京都市京セラ美術館の建物探訪記

先日、京都市京セラ美術館に行って来ました。

前回のブログでは展覧会の様子を。今回は建物についてです。

昔から美術館という場所自体が大好きで、パワースポットのようにも感じているワタクシ。非日常的で飛びぬけて素敵なその空間に身を置くだけで、不思議と癒され満たされるのです。だから全て味わい尽くしたい。展示だけでなく建築までもじっくりと鑑賞してしまいます。

振り返ればこれらの経験は、ガーデンデザインをする上で血となり肉となっているように思います。もはや美術館は私の人生から切り離せないものになりました。(何と大袈裟な!笑 でも本当のこと)

過去ログでもいろんな美術館記事を書いております。ご興味のある方はサイトのサイドバーにある検索欄で「美術館」と入力して探してみてください。ざっと30は出てくると思います。旧seesaaブログを合わせると60近くあるかもしれません。

 

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さて、京セラ美術館。

以前は京都市美術館だったところです。2017年に50年間のネーミングライツ契約を京セラ(株)と締結。スポンサーを得て大規模な改修工事が行われました。

工事中は何度も前を通り、どのように変わるのだろうと楽しみにしていたのですが、オープン後2年も行けないでいました。パンデミックのせいもあるけれど、無理をしてでも見たい!と思う展覧会がなかったのが本音です。建物は逃げないので、そのうち行く気になるだろうとのんびり考えていました。他にも行くべき美術館はありましたしね。

 

京都市京セラ美術館。改修工事が始まったのが2018年1月で、翌年10月に竣工、リニューアルオープンは2022年5月のことでした。建築家青木淳、西澤徹夫氏のよる。青木氏は現館長。

 

建築の見所の一つは、なんといってもファサード。元々あった前広場を掘り下げ、ガラスをはめ込んで出来た新しい空間「ガラス・リボン」でしょう。

レンガにガラス、直線的なラインに対して流動的なライン。素人の私でも分かりやすい対比ですが、それにより、実際は以前とさほど変わらないのに、とても新鮮に映ります。

ガラス張りの効果は絶大で、全体を引きで見ると、どっしりとした建築が浮いているように見えるから不思議です。このデザインを実現する技術力も凄いんだろうな。

 

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中に入ってみると、壁は恐らく塗り替えられているのでしょうが、モールディングやタイル、窓枠、古いガラス、階段の手摺りなど、古き良き時代を思わせる意匠はそのまま。

そこに極々控えめにモダンテイストを加えたという感じで、元のデザインをとてもリスペクトされているんだなと感じます。

 

ここは談話室。元々の意匠がそのまま残されています。天井が高くて窓や照明が本当に素敵。家具はこれで合ってるのかな?

 

 

中央ホール。照明が変わっていたけれど床や天井は前と同じ。新しい動線として階段が追加されています。紙で作ったかのような軽やかなデザイン。

 

以前と大きく変わったのが動線です。

メインエントランスが地下になって、奥の日本庭園まで一直線に伸びる軸線が新しく設けられました。シンプルで機能的だし「抜け」があってとても素晴らしいと思いました。前は内部がいまいち分かりにくく薄暗い印象でしたので。

改築に当たり「この美術館に埋め込まれていた軸線を引き出そうとしました」と青木氏はおっしゃっています。

 

中央ホールを少し進んだところ。レトロとモダンテイストが融合してカッコいい。扉の向こう側、ガラス越しに日本庭園が見えるところも素敵です。

 

メインエントランスから真っ直ぐ進み突き当たる場所。ガラスがはめ込まれ、中からこんなに解放感ある眺めが楽しめます。庭も作品のひとつ、まさに屏風をひろげたよう。

 

建物と庭というのは、このように一体化してこそ価値があると改めて感じました。

いくら立派な庭でも、室内からその景色を取り込めないと魅力は半減してしまいます。

以前のお庭は建物の裏と言う感じで、ガラスがはめ込まれたところには確か重い扉があったような。中から見えたかどうかもはっきり覚えていませんもの。新しくなって庭がようやく生きたように思います。

