが残念です。

 

山の中で。これはイワジャシンかな?と思ったのですが、自信がありません。美しくて欲しくなるけれども、こういう場所では撮るだけね。

 

小さな滝や川もたくさんあって、それぞれに美しかった。

雨が多く常に湿っているので、様々な山野草が生き生きと育ち、目の喜ばせてくれました。

次回は日光建築探訪のラスト。ホテル編です。

 

 

日光建物探訪①-那珂川町馬頭広重美術館

久しぶりに行動制限のない夏、とは言え、かなり自分を制しつつ、日光へ行って参りました。

(ちなみに、帰宅後しばらくして受けたPCR検査は陰性でした。今のところ健康状態は良好です)

まずは新幹線で東京を経由し宇都宮へ、それからはレンタカーに乗り換え、日光東照宮など建物を探訪する小旅行です。

実はコロナ前に次の旅行先は日光と思っていたのです。あれから3年が経って、ようやく行けました。

観光地や温泉、地元の美味しいモノなど色々と楽しみましたが、ブログでは敢えて「観光目線ではない」建物探訪記を書こうと思います。

 

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栃木へ行くと決まって、東照宮の他に「絶対に行きたい」ところと言えば「那珂川町馬頭広重美術館」でした。

建築家の隈研吾さんが手掛けた美術館で、CMの撮影場所としても時々使われているので、ご存じの方もいらっしゃると思います。

ここは栃木県の観光スポットの中でも、かなりマイナーな場所みたいですが、隈さんファンで、美術館巡りが大好きな私にとっては、憧れの美術館。

隈さんの作品なら県内では他に「石の美術館 STONE PLAZA」最近では「宝積寺駅舎」などもあり、美術館なら藤城清治美術館、奈良美智さんのN’S YARDなど心惹かれる場所は多々ありましたが、限られた時間で一つとなるとここなんですよ。

 

憧れの馬頭広重美術館。正面です。関西から行くには相当困難な場所にあるため諦めていましたが、念願叶って来れました。山の中にあるのかと思いきや山裾。村の一角にあるという感じ。

 

こちらの展示は、栃木県さくら市出身の実業家 青木藤作氏収集による広重の肉筆画や版画をはじめとする美術品が中心です。

木版画は異なる版木を何度も擦り重ねて色や奥行を表現するもの。隈さんはこの美術館を設計するに当たり、地元産の八溝杉による格子(ルーバー)を使って、木版画の工程を建築化した・・・みたいなことを言われています。

2000年竣工とありますので数ある隈さんのルーバー作品の中でも初期の頃ではと思います。

詳しくはコチラ→ 隈建築設計事務所のサイト 馬頭美術館PROJECTのページ

 

ルーバーのレイヤーがつくりだす景色、陰

 

実際、行って見ると、想像していたよりもだいぶ小さな建物でした。

平屋で切妻の屋根、That’all。

思うにこの佇まいは、まるで神社のそれです。

景色の邪魔にならず、かといって溶け込み過ぎる訳ではありません。

存在感は物凄くある。

 

広いアプローチ。迫力の大屋根。奥の限られた開口部から見える庭が眩しい。色々と計算されているのを感じます。

 

余談ですが。

こんなに美しいアプローチ↑の目に付くところに、ド派手なピンクのどこでもドアみたいなものが置いてありました。画像左、ミュージアムカフェの入口付近です。(撮影の際、思わず見切ってしまいました)

これははたして展示なのか?SNS用なのか?実際20代らしきカップルが撮影に励んでいましたけど。

正直、悪目立ちしているとしか思えません。嫌悪感すら感じたけれど、こればっかりは人それぞれですしね。

自分をなだめてさらに真っ直ぐ進むと、庭へ出ます。

 

庭側から建物の裏を見る。CMではこの辺りによく車が登場しますよねー。

 

庭から見る。モノトーンの建築に色を添えるのは空と竹のみ。絵になるなぁ。

 

外観を色々な角度から堪能していると、あっというまに30分程経っていました。

流石に暑くなってきて、企画展「二つの百人一首 《小倉擬百人一首》と《百人一首之内》」を見ることに。

夏休みなのに全く混んでおらず、お陰で久しぶりの浮世絵をゆっくり堪能できました。

 

チケット買って展示室へ向かう廊下。この日の私は和モダンな馬頭広重美術館に合わせてストライプ&モノトーンコーデです。

 

