モダンな筧

今日は4年前にお作りしたモダンな坪庭をちょいリニューアルしたお話です。

こちらのお庭は、ステンレスと自然石という異素材をマッチングさせた蹲踞(つくばい)が景色のポイントになっています。

ご存知の方も多いと思いますが、蹲踞とは、茶庭にあって、かがんで手を清める装置のことを言います。本式は役石と呼ばれる石を設置しますが、ここの場合は主に眺めるための場所なので省略しています。一滴の水が作り出す波紋が、どんどん外に広がっていく様子をデザインしました。広がるって縁起がいいことですしね~。

 

まずは直す前の画像を。4年前の蹲踞です。筧は竹製でした。

 

 

筧から出た水は、手水鉢に溜まり、ステンレスの輪を二つ重ねた海(水門)へと自然に流れ落ち、排水されるように作っています。

一般的な筧は竹製が多いです。天然素材なので数年で朽ちていきますから、時々新しくする必要があります。年度末や大事なお客様をお迎えする時など、折々に架けかえて、その清々しさを味わうのが粋というもの。竹自体、安価なものですからね。

このお客様も今まで何度か新しくされていましたが、どちらかでステンレスで出来た筧をご覧になり、こういうの作れないかしら?とご相談がありました。

ステンレスなら、こちらの蹲踞に間違いなく合うし、竹のように朽ちたりしないので、それもいいですね!とお請けすることにしました。

 

古くなった筧を解体。足元に設けた水栓からつないだホースを竹の中に通し水を流していました。

 

さっそく現場で実測、詳細な寸法を決めて・・・と、形はすぐに決まりましたが、ちゃんと使えるような構造を考えないと。

出来るだけシンプルな仕組みで、元々の給排水設備もやり変えることなく、設置自体も簡単で、かつ、何か不具合が起こった時いつでも取り換えられるような装置にしたいと思いました。それが一番きれいに安く作れるからです。

紆余曲折ありましたが、結局、もとの竹の筧とほぼ同じような仕組みで作ることにしました。

次に作って下さる方、ステンレス加工をして下さる鉄工所さんなんですが、最初お願いしようと思っていたところは合わず、次もダメで・・・と、探すのにちょっと苦労しました。

でも色々と尋ねまわっていると不思議と縁がつながるもので、意外に身近で、引き受けて下さる鉄工所さんに巡り合うことが出来ました。

良心的で、とても丁寧に作って下さって、しかも感覚的な話も通じる方で、有難かったです。腕のいい職人さんは、私にとって貴重な存在。出会いに感謝です。

 

鉄工所さんの作業場です。いろんな機械がいっぱいあってカッコいい。仕上げをマットにするか?ちょい磨きをかけるか?迷って試しに磨いてもらっている場面です。完全オーダーメイドなのでこういう細かなことを積み重ねていくの。楽しいよ~。

 

据えるのはそれ程手間でなく、重たくもないので、全て分かっているワタクシが設置しました。

手水鉢との距離をしっかり見極め、水平器を使ってとにかく垂直に!お客様にもその様子をお見せしたので、万が一水漏れがあっても見当はつけられ、何なら自ら補修も出来ちゃう。

やっぱりそういう手軽さは、シンプルな仕組みあってこそ、です。

色々な方に助けていただきながら、お陰様で、頭に思い描いた通りの景色を作ることが出来ました。筧がモダンになったので、蹲踞がまた一段とカッコ良くみえます。お客様にもお喜びいただけたようで良かったです。

 

設置完了。ほぼ計算通り~(^m^

 

プクチャーウィンドウからいい感じに見えてます♡周りに植えた黒竹やインテリアには竹よりもステンレスの筧の方があってますね~。

 

最後に、お玄関先に来春以降咲く山野草や苔を少し植えさせてもらい、その日の作業を終えました。

作庭後4年経ち、庭木や宿根草がこの場に馴染んで参りました。定期的に剪定をされているので、いい感じに保たれています。

ときどき様子見伺いやお打合せなどでお邪魔すると、奥様がいつも趣向をこらしたテーブルセッティングで美味しいお茶をご馳走してくださるの。花もあちこちに飾られていて、庭の植物を切ってきて活けることもあるそうです。南天やモミジの葉をお料理の盛り付けに添えたりと、庭のある暮らしを楽しまれている様子。

作り手として、このようなお話を聞くと嬉しくて、本当に有り難いなぁと思うのです。

 

おもてなしテーブル撮影させていただきました。本当に素敵。

 

庭は、どんな小さな庭であっても、オートクチュール・メゾン並みに、場に合わせて素材を選び形作っていきます。植物もその環境で育つであろう中から、大きさやいい枝振りのものを吟味して植えています。今回のように、世の中に売ってないものをイチから作ることも可能です。

ディアガーデンはそのようなものに、ある意味面白がって挑戦しているので、色々なご要望にもお応えすることが出来ると思います。

 

 

作庭ひと月後の様子見とランチ

先月作庭しました、京都市山科区にあるパスタ&甘未のお店「ゆる音家」さんのお庭の様子を見に伺いました。

ひと月点検でお訪ねするときは「植物はどんな風だろう?」「何かご不便なことは発生していないだろうか?」と、いつもちょっとドキドキ。でも同時にワクワクもして。

 

JR山科駅から徒歩すぐのゆる音家さん。改装工事中に撮ったのでシャッターが少し下りています。

 

それで、久しぶりにお庭を拝見しましたら、すこぶる順調で!