見せ方って大事。庭が分かっている建築家っていいよね~。

 

元々あった日本庭園。七代目小川治兵衛が関わった言われています。東エントランスから出て散策できます(一度出たらまた正面に回らないと入れません)。そんなに広くありませんが東山まで視線が抜けて気持ちいいお庭です。

 

藤棚もあり見頃を少し過ぎたころでした。良い香りを堪能。

 

池のほとりに番いかな?2羽の鴨が寛いでいました。すぐ近くに人がいるのに慣れているのか逃げる素振りもありません。あまりに動かないので置き物のよう。ウトウトとお昼寝中でした。

 

最後に美術館の隠れたお楽しみ。それはミュージアムカフェです。

美術館に併設されたカフェって、大抵お洒落で静かなので大好きです。展覧会の余韻を楽しむのにはピッタリな場所。私は必ず立ち寄ります。

こちらのカフェは新しく作られたスペース。メインエントランスのすぐ脇にありますが、奥まったところにあるので、入館者の出入りは案外気になりません。

 

鑑賞したあとはミュージアムカフェで寛ぐのが定番です。半地下でガラス越しに前広場や平安神宮の大鳥居が見えます。京都の食材を選んで使っているようです。私は京もち豚のローストポークを挟んだホットサンドをオーダー。美味しかったですよ。

 

新設された建物東山キューブの屋上。この日はあいにくの曇り空でしたが、それでもこの景色。新緑の山々が見えて爽快でした。

 

このさき何度も訪ねそうな美術館。

斬新な企画展を期待しつつ、その折にはまたゆっくり建物探訪したいと思います。

皆様も機会があれば是非行って見てください。

 

 

植物の免疫現象

先日コロナワクチン3回目を接種しました。

打った当日から発熱して2日下がらず、腕は接種部に加え脇の下まで痛くなり…予想以上にしんどかったです。38度を越えても、風邪のように頭が痛くならないのが不思議だけど、倦怠感や悪寒は似た感じでした。

副反応は3回目の方が強く出る傾向があるとは聞いていましたが、実際こんなに体力と時間が奪われるなんて、なんだかなぁ。

これから接種する方を不安にさせてしまったかもしれませんね。でも2回目の時、副反応が強く出たのなら、甘く考えず、接種後のスケジュールに余裕を見ておいた方がいいかと思います。どうかご無理なさらず。

 

ありがたい頂き物で至福のTeatime。ワクチン接種前日のことでした。この後あんなに苦しむことになろうとは。

 

ワクチンと言えば、それに似ている植物の現象が報告されています。植物は一旦弱毒ウイルスを接種しておくと、次に侵入した強毒ウイルスに耐病性を持つようになることがあるそうです。

このような植物の免疫現象は知られていますが、免疫細胞という特別な細胞はまだ見つかっていません。リンパ球などのような細胞がないので、いったんウイルスが増殖してしまうとなくすことができないのです。

それなら人間が、植物ウイルスの増殖を抑える薬とか作れそうなものですが、ほとんど開発されていません。そういう薬より、ウィルスを媒介する特定の昆虫用の殺虫剤や抗菌剤を開発する方が容易いのでしょう。

 

 

しかし植物は、免疫細胞や殺虫剤に頼らなくとも、抗菌性物質や抗菌性タンパク質を作り防衛したり、他のウイルスに感染していない組織から新たな組織を再生させたり、たねを残す形で生き延びてきました。

動物は抗体ベースの免疫システムがあるけれど、完成した体をそのまま維持するしかありません。

ホント、大事にしなくてはね。

 

 

春メク

すっかり春めいてきました。

本日は春分の日。祝日法によると「自然をたたえ、生物をいつくしむ」日らしいです。

へぇーと思いつつ庭に出ると、あちらこちらにウブな緑が目に入ります。

枝先に止まった小鳥たちは盛んに囀っていたかと思うと、ある二羽はまるで追いかけっこをするかのように生垣の中を駆け回っています。茂みの中をよくもあんなスピードで飛び回れるものだと感心して見ていました。

厳しい冬を乗り越え、生きてまた春を迎えられたことが嬉しい・・・生き物たちはそんな喜びを全身で表しているかのよう。

本当に愛おしいです。

 

テラスにて。良い香りがするなと思ったら、ずーーーっと蕾だった沈丁花がついに咲いていました。春の初め、象徴的な香りです。

 

さて春と言えば、就職や進学で新生活をスタートされる方も多いのでは?