内装にも地元の材。壁は烏山和紙、床は芦野石だそう。太鼓貼りの壁からもれる灯りが優しい。

 

縦格子の屋根は影も美しい。屋根と影のラインが、奥に目線を引っ張っていくような。

 

窓を覆うシャープな線は、広重の描く雨のよう。

 

庭は裏山を背景に砂利が敷き詰められ、竹が植えられているだけです。これまた神社の参道のようでもあり、お寺の方丈庭園のようでもあります。

おおきな「余白」として存在するこの庭は、中から見ると全く違って見えます。

窓にもルーバーがついていて、それを通して眺めると、ただの砂利の広場に先程見た広重の雨が降っているように見えます。また、屋根のルーバーはモダンな影を映し出し、それがまたレイヤーになっていて・・・と、色々な見え方が楽しめるのです。

建築と庭の素敵なつながり。なるほどです。

こんなに単純なフォルムの建築なのに、見所はたくさんあります。

ブログ読者様にもこの感じ、伝わったでしょうか。

宇都宮駅から1時間以上、だいぶ遠かったけれど、やっぱり来て見て良かったです。

次回は現地で見かけた大谷石の蔵について。日光観光の様子も少し書きます。

夏庭の愉しみ-避暑スタイルのススメ

一年で最も暑さが厳しい頃「大暑」を迎えました。

日本の夏を如何に心地よく過ごすか、庭という視点から数回に渡って考えている7月のブログ。

今回は「避暑スタイルのススメ」です。

 

夏は様々な緑で彩られるディアガーデンのテラスです。日除けはありませんが、建物の東側に作ったので午後は日陰になり意外に過ごしやすい。

 

自宅の庭以外で、夏に心地良い屋外スペースはどこだったか?色々思い出すと、それは避暑地でした。

長野県、北海道、地元滋賀なら比叡山~奥琵琶湖あたり、京都なら貴船のあたり・・・これまで訪れたそれらの場所は標高の高いところで、平地に比べ気温が10℃以上も低い。まるで冷房の効いた部屋にいるようでした。

緑が足元から頭上、更に遠くまで繋がっていて、木陰も多い。だから眩しくなく目に優しいし、肌も焼けない。樹々を渡る風は爽やかで、水がとても冷たくきれい。そこに居るだけで心身ともに浄化されるような心地がしました。

 

京の奥座敷と呼ばれる貴船。川床は夏の風物詩。

 

外気温は変えられないけれど、せめてそのような場所をお手本にした庭作りをすれば、猛暑の中、少しは快適に過ごせるのではないでしょうか。

 

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まずは避暑スタイルのデザインから。

窓から見えるところに、高木~低木~宿根草と上から下まで緑の層を作るように植えます。敷地に奥行がない場合は、高木を生垣に置き換えてください。

ポイントは窓から見えるところを出来るだけ緑にする、でしょうか。

見たくないものが隠れ、様々な葉の重なりが緑陰を作ってくれますし、木があれば鳥も来て囀ってくれます。そこは自宅に居ながらも非日常的な空間となるでしょう。

 

長野県「ラ・カスタ ナチュラルヒーリングガーデン」この眺めは避暑地の庭のお手本のような場所。シラカバの木の足元には涼し気な葉群、青い花は桔梗です。

 

一年草は夏の間旺盛に咲いてくれ、色とりどりで可愛く元気を貰えますが、その分花殻摘みに手間がかかります。暑い中、庭仕事は極力減らしたいので、ここは潔く宿根草のみにしましょう。

宿根草は、葉や茎が細長いもの、白斑の葉を組み合わせると、同じ緑であっても暑苦しく見えません。

避暑スタイルの庭では緑が中心なので、花はたくさん要りませんが、薄緑や青系の花なら合ってもよいと思います。

 

ディアガーデンのテラスの植栽。奥に見えるアジサイ「アナベル」の花は白から薄緑に変わりました。この品種は剪定は急ぎませんので冬までこのまま。手前に見える白斑の葉はシマススキとムラサキシキブの斑入り。とても爽やかです。

 

避暑地の料亭。和の庭では斑入りは少なく緑一色が多い。鬱蒼とならないよう透かし剪定をし、水を打てば涼感がUP

 

避暑スタイルだから、やっぱり優雅に過ごしたい。庭仕事も出来るだけしなくてもいいよう、他の季節にしっかりやっておくことも大事なポイントです。

例えば秋~冬にかけては造園工事をしたり植栽計画をし植えつけ移植、剪定などを。春~初夏かけては雑草取りや切り戻し、害虫対策などを。それぞれの季節にきっちり行うと、夏はほぼ水遣りだけすればいいわけです。自動散水装置を取り入れると更に手間が省けます。