まず予想以上に苔が青々と成長していました。

お店のスタッフの方のお話しをお聞きすると「どんどん庭が良くなるのでお手入れが楽しくなってきました」という風なことを言ってくださいました。作り手としてこんなに嬉しいことはありません。

 

ひと月ちょっと経ったお庭。苔が育ってきて青々としています。

 

お引渡しの時の苔はこんな風でした↓↓↓

 

施工中の様子です。ハイゴケを敷いているところ。とっても薄いものなので養生のために上に目砂を載せますから、お引渡しのときはお庭が砂色がかっていました。

 

しかも、お掃除が素晴らしく完璧になされていて、お庭を望む窓ガラスもピッカピカ!それはそれは生き生きとしているのでした。

実は、ワタクシ、連絡なしで突然伺ったので、これが日常なのだと思います。

この様子に気が付かれたお客様はきっとこう思われるに違いありません。

「庭ですらこの状態なんだから、一体、お料理や接客にはどれだけの神経が使われてるのかしら?」と。

店舗のお庭はこうあって欲しいというお手本のようなお庭でした。設備等も不具合はないとのことで良かったです。

 

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折角ですからランチをいただこうと、数あるセットの中から、「甘味セット」を注文しました。ランチパスタに好きな甘味とドリンクをセットできて、前菜に豆乳スープとサラダもついてくるというお得なメニューです。

 

パスタはエビと茄子のトマトソースにしました。スパイシーでパクチーがいいアクセントになっておりめっちゃ美味しい。パクチー大好きです。

 

選べるドリンク&デザートは、サツマイモのケーキとホットミルクティをお願いしました。ポットで出され、2杯以上いただけました♪

 

美しいお庭を愛でながらいただくお料理はますます美味しいなぁ。

スタッフの方がお庭に愛情をかけて下さっていることが凄く伝わってきて、作っているときの苦労なんか吹っ飛んでしまいました。体の深いところから幸せな気持ちが湧いてきてウルウル。やばかったです。

嬉しくて、この庭に携わっていただいた職人さんにも早速報告しました。

そういえば以前、作庭前に、職人さん達と打合せ兼ねて伺ったときは、スイーツをいただいたっけ。

結構なおばちゃんとおっちゃんが、お洒落な店内で若い人に混じってスイーツを食べている様子はね、まぁまぁ浮いてたね~(笑)

 

そのときはわらび餅セットに。フワモチの感触がたまりません。

 

お近くにお越しの際は是非お寄りになって。そしてお庭も見てください♡

 

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庭作りは、そりゃ山あり谷ありですが、愛情込めて向き合う、これに尽きますね~。

これまでに作ったお庭も、このお庭も、この先同じように見守りたいので、出来る限りディアガーデンを続けていこうと、また改めて心に誓ったのでした。

 

 

 

ナチュラルな真砂土舗装

いくつもある庭の舗装方法の中から、自然に見えてコストパフォーマンスにも優れた「真砂土舗装」をご紹介します。土系舗装とも言います。

真砂土(まさつち・まさど)とは砂土状の土のこと。透水性に優れつつ、ある程度保水もしてくれる土で、関西では庭づくりの際、客土として使います。このような砂質系の土に、セメント系、石灰系、樹脂系、アスファルト系などの固化材を混合し、敷き均し、締め固めたものが土系舗装です。

景観性に大変優れた舗装で、コンクリートのように固まっているけれど、見た目は土本来の風合いそのまま。庭に施工してもよく馴染みますのでおすすめします。

 

 

特徴をざっと書きますと、メリット的な面では、

  1. 足当たりが柔らかいため、子供さんやご高齢の方にとっても歩き易い。よく歩道や園路などに多く使用されています。
  2. 透水性や保水性を有していることから、夏場の路面温度の上昇を抑制し、ヒートアイランド現象の対策としても注目をされています。
  3. 雨が降っても吸収する為、樹木の周りを舗装しても、普通の土と同様に水を吸収することが出来ます。
  4. 水はけがいいのでぬかるんだりしません。
  5. 堅くしまっているので雑草の種の発芽を防ぎ防草対策になります。
  6. 見た目は自然感のある土であるため、庭と調和がしやすく景観性が高い。
  7. コンクリートや石・レンガ等敷きに比べ、施工性に優れている。

一方、デメリットとしては、

  1. 車が走行する部分には使えない。(製品には「駐車場や公園庭園の管理車両が通る舗装など、低速に車両が乗って頂く分には強度的には問題ない」と書かれていますが、私はあまりお勧めしません)
  2. 製品や場所によって、数日の養生期間が必要になる場合があります。個人庭などで出入りがほとんどない場合は一日程度です。
  3. 工場で緻密に配合されたプレミックス製品。工場から現地までの運賃が高いので施工者は要注意です。
  4. 施工者の知識不足・技術不足によりムラや水たまりが出来ることがある。広い場所では素人工事は難しいかも。

 

ここまでで、真砂土舗装がどんなものなのか、大体お分かりいただけたかと。

ディアガーデンでは、これまで店舗の庭で何度かご採用いただきました。今週、個人のお庭で雑草対策として、施工しましたので改めてご紹介しようと思います。

以下、施工中の画像です。

 

真砂土舗装をする前に路盤を作ります。ここでしっかり転圧して固めておく。水勾配にそって墨付けを行ったあと、配合された真砂土舗装用の製品を敷きならします。厚みを均一にするためにも路盤づくりは重要。

 

画像で見ても分かるように、配合された製品は、ちっちゃい砂利まじりの砂で、サラサラしていて白っぽい。

ザーッと撒いて、左官ゴテでならしていくだけです。生コンクリートのように表面仕上げをしなくていいし、乾いた状態では何度でも直せるので、気分的にラクですね~。

素人では難しいかもと思うのは、水勾配をどうとるか?です。透水性のある舗装ですが、勾配をつけていないと、大雨の時などは表面排水が滞る場所が出来るかもしれません。見た目にも違和感なく、かつ水がちゃんとはけるようにしたいものです。