新しい環境に新しいモノ、いいなぁ。

実際そうなると大変なことは想像出来ますが、私には新生活という響きが羨ましくて仕方がありません。

長年そういう状況にいないため、暮らしがすっかりマンネリ化しているのです。身体に合わない不便ささえも変に慣れてしまっていて、だからいつまでたっても治らないのですね。

そこでリニューアルを企画。手直なところで事務所のインテリアを変えてみようと思い立ちました。家具から配置からガラリと変える大がかりなものを考えています。

思いつきのようですが、これはafterコロナを見据えての投資にもなりそう。時間がかかる環境整備を少しづつやっていきたい。

 

バラの鉢でコガネムシ除けに植えている黄水仙が咲いて。事務所の窓辺に飾るとそこだけ陽だまりのような明るさです。

 

事務所は本当に小さな空間なので、いまのレイアウトしかないと思い込んでいるフシがありましたが、変えようと思った途端、色々なアイデアが浮かんできます。

いらしたお客様にも特別な時間を過ごしていただけるよう工夫をしようと思います。

(考えるだけで終わらないようにブログに書いてみました)

 

 

ディスプレイガーデンの剪定

このごろは急に暖かくなりましたね。

今朝庭に出ると、一昨日たっぷり降った雨のお陰もあるのか、いくつかの落葉植物が芽吹き始めていました。クリスマスローズや水仙、匂いスミレといった花たちもようやく開花。例年よりだいぶ遅いように思います。

 

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さて、先週末にディスプレイガーデンの剪定を済ませました。(ディスプレイガーデンとはディアガーデンの建物まわりに作った庭のことです)

私は、樹形を作り直す時は冬季に、整枝のみときは夏期に、と木の状態と目指すイメージを元に剪定時期を分けており、だいたい1年半に一度くらいの割合で同じ職人さんに剪定をお願いしています。

今回の剪定は、芽吹き前ギリギリですが冬季剪定にあたり、生垣1ヶ所と落葉樹1本の樹形を作り直してもらうのが主な作業となります。

 

テラスのイロハモミジを剪定してもらっているところ。この木はもうグングン成長しなくなりました。モミジは自然な樹形を楽しむ木ですから、職人さんもむやみに鋏を入れません。

 

樹形を作り直す作業一つ目は、テラスにある針葉樹(レイランドヒノキ)の生垣。

この生垣は、テラスのプライバシーを保つ目的で隣地境界に沿って植えていて、いつも高さ2.5m厚み70~80cmに整えてもらっていますが、年々頂部の枝が混んで茂みのようになってきました。頭でっかちは不格好だし、こうならないようしてきたつもりですが、樹勢には勝てませんでした。

多くの針葉樹は細長い樹形をしていることからも分かるように、枝の伸長に比べ、幹の伸長の方が早い。頂部はよく日が当たるため、どんどん新しい枝も出ます。だから生垣の下の部分と同じ幅で刈りこんだとしても、頂部の方が葉が密集してしまうのです。

そんなことで、今回の剪定では頂部を作り直そうと、茂ったてっぺんを幹ごとバッサリ切断してもらいました。

 

頂部(丸印の部分)を幹ごと大きく切断。この生垣はプライバシーを保つ役割があるので側面の枝はいい感じに残してくれました。

 

上から見た状態。頂部がなくなりぽっかり穴のあいた状態です。頂部が無くなったことで内部にも日が当たり、もしかしたら下枝の幹元から新しい芽が吹いてくるかもと期待しています。

 

これから頂部に出てくる小さな芽を育て、それがいい感じに茂ったところで側面の枝を揃えて切り、横から見ると上がやや狭い台形になるように整えていきます。これが生垣の理想の形です。