節水でも耐えられる品種や自生種などを植えることも併せて考えたいですね。

 

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避暑スタイルの庭が出来上がりましたら、その涼し気な雰囲気を存分に愉しみましょう。

ウィークデーは朝の時間がいい。夏は早起きもそんなに苦になりませんから、日が昇るころ庭に出てみましょう。まだ空気はヒンヤリしていて、まさに避暑地にいるような静けさです。

一面の緑に朝日が差して鳥が鳴いて。「今日も気持ち良く目覚めることが出来た」そんな喜びを感じつつ、清々しい空気を思いっきり吸って深呼吸します。(これ、実は私のモーニングルーティンです)

ウィークエンドは庭からいい風を入れてお昼寝。

お昼寝マットといった商品があるそうですよ。

理想はこんな感じかな →俵屋旅館さんのお昼寝スタイル「シエスタ・マット」

小さなものなので、好きな色のリネンで手作りしても良さそうです。

そうして夕暮れ時や夜になると夕涼み。

古より「夏は夜が素晴らしい」と言われるように、また、北欧の地では夏の長い夕暮れ時をブルーアワーと呼び尊ぶように、私達もしばしこの美しい時間を愉しみましょう。

 

ブルーアワーにテラスでカクテルタイム。夕方水遣りをすると辺りは一気に涼しくなります。生垣のレイランディやハーブに葉水をやると爽やかな香りがテラスいっぱいに広がっていい気分にさせてくれます。

 

夏庭の愉しみ、3回にわたって考えてみました。

前回「陰翳礼賛」前々回「雨の庭」

人によって心地よさの基準が違うので、これはあくまでも一例です。

「愉しみ」とは自分の気持ちで楽しいと思えるような状態のことで、「楽しい」が受動的なら「愉しい」は能動的、らしい。

能動的に工夫しない限り、暑い夏を心地よく過ごすことは難しいですね。

身体の声をよく聞いて無理をせず、素敵だな心地いいなという場面を意識的に見たり取り入れたりして愉しむことで、今年の夏も違ってくるのではないでしょうか。

 

 

植生観察とデザインの原点を確認

気が付けばもう10月。

晩秋に予定している工事の準備をしつつ、来春に向けての案件もいくつか動きはじめ、何となく気忙しい日々を過ごしております。

先日は出張で久しぶりに長野県へ参りました。とあるショールームの造園設計のためです。

広い敷地には素敵な建物が建っており、それ以外の部分はほとんど白紙の状態です。お客様のご要望は少なく「後は全てお任せします」とおっしゃいます。最近こういう風に言って下さるお客様が増えて、有難いような~難しいような~。植物や庭のことはよく分からないので「任せます」とおっしゃるのですが、その真っ直ぐなご信頼と期待感たるや・・・かなりのプレッシャーです。

今回の打ち合わせでは、いくつか可能性をお伝えしつつ漠然としたビジョンを掘り起こし、方向性を決めて参りました。

ご期待にお応えするべく力を尽くさねばと思います。

 

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他府県で庭を設計するときは、念のためその土地に合う植物を調べたり、その土地に行けるのなら何が育っているのか観察します。隣県ならほぼ変わらない植生も、エリアが変わると若干違ったりするからです。

観察する場合は、移動中の車窓からや個人邸の庭は通りから。時間があれば、公開されている庭園や観光公園、美術館の庭などを訪ねます。

長野県へは壮大な自然に魅了されて、これまで公私合わせると十数回は訪れておりますが、設計の仕事は久しぶりなので、今回改めて、仕事をする場所に程近い松本市で植生の確認をして戻りました。

街中を歩くだけでも、関西では馴染みのない木が普通に植わっていて「へぇー」です。例えば街路樹がカツラだったり、生垣はイチイが圧倒的に多い、等。逆に馴染みのある木が普通に育ってるのを確認すると安心材料になります。

雑木の庭がある「松本民芸館」にも立ち寄ってみました。

 

松本民芸館の門

 