このお宅の花壇の縁石や飛石(既存のもの)も、真砂土舗装の仕上げ高さを考慮して据えたもの。リフォームの場合は特に、構造物の基礎とか電気や排水管等がどう埋まっているか計画段階では分からないことが多いので、その場その場で臨機応変に上手く納めていくことはプロならではと思います。

 

真砂土舗装を敷き均したあと、転圧し、散水します。転圧方法は製品や場所によって異なりますが、ここでは狭いためコテ押さえしました。表面に水が浮くほど散水するのが重要。

 

完成。渇くと白っぽくなります。画像手前から奥に向かって水が流れるような勾配。

 

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では、最後にこちらのお庭の全容を。

お客様のライフスタイルやライフステージの変化に合わせ、お庭で好きな植物だけを楽しめるように、雑草対策に重点を置いて改修したお庭です。前庭というか、お玄関先なので、フォーマルであまり手入れをせずとも整うようデザインしました。

Before&Afterをご覧ください。

 

 

 

 

 

花壇に玉竜のグランドカバーをしたり、化粧砂利を真砂土舗装に変更して、地面がスッキリしたせいか、施工前に比べてかなり広くなったように感じます。

お客様とご相談し、和の雰囲気を強めた落ち着いた庭になりました。灯籠や景石は元々別の場所で埋もれていたのを据え直したもの。

ほとんどの木をそのまま生かしていますが、一部追加も。和の庭に合わせ日本の自生植物を主に植えました。でも例えば庭セキショウの中でも、イングリッシュガーデンにも見られる大型の品種シシリンチューム「ストリアタム」や、自分でも実際育ててみて良かったティアレラなどを植えて、ディアガーデンらしい捻りを加えています。

 

ディスプレイガーデンで育てているティアレラ。日陰でも咲くので重宝します。和洋どちらにも合います。

 

秋に植えると来シーズンまでにしっかり根も張っているだろうし、きっと見応えのある春になることでしょう。

 

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真砂土舗装は「土」の質感そのままなので、このような和の雰囲気にも合いますし、もちろん洋の雰囲気にも合います。雑木を植えた自然風のお庭などにもピッタリ。

雑草にお困りの方、是非ご検討ください。

 

 

坪庭作庭物語3-竹細工と照明

京都市山科区にあるパスタ&甘味「ゆる音家」さんでの作庭記を3回に分けて書いています。

先週9日から改修工事に着手、13日に無事お引渡しが済みました。しかし、まぁ。あの時の暑さったら!今週の涼しさからは想像できない猛暑日続きでした。たった1週間しか違わないのに、体感温度が違い過ぎて、随分と時間が経ったような気がします。

 

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さて、今日は最終回。竹細工と照明について、です。

初めに竹細工を。竹製品と書くべきか迷ったけれど、手仕事なのでやはり細工かなと思いまして。

このお庭用に、ディアガーデンの近くにある老舗竹材店「(有)竹松」さんにオーダーして、簾と縁先手水鉢用の柄杓セットを作っていただきました。自社で竹林を育て、伐採から製品製造、販売、現場施工まで一貫したサービスを提供されている今となっては稀有な会社様です。私のお願いする仕事は専ら小さなものばかり、でもニコニコと請けてピシーッと仕上げて下さるの。ホント頼りになる存在です。

簾は町家では必須アイテムと申しましょうか。夏の間だけでなく、プライバシーを保ったり建築の装飾として年中吊るされる場合もあります。ゆる音やさんは常設でとのご希望で、竹松さんに相談しましたら、蒲で織った「蒲芯」の簾を薦めてくださいました。

まずは、Before & After の画像を。

比べると見え方が一変したように感じますが、如何でしょう。

 

改修前の様子。客席に西日が入って眩しいということで簾を吊り下げておられました。古くなっていたので取り換えを提案しました。

 

改修後。室内から見る。新しく蒲芯の簾を吊ったところです。シャープですっきりとしたラインのお陰で、庭がより端正な雰囲気に見えます。

 

蒲芯の簾は、よくある葭の簾とは違って、空洞はなく中まで繊維が詰まっています。ゆえにとても丈夫で遮光性や断熱性に優れています。節がないので見た目にスッキリとしていますし、色も柔らかなベージュで品がいい。ぺらんとした感じではないので常設でも違和感はないです。

ただ、中が空洞ではないので、湿気には弱くカビが生えやすいというデメリットもあります。梅雨や台風などの時は巻いておくといいでしょう。

 

簾を場に合うようオーダーメイド。色目が柔らかいです。

 

日除けの役目を果たせるように、室内から確認しつつ何度も修正しながら吊りました。ジャストな位置はここ!

 

軒下には、垂木に竹竿を掛けられるようなものが既に打ち付けてありましたが、そこにそのまま吊ったのでは、上手く機能しないのです。

せっかくオーダーメイドで作ったのに、ちょっとした違いで眩しかったら悔しいじゃありませんか。なので、ちょうど西日が照り付ける時間帯に客席に座ってみて、もろもろ微調整しながら吊りました。

 

縁先手水鉢に作ってもらった手酌を置きました。ピッタリです。実際に使う訳ではないけれど、あった方が雰囲気出るよね~。

 

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次は照明について。

こちらのお店「ゆる音家」さん、営業時間は夜9時までです。お庭は元々、投光器を上手く利用してライトアップされていましたが、折角の改修工事のタイミングです。新たにライティング計画もご提案しました。

考えましたのは灯籠の存在。2基あるのですが、その火袋に灯さずしてどこに灯すんねん!ってね。前々から、いろんなお庭で火袋に灯さずに灯籠全体に照明を当てているのを見て、絶対おかしいと思っていたの。だって照明器具に照明を当てているんですもの、変ですよね。それで、灯籠を主役にするライティング計画を立てました。