そう分かっていても、樹勢が強いと、いつの間にか頭でっかちな生垣になっちゃうんですよね。

この生垣が理想の形に戻る迄には数年かかりそうですが、職人さんがプライバシーが保てるように上手く切って下さっているので全然待てます。

 

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話しは飛びますが、2年程前だったか。この生垣にカルガモが来たことがあったっけ。

生垣のてっぺんは柔らかい葉が茂っていてイイ感じの幅で平ら。羽を休め、日向ぼっこするに格好の場所と映ったのでしょうね。

 

レイランドヒノキの生垣の頂部が茂り過ぎてすごい厚みに。カルガモがとまった時は流石に驚き、生垣の形を何とかせねばと思ったわけです。

 

庭は自然の一部でもあるので、当然ながら生き物たちもやってきます。

実際ディアガーデンの庭も、野生動物の通り道になっているようで、色々な生き物を見ます。冬の小鳥以外は呼んでいるつもりはないけれど、多様な植物が育っていて潜む場所があるので、勝手に集まってくるのね。

そういえば、いまイギリスでは生き物を積極的に呼ぶ庭が話題になっているそうです。コロナ禍で身近な自然への関心が高まっているのでしょう。今年2月NHK「ダーウィンが来た」で取りあげられ、私も興味深く拝見しました→「大人気!生きものを呼ぶ庭の秘密」

私はこの番組に登場する庭の持ち主ケイトさんのように、どんな生き物でも大好きってわけじゃないから、突然の訪問にはいつも驚いてばかりです。心臓に悪いので、ある程度大きな生き物(カルガモとか 笑)は、出来れば遠慮してもらいたいというのが本音です。

そうは言っても向こうは勝手に来るからなぁ。大方においては共存していくのでしょうね。

 

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さて、本題に戻って。

もう一か所大きく切ったのは、前庭のエゴノキです。

この木は今の樹形があまり気に入ってないことに加え、大きさ調整する意味もあって、幹の更新をしました。

5年前にも一度太い幹を何本か切りましたが、そのとき残した親指くらいの太さの幹が今はもう直径10cmくらいになっています。そのくらい樹勢が強い木なので、少々手荒なことをしても、ビクともしないと甘えて切るのです。

 

赤い丸の部分を切りました。左のエゴは幹ごと切る大手術を。右のアオダモは前回切ってからあまり成長していないので、樹形を少し整える程度に切っただけ。

 

庭で大きくなり過ぎた木にお困りの方、このように樹形を作り直してみてはいかがでしょうか。

参考になれば幸いです。

 

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木を剪定すると、害虫退治が出来ることも大きなメリットのひとつです。

枝葉についている害虫の卵や幼虫の一部は、剪定と共に取り除かれます。

ディスプレイガーデンの害虫は、レイランドヒノキにつく「スギドクガ」やヒイラギモクセイについく「ヘリグロテントウノミハムシ」。「ミノムシ」はそこら中にいますが、これらが剪定と共に大部分処分されたのではと思います。

 

レイランドヒノキにはスギドクガの幼虫がいっぱいいたようで、剪定枝についていた虫はそのまま処分されます。職人さんの軽トラが虫だらけになってしまって申し訳ありません。

 

ヒイラギモクセイの生垣。剪定してもらうとスッキリ気持ちいいだけでなく害虫も一部取ることが出来ます。端正な雰囲気というか風格も少し出てきたような。

 

害虫対策は、まずは環境に合うものを植えること。そして植物の健康に気を配り、剪定で風通し良く保ち、害虫を発生させないことです。次は日々の観察を怠らず、蔓延しないうちに手で取ったり剪定で取ったりする。手に負えない場合の最後の手段が農薬です。

定期的な剪定は色々な意味でおススメです。

 

 

パンデミックで変わった住まい方

パンデミックが人々の暮らしを変化させて3年目に突入。

この間、我が家では夫のリモートワークがすっかり定着しました。初めは何の心の準備もないまま進むので戸惑うことも多かったです。だってこんな暮らしは彼が定年退職した後に訪れるものと思っていましたから。