門から一歩足を踏み入れると、見上げる程のケヤキやブナの木。そして足元に様々な雑木が植えられています。

広さは10m×20m位?(適当です・・・)で、木々の他は園路が見えるだけ。まさに用の美というか、とても簡素な庭です。圧倒的な緑に包まれ、鳥の囀りだけが心地よく響いて、何とも気持ち良い空間。ここにいる鳥たちはここが好きなんでしょうね。声がものすごく大きく感じました。

モミジ、ダンコウバイ、クヌギ、クロモジ、ニシキギ・・等々、植えられた木々をメモしつつ散策しました。見知った木が多かったことは良かったです。

 

門と建物の間にある庭。すっきりとしたデザインの、でも味のある園路が2方向に延びており散策できます。

 

土蔵造りの美しい建物に国内外の民藝品がゆったりと展示されています。照明や家具、活けられた花々も美しいこと。

 

ここは、元は、民芸店のオーナー故丸山太郎氏が、柳宗悦氏の民芸運動に共鳴して集めた日本や世界の民芸コレクションを収蔵した私設資料館だったそうです。

展示品の面白さ、そして建築に使われている素材、間取りやディテールに、故人のこだわりが見えてきます。

(民藝品について感じ入ること多々ありましたが、長くなるので端折ります。またいつか)

建築と庭の雰囲気がとても合っていると思いました。

 

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長野県はギリギリ日帰りできる距離ではありますが、往復9時間近くかかる移動が身体に堪えるであろうことは、経験より想像できました。

それで今回は一泊させてもらい、翌日午前中いっぱい植生観察に費やして戻ることにしました。

宿は、泊まれる民藝「松本ホテル花月」さんを予約しました。

 

松本ホテル花月さん。松本城へ徒歩5分の場所です。打ち合わせを終えホテルに着いたのは夕方。ライトアップされた外観が美しい。

 

松本ホテル花月さんは、大正ロマンあふれる洋館に松本民芸家具を配した粋なシティホテルです。2016年にリブランドオープンされていて、建築設計は永山 祐子氏、インテリアデザインは濱川 秀樹氏によるものだそうです。

ロビーが超絶素敵でした!

まだあちこち緊急事態宣言中の頃だったので宿泊客はまばら。素敵な空間を長い間独り占めしつつ、ここでもまた観察してしまいました。

 

松本民芸家具が配された重厚なロビー。民藝品がセンス良く飾られて。

 

家具に合わせた壁の色、タイル、照明、天井仕上げ、窓・・・全てがマッチしていてため息です。それぞれの素材の存在感は確かにあるのに出過ぎずバランス感が絶妙。落ち着きます。

 

このタイル、陰影がいい感じに出でて好きだなぁ。ホテル向いの建物の外装にも使われていました。

 

お部屋も松本民芸家具でコーディネートされいて、簡素なのですが十分。大人の雰囲気でした。

直前予約だったのでビジネスホテル並みのお値段になったのにもかかわらず、宿泊客が少ないということで、一人だけどツインルームにアップグレードまでして下さいまして、なんだか申し訳ない気分。でも有難かったです。

Bluetoothスピーカーが置いてあったのも嬉しくて。静かな音楽を流してリラックス出来ました。

 

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民藝は「無心の美」「自然の美」「健康の美」そして「用の美」と表現されます。

暮らしの中で使われることを考えて作られ、使われることによって輝く、そんな美を言うそうです。それは私のデザインの目指すところでもあります。用途に即したデザインでないと経年変化に耐えられないと思うからです。

今回の出張は、改めて自分のデザインの原点を確認できた良い機会でした。

 

 

美しい紅葉のための手入れとは

コロナ警戒中の三連休、いかがお過ごしでしょうか。

例年今頃になると、京滋は紅葉狩りに来られる観光客で賑わいます。

今年は静かかな?と思っていたら、GOTOキャンペーンでいつもとほぼ同じような状況に。

報道で嵐山や四条河原町など現地の密ぶりを見ると何とも言えない気持ちになります。今後、コロナの感染拡大は免れないだろうな、なんて良くない想像をしてしまいます。

 

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紅葉といえば、最近京都新聞で「京都の紅葉は過去に比べ色づきが悪くなっている」という記事を読みました。

(寒暖差が大きい丹波地方や滋賀の山間部などでは鮮やかな赤さを保っているところもあり、これは恐らく京都市内について言われていることでしょう)