ところが実際探してみると、火袋に入れられる照明器具はなかなか見つかりません。唯一手に入りそうだったのがタカショーさんの製品。それが低電圧12Vの商品だったので、他の照明もそれで統一することにしました。

火袋に入る小さな照明は、見えても一向に構わないデザインではありますが、やはり窓にシェードをかけた方がより雰囲気が良くなると思い作ることにしました。それで、当然職人さんにやってもらえるもんだと思っていると「それはマブチさんの仕事やろ」とあっさりと蹴られてしまいました。軽作業だからそれ位やりなって感じで。(´;ω;`)ウゥ・・・

「仕方がない。いっちょ頑張るか」と、材料を揃え持っていきました。枠の4隅の精度が自分では出せなかったので、お店の内装工事に来られていた大工さんに頼んで、木をスパッと切ってもらい(忙しいところ無理くり。優しい方で嫌な顔せずやって下さった。有難うございます)あとはちょこちょこ削って、何とか出来ました。

 

木枠を寸法通り作ったのはいいけれど、灯籠はそもそも石なので地が結構ボコボコ。合わせるために掘っているところ。

 

半透明のポリプロピレンを切ってタッカーで留めたら出来上がり。

 

火袋の窓に押し込こむ。上手くはまってくれた。格子も作れたら良かったけれどそこまで根気がなく。でも照明も点いたらいい感じ~。

 

トランスです。既存の外部コンセントが庭の近くにあり上手く設置できました。このトランスは照度センサー内臓なので、点灯や消灯の調整が出来る優れものです。

 

ライティングも微調整が必要です。日が暮れるのを待って照明の角度チェックをしました。

いかに照らすか、よりも、いかに美しい明暗を作るか?いかに綺麗な影を作るか?が意外と大事です。とはいえ、灯籠の場合、暗い所で灯るとちょっと怖い感じがするので、特にこちらのお店の大多数の客層である若い女性にはそう感じる気がして、ベースライトを明るめにしました。そして影は部分的に作って奥行も出したつもり。

下の画像は、まだ調整の途中に撮ったものですが、灯籠の灯りってこんな感じです。

 

灯籠が本来の役割を果たしています。LEDですが電球光でしかも時々揺れるよう作られているので蝋燭っぽいです。その他に全体をふんわり照らすためのベースライトを2基仕込んでいます。

 

3回にわたってお送りしました作庭物語。物語なだけに、結構ボリューミーな内容になってしまいました。こんなに長くて、まともに読んでくれている方はいるんだろうか???画像を見ていただくだけでも嬉しいです。

庭作りの裏側、こんなことを考えて作りましたって、お客様にも1から10までお話しないのですが。大体いつもこのような感じで、パートナーの造園屋さんはじめ、色々な方々のお力を借りて、私なりに思い入れたっぷりに作っています。

お庭が出来てからも、まずはメンテナンスの方法や照明器具の扱い方をお教えしたり。何か困ったことが起こりましたら駆けつける、ご相談に乗る、管理を丸ごと請け負うとか、親しくお付き合いが始まります。

庭は作庭4分守り6分といいます。要は今、私達はベースを整えたに過ぎません。これからが本当の庭作りなんです。

 

次回はブログではなく、Works(施工例)で、ブログ掲載した画像以外の、選りすぐりの画像をまとめて、お見せしようと思います。UP出来ましたらお知らせします。どうか引き続きご覧くださいませ。

 

 

坪庭作庭物語1-石組み

先週9日から作庭しておりました京都市山科区にある「ゆる音家」さんのお庭が完成しました。

ゆる音家さんは、風情ある町家でパスタや甘味がいただける女性に人気のお店です。内装を一部を直されるのに合わせて、坪庭の改修をご依頼くださいました。

オーナー様の掲載許可が下りましたので、今日からその作庭の様子を3回にわたってご紹介します。

作庭中は猛暑日続きで、職人さんにはご苦労を掛けましたが、とても丁寧な仕事をして下さったお陰で上手くまとまりました。そんなディアガーデンの庭作りをじっくりご覧いただこうと思います。よろしければお付き合いください。

  • 1回目:石組み
  • 2回目:植栽
  • 3回目:竹細工と照明

3回書き終えた頃に、ブログ掲載とは違う画像で施工例をUPしますので、そちらも是非ご覧くださいませ(^^

 

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さて、坪庭作庭物語1回目は、庭の骨格を作る石についてのあれこれ。

お庭は客席のある部屋に面する幅2.7m奥行4m程のミニマルな空間です。オーナー様のご希望は、石や灯籠・手水鉢などを出来るだけ生かして作り直して欲しいとのことでした。

そこで、手水鉢や灯籠はあるべきところに据え、更に日々のメンテナンスをやりやすくするために庭の中をスムーズに歩けるような石の使い方を提案しました。飛石や延段、霰こぼしなどは景色づくりにもなります。いわゆる用の美、ですね。

 

改修前の坪庭の様子。実生の木々がすくすくと育ち、手入れが追い付かない様子。手水鉢や灯籠もそれぞれ2つづつあり余白が少なめでした。

 

木塀に囲まれているので、資材の出し入れが大変でしたが、作業効率を優先し、除けられるものは全て一旦外に運び出すことに。

そしてある程度整理できたところで、奥の大き目の石から、順に据えていきます。

 

とにかく作業スペースがなく重機を入れるのも困難。2人でも動かせない大きさの石にはチェーンブロックが大活躍です。

 

主だった石はどのように使うか予め決めていましたが、それ以外は職人さんと相談しつつ、でもある程度はお任せでどんどん据えてもらいます。

これまで土留め石として使っていた石が沓脱石にぴったりだったり、何気なく置かれた石を役石に昇格させたり、使いようによってこんなにも違う表情を見せてくれるものかと驚きます。石を回してどこを見せるのか?次の石をどう添えるか?そういうことを考えるのが楽しいのです。