それでも幸いだったのは、夫婦それぞれに完全個室のワークスペースがあったことでした。お互いのプライバシーが守られたことで波風立てず過ごせていると思っています。

 

私のワークスペース(=ディアガーデンの事務所)です。少し前は正月花を飾っていましたが、今はユーカリのドライスワッグやリースが飾ってあります。しょっちゅうお花やディスプレイを変えることで在宅ワークのマンネリを解消。

 

振り返れば15年前に家を建てたとき、夫の書斎と言う名目で作ったお籠り部屋が、まさか本当に書斎になるとは!思いもよりません(笑)

そういえばもう一つ。以前は犬を飼っていたので、玄関は収納を多めにして手洗い場を設けていたのですが、それが今、室内にコロナ菌を持ち込まないために大いに役立っています。

本当に何が功を奏すか分かりません。パンデミック後、住まい方が変わったとつくづく実感します。

 

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一方変わらないのは庭との距離感。庭はパンデミック前からずっと私を慰め楽しませてくれる存在です。

この家の設計は庭と建物が同時進行でした。窓は庭と繋がるように、そして出来るだけ嫌なものをみないように配置したつもりです。

家の設計って外部をどう取り入れるかで暮らしが全然違ってきます。一体どのくらいの方が気づいているでしょう。家の中だけで完結するのってちょっともったいない。豊かなものは外にあります。

遠くに見える山、季節ごとに変わる光の色や風の香り、雨音、鳥の囀り・・・それら外にあってしかも無償で手に入るものばかり。都市や住宅地で自然の恩恵が受けられない、見るものがないならば、なおさら庭に頼るべき。庭は光や風を身近に引き寄せ、暮らしに新たな楽しみを与えてくれます。

 

冬枯れの庭で。餌の少ない野鳥のために自作のバードフィーダーをテラスのイロハモミジの枝先に吊るしています。庭木の枝をザックリと束ねて厚みのあるリースを作りお皿をセット。お皿は意外としっかり固定出来ていて鳥の巣のような雰囲気です。毎日果物を置いて部屋の中から時々観察して楽しんでいます。

 

人工的に作った庭でも、そこには常に命があります。そしてデジタルな情報とは違う、私達のDNAに直接訴える情報が絶えず発信されているのですね。それによって人は癒されるのだと思います。

パンデミック後、日常のデジタル化が一気に進み、人との交流や外出を制限されたことによる閉塞感から、身近に自然を求める方が増えたと聞きます。一時もてはやされた田舎への移住はインフラやら考えるとやはり現実的ではありませんしね。

昨年からディアガーデンでは、おうち時間の充実を求めて庭作りを依頼される方が増えました。

これまでのお客様は時間に余裕がある熟年層中心でしたが、若い層が増えたことも嬉しい変化です。ディアガーデンの前を通りかかって前庭を気に入って下さった方が、ウェブサイトを見てご依頼、というパターンが多いです。

そんな前庭の植物たちも立春を前に、そろそろ動き始めてる様子。

昨年の終わりにいくつか配置替えや入れ替えをしたので、すこーしだけ眺めが変わります。樹々の剪定もし、新たな気持ちでまたお手入れを始めます。

 

春の前庭。

 

初夏の前庭

 

春になったら見にいらしてください。

道路に面したオープンな庭なので通りすがりでもよく見えます。

 

 

成人の日に思う、孤独とは。

お正月開けての三連休、まだエンジンのかかっていない身体にとっては有難く・・・さて皆様はいかがお過ごしでしょうか。

新成人の皆様はおめでとうございます。今年は各地で成人式も開催されているようで、小春日和の下、晴れ姿が眩しい限りです。コロナ禍ではありますが、どうか希望を持って生き抜いていただきますよう。