鮮やかに葉を染める条件は日差し、湿気、寒暖差です。

日差しは赤い色素のもととなる糖分を作り出すのですが、これは今も昔もあまり変わりません。しかし近年、猛暑や少雨、都市化によって乾燥が進み、適度な湿度が保ちにくい状況に変わっていっています。寒暖差は戦前に比べ2度以上も小さくなりました。夜の気温が高いと昼に作られた糖分が葉の呼吸のために使われてしまい、赤味が弱まるそうです。

そこで紅葉の名所では、夏の間、手入れに力を入れているところも多い。例えば東福寺では「猛暑や乾燥で葉先がちりちりになり、紅葉が茶色っぽくなる年がある」として樹下の苔を念入りに手入れして乾燥を防いだり、永観堂もスプリンクラーで約3千本の木に水分補給しておられる。

日差しや寒暖差などの環境的要素は個人では変えられない。とすると出来ることは、枝振りを整えたり、良い状態の葉を多く残すことです。それには夏の間の水遣りと定期的な剪定が欠かせません。

 

永観堂の紅葉。2019年12月に行きました。思い起こせばまだこの時はコロナの存在すら知らなかった。

 

見頃も変わってきました。

イロハカエデの葉の大半が赤く染まる「紅葉日」温暖化により京都市では50年間で約15日のペースで遅くなり、現在平年は12月3日。彦根市でも約15日遅くなったということです。

今年はいつもより早いなぁという感じがありますが、昔はこの位の時期だったみたいですね。ディアガーデンのイロハモミジは見頃まであと1歩という感じ。またきれいに色づいたらUPしますね。

 

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この三連休。私は初日は事務所で打合せ、残りは数日後に行うクリスマスリースづくりのワークショップの準備などをしつつ過ごしています。

そしてもっぱら家飲みを楽しんでいます。先週19日ボジョレー・ヌーヴォーが解禁になりましたね~。

 

 

微発泡のやや甘口赤ワイン。飲みやすくてすぐボトルが開いてしまう。

 

 

GW花巡り

本日は端午の節句。朝から室礼の支度を・・・といっても、大人ばかりの我が家では、玄関に菖蒲の葉を飾るだけ。

菖蒲はよくお風呂に入れたり、屋根に葺いたりしますが、こうして飾るだけでも邪気を祓うそうです。

 

 

さて、前回に続き、GW中の花巡りレポートです。

私は連休中は例年、どこかしらのお庭や花園を訪れるようにしていますが、今年は「砺波チューリップフェア2019」へ行ってまいりました。

 

臨時駐車場がいくつか設けられていましたが、それでも大渋滞。1時間程待ってようやく会場入り。

 

富山県の県花はチューリップ。砺波市を中心に栽培が盛んです。風土が意外にも栽培に適しているようで、その歴史は古く大正7年(1918年)から。やがて日本一の出荷量になるまで発展しました。

では、会場の風景をお楽しみください。

 

こちらの会場は約26ha。そこに216品種700万球ものチューリップが植えられているそうです。地植えだけでなく、池に浮かべたりもされてて、見ごたえあります。

 

出ました!「令和」文字(^^ 会場にはここ以外にもまだあって、たくさんの人々が楽しそうに写真を撮っていましたよ。

 

植栽デザインは、鮮色使いや地上絵、一種植えと言ったフラワーパークの王道的テクニックが満載です。量と色のパワーで魅力する力技。どちらかというと男性的な雰囲気を感じると言いましょうか。でもそれが、老若男女一番ウケるのは間違いないことも実感。

いつも新しいデザインを求めている私は、チューリップを主役とした斬新な組み合わせも見たかったなぁと思っちゃったりして。我儘かな。

雲一つない晴天で、絵ハガキみたいなの撮れました~。忘れな草とチューリップは定番の組み合わせ。美しい。

 

立体的に設えられている花壇に色鮮やかなチューリップ。物凄い迫力です。遠くからでもよく目立つ色目で人寄せ効果抜群でした。

 

チューリップの草丈は、大きくてもせいぜい50~60cm程なので、普通に植えると、見るときに屈まねばなりません。でもこちらの会場では、花壇を丘のようにして立体的にしたり、平地の場合でも30cm程高さを設け、さらに土を30cmほど盛って植えられていました。

そうすると、GLから100cm近くの高さに花が咲くので普通に歩きながら鑑賞できるようになります。もちろん屈んで見るような場所もありますが、多く屈んだ印象はありません。一つ一つ美しく咲かせるテクニックも凄いけれど、こういう細かな配慮も素晴らしいと思いました。

 

芝桜の丘で。可愛いお子さんと満開の花、絵になるなぁ~(^^*

 