大変な作業ですがとてもワクワクします。

 

石組みを再構築。既存の石のほとんどを再利用して据え直しました。石の欠け(欠点)は植物でも補えます。後のことも考えて据えているの。出来上がると全てが染んでいい感じになりました。

 

据え直した沓脱石、前石、二番石。2番石は新しく入れた石です。犬走りは三和土風にし一二三石で飾りました。犬走りの端っこをまあるくして柔らかい感じにしています。

 

大きな石組みは力持ちの職人さんに頼り。でも小さな石を並べるのは「マブチさんの仕事な」と強引に振られます(^^;監修する立場とはいえ、私も何かしら手を動かさずにはいられない性分なので、そこは喜んで~。

小さな石というのは、三和土の模様の「一二三石」のことです。

一二三石とは、土間の表面に小石を一つ、二つ、三つとランダムに散りばめるもの。以前何かで見て(修学院離宮かな?)この可愛らしい模様は、女性のお客様の多いお店にピッタリじゃないかと思いご提案しましたら、オーナー様も賛成して下さって実現する運びとなりました。

土のスペースを少なくするご希望もあって広めに犬走りを打ち、それを三和土風にしてもらいました。本物の三和土は砂と石灰・にがりを混ぜたものを、何度かに分けて叩き固めますが、今回は工期が短いため効率よく作るために、パートナーの造園屋さんが白セメントに色粉を混ぜて作ることを提案してくださいました。前もって色々なパターンの配合で小さな試作品をご用意いただきまして、ここに一番合いそうな配合で打設しました。

三和土がほどよく固まりはじめたら、那智黒石を埋めていきます。修学院の場合は色石を並べているそうですが、私は黒一色にしました。並べ方はほとんど直観というか、手の赴くまま適当に。でも時々全体を見ながら、バランスを取って並べたつもり。とはいえ、一定の間隔はつまらないと感じたので、敢えて中央に寄せ気味で端は疎らに。セオリーはあるかもしれないけれど、まぁいいか。

小石を埋め込むとどうしてもそこが窪むので、表面の仕上げの刷毛引きがムラになってしまいます。乾いてから補修をかけると、思いがけず古美た風合いになりました。

 

大雨の時、庭に水が溜まらないよう暗渠排水工事中。黒いパイプは透水パイプで、近くのU字溝に排水するよう繋ぎます。モチノキの樹勢が凄いので、掘るついでに根の整理もして下さいました。

 

木塀の足元の処理とか、水はけを良くする仕掛けとか、見えない部分の処理も出来る限り施しました。立水栓を埋設してスッキリさせて、それも店内から見えないように景石で隠したり、とにかくいろんな仕舞いを細かくすると、庭の完成度が上がります。

あと、私の勝手な遊びで、ハート型の石を庭の中に仕込みました。

石を仕入れに行ったとき、何気に見つけてしまったのです。女性ウケ狙いで使うしかないでしょ(^m^* 実は私も以前、高台寺でハート型の石を見つけて何故かちょびっとテンション上がった経験があったのでね。

嬉しそうにハート形の石を抱えてきた私を見て、職人さんは呆れたような顔で「それ、ほんまに持って帰るん?」と何度もしつこく聞かれましたが「絶対に失くさんといてね!」とお願いして、特別梱包で持って帰ってもらいました。それで現場に入れる直前に「失くした~」とか言って脅かすんですよ。もぅー。

 

石を仕入れたときの様子。こんなに一杯ある石の中で、たまたまハート型で手頃な大きさの石を見つけてしまいました。

 

でもね、いくら何でもこれ見よがしな感じでは使いたくなくて、よく見たら「ひょっとしてハート?」と思う程度に、あくまで控えめに庭の雰囲気を壊さないよう埋めたのです。

お客様にはサプライズで(ダメだったらはずせるから)完成してからお伝えしましたら「可愛い♡いいですね!お店の宣伝に使おうかな」とおっしゃってくださいました。ムフ、遊び心あるお客様で良かった。

 

この画像の中にハート型の石があります。見つかりますよね??

 

仕上がった庭。全体の半分程が写っています。手水鉢は縁先に据え直し織部灯籠を寄せました。延段が諸事情で計画より短くなってしまったけれど。いろんな石が集まっていい味を出してくれるといいな。

 

ゆる音家さんの改装工事が全て完了されて、現在は通常営業されています。お近くにお越しの際は是非お運びください。

参考までにぐるなびのリンクも貼っておきまーす→コチラ

 

次回は植栽について書きます。

 

 

仁々木守山店様の造園工事

前回に引き続き、今週完工したばかりの和菓子店「仁々木守山店」様の造園改修工事について書きます。

先日は庭のポイントとなる景石について書きました。本日はBefore&Afterを中心にご紹介します。

 

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まずはBeforeから。

 

改修前。色々な木が植えられて生い茂っていました。育ち方に偏りがあり枯れかけた木も。

 

改装前の花壇。近づいて見ると、雑然とした印象は否めない。

 

改修工事は躯体はそのままで意匠を変えるというコンセプトで進められました。あとは、ほとんどお任せで設計させていただいたのですが、

  1. モミジは残したいのと、使える木は使ってほしい。
  2. 外から店内の様子が見えるようにしてほしい。

というご希望がありました。

それをふまえ、モミジで骨格作り、花壇の中ほどに空間を大きくとるデザインをお勧めしました。

モミジ以外では、アセビやユキヤナギ、ヒイラギが元気に育っていましたので、慎重に掘り取り、十分改良した土壌に移植。すると、これまで埋もれていたこれらの低木達が、見違えるように輝きました。