昨今の痛ましい事件の元凶は「孤独」だとか、聞きます。

コロナ禍で孤独に陥る人々が増えた、とも。

孤独は自分の捉え方次第で良くも悪くもなるもの、孤独が悪い訳ではないと思います。孤独でなければ自分の考えが深まらないし。

本当の孤独がどのようなものなのか、私は分かっておりませんが、良かれと思ってやった行為がひたすら裏切り続けられたら、自分から扉を閉じてしまい、何も聞こえなくなるのかもしれません。でもどうしてその人が裏切ったのか?「その人の孤独」を考えると、自分だけが孤独という偏見を捨てられると思います。皆、どこか孤独なんです。

新成人の方へ、孤独と上手に付き合う方法を共に学びましょう。

 

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私は庭づくりや装花室礼を生業としているので、その分野から孤独を考えれば、

例えば、人が周りにいないのを孤独というのでしょうか。

人という種の生物がいないだけで、他の生物は周りにたくさんいるはずです。

植物、動物、鳥、虫、山や石、もっと言えば太陽や月、それらはいつも私の周りにいて、見れば応えてくれるものです。そういう存在を一切見ないで孤独と決めつけるのはいかがなものかと思います。

庭作りを通して、私が時々思うのは石の孤独です。雨風に晒されて、踏みつけられ、埋められて、尚、存在しつつける石。この小さな石は、一体いつからここにいたのだろうと想像すると、自分の孤独など大したことではないなと思いました。

もっと言うなら、日本には八百万の神々がいて、感じようとするならば、一人ではないことを感じるはずです。ですので、一人で年中行事をせっせと行ってください。昔の人の生きることの大変さ思えば、今の時代、生きることの「お膳立て」が如何に有難いことか。

命は勝手に捨てられない。よく言う「自分が生かされている、有難い」という感覚は、私の場合、年中行事を通して学んだ感覚です。

 

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さて、その年中行事では、明日は鏡開きの日。

一足早いのですが、本日有難い鏡餅の御下がりをいただきました。

 

我が家には床の間がないけれど、歳神様にお供えしたい気持ちはあります。鏡餅はリビングの飾り棚に。今年は紙垂を垂らしてみました。

 

鏡開きのお餅は善哉にしていただきました。御下がりをいただくまでがお正月行事。

 

 

冬至、柚子の季節です。

坪庭の椿がポツポツと咲き始めました。

その艶やかな葉は、冬日の僅かな光を受け止め、増幅して、周りを照らしています。

今日は冬至。一年で一番、日の力が弱まる日です。

 

ディスプレイガーデンでも一番小さな庭「坪庭」の数寄屋侘助椿です。優しい色合いで咲き、冬の間、何時でも何度でも私を慰めてくれます。

 

明日から徐々に日が延びて、季節はゆっくりと春へと向かいます。

冬至を表す「一陽来復」は、悪いことが続いた後で幸運に向かうという意味で、この言葉をつぶやくだけで、何か救われたような気持ちになるのは何故でしょう。

物事は気持ちの持ちようで、どんな風にも変わるから、どうせなら明るい方へ。そう思います。

その方が身のため人のため、そう思います。

 

 

毎年、冬至が近づいてくると、義兄が畑で捥いだ柚子と蜜柑を送ってくれます。

今年も有難く柚子風呂に入って温まる予定です。

兄の愛情いっぱい詰まった柚子だから、それはもう効き目があります。

柚子の果皮には良く知られている「リモネン」や「ビタミンC」という成分の他、「α-ピネン」という香り成分が含まれています。これはマツ、ヒノキ、スギなど多くの針葉樹にも含まれる成分と同じ。だから森林浴のようなリラックス効果もあるのですね。

ただ、成分を多く取り込もうすると、ピリピリとした刺激を感じるときがあります。お肌が敏感な方や刺激に弱い方は、柚子をまるごと浮かべるだけの方が良さそうです。

 

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柚子は先月もお福分けでいただきました。

いつもなら柚子ジャムにするところですが、最近めっきりパンを食べなくなったので、柚子シロップを仕込みました。

柚子シロップは、下処理はしますけれど、煮ずに氷砂糖で漬け込むだけなので、より簡単です。

 

柚子シロップは専ら柚子茶に。これも風邪予防になりそう。何より美味しいし!