最初の予定では、高山市から白川郷に行くつもりで、2度トライしましたが、大・大・大渋滞で結局辿りつきませんで、富山まで足を延ばすことにしたのです。

白川郷も素晴らしかったでしょうが、この量のチューリップを見ることはなかなかないので、結果オーライ的な旅となりました。

 

 

祝 令和&GWのお出掛け

皆様、あらためまして、令和元年、おめでとうございます。

 

 

五月晴れの若葉の煌めきと共に新しい時代の幕開け。その瞬間を本当に晴れやかに、そして背筋を正すような静かな心持ちで迎えました。

一人ひとりが輝く時代、令和。どうか幸多きことと心よりお祈り申し上げます。

 

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それにしても、列島各地祝賀ムードに溢れてますね!

令和元日、私は岐阜県高山市に向かっていました。連休中日ともなると、高速道路の渋滞が収っており、呆気なく到着。しかしその安堵も束の間で、やっぱりというか、観光地は局所的に大渋滞。若干予定を変更しながらも「温泉と花と美術館」という私的旅行のセオリーは外さず、楽しんでまいりました。

 

ホテルにチェックインした後、歩いてすぐの人気観光スポット「古い町並み」へ。

 

高山の古い町並みを散策。そこかしこに「令和」の文字、そして国旗を掲げてあります。

 

高山はまだ桜が咲いていました。特に八重桜は見頃。また花見が出来て嬉しい。

 

高山市の新元号を記念する行事として「高山祭屋台の特別曳き揃え」が開催されていました。春と秋に曳かれる山車が一度で見られる特別な行事のようですが、雨で一部中止になったり、曳き揃えが予定より遅れてたようでした。

でもそのおかげで、本当にギリギリのタイミングでしたが、見ることが出来たので、ラッキーでした(^^*

人出もピーク時よりは減っていたようで、わりと上手く撮影出来ましたよ↓

 

からくり付きの立派な屋台。

 

後ろ姿も美しい♡とっても豪華です。

 

見事な彫刻!間近で拝見しました。

 

街並み散策のお目当てはズバリ酒蔵!

女子的には食べ歩きでしょうが、飛騨牛やなんかはホテルで食べる予定だったので、地酒をメインにしました。

それでいっぱい試飲して、どれも美味しくて決めるのが大変でしたが、なんとか2本に絞ってお持ち帰り~(ノ´∀`)ノ

うち1本は「令和」というお酒。美味しかったし、やっぱりお祝いでね。飲むのが楽しみです。

 

高速で走行中は雨がたくさん降っていて心配でしたが、散策時にちょうど止んでラッキー。夫が超が付く程の晴れ男なので、そのお陰かな?

 

酒蔵を巡って試飲を楽しみ(もちろんお酒も買って^^)ほろ酔い気分で観光。青い瓶が「令和」という名前のお酒です。

 

夕方になると格子から漏れる灯り。情緒たっぷりですね。ここは料亭でした。

 

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そして、高山市内の観光前に寄ったのは、美術館というか博物館?展示物の趣旨がよくわからないけど、とにかく建築が凄かった「光ミュージアム」。

山の中に突如現れた不思議な建物に、思わず「おぉーーーっ」と叫ぶこと間違いなし!です。

 

ピラミッドやマヤ建築がモチーフのよう。平成5年から(株)竹中工務店と左官職人の挾土秀平氏により約5年近くかけて作られたらしい。

 

このミュージアムは地下に降りていくようにアプローチします。出入口のフロアは地下3階で、地下通路という美しいトンネルを通って総合案内へ。次に、エスカレーターもしくは階段を上って進むと、巨大な吹き抜けのフロア。その吹き抜けは、外からみるとピラミッドになっていて、これまた凄い。見る者を圧倒します。

構成が見事です。ディティールも凝りまくりで、よくこんなの作れたなぁって感心しきり。これだから美術館建築探訪は楽しい!