 

改装後の花壇。よく成長している植物だけを選び、そこに新たな植物や景石を足してデザイン。花壇中ほどに空間を設け店内がよく見えるようにスッキリまとめました。建物も和モダンでとっても素敵に。

 

店側から改装後の花壇を見る。元はコンクリートの部分に敷石と化粧砂利で庭のように演出。花壇と一体感を持たせた。

 

配置しなおしたことで、既存の植物の存在感がUP。お客様も「こんな植物ここにあったっけ?」とびっくりされる程。

 

低木以外では、季節ごとに咲く草花をたくさん植えました。和菓子店なので自然な雰囲気の山野草が中心です。ホタルブクロ、野州ハナゼキショウ、カワラナデシコなどに加え、地元滋賀県の伊吹山由来の伊吹ジャコウソウなるハーブも植えました。これは和製タイムと呼ばれ、とてもいい香りがします。

香りといえば、ギボウシでも香る花が咲く種類のものや、秋に香るフジバカマも植えています。実のなるもの、葉っぱのそよぐもの、などなど、これからどんどん成長し茂っていく予定です。

落ち着いた雰囲気にまとめつつも、訪れるたび新しい発見があるような。そんな植栽デザインなんですよ。

 

改装後。看板が付く予定の場所にシンボリックな花壇を新設。入口を目立たせる効果も出たと思います。

 

さて、こちらのお店、新装開店は本日4月13日(土曜日)です。

お近くにお越しの際は、是非一度お運びください。

 

 

花活けの仕事

先月、花壇を作らせてもらいました京都祇園「仁々木」さんに、引き続き、店内装花のご依頼をいただきました。初めは観葉植物をご提案しましたが、もっと自然なもの、季節感のあるものをという社長様のご意向で、お生花を活けることになりました。

花壇の詳細 →コチラ

普段、根っこの付いたものばかり扱っているディアガーデンが、花活けをするなんて?でも、自分でも意外な程あっさりと、庭のお仕事と同じように、このご依頼を受けていました。

 

・・・というのもひとつは、私自身、日常生活の中で毎日当たり前に花を活けているから、かもしれません。

花屋さんで買ってきた花材に、庭で育てているちょっと虫に喰われたような葉っぱや曲がった枝を加えて活けるのが得意です。庭と部屋がそこで繋がった感じがして気に入ってます。

来客がある時などは、地元には気の利いたお花がないから、仕方なく京都で探すことになります。月2回お稽古で行くので、その帰りにいろんな生花店を周りお洒落な花を調達しています。そんな経緯で、市内のどこにどんな材料を置いてあるかやお値段なども、漠然とですが把握していました。当然ながら、季節の植物は分かっていますしね。

また、花好きの延長で、これまで洗練されたお店やアーティストさんの素敵なアレンジをたくさん見てきました。それに、大昔の話になりますが「嵯峨御流」という流派で准華範(師範のひとつ上)までは一応取得していたので、和の活け込みの経験もあります。

全部ただ植物のことが好きで、見たりやっていたことで、それが花活けの仕事に役立つ日が来るとは思ってもいませんでした。専門にやられている方と同じようには出来ませんが、庭づくりの要領で、そこで育った姿を知っている私っぽい活け方でやれればとお請けした次第です。

お菓子づくり、特に和菓子は季節を大切にされます。また、前栽やお花はおもてなしの気持ちの表れですからこの仕事はとても重要。心を込めて当たらせていただきました。

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例によってまた前置きが長くなりました(^^;

メインの花活けは、入口から見て突き当たりの壁に。店内で一番目立つところです。大きな花器を据え、サンシュの枝と白玉椿をふんわりと投げ入れました。

サンシュはミズキ科の落葉小高木で、3月以降に鮮黄色の小花を木一面に咲かせます。素朴な花ですがとても可憐で、春の山を連想させてくれます。椿は蕾が玉のようで野趣ある薮椿の風情。大きなしべの色が黄色なので、サンシュに合うと思い選びました。白玉椿は茶花にも使われますし、和菓子店にあってもよいかと。

お客様が何気なく目を落とした先に花があってふんわり笑ってるといいな。お菓子を買う、そんな楽しい時間がより特別になりますように。

 

お店の一番目立つ所に大きな活け込みを置きました。看板に花を添えるようにサンシュと椿をざっくり投げ入れ。向かって右にベンチがありお客様が通るため、邪魔にならないようそちらの枝は控えています。

 

椿はたくさん挿しているように見えますが。大枝1本の他は2,3本挿しただけです。はじめから根締めにするつもりで、幅のある暴れた枝を選んで仕入れたもの。計算通りおさまってくれました。

 

口の大きく開いた水鉢。活けやすいように流木に苔を貼った小物を添えました。こういうのも全部自分で考えて作ります。

 

たぶん白玉椿?ころんとした蕾、どっしりとしたしべをふんわり包むように咲く筒咲きの品種。素朴な感じがいい。

 

大鉢の向って右側にあるベンチには和の寄せ植えを。ご要望が草盆栽っぽく、だったので苔を貼りました。土が見えないので清潔な感じになります。

このベンチは、お菓子を包んでいるあいだ腰かけてお待ちいただく、そんなスペースだそうです。ここで食べてもいいそうで、そんな時少しでもおもてなしできたらと、花を添えたいとのことでした。素敵ですね。

小さくまとめながらも、生き生きと枝先葉先が踊っている感じにしたつもり。待っている間、お菓子を食べている間、しばらく眺めていられるように何種類か寄せています。結構安定感あるので、ちょっと当たったくらいでは倒れることはありません。

 

草盆栽。これも春を感じさせる小手鞠をメインに寄せ植えしてみました。

 

足元に苔をこんもり大らかに貼って。意識してまあるい感じに作ってます。

 