 

植物はその身に太陽をたっぷりと溜め込んだものだから、それを食べるということは、陽のパワーを取り込む行為そのものです。

 

石蕗の咲くころ

年の瀬に向って何かと気忙しいしこの頃です。

仕事をしていても思ったように進まないときは、どうしたものかと色々手立てをするも、庭づくりは幾人もの手を要するものですから、本当に難しいと改めて感じています。

自分自身と正直に向き合い、どなたにも植物にも真心を持って、正々堂々と当たろう。そう思い進みます。

 

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いま、庭で咲いているのは石蕗(ツワブキ)の花。

花が少なくなるこの時期に、やがて来る春を約束するかのように、明るく咲いてくれます。

少し濁りのある黄色い花は地味だけど、咲くとそこだけ灯りがついているようで、何故か心に残る冬の花です。

 

ディアガーデンの坪庭で咲くツワブキの花。あまり知られていませんが、ツワブキの花には深い芳香があります。

 

元は海岸の寂しいところで育っていたツワブキでしたが、日の差さないところでもよく育ち、艶やかな葉はそれだけで見応えがあるし花にも味わいがあると、いつしか盛んに庭植えされるようになりました。

そんなツワブキの花言葉は「謙譲」「困難に負けない」。

「謙譲」は日の当たらない場所でも健気に咲いていることや、奥ゆかしい日本的な落ち着きを感じさせるその花姿から。「困難に負けない」は、厳しい冬に他の花に先駆けて花をつけることから生まれたそうです。

 

ディスプレイガーデンのツワブキの葉は私の手より大きなものも。因みに私の手は男性並みの大きさです。それより大きいっ!

 

同じツワブキでも、日が良く当たる場所にあるものは、簡単に光合成できるのでそれ程大きな葉を作る必要がありません。それに比べ、ディスプレイガーデンの坪庭に植えたツワブキは、本当に少ししか日が当たらないので、ちょっとでも多く光を取り込もうと一生懸命葉を大きくしたのだと思います。

それが上の画像です。

生きるためだけど、それこそ花言葉通りに困難に負けないで、自分の出来る精一杯のことをしているんだな。

物言わぬ植物ですが、一緒に暮らしていると、何気ない気づきををもらいます。

 

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さて、本日13日はお正月事始めの日です。

といっても、家中の大掃除的なことはやりませんけれど、ひとまずお正月飾りの準備をはじめました。

今年の飾りは鶴だったので、来年は亀です。

 

無印良品で買ったわら細工の祝亀。

 

宮崎県の縁起物だそう。

亀は長寿の象徴。一歩一歩あゆみを進めることから「継続」の象徴としても親しまれています。

2022年、私も歩みは遅くとも前進できればいいな。

 

 

 

晩秋の庭は枯淡の趣

温かい飲み物がしみじみと美味しいこの頃。

内勤の日は、朝、ポットで紅茶をたっぷりと淹れるのが日課です。蜂蜜やミルクなど足して味変していただきます。最後はストレートで。

お気に入りのPlayListを聴きながらブログを書いています。

 

最近のデスクワークのお供は紅茶

 

この週末は暖かいけれど、来週からはまた季節が進みそう。そろそろ事務所を含めインテリアの冬支度をしようと思います。

心地良い環境づくりは、心と身体にとって、とても大切なことだと思っています。仕事のパフォーマンスを上げることにも繋がりますので侮れません。

 

 

クリスマスも意識して、キャンドルやデコレーションライトをあちこちに飾るつもりです。

 

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さて、今日はすっかりブラウンになったディアガーデンのお庭(ディスプレイガーデン)をご覧いただきます。

晴れの日が続いて、カサカサに乾いた葉や花殻たち。春の華やかさとはまた違って「枯淡」という表現が合うように思います。

これはこれで大好きな眺めです。

 

ブラウンのグラデーションが美しい(と思う)テラスの花壇。紅葉はこれからです。

 

アジサイ「アナベル」の花。溶けてレース状になる様は育てているからこそ見られるもの。その繊細さ、いつも見とれてしまう。

 