 

左官職人の挾土秀平氏の力作の地下通路。土の柔らかな質感とモダンなデザインが不思議と調和していて素敵でした。

 

展示品は、新旧・和洋・誰でも知っているような有名どころを薄く網羅されていて、例えばゴッホやモネの絵が、ガラス越しでなく至近距離で、しかも独り占めしながら見られます。

それでもって、考古学的なコーナーあり、恐竜ありで、おもちゃ箱をひっくり返したような感じ。マヤのモチーフの中に能の立派な舞台があったりもして、なんというか・・・面白いんです。

美術館といえば、ミュージアムショップやミュージアムカフェに寄るのも楽しみのひとつですが、こちらはお土産屋さんもしくは町のレストランという雰囲気。建築の素敵さに比べてちぐはぐな感じがして、もうちょっと何か出来るのではないかと思っちゃった。

 

ピラミッドホールというところ。天井がものすごく高くてこの陰影とステンドガラスが美しいです。

 

外壁や内壁にライムストーンでつくられた幾何学模様のレリーフが繰り返し使われています。それが細かくてとても丁寧に作られおり素晴らしい。

 

ピラミッドホールの外観。メキシコ・ベラクルス州エルタヒン遺跡の一つ「壁龕(へきがん)のピラミッド」をモチーフに作られており雰囲気たっぷり。窓は365個もあるそうです。これを見るだけでも価値がありそう。

 

中庭になぜが恐竜の実物大模型が!◝(⁰▿⁰)◜ヒエー このように子供さんが喜びそうな展示も。

 

令和最初の美術館探訪は、なかなか刺激的でした。この先は、きっと日本以外、世界の美術館も堪能しそうな予感♡

(つづく。次回は花巡りです)

 

 

避暑地で庭めぐりー3

前々回前回に続き、先月末に行った避暑地(信州・安曇野)への旅行について書いてます。最終回は個人的にパワースポットだと思ってる美術館について。

美術館は美しいものが揃っています。アートはもちろん、建築や周りの景観が素晴らしいし、なにより静かです。他府県の素敵な美術館めぐりは私の旅行には欠かせないもの。そのあたりはツレ(夫)も理解してくれているみたい。

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安曇野には「安曇野アートライン」とい名前の通りがあるくらい大小19もの美術館が立ち並んでいます。その中で一番行きたかったのは絵本作家いわさきちひろさんの「ちひろ美術館」です。

 

広大な敷地。アルプスの山を背景にちひろ美術館が建っています。素晴らしい景観ですね。

 

上の画像を解説しますと・・・

駐車場から望む美術館は、小さな池越しに、芝生の小高い丘の上にあります。背景は雄大な北アルプスです。建築家・内藤廣氏による山並みを模したような建物は、その景色の中にそっと馴染ませるように建てられています。周囲に53,500㎡もの公園が広がり本当に贅沢な空間です。曲がりくねった道はどこか牧歌的な雰囲気が漂っていました。

近かったら入り浸ってそうなところです(^^*

ただこの日は台風が接近中で、画像でもお分かりのように、雨が降ったりやんだりしていまして、散策にはあまり向かない日でした。実際は写真で見るよりもだいぶ明るいのですが、どうも暗く映ってしまいます。

 

芝生の庭には、チェコの絵本作家さんデザインの石のオブジェ。カッコいいです。

 

切妻の引き締まった外観。

 

幼い頃、きっと誰もが一度は手にしたことがあると思う、いわさきちひろさんの絵本。素朴で柔らかなタッチや澄んだ色使いで描かれた子供たちは、いつみても心が和みます。

でもその絵は戦争がきっかけに生まれたのでした。だから彼女の絵は平和への祈りに満ちています。そして日常の何気ない幸せがいかに大切か、そんなことも訴えかけているようでした。子供が子供らしくいられる世界、そういう世界を大人がしっかり作らねばなりませんね。

ちひろさん以外のアーティストさんの絵本や展示もたくさん。戦争をテーマにした絵はちょっと子供には酷かもしれない程恐ろしい絵でしたが、そういうのも見てどう考えるかが大事なんですよね、きっと。絵本には残酷な話もよくあって、そういう話は細かいところは覚えていないけれど、感覚的なところで覚えているものです。

 

今年はちょうどちひろさん生誕100年にあたるそうで「LIFE」という企画展が催されていました。ちひろの絵にもよく登場する帽子がテーマのようです。展示室は撮影禁止ですが、ホールや廊下、外部空間は撮影出来ましたのでご覧ください。

とってもファンタジーでしたよ~(^m^*

 

企画展の展示。トラフ建築設計事務所さんの「空気の器」に色を付け、帽子の形にアレンジして飾ってあります。

 

ロビーに飾られた空気の器の原型。広げ方しだいでこんな形にもなって、しかも白だとまた雰囲気が違います。ふわふわと揺らいで雲のようでもありアートでもあり。

 