入口脇、揚げ菓子の傍にはトクサの緑を配しました。常緑で手入れの簡単な植物です。入り口の近くですが、他より控えめな印象の場所となっており、そのためあえて抑え気味にしています。その方がメインを引き立てそうな気がして。

 

木賊は庭でよく使う植物です。乾燥に強くとても丈夫。すっと立ってくれるので邪魔にならないところがいい。

 

器は3つとも滋賀県産の「信楽焼き」です。

和の空間に合うものの中からシンプルでモダンな鉢をご提案しました。色目はお選びいただきましたが、壁の色とよく合っているなと思います。花活けの器としてだけでなく、鉢カバーとして、また水鉢としても使えるようになっているので、色々なアレンジが楽しめるお得なデザイン。

ディアガーデンでは、鉢は和洋問わず、大きさ問わず、色々取り扱っておりますので、場に合わせてご紹介できます。よろしければご相談ください。

 

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そうそう、昨日(7日)のお昼頃、日本テレビの「ヒルナンデス!」で、仁々木さんが紹介されたそうです。ご覧になった方おられますか?

萌え断(きゅんとする断面)グルメツアー特集で取り上げられたこちらのフルーツ大福、私も何度かいただきましたが、ジューシーでふわふわで食べ応えあって大満足の美味さ!しかも種類がいっぱい。オススメです。ウェブサイトからお取り寄せできますよ~。

 

不用な枝は切り落としますが、まだこれから咲きそうな部分はゴミとして捨てるには可哀想。こうして活け直して愛でてます。器はアンティークの火鉢です。

 

私も仕事で伺うたびに違う種類のお菓子を買って、その日の夕食後に夫と楽しんでいます(^m^*

 

 

仁々木祇園本店さんの植栽工事

2019年最初の施工は、久しぶりに職人さん抜きの独り仕事。軽バンに材料をてんこ盛りに積んで、向かった先は京都の祇園、八坂神社のすぐ近くで、路地をちょっと入ったところにある菓子店「仁々木」さんです。

仁々木さんは、和菓子以外にも、とろっとろの「祇園ぷりん」や種類豊富な「フルーツ大福」でも有名。関西のみならずSAや関東にも多数店舗展開されています。

祇園にあるのは本店で、今回店舗をリニューアルされました。設計は宮村太設計工房様です。建築家で工房を主宰されている宮村様にお声掛けいただき、店舗前の花壇の植え込みを仕上げる役目に預かりました。

 

仁々木さんの祇園本店。リニューアルされた玄関です。シンプル和モダンな雰囲気で清潔感があって、とても素敵。暖簾にある「むしやしない」とは、ちょっとした食事や甘味で小腹を満たすこと、だそうです。

 

建物の改装工事が終わっていよいよ植栽工事のスタートです。路地に面しているので、観光客や車も頻繁に通る中、出来るだけ迷惑にならないように作業をすすめました。

 

作業は宮村様の監督の元すすめてまいります。でも周りから見ると、監督と職人じゃなく、職人2人に見えていたと思います(^^; 植え込み作業はもちろん、重い物を運んで下さったり・・・一緒に汗を流してくださいました。冬だけど、着込んでいるせいか?動いていると本当に暑くなってくるの。

こうやって、一緒にやりながらワイワイ作る現場は、適度な緊張感もあって本当に楽しいです。工夫や、そこもうちょっとこだわりたいって意見も素直に出て、どんどん良くなっていきますし、作り手の前向きな気持ちは、植物にも伝わりますから、和やかな雰囲気は本当に大事だと思っています。

そういう雰囲気を作って下さって感謝です。

 

植え込みの枠はモダンなスチール製。奥行のない花壇なのでこの素材を選ばれたとか。なるほど!です。中には水道メーターなどのBOXが2つもあります。これを上手く隠しつつ緑あふれるスペースにします。

 

植栽デザインは、ほとんど建築家さんのご意向をそのままカタチにしたもので、私は素材調達や、植え込みの際にディティールとかバランスを整える役目に徹しました。小さな花壇なので仕事は早い。4時間程で完成です。

 

自分が職人になると、作業中の写真がタイミングよく撮れません・・・。

なのでいきなり完成写真、ドン!

 

植え込み完了。なぐり仕上げの壁に緑がはんなり寄り添います。

 

Before&Afterを見比べていただくと嬉しいです。

緑が入ると雰囲気がだいぶ変わると思いませんか?建物が柔らかく見えるし、動きが出るので生き生きとします。元の土だけだった時と比べると、植物を植えた方が広く見えるような気もするから不思議です。

小さなスペースでもこんなに表情豊かになるんですね。

 

高木:ハイノキ、低木:シャリンバイ・コバノズイナ、下草:ヤブコウジ・クリスマスローズ・セキショウ・ツワブキ・スナゴケ。

 

常緑の植物の間を苔で埋めたので、年中青々と清々しい花壇です。季節が巡ると小さな花も咲きますし、雨の日は石や苔が生き生きとするでしょう。

水道メーターには竹の蓋を被せ、飛ばないように関守石を重石として載せています。水繋がりで井戸蓋に見立てた、って建築家さんがおっしゃっていましたが、一見飾りにしか見えないので、この下にまさか水道メーターが隠れているとは思いませんよね~。簡単に外せて検針の際にもスムーズです。

この竹の蓋と石は、前もって、ここに合う大きさでこしらえておきました。(以前のブログで解説しています。竹の蓋について→コチラ関守石について→コチラ)現場に置いてみると、本当にピッタリだったので、ほっとしました~(^^*

 

小さな景石も据えて。庵治石と赤いのが富士溶岩石です。クリスマスローズの花が赤だし、いろんな植物にちょっとづつ赤が入っているので合うと思う。ほんと、ちっちゃい石だけど。

 

ショウウィンドウの枠と花壇枠が同じ素材で作られています。かっこいいです。錆びることも味となるそうで経年変化が楽しみです。ハイノキは大胆に枝を抜いてすっきりさせました。こうして建物の意匠に少し緑が絡むことで一体感が増すように思います。

 

木を多用された上品な外観。栗なぐりの壁は、日差しの加減で微妙に影を変えるので、とても味わい深く見ていて飽きません。そんな美しい背景に、植物や石、鉄といった素材が主張しすぎることもなく、あくまで自然な感じで寄り添っている感じがねー、何とも絶妙で素晴らしい!