秋明菊は花後の丸いヘッドが可愛いので、もうしばらくは切り戻さないでおきます。

 

オレンジや黄色、ブラウンの葉たちは黄色味を帯びた柔らかな日差しとはベストマッチ。藤袴はまだたくさん咲いています。

 

藤袴の仲間ユーパトリウム「チョコラータ」です。種になって白くフワフワになりました。黄葉した葉ともよく合っていて、咲いている時よりも好きかも。種がそこらじゅう飛ぶので要注意ですけれど。

 

枯れた姿も愛おしいと思うのは、やはり自分で育てた庭だからでしょうか。

美しさの視点を色々と変えてみる、または積極的に探してみると、思わぬ美が見つかるものです。これは植物に限ったことではなくて、あらゆる場面に当てはまりそうです。

感性は備わったものも大きいけれど、そうしたことで鍛えられるのだと。

だから私は少し救われているのね。

 

その時期ならではの美を見逃さないでください。

 

 

花生けのお仕事より(5月のまとめ)

ディアガーデンではお庭づくりや外構工事といった建物の外回りのお仕事だけでなく、植物に関するご要望に広くお応えすべく、インテリアプランツの納品や装花室礼といったお仕事も受け賜わっております。

そんな流れで、本年度より株式会社仁々木さまの京都祇園本店に毎月数回お花を生けに通っています。今日はそんなお仕事より5月のまとめをご覧いただきます。

○過去の事例はコチラ→1月2月3月 / 4月

 

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初夏は春に芽吹いた芽が、しっかりとして更に成長する時期。

茎や蔓が旺盛に伸びる様を花生けでも感じて頂こうと、青々とした蔓ものを活けてみました。

 

5月初旬【盛り花】

蔓ものってお花屋さんでは、どんな風にも活けられるよう一本一本ほぐされて売られていますが、野にある時はたいてい絡まっています。

ですので、ありのままの姿というか、あえて絡めてガラスの丸い器の縁にぐるっと添わせ、蔓同士をひっかけて留めました。飾る場所が限られているので、こうした方がまとまりますし、扱いやすく簡単に活けられるように思います。茎の柔らかな質感もいい感じに出せます。

縁に這わせた蔓にもたれるように挿した花は、五月晴れの空の色を映したような矢車菊と白い花のオーニソガラム。

同じ季節に咲く花はどのように活けても相性が良いものですね。

 

 

5月初旬【掛け花】

草の他に、枝の状態の蔓ものもあります。

この日は山帰来(サンキライ)を仕入れました。

山帰来って冬によくリースで使う花材です。そう、あの赤い実の!でも今の時期はまだ未熟な実で、ツヤツヤの丸葉も愛嬌があります。

この青葉の山帰来もまた素敵じゃないですか?

 

 

いつも枝が何本かセットされているものを買いますが、その中で「さてどの枝を使おうか?」と選ぶ作業が楽しいです。

素材の良さが出そうな1本を手に取り、不要な枝をチョンチョンと切って・・・角度を定め息を止めて挿す。たまにですが、こんな最小限な始末で一発に整うときがあります。活けていてすごく気持ちいい瞬間です。

それが今回の掛け花で体験できました。

 

これ、たった1本の枝を挿しただけ。

 

自然がつくるカタチって本当に素晴らしいですね。

ちょっと手を入れただけで、突然動きが出て。

でも不思議と景色は静かなのです。

 

2,3か所鋏をいれて、すこーし枝をためただけ。この枝は先にもしっかり動きがあるところが良かったです。

 

お店の方がこの掛け花をご覧いただいた瞬間、ひとこと「いいっ!」って叫んでくれました。

めちゃめちゃ嬉しかったです。

 

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さて、京都府は先月25日から緊急事態宣言の対象となり、ついに仁々木さまの京都祇園本店も、5月19日から末日までの予定で臨時休業に踏み切られました。

ですので、今月の花活けはGW明けに伺ったこの一度きり。

残念ではありますが誰もが辛い状況。私は諸事情を慮り従うまでです。

今後、状況をお尋ねしつつ、また花生けが出来ることを楽しみに待っています。