帽子の部屋。ここで子供向けワークショップが開催されていました。生き生きと楽しそうでした。

 

子供用の机やイスがそこかしこに。 絵本の美術館ですし、この日は夏休みともあって、子供たちがたくさん。子供たちがいて完成する空間ですね。

 

かっこいいデッキチェアの向こうに見えるのは、ブルーサルビアの花畑です。ブルーサルビアはどこでも買えます。寒さに弱いので通常は1年草扱い。

 

小さいころ読んだ絵本もちゃんとあって、すっかりちひろワールドに魅了された私達。ミュージアムショップで珍しくポスターを買いました。ポスターだけだと買わないところですが、ちゃんとマットがついていて、しかも測った訳でもないのに、手持ちのフレームにぴったりはまりそうな気がして、いいかも!と2枚も買っちゃいました。

家に戻って早速合わせて見ましたら、本当にドンピシャで!自分でもビックリ。やるやん!私って、久しぶりに自分を褒めてあげました。

 

「緑の風の中なかで~In the Fresh Green Wind~(1973年作)」夏らしい絵でしょ?色合いがすごーく綺麗です。少女が緑になった秋色アジサイの向こうに佇んでいる風に飾っています。

 

緑の少女の絵は私好みで、もう一枚は夫が好きな絵です。それは冬っぽいので、また時期が来たらブログに掲載するかもしれません。

そして、もう一つ買ったのは「空気の器」。今の所モビールみたいにして飾っていますが、そのうち器として飾るかも。面白いオブジェで、うまく考えられているなぁと思います。

 

薄いけれど意外としっかりしている紙で出来ています。全体に円周にそって細かな切れ込みが入っていて、真ん中の平らな部分を底として固定しながら少しずつ引っ張り上げると網のような模様が出現。見えるかな?七夕の飾りでこんなのありましたよね?

 

ちひろ美術館、想像以上に素敵でした。晩秋の紅葉のころにもう一度訪ねられたら最高だろうなぁ。

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さて、今回の旅の宿は・・・。

立山や安曇野に近い温泉旅館の「界 アルプス」さんにお世話になりました。温泉に浸かって、まったり癒されるのも旅の目的のひとつなので、界さんはもう我が家の定宿的存在。最近は施設も増えたので、便利に使われせてもらってます。

こちらの建物、特徴的だったのは「雁木造り」です。雪深い地域の商店街などで見られる屋根付き歩道のことで、今で言うアーケード。私は新潟でのお仕事で初めてこの存在を知りました。それが信州にもあるんだなぁって。確かに便利だし建築と一体になっていると趣があります。

新潟の上越には江戸時代から既にあったらしい。私が関わったお仕事は、そんな伝統的な雁木造りを取り入れた素敵な施設のランドスケープです。またお許しが出たらいつかこのサイトでも公開したいと思います。

 

駐車場からの界アルプス全景。景観を壊さないように?2階建てと低く抑えたモダン和風の建物。各棟が雪よけの雁木(がんぎ)で繋がれています。

 

小川のあるテラスがありました。暑いけれど樹は青々茂って元気そうでした。ここで湯上りにラムネやアイスをいただきつつ夕涼み。

 

図書館のようなラウンジ。コーヒー美味しかったです。ここはどこの界さんにもあるスペースで個人的にお気に入りスペースです。

 

信州っぽい演出の囲炉裏端。杏のピューレがかかったかき氷、果肉感たっぷりで美味しかったなぁ。夜は冷酒がふるまわれたのですが、お腹いっぱいで一杯しかいただけなかった。勿体ない事をしました~^^; 朝はかまどで焚いたおかゆもいだたける。これらは宿泊料に込みですので何度でもいただける。でも常にお腹いっぱいなので入らないーっ(>_<)

 

お部屋のリビングスペース。和のような和でないような独自のインテリア。地元の作家さんの作品がそこかしこにあってちょっとしたギャラリーのようにも見えます。備え付けのシャワーがレインシャワーでした♪

 

作家さんの茶器も雰囲気合わせてあって素敵でした。

 

きれいなお月さんが格子に映えてます。

 

台風が来なければ、松本市内も散策したかったのですが、何の備えもせず出て来てしまったし、前代未聞の台風だとか言うし~。早めに帰路につかざるを得ませんでした。

美味しいものや庭めぐり以外の観光など、話は尽きませんが、そろそろ締めたいと思います。そのうち自分用に買ったおやつがちょいちょい登場するかもしれません。