って、半分自画自賛ですけれど。本当にそう思います。

お近くにお立ち寄りの際はご覧いただき、美味しいお菓子も是非~♡

 

(この他の画像はWorksに掲載する予定です。またお知らせします)

 

 

和の庭小物を作りました-井筒蓋編

仕事始めから数日も経つと、新年のムードはどこへやら。もういつもと変わらぬ調子で、いや、いつもに増して?精力的に動いてます。沢山お休みをいただいたし、気力十分です(^^b

さて、2019年最初の現場は京都・祇園の和菓子屋さん。舞妓さんや芸妓さんの置屋が軒を連ねる街中にあります。

その店舗の改装設計を担当された建築家さんに付いて、緑を添える役目にあずかりました。正面に新しく出来た小さな花壇に、何種類かの植物を植え、移動できない水道メーター類を隠すための仕掛けとして、井筒のミニ版を作ります。

井筒とは字の通り井戸の囲みのこと。石やコンクリートで出来ていて、上に竹を棕櫚縄で編んだ蓋を被せてあるのが一般的です。井筒は、庭の添景物(オブジェ)として用いられる場合も多く、井戸がなくてもこれを置けばあたかも井戸があるかのようで、結構な存在感になるのよね。

というわけで、この現場でも、水道メーターを隠すという目的の他に、添景となるように据えるのです。

 

井筒と蓋。井筒は四角いものと丸いものがあります。蓋は竹で作る場合がほとんどです。こちらは本当に井戸があるのか?庭のオブジェとしてデザインされたものか?どちらでしょうね。

 

そんな井筒蓋の件で、知り合いの竹屋さんへ行ってきました。庭の竹垣はもちろん、内装で壁に張るときや、ちょっとした小物、簾なんかも作っていただける老舗竹材店。竹のことなら何でも相談できる頼もしいパートナーです。

井筒というと普通は小さくても600mm角程はあって、その上にかける蓋も同じくらい。今回の現場はそれでも大きすぎるので、300×500mm程のmini版を特注で作ってもらいました。

 

青竹に棕櫚縄の色が映えてます。清々しいです。

 

 

可愛い竹の蓋が出来上がりました♡

庭で使う竹製品は、このように青竹で作ります。さらし竹(ベージュぽい竹)は内装や竹細工などには合いますが、外で使うとすぐカビが生えて、腐るのが早いのです。青竹は、油分も多いので、幾分腐りにくく、外で使うのに合っています。

といっても自然素材なので、いつかは朽ちます。竹がお好きな方は、新年や何かのお祝事に合わせて、こまめに作り変え、その清々しさを味わうのです。色褪せてもいつまでも居るプラスチック製品と違うのは、そういう粋な使い方が出来るところ。

例えば、蹲踞に添える手酌や、筧、駒寄せ(犬矢来)なども、そんな風に時々新しくするものです。

 

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蓋のおもし兼飾りとなる物も作りました。そのことは、そのうちブログに書きますね。

 

 

2018年私的総括

2018年の仕事納めをして、細々とした迎春の準備をしつつ、行く年に思いをはせています。

今年もいつもお世話になっている顧客の方々のお仕事ベースに、新規のお客様や久しぶりにご連絡いただいた方とも、色々な庭づくりを経験できました。皆様には感謝の気持ちでいっぱいです。

 

県外のお仕事。更地の段階でご依頼をいただき、打合せや工事の立ち会いに何度も通い、今春完成したとっても大きなお庭です。庭の管理にも一部関わらせていただいるので、いつも気がかりな存在。

 

上のお庭、設計段階で模型も作りましたっけ。

 

また今年西日本では、地震や、大雨による土砂崩れ、台風と大きな災害が続きました。被災者の方々には一日も早い日常をとお祈り申し上げます。

災害の少ない滋賀県ですが、台風21号の被害は甚大で、いまだ一部修復工事が続いています。ディアガーデンにも修理のご依頼があり、貴重な経験をさせていただきました。

こんなことは二度と起こって欲しくはないけれど、今度もし何かあっても、適格に対応できると思います。

 

ディスプレイガーデン今年の夏の様子。葉っぱのフォルムで見せる植栽、丈夫な品種のみで魅せる植栽、新宿根主義の庭への実験です。夏はなかなか涼しげに見えました。

 

春には、ディスプレイガーデンで、ローメンテナンスな新・宿根主義の植栽の実験をしました。この植栽の雰囲気は、なかなか素敵でした。

植物が自立してくれると大成功だったのですが、半分くらいは支えがないと倒れてしまったのが残念。来年は配置換えをしたり、植物を選び直したりして、ブラッシュアップしたいと思います。

 

市内にある教林坊というお寺で香道体験。香りで癒されて、知的なお話も聞けます。

 

プライベートでは、日本の伝統文化に益々傾倒。習字のお教室は3年目。そして香道を体験もしました。日本人だから、やっぱりとてもしっくりくるので、この傾向は来年も続きそうな気がします。

 

さて、来年の庭づくりは、どのようになりますでしょうか。今年の経験を生かせそうな事案に心を躍らせています。